米国 ワシントン

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米税制改革(減税)

トランプ氏は大統領選で米国の法人税を35%から15%に下げることを公約していました。

しかし、もともと米共和党の減税案での法人税率は20%でした。

そのため、新政権発足後、両者の折衝が続き、最終的には大統領が妥協します。

17年9月27日には20%の減税案が出され、11月16日に米下院は減税法案を可決。

12月2日に上院は法案に修正を加えた後、20%の減税を含む税制改革法案を賛成51/反対49で可決しました。

その後、共和党の上院と下院は内容の異なる法案を調整し、法人税は21%所得税の最高税率は37%とする案で決着しました

一本化された法案は12月22日にトランプ大統領の署名を経て、レーガン政権以来の大規模減税(10年間で1.5兆ドル=約170兆円)が2018年に実現しました。

これは久しぶりの大規模減税です。

ただ、当初は5兆ドル規模を目指していた大減税プランが、議会で法案を通すために、三分の一以下になっています。

やや残念ではありますが、これが政治というものの難しさなのでしょう。

※トランプ大統領が18年6月に追加減税案を提唱。

トランプ氏は10月を目途に追加減税案を打ち出すと述べた。21%の法人税を20%にし、さらに個人減税を拡充。8年間の時限措置とされた個人減税の恒久化を図る意向。この考えは7月1日に放送の「FOXビジネス」のインタビュー時に明かされている。

トランプ減税で米国法人税はOECD平均水準に

17年までは米国法人税は35%と報じられていました(企業負担を勘案した実質的な数字〔=法人実効税率〕は40%と見積もられていた)。

2018年に発表された大統領経済報告書でも、他のOECD諸国の税率の平均値と比べた時に、際立って高いと強調されています。

関連記事:米国大統領経済報告(2018年版)の要点

トランプ政権の大規模減税で「自由の国」を謳う米国が高税率国家だという、おかしな時代が終わるのです。

議会での攻防戦で規模は縮小しましたが、米国発の「減税革命」は世界経済にも大きなインパクトを与えるでしょう。

この記事では、その概要を整理してみます。

トランプ氏の減税案とは?

まず、法人税15%案を発表(4/27)

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トランプ大統領は2017年4月に選挙中の公約に基づいた減税案を公表しました(以下、日経電子版「米、法人税率15%に下げ トランプ政権が税制改革案」2017/4/27)。

  • 個人税制は最高税率を39.6%から35%に。7段階の税率を10%、25%、35%の3段階に簡素化。
  • 基礎控除も2倍に引き上げて低中所得層の減税幅を広げる。
  • 相続税(遺産税)は廃止
  • 株式などへの譲渡益に課税する「キャピタルゲイン税」は税率を23.8%から20%に(オバマケアの財源に充てられた3.8%分をカット)
  • 輸出を免税し、輸入を課税し、産業の国内回帰と製造業の海外移転を防ぐ「国境調整税」は「複雑すぎる」ことや「輸入企業の負担増」という理由で盛り込まれなかった。
  • 国境調整では、法人税を計算する際に、外国からの製品や部材の仕入れにかかる費用を所得から差引くことを認めず、輸入課税を増やす。また、米国外の輸出を無税とし、輸出拡大と生産増をはかる。

この構想では、米国企業が海外に持つ2.6兆ドル以上の利益にかかる税金を10%にします。

現在の制度では、米国は企業利益に対して、国内・海外を問わず35%の法人税を課していますが、海外で得た利益を米国本国に還流させる際にかかる税率を10%に引き下げるわけです。減税を用いて米国に利益を還流させるインセンティブを設け、これをインフラ支出の財源に充てることを考えています。

マルバニー米行政予算局長は「かつては3%成長が当たり前だった」と述べましたが、トランプ政権は、減税構想を含めた予算案を通して、80年代、90年代の米国の繁栄を取り戻そうとしているわけです。

CNNの記事(2017.4.25)では、米シンクタンクの税政策センター(TPC)が試算(2016年11月)した税収減の規模が紹介されています。

法人税を15%にし、高額所得者の節税対策を制限する代替ミニマム税を廃止した場合、総税収が10年で2.4兆ドルほど減る。1年あたり2400億ドルの減収。この上にパススルー事業への減税を行った場合の減収の規模は4兆円規模となる(「トランプ氏、法人税を15%に引き下げへ 党内にも懸念の声」)。

ムニューシン財務長官は減収は経済成長で賄えると強調しましたが、米国でも、この種の主張には抵抗が強いようです

(※結局、産業の国内回帰(と製造業の海外移転防止)を求める「国境調整税」に関しては、複雑すぎ、輸入企業の負担が増えるために盛り込まれなかった。国境調整では、法人税を計算する際に、外国からの製品や部材の仕入れにかかる費用を所得から差引くことを認めず、輸入課税を増やす。また、米国からの輸出を無税とし、輸出拡大と生産増をはかる)

共和党と調整後、法人税20%案を発表(9/27)

その後、トランプ大統領は9月27日に中部インディアナ州の演説で、法人税率20%案で共和党と足並みを合わせました(日経電子版「米大統領「歴史的な減税」法人税下げ20%案を発表」9/28)。

  • 「米国法人税率を主要工業国の平均よりも低くする」
  • 企業の税負担を軽くして国内の設備投資や雇用拡大を促し「何年もみなかった賃上げがやってくる」と述べ、大型減税の成長底上げ効果を強調。
  • 子育て世帯の税控除を拡大し、「中間層に最大の恩恵が及ぶ」ようにする

そのほか、トランプ氏の減税案で注目されているのは「パススルー事業」に対する課税方式の変更です。

パススルーというのは、投資ファンドなどが得たキャピタルゲインや配当等の利益に関して、ファンド段階では課税されることなく、課税前ベースで出資者へ分配できる事業形態です。

ここで投資ファンドに課税すると、課税後の利益が出資者に分けられ、その分配金に所得税が課税され、二重課税となります。

その結果、投資効率が大幅に下がるので、それを防ぐために「パススルー課税」という二重課税を避ける仕組みが適用されるのです。

(※トランプ氏は、この事業形態に対して、税率を現行39.6%から15%に下げるつもりだった)

共和党上院・下院の減税案

共和党でも上院と下院で微妙に減税案のプランが違います。

共和党上院と下院の減税法案、何が違うのか

日経朝刊(2017/11/18)では、上院と下院の案の違いが比較されています。

  • 法人税率はどちらも20%案
  • 上下院とも海外所得が米国に還流する際にかかる35%の税金を廃止
  • 減税開始時期:下院案は18年/上院案は19年
  • 個人所得税(と最高税率):下院案は4段階化(MAX39.6%)/上院案は7段階化(MAX38.5%)
  • 議会予算局によれば、いずれの案でも歳入は1.7兆ドルの減収

(※シンクタンクの「タックス・ファンデーション」は10年間のGDP押上げ効果を下院案で3.9%。上院案で3.7%と見込む)

最終的に成立した減税法案の骨子

その後、12月15日には、共和党指導部が両院の法案を以下の内容に調整することで合意しました。

【企業課税(国内):減税規模は10年間で6538億ドル】

  • 2018年に35%から21%に引き下げ
  • 海外子会社からの配当課税を廃止

【企業課税(国際):減税規模は10年間で3244億ドル】

  • 多国籍企業のグループ取引への一部課税
  • 企業がためた海外資金に一度限りで課税(8~15.5%)

【個人税制:減税規模は10年間で1兆1266億ドル】

  • 税区分は7段階のまま最高税率を引き下げ(10%から37%の範囲)
  • 概算控除の2倍増。子育て世代への減税を拡充。
  • 州・地方税控除と住宅ローン利子控除の修正
  • 遺産税を減税。オバマケアを一部廃止。
  • 個人減税の大半は2025年までの時限措置とされる

レーガン以来、約30年ぶりの大規模な減税法案が成立することになりました。

ただ、個人減税は時限措置なので、トランプ氏はこれを恒久化する道筋を探っています。

世界各国の法人税を比較してみる

恐らく、この減税にいちばん戦々恐々としているのは法人税減税に抵抗してきた日本の財務省なのかもしれません。

現在、日本の法人税の実効税率は約30%程度ですが、各国税率は以下の数字になっています。

  • 米国:40.75%⇒21%(18年~)
  • フランス:33.33%⇒25%(25年実施予定
  • ドイツ:29.72%
  • 日本:29.97%
  • 中国:25%
  • 韓国:24.2%
  • イギリス:19%⇒17%(20年~
  • シンガポール:17%

EU離脱を選択後、その影響を緩和する策の一つとして、英国は法人税を2020年に17%へと下げる方針です(アイルランドも企業誘致のために12.5%の低税率を維持)。

こうしてみると、米国と英国が低税率に舵を切り、フランスのマクロン政権が2025年までに法人税を25%へと段階的に下げていった場合、日本とドイツは高税率のまま取り残されてしまいます。

日本でも法人税を29.74%に下げたり、賃上げや設備投資を行った企業に減税措置を認める方針ですが、この種の対処療法で世界の減税の潮流にどこまで対応できるのでしょうか。

関連記事:法人税の実効税率比較(2017年版)日本VS主要国

法人税減税が難しい日本とドイツ

現実問題として、どの程度、減税を実施できるかは、総税収の中で法人税が占める割合とも関係があります。

諸外国の法人税改革と日本への示唆」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)によれば、各国の総税収のうち法人税が占める割合は以下の通りです。

  • 日本:21.4%(地方政府の税収の2割が法人税)
  • ドイツ:7.9%(地方政府の税収の3割が法人税)
  • アメリカ:13.1%
  • イタリア:9.3%
  • オランダ:8.8%
  • ドイツ:7.9%
  • スウェーデン:7%

日本は法人税減税がしにくい国の一つになっています。

地方政府の影響力が強く、財政規律が厳しいドイツも法人税減税が困難です。

米英の選択によって、法人税減税による企業誘致と国際競争力強化の競争が始まった場合、あおりを受けるのは日独両国でしょう。

「財政を維持するためには、そんな無謀な減税はできない」という見方もありますが、企業から見れば法人税は低いにこしたことはありません。

世界最大のGDPを誇る米国が法人税減税に踏み込んだ場合、英国以外にも追随する国が出てくる可能性があるので、その動きは無視できなくなるでしょう。

産経bizの記事(2014.8.15)では、同社が主要121社に行ったアンケートでは望ましい法人実効税率の水準について、8割が20%台と答えています。

50%程度の企業が「25〜29%が望ましい」とし、25%の企業が「20%前半が望ましい」と答えていますが(法人税の実効税率「20%台」8割 主要121社アンケート)、これはオバマ政権下の日米の税率を前提としているので、トランプ政権が減税を実現させた場合は、企業の見方も変わってくるはずです。

トランプ減税で米銀行は活性化?

トランプ政権の減税政策に期待し、ブルームバーグの記事(2017/2/16)でも、このトピックが取り上げられていました。

ウェルスファーゴ、JPモルガン、シティグループ、バンクオブアメリカ、モルガンスタンレー、ゴールドドマンサックスの六大銀行の通期利益が法人税減税(35%⇒15%)で平均14%増加する可能性があると述べています。

「金融機関は通常、税控除が他業界に比べて少なく、減税の恩恵を受けやすい」からです(「トランプ減税、米6大銀利益を計1.4兆円押し上げも-ウェルズF最大」2/16)

  • ブルームバーグの集計データによると、今回の法人税減税により6行合計で年間120億ドル(約1兆3700億円)が減免される
  • 大手銀行は2015年までの3年間で連邦税の実効税率を平均28%課せられており、大企業の平均14%の2倍だ。
  • 「低い税率は銀行にとって追い風で、影響は他の業界よりも大きい。銀行は産業界や小売業界のような控除を受ける機会が少なく、高い実効税率を課せられているからだ」(キーフ・ブルイエット・アンド・ウッズの世界調査ディレクター、フレッド・キャノン氏)
  • ウェルズ・ファーゴでは、税率が15%で現在の控除がなかったとしたら、15年に支払った税金は38億ドル少なくて済んだ。同銀は収益の大半を35%の税率が課せられる米国内で稼いでいるため、最も大きな恩恵を受け、収益は実際より16%高くなる。
  • JPモルガン・チェースは30億ドルを減免され、純利益は14%高くなる

銀行経営が上向けば、各産業への融資も積極的になるはずなので、この利益押し上げの影響は銀行業界から他業界へと波及する可能性もあります。

関連記事:米国株〔金融・保険〕

減税後の大手企業の動き

減税後の米国企業の動きに関しては日経新聞(2018/1/19:朝刊1面)でも以下の事例が紹介されていました。

  • アップル:新規雇用2万人/今後5年で米国に300億ドルの投資を行う
  • ウォルマート:最低時給を10ドル⇒11ドルへ
  • ウェルスファーゴ:最低時給を13.5ドル⇒15ドルへ
  • バンクオブアメリカ:15万人に1000ドルのボーナスを支給
  • ボーイング:従業員還元と慈善事業に3億ドルを用いる
  • コムキャスト:10万人以上に1000ドルのボーナス。5年間で500億ドルをインフラに投資
  • AT&T:20万人に1000ドルのボーナスを支給

10万円ぐらいのボーナスがあれば、減税の恩恵をみなが実感できそうです。

共和党のライアン議長は「160以上の米企業が賃上げやボーナス、米国内投資などを行った」とも述べていました。

減税実現の過程~米国政治の仕組みとは

この減税案の実現をめぐっては、トランプ氏だけでなく、議会の攻防戦が注目されました。

ここで、米国政治の仕組みを踏まえて、そのバトルの行方について考えてみます。

三権分立なので、トランプ政権での政策実現には、大統領府が直接やってしまうケースと議会を通して実現するケースがあります。

その過程はどういうものなのでしょうか。

大統領と議会の関係

  • 米国は三権分立の国。政策の全てが大統領権限で実現できない。不法移民規制を強化する大統領令を出ても裁判所が抵抗できる。
  • 立法や予算を要する政策(インフラ投資1兆円や減税政策)は議会決議が必要。大統領が議会で演説し、予算教書を送っても議員が動かなければ決まらない政策が多い。
  • 規制改革には大統領令で可能なケースと、根拠法を改革もしくは廃止しないと不可能なケースがある。後者の場合は議会を通さなければいけない。
  • 例えば、オバマ政権で未成立だったTPP脱退は大統領令だけで実行可能。だが、92年に議会で承認され、成立したNAFTAの再交渉は議会の議決が必要。

「憲法上、連邦議会には関税を課し、対外通商を規制する権限が与えられている一方で、大統領には対外交渉を担う権限がある。対外交渉を大統領がまとめてきても、貿易協定の実施法という形で連邦議会が立法措置を講じないことには国際合意の効力が発生し得ない」(出所:アメリカ大統領権限分析プロジェクト:通商交渉に見るアメリカ大統領権限 | 現代アメリカ | 東京財団」)

トランプ氏と共和党 政策の比較

トランプ氏は就任後、核武装や対露制裁緩和でトーンダウン。同盟重視路線になり、従来の共和党政策に近づきました。

経済政策では共和党主流派とトランプ氏は減税政策と規制緩和で一致したものの、貿易政策には大きな違いがあります。

以下、トランプ氏と共和党とで一致する政策です。

  • 法人税減税(35%⇒15%案がトランプ氏。20%案が共和党)
  • 所得税を七段階(10%~39.6%)から三段階にする(トランプ案:12%、25%、33%/共和党案:12%、25%、35%)
  • 中国への為替操作指定は共通
  • 石炭、石油、天然ガスの等のエネルギー生産の拡大
  • キーストーンパイプラインの建設
  • ドッド・フランク法の改革やオバマケアへの反対(トランプ氏のほうが強硬な廃止路線)

インフラ投資に関しては、共和党内でも、積極財政に肯定的な議員と、財政均衡を重視する議員がいます。

トランプ氏と共和党とで差が大きいのは貿易政策です。

トランプ氏の保護貿易路線と共和党の伝統的な自由貿易路線とは矛盾します。

NAFTA再交渉に関しては、前掲の仕組みのため、最終的にトランプ氏は議会の承認を得る必要があります。

相続税廃止はトランプ氏のみ。対中貿易や反オバマケアは共和党よりもトランプ氏のほうが強硬路線です。

今までの株価上昇の背景⇒大統領と議会多数派が共和党

今まで株価が上がってきたのは、共和党議員が多数を占めたので、トランプ政策の実現性が高いと見られてきたからです。

議会の現状は以下の通りです。

  • 下院:共和党241議席/民主党194議席 ※ライアン議長(共和党)
  • 上院:共和党51議席/民主党47議席+無所属2議席 ※ペンス議長(共和党・副大統領)

そして、歴史的には大統領と議会の多数派の政党が一致した時期に大規模減税が成立してきました。

  • 例1:ブッシュ減税(2001年/2003年)⇒共和党が上下両院で多数派
  • 例2:ケネディ減税(1964)⇒民主党が上下両院で多数派(ケネディ暗殺後の次期政権で成立)

しかし、トランプ氏と共和党間での落差が埋まらず、政策が実現しないと見られれば、政権の信任が失われ、株価下落の流れが本格化しかねません。

トランプ氏と共和党主流派の経済政策:共通点と相違点

アメリカの予算を考えるうえで重要なのは、その編成が議会でなされるということです。

日本だと「各省概算要求⇒財務省が総括・各省と折衝⇒内閣で閣議決定⇒議会で審議」という流れになりますが、アメリカでは大統領が叩き台になる予算教書を送り、大統領の所属政党(今なら共和党)が議会でその意向を組んで予算編成を主導していきます。

予算編成の中心が議会にあるという意味では、アメリカの財政は日本よりも「民主的」です。

そのため、議会の有力者の見解も無視できません。

これに関しては、プレジデントが全米税制改革協議会会長のグローバー・ノーキスト氏へのへのインタビューを行い、「米政界のドン独占インタビュー『トランプ政権の柱は減税と規制緩和』(2017.2.13)と題した記事を公開しています。

──全米税制改革協議会(Americans for Tax Reform)とは、保守派の実質的な司令塔として強い指導力を持ち、大統領選挙戦でトランプを支持してきた米国最大級の政治団体である。同協議会の会長であるグローバー・ノーキスト氏は、共和党の意思決定に強力な影響力を行使するドンだ。

ノーキスト氏は水圧破砕法によるシェールガス採掘規制やドット・フランク法の改革などに言及し、前政権下の規制と課税、オバマケアの重荷がなくなっていくことを強調。今の株価上昇の背景を、以下のように説明しました。

株価が上昇しているもっとも重要な要因は、アメリカ経済に課せられる予定だったさらなる増税や規制がなければ「何が起きないか」を市場が知っていたからだ。

要するに、政府が余計なことをしなければ経済はもっとよくなるのだ、と言っているわけです。

トランプの閣僚人事を評価し、共和党主流派の政策とトランプ氏の政策は減税政策と規制緩和で一致しており、貿易政策では違いがあると指摘しています。トランプ氏は法人税を35%から15%に下げると公約し、共和党下院案は20%引き下げを提案したことを踏まえながら、今後の規制緩和に期待できることを力説しました。

  • 液化天然ガス・鉱物資源・新たなパイプライン建設等の許可プロセスを加速化すれば、州政府が保有する土地や私有地では、新技術による地中深くの石油や天然ガス抽出が促進される。
  • トランプが連邦政府の所有地におけるさらなる天然ガス事業の発展を許可した場合、アメリカのエネルギー生産は急激に増加する
  • (規制緩和による)ヘルスケアエコノミーにおける連邦政府の干渉の急激な減少により、アメリカ食品医薬品局における認可手続きなどのスピードアップが実行される。
  • 銀行業に多大かつまったく役に立たない規制を廃することでドッド・フランク法が可決される前の段階に立ち戻り、資本が自由に動きやすい環境を再構築できる。

トランプ氏の保護貿易路線と共和党の自由貿易路線は違いますが、同氏はこれに関しては楽観的です。

法人税と所得税が引き下げられることは、アメリカ経済を成長させるもっとも大きな助けになるだろう。経済政策が実行されていくプロセスのなかで、トランプも関税などの保護主義的な政策は目的達成のためにそれほど重要ではないと気が付くはずだ

しかし、18年に入り、トランプ政権は鉄鋼とアルミに輸入関税をかけ、中国だけでなく日本や欧州各国までをも視野に入れ、自動車関税を導入しようとしています。

今後は、ノーキスト氏の見方の通りにはいかなさそうです。

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