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ジェフリーイメルトが語るGE改革 2018年の株価は反転するのか

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今回はゼネラルエレクトリック社(GE)について書いてみます(GE社の株価チャートは同社HPから作成)。

というのは、ハーバードビジネスレビュー(2017年12月号)が前CEOのジェフリー・R・イメルトのインタビューを載せていたからです。

最近のGE社の経営指標と株価の動きを踏まえながら、その特集記事のポイントを紹介してみます。

ゼネラルエレクトリック(GE)の経営指標

言わずと知れたゼネラル・エレクトリック(GE)はエネルギーやジェット・エンジン、ヘルスケア等を主力とするアメリカの複合企業です。

最近、株価が低迷しているゼネラルエレクトリック社の経営指標を『米国株四季報』(秋冬版)で見てみます。

(以下、EPSと一株当たり配当金以外の単位は億ドル。四捨五入。14年=14年12月。CF=キャッシュフロー。EPS=当期純利益/発行済株式総数。増資による株式数増を考慮した「希薄化後EPS」で比較)

  13 14 15 16
売上高 1129 1170 1158 1203
営業利益 116 126 96  104 
純利益 91  103 82 90
EPS 1.27 1.5 ▲0.6 0.89
1株配当 0.79 0.89 0.92 0.93

現在、1株当たり利益に対して株価が何倍まで買われているのかをブルームバーグで見ると、PERは14.76倍。また、直近の配当利回り(税込み)は2.68でした。

営業CF:198.91億(15年)⇒▲2.44億(16年)

  • 投資CF:594.88億(15年)⇒492.02億(16年)
  • 財務CF:▲760.54億⇒▲891.31億(16年)
  • フリーCF:1079.82億(15年)⇒885.93億(16年)

2016年で注目されるのは営業CFの減少です(2017年決算でもキャッシュフローは重要な焦点の一つ)。

ただ、売上高と純利益は15年よりも伸びています。

その後、2017年の第1~第3四半期の9か月の総収入は前年度比で伸びており、各分野で以下のように推移しました。

  • 電力: 256.64億(15年)⇒265.69億ドル(16年)
  • 再生エネルギー:65.33億(15年)⇒74.06億(16年)
  • 石油とガス:94.97億(15年)⇒114.75億(16年)
  • 航空:190.74億(15年)⇒201.53億(16年)
  • ヘルスケア:131.9億(15年)⇒137.14億(16年)
  • 輸送:34.71億(15年)⇒31.85億(16年)
  • 照明:42.39億(15年)⇒14.42億(16年)
  • 産業分野総収入:816.67億(15年)⇒839.43億

利益で見ると、トータルでは下がっていますが、わりと健闘しています。

  • 電力: 29.24億(15年)⇒25.26億ドル(16年)
  • 再生エネルギー:4.13億(15年)⇒5.24億(16年)
  • 石油とガス:9.81億(15年)⇒3.25億(16年)
  • 航空:43.66億(15年)⇒48.56億(16年)
  • ヘルスケア:21.3億(15年)⇒22.89億(16年)
  • 輸送:7.47億(15年)⇒6.34億(16年)
  • 照明:1.96億(15年)⇒0.43億(16年)
  • 産業分野総収入:117.56億(15年)⇒111.98億

ゼネラルエレクトリック(GE)の株価は2018年に回復する?

2017年はGEの株価がやたらと下がりましたが、産業分野の業績は意外と悪くありません。

アナリストの広瀬隆雄氏は雑誌『ZAI』のHP版記事(2017年10月23日)でGE社には来年に株価反転の可能性があると述べています(「ゼネラル・エレクトリック(GE)は、業績悪化で減配リスクが顕在化! 「凡ミス」による利益半減が原因なので、来年早々に復活する可能性は高い!?)。

広瀬氏はまず、決算の数字が悪いことを指摘しています。

  • EPSは予想49セントに対して29セント。
  • 営業CFは、前年同期に比べて12億ドルも少ない。
  • 営業CFが配当を出すのに必要な金額を下回り、減配リスクが顕在化。

その理由は以下の二つです。

  • 発電タービン部門から上がる営業CFが貧弱だった(出力の小さいタービンへと需要の中心が移っているという市場環境の微妙な変化を見落とし、生産の絞り込みが遅れ、大量の仕掛け品在庫を抱えた)
  • 金融サービス事業であるGEキャピタルを処分したが、損害保険の払い出しニーズの規模確定が遅れ、その結果、GEへの配当を出せなかった(しかし、これはその確定が終われば解決する)。

発電タービンのビジネスだけが「今期売上高が前年比-4%、営業利益は前年比-51%」だが、他の事業部は「前年比+5%~+8%の増収を確保」できており、「ジェット・エンジンとヘルスケアが利益の大半を稼いでいる」ため、広瀬氏は「発電タービンのビジネスがターン・アラウンドすれば、ゼネラル・エレクトリックの業績は急回復する」という見通しを立てているのです。

広瀬氏は世界の発電所の3割はGEのタービンで回っているので、市場支配力は申し分ないと評価しています。

ジェフリー・イメルトが語るGE改革

『ハーバード・ビジネスレビュー』(2017年12月)は2000年以降の事業構成の変遷を整理しています(P86)。

2000年時点では、エネルギー、航空機、ヘルスケア、輸送、金融、家電・機器、メディア、素材の8分野があり、総売上高は1300億でした。

以下、00年後、GE社は事業の買収と売却を繰り返します。

  • 05年:再保険事業の大部分をスイス・リー社に売却(05年の総売上高は1400億ドル)
  • 07年:プラスチック事業をSABIC(サウジアラビア)に売却
  • 10年:総売上高が1500億ドルに
  • 11年:メディア事業のNBCユニバーサルをコムキャストに売却
  • 13年:イタリアのアヴィオ社の航空部門を買収
  • 15年:仏アルストム社のエネルギー部門を買収/GEキャピタル撤退。金融事業を順次売却(売上1170億$)
  • 16年:家電部門をハイアール(中国)に売却

ジャック・ウェルチが相対的な競争優位を重視したのに対して、ジェフリー・イメルト氏は産業構造の変化を先読みし、収益性が高くともGEの中核とはなりえない事業を売却していきます。

「私はCEOに就任する前から、メディア、ペット保険、ジェットエンジン製造を同時に極めるのは不可能だと考えていた」(イメルト氏)

GE社内には「優れたマネジャーはあらゆる事業を舵取りできるはずだ」と考える人が多かったのですが、イメルト氏は「屋台骨の産業用事業に重点を置き、低成長、ローテク、非産業用の事業を売却した」のです。

その結果、「GEをテクノロジー企業として再構築し、R&D投資を二倍超に増やし」、インダストリアル・インターネットと積層造形(3Dプリンター等)の分野に注力することになりました。

「世界最高のテクノロジー企業にならなければ、我が社の命運は尽きます。破滅するのです」(デジタル・インダストリアルに関しては)「代替案は存在しません。これを実現する以外に道はないのです」(イメルト氏)

日本企業にとっても耳を傾けなければいけないのは、デジタル・インダストリアルに出遅れてはならないという指摘と、低成長時代には経営資源の再配分が必要になるという指摘です。

「GDPが年率4%で伸びていれば、どの事業も苦しくはない。しかし、年率1%ではどの事業も安泰ではない」(そのため)「自社と顧客の生産性の飛躍的な向上に寄与する技術を、革新的な方法で活かす術を考えるのである」「同時に、成長率の高い国や地域に大胆に事業を拡大するのだ」(イメルト氏)

日本は年率1%成長ぐらいなので、日本企業が成長するためには、もっと大胆な構造改革が必要なのかもしれません。イメルト氏は、以下のようにも述べています。

 「大企業にとってその場しのぎは致命傷となる。熱意や関与の不足を見透かされるからだ。変革を実施する時は、最後まで貫徹する覚悟で臨むべきである」「我々はデジタル分野と積層造形に何十億ドルも投資した」「たいていの企業は『デジタル系事業に資本参加します。これが当社の戦略です』と言うが、私から見れば付け焼き刃である」

ゼネラルエレクトリック(GE)の株価反転はなるか

5年単位でGEの株価を見ると、現在は超低空飛行になっています。

紫色の株価はバンガード社のS&P500(VOO)です。

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(GEの株価推移。出所はロイターHP)

縦の黒線はイメルト氏がCEOを退任した8月末です(会長退任は10月1日)。

インタビューではGE改革の成果を力説していましたが、2017年の市場の評価は否定的です。

ただ、任期全体を見ると、サブプライムショック後の厳しい時代の中をうまく乗り切ってきたとはいえるのかもしれません。

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イメルト氏の改革が、今後のGEに発展をもたらすのかどうか、注視が必要でしょう。

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