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iシェアーズMSCIタイ キャップトETF【THD】は2018年に値上がりするのか ~タイ政治と経済の行方~

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THD(iシェアーズ MSCI タイ・キャップト ETF )はタイ市場を対象にした米国上場のETFです。

タイには政情不安やクーデターという政治リスクがつきものですが、17年に入り、THDの株価も反転し始めています。今回は、タイの可能性について考えてみます。

THD(iシェアーズ MSCI タイ・キャップト ETF )とは

『米国会社四季報 2017秋冬号』(東洋経済新報社)によれば、EWSの概要は以下の通りです

  • 128のタイ株から成るMSCIタイインベスタブル指数25/50に連動
  • 業種比率は金融が20%、エネルギーが17%(石油公社が1割弱)、資本財が11%
  • 経費率は0.63%。1単位あたりの分配金は0.545~1.368ドル

2009年~2017年の株価の推移は以下の通りです(マネックス証券のデータより作成)。

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2016年の株価下落から反転し、上昇基調に乗ってきています。

ブラックロック社のデータ(2017/12/7)でTHDのETF組み入れ上位10社の業種比率を見てみます。

  1. PTT NON-VOTING DR PCL:9.14% エネルギー
  2. CP ALL NON-VOTING DR PCL:7.54% 生活必需品
  3. KASIKORNBANK PCL F:5.77% 金融
  4. AIRPORTS OF THAILAND NON-VOTING DR:5.59% 資本財・サービス
  5. SIAM COMMERCIAL BANK NON-VOTING DR:5.56% 金融
  6. ADVANCED INFO SERVICE NON-VOTING D:3.85% 電気通信
  7. PTT GLOBAL CHEMICAL NON VOTING DR:3.65% 素材
  8. SIAM CEMENT PCL F:2.96% 素材
  9. KASIKORNBANK PUBLIC NON-VOTING DR:2.74% 金融
  10. PTT EXPLORATION AND PRODUCTION NON:2.7% エネルギー

わりとセクターに応じたリスク分散がなされています。

ETFの指標を見てみます。

  • 分配金利回り:3.83%(現在のファンド基準価格に対する過去12ヶ月間の分配金比率)
  • 株価収益率(PER):17.51
  • 株価純資産倍率(PBR):2.25%
  • 過去12ヶ月分配金利回り:2.38%(過去12ヶ月にファンドを保有し続けた時に得られた年率利回り)

タイの実質GDPと基礎データ

世界銀行のデータで見ると、ここ数年、タイの実質GDPの規模は伸び続けています。

  • 2016年:4063億ドル
  • 2015年:3936億ドル
  • 2014年:3824億ドル
  • 2013年:3789億ドル
  • 2012年:3688億ドル

次に、タイの国情を外務省の「基礎データ」から整理してみます。

  • 面積:51万4000㎢(日本の約1.4倍)
  • 人口:6572万人(2015年)
  • 民族:タイ族が中心。華人、マレー族も住む。
  • 言語:タイ語
  • 宗教:仏教94%/イスラム教5%
  • 王朝:スコータイ王朝(13C)⇒アユタヤ王朝(14~18世紀)⇒トンブリー王朝⇒チャックリー王朝(1782~)
  • 政体:1932年に立憲革命が起き、現在は立憲君主制
  • 元首:マハ-・ワチラロンコン・ボテインタラーテーパヤワランクーン国王陛下(ラーマ10世王)
  • 議会:国家立法議会(220名)(※首相はクーデターで政権掌握)
  • 産業:農業(就業者数の40%弱、GDPの12%)/製造業(就業者の15%、GDPの34%、輸出の90%弱)
  • 名目GDP:4069億ドル(2016年)
  • 一人当たりGDP:6033ドル(2016年)
  • 名目GDP成長率:6.2%(2016年)※世界銀行参照
  • 実質GDP成長率:3.2%(2016年)
  • 失業率:1%(2016年)
  • 輸出額:2153億ドル(2016年)
  • 輸入額:1947億ドル(2016年,NESDB)
  • 輸出品目:コンピューター・同部品、自動車・同部品、機械器具、農作物、食料加工品
  • 輸入品目:機械器具、原油、電子部品
  • 輸出国の順位:1.米国 2.中国 3.日本
  • 輸入国の順位:1.中国 2.日本 3.米国
  • 為替レート:1ドル=約34.25バーツ(2015年平均)
  • 外交方針:ASEAN諸国との連携/日米との連携/中国との協調
  • 軍事予算:1830億バーツ
  • 兵力:36万850人(陸軍245000人,海軍69850人,空軍46000人)

タイはすでに日本、オーストラリア、ニュージーランド、インド、ペルーと貿易協定を結んでいます(発効済)。そして、チリやASEANとも貿易協定が結ばれ、現在、EUとの交渉を続けています。

タイは貿易の道としてインドシナ半島を貫く南部経済回廊、東西経済回廊、南北経済回廊の構築を目指しています。その際に、南部経済回廊のミッシングリンクを解消すべく、ミャンマーのダウェー開発(バンコクから約300km西)を、日本とミャンマーとともに進めてもいます。

政治リスクが絶えないタイの歴史

タイでは1997年のアジア金融危機の後、2001年に就任したタクシン首相(当時)が国内需要喚起と外資誘致による輸出促進、公共事業,社会保険制度改革、麻薬撲滅等を推し進めました。

しかし、これにエリート層や保守層が反発し、職権濫用や汚職の噂もあり、2006年はじめから反タクシン運動が盛り上がります。やがては2006年9月にソンティ陸軍司令官(当時)らのクーデターが発生。

ただ、暫定政権は1年程度で2007年12月に民政復帰。

その後、タクシン勢力と反タクシン勢力が政権を交互にとり、2011年にはタクシン系政党のタイ貢献党が勝ち、タクシン元首相の実妹のインラックが首相となります。

ところが、この政権も途中で指導力を失います。

2013年に大規模インフラ計画等を進めたのですが、タクシン元首相の恩赦を決めたことで政治情況は一変。

バンコク都内各地で大規模な路上デモが行われ、政府庁舎が占拠されました。インラック首相は下院を解散したものの、デモ隊の妨害で投票が完了できず、憲法裁判所は同選挙を無効しました。

国内は困難の巷となった頃、プラユット陸軍司令官は全国に戒厳令を発令。「国家平和秩序維持評議会(NCPO)」が全統治権の掌握を宣言したわけです。

これにより、約3年間続いたタクシン元首相派政権が倒れ、8月に正式にプラユット氏が首相となりました。

クーデター後、7月に公布された暫定憲法で国家立法会議(国会に相当)が設立されました。

9月には、NCPO議長・プラユット陸軍総司令官を首相とする政権が発足。総選挙後までの1年間の政治を担当することになったのです。軍政は諸外国から批判を浴びましたが、NCPOはクーデター直後から景気回復策を打ち出し、2015年予算案やタイ投資委員会の手続きを再開させたので、景気減速の障害を除いた一面もあります。

タイではたびたび「民政」と「軍政」の間で政権交代が繰り返され、民政が大混乱すると軍政が台頭し、「政治的な安定」をもたらすことが多かったのです。その評価は微妙ですが、日本や欧米とは政治文化がもともと違うので、外国が批判してもどうにもなりません。

政権発足時の所信表明演説では、相続税と固定資産税による格差是正策や近隣国との経済連携の強化等を訴えています。15年2月にはプラユット首相は日泰首脳会談のために来日しました。

タイ首相とトランプ大統領の首脳会談

ところで、タイ首相というのは、どんな人物なのでしょうか。

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タイ王国のプラユット・チャンオチャ首相は現在、63歳です。

1954年3月21日にタイのナコーンラーチャシーマー県(タイ東北部の入り口等と言われるが、地図上ではあまり北ではない)で生まれました。

タイ王国防衛大学やチュラチョームクラオ陸軍士官学校を卒業し、その後、陸軍軍人としてキャリアを積みました。72年以来、軍歴を積み、陸軍大将の地位につきます。

トランプ大統領とタイのプラユット首相がホワイトハウスで10月2日に会談を行いました。

そこでは、米国とタイとの同盟関係の強化が確認され、トランプ大統領は「両国の通商関係は重要度を増している」と述べ、輸出の促進に意欲を示しています。

プラユット氏はテロ等の脅威に対処するために米国との安全保障面での協力を進める意思を表明しました。

2014年5月にクーデターで国の実権をつかんだプラユット氏に対して、オバマ大統領は民主主義に反するとして冷淡な態度を貫いてきたのですが、トランプ氏は民主主義よりも現実的な利害関係を重視し、タイ首相との会談を行いました。

(出所:Remarks by President Trump and Prime Minister Prayut Chan-o-Cha of Thailand Before Bilateral Meeting 2017/10/2)※ホワイトハウスHP:タイ首相とトランプ大統領の首脳会談

プラユット首相の発言(抜粋)

「大統領は米国とタイの関係について言及しました。私たちは長年の同盟国です」

Mr. President has mentioned about the relationship between our two countries. We are longstanding allies.

「大統領との会談は、私にとっても、タイ政府とタイの人々にとっても、両国の協力関係をさらに密接にし、強化するための良い機会です」

Coming to meet Mr. President today is a good opportunity for me and for the Thai government and the people of Thailand to work closely to further strengthen the cooperation between our two countries.

「もちろん、私たちの市民をテロ等の脅威から守ることを保証するために、私たちは安全保障協力を手がけ、共に働きます」

We work, of course, in hand on our security defense cooperation to help ensure that our citizens are safeguarded from terrorism and other threats.

「地域の問題を解決するために密接に協力する」

Of course, we will work closely in order we solve the regional issue of concern, of course.

「私は大統領のリーダーシップをもって、200年の長い歴史を持っていると述べた両国の協力関係をより強化するために、すべての問題に取り組み、協力できると確信しています」

I am confident that, with President's leadership, we will be able to tackle all the problems and work together in order to further strengthen the cooperation between our two countries, which we already mentioned that we have a long history of relationship -- 200 years.

トランプ大統領の発言(抜粋)

私は、我々の貿易関係について述べたい。我々は長い間、厳しく交渉してきました。私たちはもう少し時間をかけて代表者と会いたい。

I do want to say that our relationship on trade -- and we've been negotiating very long and hard, and we're meeting with our representatives in a little while to go further.

しかし、我々の貿易関係はますます重要になってきている。

But our relationship on trade is becoming more and more important.

そして、それは貿易の大きな国だ。彼らは製品と、我々にとって、それ以外にも非常に大切なものをつくってくれる。我々もまたあなたがたに商品を販売している。

And it's a great country to trade with; they make product and different things that are really very important to us, and we likewise sell to you.

私たちはもう少しあなたに売り込みをしようと思っています。もし、もう少しよい機会があるならば。

I think we're going to try and sell a little bit more to you now, make that a little bit better if that's possible.

・・・

トランプ政権は民主主義国かどうかを重視したオバマ政権とは違い、アメリカの国益にかなうかどうかを重視するので、この会談で過去のいきがかりはリセットされました。

今後、貿易が拡大するかどうかが気になるところです。

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