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ボーイング社の株価と経営指標の推移

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  何気なく人民日報日本語版を見ていたら、米ボーイング社と中国の奥凱航空(オッケー航空)が11月22日にボーイング「787-9」(ドリームライナー)5機を受注した(その価格は14億ドル=約1560億円)。

 オッケー航空はこれを契機にワイドボディ機市場に進出し、5機を北京発の大陸間路線に投入すると報じられています。人民日報によれば、オッケー航空はボーイング機を約20機保有。国内外で約100路線を運航し、70数都市に就航しているそうです(〔ボーイングと奥凱航空「ドリームライナー」5機を契約〕人民網日本語版 2017/11/24)

 これはトランプ訪中のリアクションです。

 トランプ氏の発表では、訪中に合わせて、11月9日にボーイングは中国から旅客機300機を受注したとされています(その中身は狭胴型機260機、広胴型機40機)。

 ただ、ブルームバーグは、関係者は「370億ドル(約4兆2000億円、大口購入に通常適用される割引を考慮しない)相当の購入注文は、締結済みの契約が主体」であり、「今回の合意は主に、2013年に成立した既存の契約でカバーされる航空機が対象」になると述べたことを明かしています。

 今回は、トランプ政権成立後、株価上昇が続いたボーイング社について整理してみます。

ボーイング社の株価と経営指標の推移

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 (出所:MSNマネー、11/26閲覧)

 ボーイング社(BA)はトランプ氏当選後、株価が上昇基調に乗っています。

 『米国株四季報(2017年秋冬号)』と2016年のBA社の年次報告書』で見ると、経営指標は以下の通りです。

【売上高】(単位はドル。四捨五入。14年=14年12月)

  • 817億(12年)⇒866億(13年)⇒908億(14年)⇒961億(15年)⇒946億(16年)

【営業キャッシュフロー】

  • 75億(12年)⇒82億(13年)⇒89億(14年)⇒ 94億(15年)⇒ 105億(16年)

 営業キャッシュフローは増え続けているので、安全運転の経営を目指しているとも言えそうです。

 利益はどの程度、出ているのでしょうか。

【純利益(単位はドル。四捨五入。14年=14年12月)

  • 3900億(12年)⇒4585億(13年)⇒5446億(14年)⇒5176億(15年)⇒4895億(16年)

 一株当たりの利益と配当金も増え続けています。

【一株当たり利益】(Core Earnings Per Share ※希薄後)

  • 5.11ドル(12年)⇒5.96(13年)⇒ 7.38ドル(14年)⇒ 7.44ドル(15年)⇒ 7.61ドル(16年)

【一株当たり配当

  • 1.76(12年)⇒1.94(13年)⇒2.92ドル(14年)⇒3.64ドル(15年)⇒4.36ドル(16年)

 そして、現在、1株当たり利益に対して株価が何倍まで買われているのかをブルームバーグで見ると、グラマンのPERは23.49倍。直近の配当利回りは2.14%でした。

ボーイング社はトランプ政権に近い?

 2月17日には、トランプ大統領はボーイング社787ドリームエアライナーのお披露目式典で演説しています。

  • 「雇用は、私が今、ここに立っている主な理由の一つだ。私は決してあなたがたを失望させない」
  • 「あなたがたはこの国に工場が返ってくる光景を見ている」
  • 「これが我々のマントラだ。「アメリカ製品を買え。アメリカ人を雇え」」

 サウスカロライナ州の北チャールストンにある工場での式典にトランプ大統領と南カリフォルニア知事(ヘンリー・マクマスター氏)が呼ばれ、製造ライン等を視察後、3000人の聴衆(ボーイング社社員)に向け、製造業従事者に向けたメッセージを送りました。 

 ボーイング社HPには、式典でのボーイングCEOのデニース・ミュレンバーグ氏の発言が掲載されています。

  • 「ここボーイングのサウスカロライナで起きているのはアメリカの成功物語だ」
  • 「わずか数年で、わが社のチームは緑の土地を近代的な航空機工場に変えた。この工場は世界中に787エアラインを送り、アメリカに数千の雇用を支えている」

 3月には、トランプ大統領がボーイング社幹部を国防総省のナンバーツーに起用する方針を発表したことが報じられました。

 ブルームバーグ(2017/3/17)は「シャナハン氏は軍事、宇宙、民間航空機などの部門で30年の経験」と題した記事を公開し、「既に緊密な同社と新政権の関係がさらに強まる」と述べていました。

ボーイングのシニアバイスプレジデント、パトリック・シャナハン氏(54)が国防副長官に指名されたと、ホワイトハウスが16日の声明で発表した。上院に承認されれば、政権の方針の下、2年にわたってボーイング関連案件への関与を控えることが義務付けられる。

 エンジニア出身のシャナハン氏に関しては「デニス・ムーレンバーグ最高経営責任者(CEO)の直属の部下」で「軍事、宇宙、民間航空機などの中核部門」において30年の経験を積んだ人材として紹介されています。 

ボーイングの最近の巨額取引

 2016年12月にトランプ氏が「ロッキード・マーティンのF35はとほうもない費用だ。この費用超過のため、私はボーイングに、競合機のF18スーパーホーネットの見積価格を出すことを求めた」(22日)とツィートしたことが注目され、新政権発足後、軍事予算の1割増という方針を受けて、ボーイング社の株価も上がり続けました。

  その後、意外にも、4月18日に、同社はエンジニア数百名の追加削減を行うことを決めました。 

 産経BIZによれば、ボーイング社では17年に入ってからすでに1500人の機械工と305人のエンジニア等が希望退職に応じており、この上に追加で人員削減が行われました。

 その理由には「航空機の売上げ減少」が挙げられ、同社が「ここ1年以上、新規採用を抑制し」、「全社従業員数は2016年3月末と比べて7.6%減の14万6962人になった」ことが指摘されています。

(出所:ボーイング、エンジニア数百人追加削減 航空機売り上げ減少 - SankeiBiz(サンケイビズ)

 最近のニュースでは、ボーイング社がアラブ首長国連邦との間で巨額の取引を成立させたことが報じられています(CNN日本語版「ボーイングとエアバス、共に巨額契約発表 総額8.7兆円」2017.11.16)。

  •  米ボーイング社は15日、中東アラブ首長国連邦(UAE)を拠点にする航空会社「フライ・ドバイ」から短距離用旅客機「737マックス」計175機の発注を受けたと発表。
  •  エミレーツ航空の姉妹企業であるフライ・ドバイはさらに、50機を追加注文する選択肢も持つ。ボーイングによると、中東の航空会社による単一通路型の旅客機発注では過去最大規模。
  •  計225機の契約総額は額面通りの価格では270億米ドル(約3兆510億円)。フライ・ドバイは機材調達をこれまでボーイングに大きく頼ってきた。
  •  ボーイングはフライ・ドバイとの商談成立前にドバイのエミレーツ航空から40機の注文獲得にも成功した。契約額は150億ドル相当。

 (※エアバスは「インディゴ・パートナーズ」に旅客機「A320ネオ」を計430機売却する取引を成立させた)

 そのほか、11月19日には、ボーイングは英国のダブリンに本社を置く航空機リース会社のアヴァロンとの契約を成立させています(フライチーム「ボーイング、アヴァロンと737 MAXの75機契約を確定 MAX 10が20機」11/21)。

  • ボーイングはアヴァロンとボーイング737 MAXを75機発注、契約を確定。
  • その内訳は、737-8-MAXが55機、737-10-MAXが20機。オプションで737-8-MAXが20機分の購入。
  • パリ・エアショーでカタログ価格110億ドルの契約として発表され、確定した。

  今後、どんな取引が成立するのでしょうか。

 ボーイング社の株価がどこまで伸びるかを注視してみたいと思います。

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