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教育無償化のメリット・デメリット

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2017年の都議選と衆院選では各党が「教育無償化」を掲げ、その内容を競いました。

日本の教育費の平均は1000万円程度とも言われているので、これは家計にかかわる大問題です。

(参考:「教育費、高3夏までに500万円ためて 出産後から準備|日経スタイル」は幼稚園~高校までの学習費総額を523万円。国公大の受験費用や授業料等の総額を約485万円。両者を足すと1008万円と試算。全て私立の場合は大学が文系で2465万円、理系で2650万円と試算)

そのため、今回はそのメリットとデメリットについて考えてみます。

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都議選(2017)で私立高校の学費の「無償化」が打ち出される

都議選で、自民党は「私立小・中学校の無償化」を提唱。

小池都政は2017年1月に年収760万円以下の家計を対象に私立高校の実質無償化を打ち出しました。都民ファーストの会と公明党は、都議選でこれを910万円未満にまで広げることを公約しました。

共産党と民進党も教育無償化を提唱し、公明党と共に議会での「自党の功績」として宣伝。これに対して公明党が共産党を「実績横取りだ」と批判しました。

衆院選(2017)で子育て問題が争点に(無償化の範囲拡大)

安倍首相は9月25日の記者会見で消費税10%への増税とその用途変更を衆院選の争点にすると訴えました。

低所得者家庭への高等教育の無償化、授業料の減免措置拡充、給付型奨学金の支給額を大幅増、幼児教育の無償化をするために、消費税を10%に上げたいと述べたのです。

介護人材の確保等も含めて「全世代型社会保障」を標榜。

2%の引上げで5兆円強の税収を見こみました。

この1/5を社会保障に用い、4/5を借金返済に充ててましたが、その使い道を少子化対策に移すわけです。

衆院選で、各党は以下の政策を掲げました。

※関連記事【消費税】自民党と立憲民主党、希望の党の主張を比較

  • 自民党:消費税を10%に上げ、増収分を幼児教育無償化や給付額奨学金、介護の充実等にあてる。子育て世代に投資する。
  • 公明党:自民党案に「年収590万円未満の世帯で私立高校授業料を実質無償化」を追加
  • 希望の党:幼児保育・教育の無償化、大学の給付型奨学金を大幅拡充。消費税増税に反対。
  • 日本維新の会:高校まで私学を含めて実質無償化。国公立校が無償なのは憲法に書かれているため。昔の子ども手当は政権が終われば消滅。恒常化のために改正が必要。
  • 立憲民主党:児童手当・高校等授業料無償化と所得制限の廃止。大学授業料減免、奨学金拡充。消費税増税に反対。
  • 共産党:幼児教育・保育の無償化、高校授業料を完全無償化。少人数学級(※教員の人件費増)を併進。消費税増税に反対。

朝日新聞(10/20:夕刊1面)によれば、教育無償化に賛成寄りの候補者の割合は、以下の通りです。

  • 自民党:67%/公明党:84%
  • 希望の党:79%/維新の会:98%
  • 立憲民主党:91%/共産党:98%

高校・大学の「学費無料」は「バラマキ」じゃなかったのか?

教育無償化に関しては、5月に安倍首相が憲法改正案の中に含めることを提言して以来、にわかに関心が高まりました。

この発言は、もともとは憲法改正案に「教育無償化」を掲げた「日本維新の会」を取り込むための戦略でした。

〔※日本維新の会は試案の中で、義務教育無償化の拡充(「法律に定める学校における教育」はすべて「公の性質」を有するとして幼児教育から高等教育までを無償化)と教育を受ける権利の尊重(経済的理由でその機会を奪われないこと)を掲げた〕

この頃、安倍首相は、「世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちが夢に向かって頑張ることができる日本でありたい」とも述べ、政府の「骨太の方針」でも幼児教育と保育の早期無償化、高等教育の改革等を盛り込んだのです。

民主党政権の頃に高校無償化に反対し、バラマキ政策だと批判した自民党は、最近、大きく様変わりすることになりました。

従来、保守層は「子供は家庭で育てるものだ」と訴え、民進党(旧民主党)等の「子供は社会で育てるもの」という考え方に反対してきました。しかし、21世紀の日本政界では、自民党や日本維新の会も逆の路線を訴え、大衆の票を求めるようになってきています。

経済学的には、お年寄りに年金や医療保険を拠出するよりは、子供のためにお金を使ったほうが投資効果が高いという見方もあります。

今の自民党の政策判断の根拠は「思想」から「経済学」に移りつつあるのかもしれません。

教育無償化の制約要因:財源

しかし、この政策の一番の課題は「財源」です。

東京都は日本の地方自治体の中で最も豊かな地方自治体なので無償化が可能ですが、他の都道府県で同じような政策が可能だとは限りません。

日本の地方自治体の9割以上は赤字だからです。

そのため、安倍政権は財源確保のための国策を打ち出しました。

衆院解散前の財源想定例

ニューズウィーク日本語版(2017/3/14「自民特命チーム、教育無償化に教育国債有力視5-10兆円案も」)には、文部科学省が資産した幼児教育から大学まで授業料無償化に必要な年間予算額が書かれています。

  • 幼児教育:7000億円
  • 私立小中学校分:数百億円
  • 高校:3000億円
  • 大学:3.1兆円

巷で言われる「無料」の仕組みは、政府が就学支援金を出すことで、保護者の授業料負担を「ゼロ」にすることです。その金額は年額11万8800円以内(国公立高)とも23万7600円(私立校で年収500万円以下の世帯の場合)とも言われています。

安倍政権は「教育無償化」の一環として2018年度には、返済の要らない給付型奨学金をつくる予定(月3万円程度を支給)です。

自民党は野党時代に民主党の子ども手当をバラマキだと批判しましたが、似たようなことを始めました(筆者には「手当」が「奨学金」に替わっただけのような気がしてなりません)。

衆院解散後の財源想定例

9月28日の衆院解散後には、内閣府は教育無償化の費用の見積もりを出します。

それが9月30日の毎日新聞の記事(「幼児教育無償化:最大1.2兆円、政府試算」)で紹介されました。

  • A:3~5歳児の幼児教育・保育を完全無償化:約7300億円
  • B:0~2歳児も完全に無償化:約4400億円
  • A+Bの累計:約1兆1700億円
  • C:0~2歳児の無償化対象を世帯収入680万円以下にした場合:約2300億円
  • D:360万円以下まで絞った場合:約500億円
  • A+Cの合計:9600億円
  • A+Dの合計:7800億円

「2兆円の残りの部分は大学生の給付型奨学金の拡充、待機児童解消に向けた保育の受け皿整備などに充てる方針」とされています。

結局、お金がかかるので、自民党には「教育国債」の発行や、小泉進次郎氏が提唱する「こども保険」等で賄う案があります。後者は社会保険料の引き上げですが、どちらにしても、お金がかかるのは同じです(国債の場合は一般会計、こども保険の場合は特別会計にカウントされる)。

大学授業料を教育国債で肩代わりすることに関しては「将来世代にツケを回す」「投資に見合う効果があるとは思えない」等の批判が出ました。そのため、学生が「出世払い」する制度設計等も検討されています。

小泉進次郎氏が提言する「こども保険」とは

また、企業と従業員が折半で払う「こども保険」にしたとしても、企業負担分と給料減額分が同じになる可能性が高いので、結局、国民一人一人が負担する金額は大差はないでしょう。

小泉進次郎氏は「こども保険」構想について、以下のように述べています(2017/5/9:産経5面)。

  • 「消費税増税に逃げないでもらいたい」
  • 「消費税は10%になる予定ですが、10%増税分のうち子育て財源7000億円はほぼ使い切っています」
  • 「『10%+α』の議論をしなければ新しい少子化対策はできない」
  • 「社会保険には子供向けがない。だから0.1%でもいいから上乗せさせてもらいたい」

結局、無償化を実現したら、どちらでも、代価としての国民の負担が発生するわけです。

平成30年度予算での教育無償化関連の経費

12月に閣議決定された平成30年度予算でも、教育無償化関連の経費が計上されました(出所:財務省HP「平成30年度文教・科学技術予算のポイント」)。

その中身を見てみましょう。以下、単位はみな「億円」。給付型奨学金と無利子奨学金は低所得者向けの政策です。

年度 2017 2018
幼児教育無償化 309 330
高等学校等就学支援金交付金等 3668 3708
高校生等奨学給付金 136 133
給付型奨学金 70 105
無利子奨学金 885 958
国大授業料減免の拡大 333 350
私大授業料減免の拡大 102 130

各項目の説明の要点は以下の通り。

【幼児教育無償化の推進】

  • 年収約 360 万円未満世帯について保護者負担軽減策の拡充を行う。
  • 第1子について:14100円⇒10100円
  • 第2子について:7050円⇒5050円

【高等学校等就学支援金交付金等】

  • 高等学校等の生徒に対して年額 118800円を支給する
  • 私立高等学校等の生徒に対しては所得に応じて支給額を1.5~2.5倍した額を上限に支給。
  • 保護者等の年収が910 万円以上の世帯は対象外。

【高校生等奨学給付金の拡充】

  • 市町村民税非課税世帯の第1子への給付額を拡充
  • 国公立:75800円→80800円
  • 私立:84000円→89000円

【給付型奨学金の着実な実施】

  • 低所得世帯の子供たちの進学を後押しする
  • 国公私立の学生等(2万人)を対象に月額 2~4万円を支給。
  • 社会的養護が必要な学生等に初年度24万円(入学金相当額)を別途給付

【無利子奨学金の拡充等】

  • 低所得世帯の子供に係る成績基準の実質的撤廃等を進める。
  • 政府貸付金による新規貸与枠を拡充(+2.8 万人)
  • 財政融資資金を活用した利子補給方式による対応を行う(+1.6 万人)。

【授業料減免対象者の拡大】

  • 経済的な理由で授業料納付が困難で成績が優秀な者等に対する授業料減免枠を拡大
  • 国立大学は6.1 万人→6.5 万人
  • 私立大学はや5.8 万人→7.1 万人

※平成29年度補正予算は 「『子育て安心プラン』前倒しのための保育の受け皿整備(保育所、認定こども園等)」に808億円、「地方公共団体が行う少子化対策等に係る取組への支援」に28億円を計上した。

学費を「無料」にするメリットとデメリット(高校~大学)

教育無償化のメリットは収入の多寡にかかわらず、どの人も同じ教育のチャンスが与えられることだと言われています。

また、他のメリットとして、教育費低減が少子高齢化対策につながることや、高齢者よりも若年層へのほうが投資効果が高いことなどが挙げられています。

教育費が高い日本で機会均等と格差是正を図る政策の一つとして、注目が集まっているわけです。

しかし、よく考えてみれば、日本の教育費が高くなる要因として、日本の公立校が受験指導能力を失い、子供たちが塾通いを余儀なくされていることは無視できません。

「公立校の学力向上を抜きにして、お金を配ることで格差是正を図る」という考え方は、問題の根本解決をなおざりにしています。

もともと、選挙対策が色濃い政策なので、公教育関係者の票を失わないために、無償化を訴える各党はどこも公立校の学力再建には触れませんでした。

無償化のデメリットについて考えると、まず、「質の低下の危険性」が挙げられます。

その仕組みは以下の通りです。

教育無償化高校と大学の入学者増学校の収入増教育レベルが低く、競争の中ではつぶれる学校でも生き延びられるようになる

無償化というのは、裏を返せば国の経費を使って入学者を増やし、学費を負担し、本来、市場から退出するはずの学校の経営を助けることでもあります。

受益者側から見れば、学ぶ意欲がない学生が「タダだから」という理由で進学するという問題もあります。

その結果、「無償化」された学校の教育レベルが下がる危険性が懸念されるわけです。

そのため、今後、教育政策を見る上では、各党の中で、公教育の学力再建策を持っている政党はどこかを注視しなければなりません。

教育無償化に関しては、これ以外にも懸念材料があります。

その一つは、補助金行政にともない、私学教育への政府の口出しが強まる危険性です。日本の教育行政は、大学設置認可のように、「金を出す時は口も出す」というやり方になっているからです。

私立の学校は、自由な教育を行うためにあります。

しかし、この私学の自由が、政府からの口出しで形骸化する可能性があります。

教育無償化に関しては、教育の機会均等や格差是正というメリットの反面、国の教育負担の増加、教育の質の下落、私学の自由の喪失などの危険性が伴っています。

何事もよいことづくめにはなりません。

都議選で教育無償化に弾みがつきましたが、それが日本の教育再生につながるかどうかを、しっかりと考えなければいけないでしょう。

また、安倍首相の言う通りにすると、中卒や高卒で働いている現役世代(経済統計では生涯年収が低いとされる)の人たちが払った消費税で、次世代の大学生の学費を賄うという矛盾も生まれます。

これで大卒の人が有利な会社に就職できるのならば、前世代と次世代の間での不公平が実現する恐れがあるのではないでしょうか。

さらに、幼児教育の無償化と待機児童ゼロが衆院選では掲げられましたが、これは費用の拡大をもたらします。

幼児教育が無償化されれば、子供を施設に預けたい人が増えますが、待機児童が出ている現状では、受け入れ先のほうが足りません。受け入れ先を増やさなければ、単に待機児童が増えるだけで終わるのです。

そのため、各党は、今回の公約では保育所や幼稚園の増設を掲げています。

(※普通、「幼児教育」は幼稚園以降を指しますが、衆院選では多くの政党が保育園まで含めて「幼児教育」と呼んでいます。説明が煩雑になるので、本記事では「幼児教育」の正確な分類はしていません)

幼児教育無償化と待機児童解消をどう考える?

幼児教育の無償化と待機児童の解消について、各党は以下のように公約していました。

【自民党】

  • 2020年度までに3歳から5歳まで全ての幼児教育を無償化。低所得世帯では0歳から2歳児の幼稚園・保育園などの費用を無償化。
  • 待機児童解消のため、2020年度までに32万人分の保育の受け皿整備を進める。

【公明党】

  • 2019年までに全ての幼児(0〜5歳児)の幼児教育、保育の無償化を実現。
  • 幼稚園教諭・保育士等の賃金引上げ。待機児童解消への取り組みを加速(小規模保育や企業主導型保育などを拡大)

【希望の党】

  • 幼児保育・教育の無償化。「待機児童ゼロ」の法的義務付け。病児/病後児保育の充実
  • 配偶者控除を廃止し、夫婦合算制度へ移行。同一労働同一賃金等、女性が働きやすい社会をつくる

【維新の会】

  • 経済格差が教育格差とならない社会を実現。教育予算の対GDP比を他の先進国並みに上げる。幼稚園や保育園をはじめ、全教育を無償化。
  • 保育士給与の官民格差を是正。民間保育所の保育士の待遇改善。保育サポーター制度を導入

【立憲民主党】

  • 幼児教育無償化。保育士・幼稚園教諭の賃金底上げ。児童手当の所得制限廃止
  • 子供に引き継がれてしまう貧困の連鎖を断つための教育生活支援

【共産党】

  • 幼児教育・保育の無償化を待機児童解消と併進。企業主導型保育所ではなく、認可保育所を増設。
  • 保育士・保育所職員の抜本的な処遇改善。公立保育所をはじめ 30 万人分の認可保育所を緊急に増設。
  • 保育所の建設や分園設置などを助成。保育運営費の国庫負担分を復活。保育士・保育所職員の賃上げ。非正規保育士の正規雇用化

各党の政策は「度合い」と「範囲」、必要な「予算」の違いはあるものの、似通っています。

幼児教育の無償化では家計に補助金等(バウチャーの可能性もあり)を配り、保育園や幼稚園に子供を入れる費用を「無償」にします。

自費を使わずに保育園や幼稚園に子供を入れられるとされますが、実際は、日々、支払う消費税等がその財源になります。

この「無償化」が実施されたら、どうなるのでしょうか。

【無償化による需要の増加】

まず、無償化をすれば、保育所が足りていない現状の中で、さらに子供を預けたい人が増えます。

しかし、もともと、日本では保育所や幼稚園の数は足りていません。

受け入れ先の数が同じならば、無償化によって待機児童が増えます

実際、大阪市の守口市では、2017年に幼児教育を無償化した結果、待機児童が増えました。

その市で0~5歳児の幼児教育と保育を無償化した時、「無償化によって保育所の利用申し込みが前年より4割増え、4月現在で48人(前年同期は17人)の待機児童が発生した」のです。

この市では「無償化の財源6億7500万円を賄うため、15ある公立の幼稚園と保育所などを来年3月に三つの公立認定こども園に統廃合し、民間への移管も進める」ことになりました。未就学児の受け皿は全体で7%減ったのです(毎日新聞朝刊1面:2017/10/13)。

【需要増⇒待機児童増加⇒保育所・幼稚園等の増設】

実際は、多くの市町村では、無償化しても、新しく保育所や幼稚園を増やすお金がありません。

そのため、幼児教育無償化と同時に待機児童ゼロを進める場合には、中央政府の予算を使い、保育所や幼稚園などを増設することになります。

政府が無償化で待機児童を増やすと、需要が増えるので、政府がサービスの供給側にお金を出して保育施設を増やさなければいけなくなるわけです。

結局、「サービスの受け手と出し手を国が賄う」ことになるのです。

その意味では、経費倍増です。

しかし、連立先の公明党は、収入制限をなくそうとしているので、その範囲を広げてきます。

実際のところ、保育の受け皿を増やしたり、施設の建設・改修をしたりすれば数千億円がかかります。

今のままでは、幼児教育の無償化と待機児童の解消は、「両方、やってみたら、お金が足りませんでした」という結果になるかもしれません。

そのため、この二つの政策の併進には問題が発生します。

これに関しては、優先順位をつけるべきだという意見もあります(例:J-CASTニュース(2017/10/17)「待機児童ゼロ」はどこへいった

親の置かれた立場によって欲する政策が違うことも考慮すべきだと指摘しています。

★「0~2歳の子の母」(30代女性)

「待機児童問題の解決を優先してほしい」「保育所をいくら建てても、保育士の人数も含めて足りない気がします。政治家には、もっと広い視野を持って動いて欲しい」

★「3歳以上、小学校入学前の子の母」(30代女性・4歳の男の子の母)

「待機児童問題を優先すべきだと思います」(周囲には、国の認可保育所に入れず、諦めた人がいるため)「親世代が働きやすく、安定した収入を確保できるような環境を整える策も含めて」各党に求めたい

★「幼児教育を終えている子の母」(6歳の子の母・とも働き)

(保育料は収入に応じた金額なので)「そこまで負担に感じておらず、教育無償化にはあまり関心がありません」。関心があるのは学童保育(放課後児童クラブ)の時間延長。同時に仕事を持つ母親が安心してキャリアを積める社会づくりを求めている。

・・・

教育無償化をすれば需要増ですが、待機児童の受け皿はいきなり増えません。保育所等を先に作らないと、無償化をしても預け先のない幼児が増える可能性が高いわけです。

だとすれば、「待機児童問題を先に何とかしてほしい」というのが、国民の正直な実感なのではないでしょうか。

その意味で、今回の「無償化」を用いた票取り合戦は、多少、国民の本音とずれているところもありそうです。

また、増税で幼児教育無償化と待機児童ゼロを進めた場合は、子供がいない夫婦や独身者等にとっては、他人の子供の分まで税金の負担を求められることになります。

この点も、あまり配慮がなされていません。

消費税増税でこれを行うと、低所得者で子供のいない世帯に、他人の子供の養育費を負担させる結果になります。

日経電子版(「年収でこんなに違う 所得・消費税、あなたの負担は」2016.2.23)をもとに負担増を計算すると、以下の結果になります(※以下の表記は「グループ:平均給与⇒8%から10%増税時の負担増の額」)。

  • 年収200万円以下:8.7万⇒10.9万(2.2万増)
  • 年収200~300万:13.1万⇒17万(3.9万増)
  • 年収300~400万:14.9万⇒19万(4.1万増)
  • 年収400~500万:16.7万⇒21.2万(4.5万増)
  • 年収500~600万:18.2万⇒23.3万(5.1万増)
  • 年収600~700万:20.5万⇒26万(5.5万増)
  • 年収700~800万:22.7万⇒28.7万(6万増)
  • 年収800~900万:24.8⇒31.3万(6.5万増)
  • 年収900~1000万:25.3⇒32.4万(7.1万増)

年収400万円以下の方は収入の1%以上税負担が増えますが、年収500万円を超えると税負担が収入の1%を切っていく構図が見て取れます。

消費税は逆進性が高い税金なので、この問題を無視してはいけないと思います。

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