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グラフで見る2017年の米国経済 10の指標で景気観測

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  米国経済の好景気は2018年まで続くのかどうか。

 当ブログは米国政治や米国株をひんぱんに取り上げているので、筆者は今後の展開が気になります。

 今回は代表的な経済指標を用いて、2017年の米国の景気の現状を見える化してみます。

(本稿のグラフの出所はみな、ウォールストリートジャーナル英語版「Markets Data Center Table」2017年11月と12月に発表されたデータを用いています)

 米国の実質GDPは上り調子

 米国の実質GDPは2007年7月から2017年9月までで、以下のように変動しています。

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 ざっくり見ると、サブプライムショックで奈落の底に沈み、2010年ぐらいから成長軌道に乗り、16年にやや低迷した後、トランプ政権発足頃から好景気に転じたと言えます。

 大統領選の頃のトランプ氏は米国経済の悲惨さを力説しましたが、統計上のデータは良好な数字です。

 GDP統計は個々の細かい格差までは反映しないので、むろん、これを見ても貧困層の窮状は分かりません。

 儲かっている層から貧困層までを平均した数字で見ると、上がり調子になっているわけです。

 

 まず、諸々の指標を統合したGDPの数位を踏まえた上で、もう少し、米国経済を多面的に見てみます。

米国消費の現状:3つの経済指標

米国の個人消費支出

 まず、米国の個人消費支出(Real Personal Consumption Expenditures)の伸び率の推移を見てみます。

 前掲図表ではGDPが伸びていましたが、個人消費は意外にも横ばいで推移しています(※米国のGDPのうち、消費が占める割合は7割程度)。

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 月ごとの数値を見ると、消費の数値はかなり変動しています。

 一つの指標だけでは見誤りそうなので、他の指標も見てみることにします。

コンファレンスボード消費者信頼感指数

 米国の消費者マインドを図る指数としては「コンファレンスボード消費者信頼感指数」(Consumer Confidence)が有名です。これは民間調査機関のコンファレンスボードが行った消費者5000人へのアンケートを指数化した指標です(月末発表)。

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 アンケートに基づいた指標で見ると、右肩上がりです。

ミシガン大消費者信頼感指数

 それは、ミシガン大学が500世帯へのアンケートで調べる消費者信頼感指数(University of Michigan Consumer Sentiment)でみても同じです。

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 全体的な個人消費の累計が横ばいなのに、アンケートの反応が好感触なのは、調査範囲の外に消費を切り詰めている世帯がいることを意味しているのかもしれません。

 そこで、様々な商品に焦点をあてて消費の動向を見てみます。

米国企業の売上高を計る指標はどうなっている?

 まずは、小売の売上高(Retail Sales)からです。

小売売上高

 これは百貨店等の小売、サービス業から約5000社の月間売上高を集計した指標です。

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 百貨店等、小売店で買い物をするのは中流層の消費者が多いわけですが、こちらで見ると、全体平均は微増ぐらいでしょうか。

 9月頃に大きく売上高が伸びましたが、トータルの平均値で見ると、必ずしも大きく伸びているわけではありません。

 しかし、高額商品の自動車や不動産の売上を見ると、やや違った様相を呈しています。

米国内自動車販売高

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 米国の自動車販売高(Domestic Motor Vehicle Sales)は右肩上がりです。

 そして、住宅の販売件数もやや高めになっています。

中古住宅販売件数

 中古住宅販売件数(Existing Home Sales)は微増程度です。

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新築住宅販売件数

 しかし、新築住宅販売件数(New Home Sales)は右肩上がりになっています。

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 こうしてみると、米国消費を先導しているのは、高額商品の販売増なのかもしれません。

 製造業の景況を図る指標

 そして、米国の製造業や失業率なども、非常によい数字となっています。

ISM製造業景況指数

 米供給管理協会(ISM)が約350の製造業の仕入れ担当役員にアンケートを実施して発表する「ISM製造業景況指数」(ISM Manufacturing Index)は50を超え、60に近づいてきています(※50超で好景気とされる)。

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鉱工業生産指数

 鉱工業生産指数(Index of Industrial Production)もU字型に回復しており、どことなく上記図表と似ているようにも思えます。

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 16年は低迷していましたが、17年以降は上昇基調に入っています。

 製造業の指標はわりと良好な数字です。

 米国の失業率は右肩下がり

 最後に、雇用を見ると、失業率は一貫して右肩下がりになっています。

 2017年初め頃にも、米国経済は完全雇用に近い数字だとまで言われていましたが、その後も失業率が下がり続けました。

 総じて、マクロ経済政策のパフォーマンスは良好です。

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 ここまで見事に失業率が下がる例も珍しいのではないでしょうか。

 あくまでもざっくりとしたグラフでの観測ですが、上記10の指標で見ると、米国経済は順調に見えます。

 中間選挙で共和党が民主党に敗れ、大統領の所属政党と議会の多数党がねじれる可能性もありますが、政治要因を除けば、2018年の米国経済には期待できるのではないでしょうか。

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