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【EWS】iシェアーズMSCIシンガポールキャップトETFの株価は反転するのか

米国上場ETFの一つであるEWS(iシェアーズMSCIシンガポール・キャップトETF)。

シンガポールには成長国のイメージがあるが、その伸び率はどの程度なのか。

今回は、そのパフォーマンスを紹介した上で、シンガポール経済の可能性について考えてみます。

iシェアーズMSCIシンガポール・キャップトETFとは

『米国会社四季報 2017秋冬号』(東洋経済新報社)によれば、EWSの概要は以下の通りです

  • シンガポールの27銘柄からなるMSCIシンガポール指数に連動。
  • 業種比率は金融37%、不動産21%、資本財18%
  • 経費率は0.48%。1単位あたりの分配金は0.128~0.662ドル。

株価の推移は以下の通りです(マネックス証券のデータより作成)。

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ブラックロック社のデータ(2017/12/7)でETF組み入れ上位10社の業種比率を見てみます。

  1. DBS GROUP HOLDINGS LTD:13.9% 金融
  2. OVERSEA-CHINESE BANKING LTD:11.79% 金融
  3. UNITED OVERSEAS BANK LTD:10.38% 金融
  4. SINGAPORE TELECOMMUNICATIONS LTD:9.08% 電気通信
  5. KEPPEL LTD:4.39% 資本財・サービス
  6. GLOBAL LOGISTIC PROPERTIES LTD:4.34% 不動産
  7. GENTING SINGAPORE PLC:3.42% 一般消費財・サービス
  8. CAPITALAND:3.04% 不動産
  9. ASCENDAS REAL ESTATE INVESTMENT TR:2.99%  不動産
  10. SINGAPORE EXCHANGE LTD:2.79% 金融

ETFの指標はどうでしょうか。

  • 分配金利回り:2.39%(現在のファンド基準価格に対する過去12ヶ月間の分配金比率)
  • 株価収益率(PER):16.03%
  • 株価純資産倍率(PBR):1.36%
  • 過去12ヶ月分配金利回り:3.48%(過去12ヶ月にファンドを保有し続けた時に得られた年率利回り)

最近は新興国株安から立ち直りつつあります。

シンガポール経済には地力があるので、今後の可能性にはそれなりに期待できるかもしれません。

シンガポールの経済力

では、シンガポールの現状はどうなっているのでしょうか。

外務省HP(シンガポール基礎データ)で、主要情報を概観してみます。

基礎情報

  • 面積:約719㎢(東京23区と同程度)
  • 人口:約561万人(うちシンガポール人・永住者は393万人。2016年6月)
  • 言語:国語はマレー語。公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語。
  • 民族:中華系74%、マレー系13%、インド系9%、(2016年6月)
  • 宗教:仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教
  • 政体:立憲共和制(1965年8月9日成立。英連邦加盟)
  • 議会:一院制(任期5年)(与党:人民行動党83議席、野党:6議席)
  • 内政:建国以来、与党人民行動党(PAP)が圧倒的多数を維持。
  • 外交:ASEAN諸国との友好関係と米国との関係強化が中軸。
  • 軍事費:142.1億シンガポール・ドル(全歳出予算の19%、2017年度)
  • 兵員数:72500人(陸軍5万人、海軍9千人、空軍1万3500人。2年の義務兵役有)
  • 主要産業:製造業、商業、サービス業、運輸通信業、金融業。
  • 為替:1シンガポール・ドル=約80円(2017年2月末)

経済統計(GDP等)

  2012 2013 2014 2015 2016
名目GDP:億$ 277 302 308 293 289
一人当りGDP:万$ 5.2 5.5 5.6 5.3 5.1
実質GDP成長率 1.3 4.4 2.9 1.9 2
失業率 2 1.9 2 1.9 2.1

(※出所はシンガポール統計局。数値は四捨五入)

主要貿易品目は以下の通り。

  • 輸出:機械・輸送機器、鉱物性燃料、化学製品
  • 輸入:機械・輸送機器、鉱物性燃料、原料別製
  2012 2013 2014 2015 2016
輸出総額 408 410 410 346 320
輸入総額 380 373 366 297 275
直接投資受入 131 96 90 81 ?

(※出所はシンガポール統計局。単位:億ドル。数値は四捨五入)

実質成長率は高水準で、2001年の実質GDP成長率-1.2%が建国以来最悪の成長率です。

その後、2004年は9.2%、05年は7.4%、06年は8.7%、07年は9.0%。

2008年が1.7%、09年が-0.8%、そして、2010年には14.8%とV字回復!。しかし、2011年には5.2%に減速。

低成長の日本から見ると、高成長率が際立っています。

アジアの成長国家と比べると、日本の前途が心配になってきます。

最後に、シンガポールを担う首相と象徴的な役割を担う大統領を見てみます。

シンガポールのリーダーとは

リー・シェンロン首相

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まずは、実権を担う首相の人物像を見てみます。

シェンロン首相は1952年2月10日に建国の父であるリークアンユーの息子としてシンガポールで生まれました。

そして、74年にケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ校を卒業(数学、コンピューター工学専攻)し、1980年にハーバード大学ケネディスクールを卒業(行政学修士)しました。

シェンロン氏は軍でキャリアを積み、84年に退役後、政治家になりました。

  • 71年(19歳)シンガポール国軍入隊
  • 81年(29歳) 統合幕僚運用部長
  • 82年(30歳) 統合幕僚長

異常に早い年齢で統合幕僚長になっています。退役時は准将でした。

その後、政治家として歩み始めます。

  • 84年(32歳)国会議員初当選(以降計6選)
  • 84年(32歳)貿易産業担当国務大臣兼国防担当国務大臣
  • 87年(35歳)貿易産業大臣兼第二国防大臣
  • 90年(38歳)副首相兼貿易産業大臣
  • 93年(41歳)副首相
  • 98年(46歳)副首相のまま通貨監督庁(MAS)議長兼任
  • 01年(49歳)さらに財務大臣を兼任
  • 04年(49歳)首相兼財務大臣
  • 04年(49歳)人民行動党(PAP)書記長
  • 07年(55歳)首相(財務大臣兼任解消)

15年のリークアンユー氏の死後、後継者となり、現在、人民行動党書記長を務めています。

日本に対しては歴史認識問題で中国寄りの立場を取りながらも、国連安保理常任理事国入りを支持しています。

シンガポールは華人が多いので中国寄りですが、安全保障上、米国との関係を頼みの綱にしているので、自由主義陣営の日本との関係も大事にしています。

ハリマ・ヤコブ大統領

何気なくシンガポールについて調べてみると、いつのまにか9月11日に大統領が交代していました。

日本のメディアではあまり取り上げられなかったので、筆者もスルーしていたのですが、今回の選挙では「初の女性大統領が選挙による投票を経ずに誕生」したそうです。

CNN日本語版の記事(9/12)でその概要を見てみましょう(「シンガポール大統領選、マレー系女性候補が無投票で勝利」)

  • マレー系女性のハリマ・ヤコブ前国会議長が無投票で大統領選に当選。選挙は23日予定だったが、今回から導入された立候補資格を満たす候補者がハリマ氏しかいなかった(立候補条件には、民間人の場合、自社資本を3億7000万ドル(約400億円)以上保有するCEOであることが規定された)。
  • ハリマ氏は「シンガポール国民のために最善を尽くすことを約束」。この国の大統領は象徴職ですが、政府高官の任命や国庫準備金には関わることが可能。
  • シンガポールでは中国系が74%で、現首相のリー・シェンロン氏も中国系。人口の13%を占めるマレー系の大統領が出るのは1965~70年の初代大統領以来。

立候補要件に400億円の資産が必要・・・。日本人には信じられない規定です。

時事通信の記事(9/12)を見ますと「5人から立候補申請が出されていたが、首相府選挙局は11日、立候補の資格がある人物は1人だけだったと発表し」、「ハリマ氏以外の会社経営者ら4人は、経営する企業の資本要件が基準に満たないなどの理由から立候補を認められなかった」。「シンガポールでは昨年11月、大統領選挙制度の憲法改正が行われ、今年の選挙での候補者はマレー系に限定されていた」とも書かれています(シンガポールで初の女性大統領=前議会議長ハリマ氏、無投票当選」)。

この規定からは、シンガポールは経済面では自由でも、政治面ではあまり自由ではないことも伺えます。

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