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バンガードS&P500 対 新興国ETF 株価伸び率を比較してみた

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今回は、米国の主要企業500社に分散投資を行う「バンガードS&P500 ETF」(VOO)と新興国市場の企業に投資するETFの株価の伸び具合を比べてみます。

2018年の投資先について、年の終わり頃に思案に暮れている方もいるかもしれないので、参考になるような記事を目指してみます。

米国市場と各国市場向けのETF(上場投資信託)のパフォーマンスを比べてみます。

バンガードS&P500の株価の推移

VOO chart

これはマネックス証券の取引画面からキャプチャーで取ってきた画像です。

美しい右肩上がりの株価チャートになっています。

このチャートの対象がバンガードS&P500ETF(VOO)です。

知っている方には要らない説明ですが、一応、初めて触れる方のために簡単な説明を入れておきます。

(※ご存じの方はこの節を飛ばしてください)

ざっくり言えば、これは米国企業の上場500社(S&P500)に分散投資を行い、その500社の平均値に近い値段になるように設計されたETFです。運用者が才覚を発揮してアクティブに運用するのではなく、機械的に分散投資を行う仕組みになっています。

VOOを構成する株の業種比率は以下の構成で、経費率は0.04%という驚くべき低水準に抑えられています。

  • 情報技術:22.3%
  • 金融:14.5%
  • ヘルスケア:14.5%
  • 一般消費財・サービス:12.3%
  • 資本財・サービス:10.3%
  • 生活必需品:9.0%
  • エネルギー:6.1%
  • 公益事業:3.2%
  • 不動産:2.9%
  • 素材:2.8%

2016年9月~17年6月までの4回の分配金は1単位あたり0.883~1.296ドル(配当金に相当)。

投資にかかる費用は低く、そこそこの配当もあり、分散投資もできるという、優れもののETFです。

そのせいか、最近、日本でも知られてきました。

値動きを見ると、前掲グラフでは最下限が53ドル程度。2010年の終わり頃に53ドルだったものが、135.35ドルにまで伸びています。数えやすい 2011年初から比べると、VOOは2.55倍(2017/11/23時点)になっています。

これだけの成長性と安定性を誇る投資先が他国にあるのかどうかが、本記事で取り組む問題です。

下記グラフは、VOOを変型版の2種のETFと比べたグラフです。

成長株に特化したVOOG(バンガードS&P500グロースETF)と割安銘柄に特化したVOOVを入れて三種の伸び率を比べています(VOOGはIT35%、ヘルスケア16%、VOOVは金融27%、ヘルスケアと消費財が12%を占めるなど、構成比率が違う)。

2013年比での伸び率を見ると、VOOGが97.43%、VOOが83.68%、VOOVが66.98%。

いずれも高水準のパフォーマンスを示しています。

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VOO対ブリックスETFの勝敗は?

2013年以降の数字で、英語版のヤフーファイナンスでバンガードS&P500(VOO)とBRICS諸国のETFを比較してみます。比較対象は以下の5つのETFです。

(以下、本記事のETFの説明は『米国会社四季報(秋冬版)』の記述を参照)

EWZ(iシェアーズMSCI ブラジルキャップトETF)

  • 58のブラジル株からなるMSCIブラジルインベスタブル指数に連動
  • 業種比率は金融37%(上位の銀行2銘柄で2割強)、生活必需品15%、エネルギー11%
  • 経費率は0.63%。1単位あたりの分配金は0.208~0.395ドル

ERUS(iシェアーズMSCI ロシアキャップトETF)

  • 29のロシア株からなるロシアインベスタブル指数25/50に連動
  • 業種比率はエネルギー45%、金融24%(上位三社で3割超)
  • 経費率は0.64%。1単位あたりの分配金は0.07~0.78ドル。

EPI(ウィズダムツリー インド株収益ファンド)

  • インドの高収益株248銘柄からなるウィズダムツリーインドアーニングス指数に連動。
  • 首位のリライアンスが12%。上位三社で25%。金融とエネルギーが上位。
  • 経費率は0.84%。1単位あたりの分配金は0.006~0.075ドル。

FXI(iシェアーズ中国大型株ETF)

  • 香港上場の中型~大型株51銘柄からなるFTSE中国25指数に連動。
  • 業種比率は金融52%、テンセント一社で10%超
  • 経費率は0.74%。1単位あたりの分配金は0.176~0.775ドル。

PEK(ヴァンエックベクトル中国AMC A株 ETF)

  • 上海・深浅上場の中国A株300銘柄からなるCSI300指数に連動。
  • 業種比率は金融35%、資本財15%
  • 経費率は0.72%。1単位あたりの分配金はゼロ~1.409ドル。

VOO対EWZ、ERUS、EPI、FXI、PEK

  • VOO:+83.68%
  • EWZ:-25.62%
  • ERUS:-21.98%
  • EPI:+43.62%
  • FXI:+21.94%
  • PEK:+45.21%

上記ETFの色の線が以下のチャートで値動きしています。

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 (出所:英語版ヤフーファイナンスにて11/27に作成)

伸び率で勝負すると、VOOの圧勝としか言いようがありません。

経費率はVOOのほうが安く、分配金でもVOOのほうが高水準です。

資源安になった後のブラジルやロシアに投資するのはよほどのチャレンジャーですが、VOOとインドや中国向けETFとでは大きな差がついています。

中国のPEKの乱高下ぶりはすさまじいので、「これは、リスク回避というETFの役割を果たしているのだろうか」という疑問を感じます。

インド向けのEPIの伸びは4割という高水準ですが、それでもVOOの半分でしかないのは、驚きの結果です。

VOO対韓国、台湾、マレーシア、シンガポールETFの勝敗は?

次に、バンガードS&P500(VOO)と韓国、台湾、マレーシア、シンガポールのETFを比較してみます。

比較対象は以下の4つのETFです。

EWY(iシェアーズMSCI韓国キャップトETF)

  • 113の韓国株から成るMSCI韓国インベスタブル指数に連動
  • 業種比率はITが38%(サムスン電子が22%)、金融15%
  • 経費率は0.64%。1単位あたりの分配金は0.645~1.202ドル

EWT(iシェアーズMSCI台湾キャップトETF)

  • 92の台湾株から成るMSCI台湾指数に連動
  • 業種比率はITが57%、半導体22%(鴻海が10%)
  • 経費率は0.64%。1単位あたりの分配金は0.524~0.798ドル。

EWM(iシェアーズMSCIマレーシアETF)

  • マレーシアの43銘柄から成るMSCIマレーシア指数に連動。
  • 業種比率は金融31%(パブリック銀行が12%)、資本財15%、公益事業14%
  • 経費率は0.48%。1単位あたりの分配金は0.351~10.987ドル。

EWS(iシェアーズMSCIシンガポールキャップトETF)

  • シンガポールの27銘柄からなるMSCIシンガポール指数に連動。
  • 業種比率は金融37%、不動産21%、資本財18%
  • 経費率は0.48%。1単位あたりの分配金は0.128~0.662ドル。

VOO対EWY、EWT、EWM、EWS

  • VOO:+83.56%
  • EWY:+24.62%
  • EWT:+39.23%
  • EWM:-45.1%
  • EWS:-4.64%

(※11/27記事作成中にヤフーのデータ更新がなされたため、VOOの数字が前節と変わっています)

上記ETFの色の線が以下のチャートで値動きしています。

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 (出所:英語版ヤフーファイナンスにて11/27に作成)

こちらもVOOの伸び率が勝っています。

台湾は鴻海、韓国はサムスンに牽引されているせいか、わりとよい結果ですが、それでもEWTが4割、EWYが約25%。伸び率はVOOに及びません。

シンガポールは成長国というイメージがありますが、EWSはふるわず、マレーシア市場を対象にしたEWMは超低空飛行を続けています。何と-45%というすさまじい水準です。

VOO対東南アジア諸国ETFの勝敗は?

さらに、バンガードS&P500(VOO)と韓国、台湾、マレーシア、シンガポールのETFを比較してみます。比較対象は4つののETFです。

THD(iシェアーズMSCI タイキャップトETF)

  • 128のタイ株から成るMSCIタイインベスタブル指数25/50に連動
  • 業種比率は金融が20%、エネルギーが17%(石油公社が1割弱)、資本財が11%
  • 経費率は0.63%。1単位あたりの分配金は0.545~1.368ドル

VNM(ヴァンエック ベクトル ベトナムETF)

  • 36のベトナム株から成るマーケットベクトルベトナム指数に連動
  • 金融、消費財、不動産比率高め(25%は他国企業)
  • 経費率は0.66%。1単位あたりの分配金は0.047~0.51ドル。

EIDO(iシェアーズMSCI インドネシアETF)

  • インドネシアの90銘柄から成るMSCIインドネシアインベスタブルマーケット指数に連動。
  • 業種比率は金融33%、電気通信15%、一般消費財14%(上位五銘柄で5割)
  • 経費率は0.48%。1単位あたりの分配金は0.351~10.987ドル。

EPHE(iシェアーズMSCI フィリピンETF)

  • フィリピンの44銘柄からなるフィリピンインベスタブルマーケット指数に連動。
  • 業種比率は金融、不動産、資本財が2割程度(上位5銘柄で4割超)。
  • 経費率は0.64%。1単位あたりの分配金は0.089~1.116ドル。

VOO対EWY、EWT、EWM、EWS

  • VOO:+83.56%
  • THD:+12.33%
  • VNM:+0.96%
  • EIDO:-10.07%
  • EPHE:+10.91%

上記ETFの色の線が以下のチャートの値動きになります。

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 (出所:英語版ヤフーファイナンスにて11/27に作成)

こちらはタイ向けのTHDとフィリピン向けのEPHEが一割ほど伸びています。

しかし、2013年からの比較で見ると、VOOはずいぶんと高い伸び率です。

この種の伸び率はどこに比較の定点をおくかでずいぶんと変わるのですが、2011年から比較したグラフで見ても、VOOのほうが優れた伸び率でした。

ここまで見た範囲では、BRICSやアジアの新興国でVOOに勝る成果を挙げるETFは出てきていません。

むろん、他にもたくさんのETFがあるわけですが、アジアの国々の市場にターゲットを当てたETFでVOO以上のパフォーマンスを出すのは、難しいのでしょう。

この数字から見る限り、国別の投資先で見たら、やはり、米国市場を対象にしたETFがお勧めだということになります。S&P500は米国市場における主要企業の分散投資なので、これを基準にして、他にどんな投資先がありうるのかを考えるのが妥当だと言えそうです。

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