ムンバイ

Simon / Pixabay

インドETF

この記事では、インド市場に投資するETF(米国上場)のデータを比較し、最近のインドの動きを整理してみます。

インドは今後も成長が見込まれる有望国ですが、2018年以降の経済成長はどうなるのでしょうか。

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インドETFの比較:【EPI】【INDL】【SCIF】

当ブログは、米国株投資を中心にデータを整理しているので『米国会社四季報』(2017秋冬号)に載っているものを紹介してみます。

★【EPI】ウィズダムツリー インド株収益ファンド

ウィズダムツリーインド収益指数と利回り実績に連動した米国籍ETF。

★【INDL】DirexionデイリーMSCIインディア株ブル三倍ETF

MSCI India 指数の変動の3倍に連動する米国籍ETF

★【SCIF】ヴァンエックベクトル インド小型株ETF

MVISインド・スモールキャップ指数に連動する米国籍ETF

株価の推移

2月に大きく株価が下がっています。

india

ここ3年で見ても、結構、数字が変動しています。

5年間で見ると、きれいな右肩上がりにならず、上がっては下がりの値動きを繰り返しています。

最近の5年間を見ると、株価の伸び率がSCIFとEPIとで逆転しています。

この期間では小型株の伸び率が高まっているわけです。

トータルリターン等

(以下、%は省略。利回り=税込み配当利回り、TR=トータルリターン。データはブルームバーグHP〔2018/3/15閲覧〕)

  EPI INDL SCIF
直近配当額 0.026 0.315  0.07 
配当利回り率 0.37 1.44  0.12
経費率 0.84  0.95  0.75 
3か月TR 0.73 -5.27 -5.48
1年TR 15.59 31.2 19.75
3年TR 6.79 -2.47 9.26
5年TR 8.65 2.13 10.77

INDLに関しては、2017年のトータルリターンは31.2%になっています。

SCIFは2割増しです。

長く持っていてもTRは大した割合ではないので、短期の上がり下がりでの売買に適しているようです。

構成銘柄比率

構成銘柄の上位10位は以下の通り。これもブルームバーグHP(2018/1/14閲覧)のデータです。

【EPI】

  1. RIL(リライアンス・インダストリーズ)9.16
  2. INFO(インフォシス)8.56
  3. HDFC  6.38
  4. TCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)3.91
  5. ICICI銀行 2.92
  6. ONGC(インド石油ガス公社) 2.55
  7. IOCL(インド石油会社)2.08
  8. HCLテクノロジー :1.95
  9. SUNP(サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ)1.84
  10. MSIL(マルチスズキ・インディア)1.68

SCIF】

  1. NJCC(ナーガールジュナ・コンストラクション)2.32
  2. ESC(エスコーツ)2.32
  3. 日精エーエスビー機械:2.16
  4. KPITテクノロジーズ:1.7
  5. RINDL(レイン・インダストリーズ)1.62
  6. JI(ジャイン・イリゲーション・システム)1.62
  7. PVRL 1.61
  8. IPCA(IPCAラボラトリーズ)1.53
  9. CARE(ケア・レーティングス)1.52
  10. NITEC(NIITテクノロジーズ)1.46

【INDL】

  1. INDA(iシェアーズMSCIインドETF)22.81
  2. FTIXX(ゴールドマン・サックス・ファイナンシャル・スクエアフ)3.64
  3. DGCXX(Dreyfus Government Cash Mana)1.92

インド経済の展望(経済成長率など)

世界銀行HPのデータバンクによればインドの実質GDPは以下の規模と成長率で推移しています(米ドル2010年基準換算)。

  • 2014年:2兆1307億ドル(7.3%)
  • 2015年:2兆3014億ドル(6.9%)
  • 2016年:2兆4649億ドル(6.7%)

IMFは2017年の実質成長率を6.7%、18年を7.4%、19年を7.8%と予測しています。

2017年12月26日にはロイター社が経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR:英民間調査機関)が、インド経済が2018年に英仏を抜いてドルベースで世界第5位になるという見通しを明かしました(「インド経済、来年は世界5位に浮上へ」)

日経スタイルでも「インド経済は電子化で沸騰中 日本からの投資は投信で」(2017/8/17)と題した記事を公開し、そこでは、大和キャピタル・マーケッツインディアの小西健太郎社長とダルマキルティ・ジョシ氏(インド格付け会社クリシル・チーフエコノミスト)へのインタビューを掲載していました。

以下、両名の発言の要旨を紹介しておきます。

【小西健太郎氏】

  • 「インドは中長期的に消費が経済をけん引する構図だ。国民の平均年齢が25歳程度と若く、生産年齢人口の伸び余地が大きい。『高成長で若い』という経済は主要国でも類を見ず、成長期待を支えている」
  • 「電子マネーを中心としたデジタル経済(キャッシュレス社会)への移行が加速している」「デビットカードでの決済は16年10月~17年1月の約4カ月だけでそれ以前の2.2倍の4900億ルピーに達しており、クレジットカードの伸び(1.1倍の3271億ルピー)を大きく上回った」
  • (物品サービス税〔=GST〕は)「州ごとに異なる間接税をかけていたのを統一した」「インドでは州ごとに言語も文化も異なり、税率まで異なる。そのため州境では役人による賄賂も横行していた。GSTは税を統一化することで国内物流を効率化させるだけでなく、こうした賄賂を減らす効果も期待できる」

【ダルマキルティ・ジョシ氏】

  • 「17年度は前年度比で0.3ポイント高い7.4%成長を実現しそうだ」
  • 「低インフレや財政赤字が安全な領域で推移していること、通貨ルピーの安定などが経済成長を支えている」
  • 「インドは今のところ中国のように過度な借り入れ、信用創造に支えられているわけではない。当面は経済大国として高成長が続くとみている」
  • 「GSTは一時的なショックはあるかもしれないが、長期的には経済の効率性を高め、成長、インフレ、輸出、財政の面で良い影響を与える」
  • 「ただし銀行の不良債権は増える一方、GDPに占める投資の比率は低下する傾向にある。この傾向を変えなければ持続的な成長は見込めない。中小の起業家への支援策も必要だ」

インドが抱える火種 中印国境の確執とは

2017年のインド政治を振り返ると、国境を巡る中印の確執が注目されます。

この紛争は18年以降も再燃しうるからです。

17年9月3日のBRICS首脳会議(中国開催)前に手打ちとなりましたが、今後、この問題は尖閣諸島問題に匹敵するリスクになりえます。

6月17日から「1962年の中印国境紛争以来」の緊張状態が8月28日まで続きました。

中国とブータンが共に領有権を主張する地域で中国が道路をつくり始め、ブータンを支援する形でインドが軍を派遣。7月のG20でも中印両国は首脳会談を見送っています。

これは国益をめぐる根深い対立でしたが、BRICS首脳会議前一週間の8月28日に対立が終わり、9月5日に福建省アモイにてモディ首相と習主席は再び会談。争いを手打ちにし、両国関係を正常化することで合意しました。

中印首脳は両国の平和共存を世界にPRするために報道陣の前で笑顔を見せ、握手しています。

この争いの詳細を見ると、係争地はインド北東部シッキム州国境近辺です。

ここはヒマラヤ山脈にある州で、西にネパール,北(北東)はチベット、南東はブータンに面しています。

東部にて、インドはヒマラヤ山脈稜線を走るマクマホン・ラインを中印国境線としていますが、中国はそこよりも約150キロメートル南にあるヒマラヤの山脈線を国境だと主張しています。

両国の国境線に挟まれた地域は約9万平方km(北海道よりも広大)で両国はいがみあっているのです。

さらに、ヒマラヤ山脈は中印とメコン河流域の水源地なので、この国境をどちらが制するかで「水利権競争」の勝敗も定まります。

中国もインドも水不足なので、ダム建設競争も含めて、これは死活的な戦いになりえます。

そのほか、西部にはラダック(中国名アクサイチン)があります。

ここはインドとパキスタンの係争地であるカシミール地区の一角にあるのです。

(1942年のチベット・カシミール協定ラインで国境は画定しましたが、中印の主張する国境には約3万3000平方kmもの差が生まれている)

アクサイチンを経てチベットからカラコルム山脈を越えれば、パキスタンの首都イスラマバードやアフガニスタン、イランへと出ることができます。

イスラマバードからはカラチ経由でインド洋にも出れるので、中国から見れば、この地域は「一帯一路」の実現のために何としても取りたい地域になっているわけです。

カシミールがインドに押さえられたら、中国は新疆からパキスタンへの出口、さらにはアフガニスタンやイランへの出口を失うので、「一帯一路」を掲げる以上、譲ることができません。

インドの発展のためには中国との貿易は重要なファクターですが、政治面ではパイの取り合いになっていることに要注意すべきでしょう。

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「一帯一路」を警戒するインド

17年に話を戻すと、モディ首相は1月に中国がダボス会議で「一帯一路」構想を強調したことを批判。

「地域の連結性は、他国の主権を無視したり、傷つけたりするものであってはならない」と述べました。この発言にはインドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方の一部を中パ両国が一帯一路の「合流点」と見なし、「中パ経済回廊」として整備していることへの批判が含まれています(産経ニュース「モディ印首相、ダボス会議の裏で中国の「一帯一路」を批判」2017/1/18)

その後、3月にはスリランカのシリセナ大統領がインドを初訪問し、民生用の原子力開発の協定を結び、ラジャパクサ前大統領時代の中国寄り外交の修正を約束。

4月4日にはチベット仏教を指導するダライ・ラマ14世がインド北東部アルナチャルプラデシュ州を訪問。その地は中国との領有権を巡る係争地なので、当然、中国側は大反発しました。

5月14~15日には中国で「一帯一路」首脳会談が開催されましたが、インドは「中国パキスタン経済回廊」がカシミール地方のパキスタン支配部分を経由することに抗議し、この会議に出席を拒否しました。

そして、「一帯一路」構想を批判しました。

モディ首相は5月24日に「アジア・アフリカ成長回廊」という日印協力も含めた構想を明かしています。

インド側は、中国がスリランカにハンバントタ港を建設した際に、スリランカ政府は80億ドルのローン返却の見通しがなく、最後は中国に99年にわたって運営権を渡すことを契約する結果に終わりかねないと問題視しました。

 

陸でも海でも、インドと中国の利害がぶつかっているわけです。

インドは北東部で道路建設プロジェクトを進め、国境紛争地帯に迅速に軍を送る体制をつくるとともに、スリランカにトリンコマリー港を建設しています(日印が協力)。

そういう問題があるため、モディ政権は日本との関係を強化し、中国を包囲するように外交戦略を組み立てています。

日印関係の強化

近年のモディ首相の訪日等を追ってみます。

モディ氏は2016年11月10日~12日に来日しました(日印首脳会談+天皇陛下会見あり)。

そこでは、以下の合意がなされています(外務省「日印首脳会談」)。

  • アジアの海洋安全保障環境のための日印協力
  • 「日印新時代」の象徴案件であるムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道は18年着工、23年開業を目指す。
  • 日本の救難飛行艇US2の輸出のための協議を続ける
  • インドの製造業の発展を支援

いちばん大きな案件が日印原子力協定です。

経済成長が続くインドでは電力供給が不足しているので、原子力発電所の建設に関して、日本に協力を希望していました。

インドは32年までに原発の発電能力を10倍に増やす計画があるため、日本政府は、原発の計画段階から建設、補修・点検まで一括してパッケージとして輸出することを考えたわけです。

しかし、原子力に関しては日本とインドにスタンスの違いがありました。

インドは核兵器を保有し、自国の安全保障のために20世紀に核実験を行ってきたので、核拡散防止条約(NPT)に参加していません(筆者は、インド大使館で勤務している方に話を伺ったことがあるのですが、その時も「米英仏露等にだけ核保有を認めるNPTは偽善的だ」と主張されていました。NPTは「俺たちは核を持つが、お前はもつな」という仕組みなので、その方の主張は当たっています)。

ところが、日本は「被爆国」として非核三原則を重んじていたので、この分野ではどうしても話がまとまらなかったのです。

この会談では、NPTに入らないインドにも日本は原発建設に協力するが、核実験再開時には協力を停止する、という形で原子力協定が結ばれました。

長年の懸案事項が整理されたので、今後、日印の関係はスムーズになります。

※日印原子力協定の内容

(寺林 裕介/外交防衛委員会調査室「日・インド原子力協定―国会提出に至る経緯と主な論点―」)。

  • ①専門家の交換、②情報の交換、③核物質、資材、設備及び技術の供給、④役務の提供及び受領等の方法により、原子炉の設計、建設、運転のための補助的役務、保守活動及び廃止措置等が可能になる(第2条2)。
  • 日本からの協力は平和的非爆発目的に限られ、本協定に基づいて移転された核物質等は、核爆発装置とその研究のために用いてはならない(第3条1、2)。
  • 本協定下ではIAEA保障措置が適用されていることを要件に協力が行われる(第4条1、2)。
  • 改正核物質防護条約に従い、核物質や設備等の防護措置をとる
  • 核物質等は、供給国から事前同意が得られる場合を除き、第三国への移転が禁止される(第 10 条)。
  • 本協定は発効後 40 年間効力を持つ。一方の締約国が通告しない限り自動的に 10 年延長(第 17 条2)。

当時、安倍総理は「自由で開かれたインド・太平洋戦略」と「アクト・イースト」の連携により,インド太平洋地域の繁栄と安定を主導したい」と述べ、モディ首相は「日印のグローバルな連携が順調に進展し、その成果がでていることを嬉しく思う」と述べています。

日印原子力協定に関して、安倍首相は「核兵器のない世界」という目標が共有されていることを強調。

モディ首相は「日印の協力はインドのエネルギー安全保障に資する」「インドは、核実験の自発的モラトリアムを実施しており、国内の輸出管理体制は世界で最も優れている」と述べました。

そして、「日印新時代」の象徴案件であるムンバイ・アーメダバード間高速鉄道については、安倍総理が新幹線方式の採用に期待の意を表明しています。

(※その後、トヨタの豊田章男社長とスズキの鈴木修会長は2017年3月9日に訪印し、モディ首相と会談(両者は業務提携している)。インド政府は「製造業育成策を促進し、雇用創出に寄与する」と2社のインドでの協業に期待の意を示しました)

モディ外交:2017年の各国訪問

モディ首相は4月10日に訪印したオーストラリアのターンブル首相と会談。

包括的経済協力協定(CECA)締結のための交渉再開で合意しました。

その席でターンブル氏はインドや中国を含むアジア広域の自由貿易協定である「域内包括的経済連携(RCEP)」の成立を優先させる意向を明かしています。

CECAの協議ポイントとしては豪⇒印への農産物輸出、豪州へのインド人技能労働者の受入れ等が挙げられました。

さらに6月1日に訪露し、モディ首相はプーチン大統領とインドとの原子力協力(原発推進)で合意(モディ内閣は前月にインド製原子炉を10基増やす計画を承認している)。

そして、3日にはマクロン仏大統領との会談等を経て、パリ条約の遵守を強調。原発推進でCO2排出削減と経済成長を両立させる意向を示しました。

7月4日にはインド首相としてイスラエルを初訪問。イランとペルシャ湾の湾岸諸国への配慮から、安全保障面よりも経済協力を強調しています。

しかし、実際はかなり安保面での協力が色濃いようです(毎日新聞「イスラエル・インド首脳会談」17/7/5)。

  • インドにとってイスラエルは露・米に次ぐ武器供給国。軍同士でも交流はあるが、イスラエルとの防衛協力はパレスチナ問題など、イスラム諸国にとっての敏感な課題があるため、インドは広くPRしなかった。
  • イスラエルはインドが1998年の核実験で制裁を受けた際も武器取引を続けていた。2017年4月にも共同開発する防空システムを地上と空母に展開する20億ドル相当の契約を結んだ。

モディとトランプの関係は良好(米印首脳会談)

特筆すべきなのが、訪米時のトランプ大統領との会談(6月26日)です。

 

インドは米国と、対中抑制や米印経済関係の強化、対テロ等で連携しています。

パキスタンとの係争を抱えるインドはアフガニスタンの不安定化やインド洋での海洋テロ等を警戒しているのです。

17年の首脳会談ではアメリカが約240億ドルの対印貿易赤字を抱えていることから、トランプ大統領は印航空会社「インディアン・エアラインズ」が米国製旅客機100機を新規発注したことを喜び、インド企業が米国の天然ガスなどのエネルギー資源を購入することを期待しました。

(米国はインドにC17輸送機(約3.6億ドル)の売却や22機の非武装無人偵察機MQ9Bガーディアンの供与等を決め、7月には米印日の3カ国合同での海洋軍事演習「マラバール」が開催された)

ホワイトハウスHPに掲載された両国首脳の発言を紹介してみます(出所:米印首脳会談にあたっての記者会見)。

トランプ大統領の発言

  • 私は大統領選の間、当選したら、インドは真の友人をホワイトハウスに持つことを約束した。そして、あなたは、それをまさに持っている。本当の友人だ。
  • 米国とインドの友好関係は、我々の民主主義への献身を含めた共通の価値観に基づいている。多くの人は知らないが、アメリカとインドの憲法は同じ3つの非常に美しい言葉(We the people)で始まる。首相と私は、両国の協力の基盤づくりを助ける、これらの言葉の重要な意義を理解している。
  • 私は、モディ首相とインドの人々が共に成し遂げた全てに敬服し、感激している。あなたの業績は広大だ。インドは世界で最も経済成長が速い
  • わずか2週間で、あなたがたの国は、史上最大の税制改革を実施するーー我々も同じように(減税)するーー税制改革は、あなたがたの市民に素晴らしい新機会を創造するだろう(※インドでは7月1日に全国統一の物品サービス税(GST)を導入。インドの州境を越えて商品を移動させる際に賄賂等が要求されず、全国で一律の税制となる)。
  • あなたがたには、インフラを改善する大きなビジョンがある。そして、あなたがたは常に民主主義にとって重大な脅威である政府の汚職と戦っている。両国は一緒に、新技術、新インフラ、そして非常に勤勉でダイナミックな人々の熱意と興奮を引き出す未来への楽観的な道筋を描くのを助ける。
  • 私は、あなたの国の雇用を生み出し、経済を成長させ、公平で相互的な貿易関係をつくるため、首相と共に働くことを楽しみにしている。
  • 米国商品を輸出する市場の障壁を取り除き、貿易赤字を削減することが重要だ。
  • インドの航空会社が最近の100機の米国製航空機について、大型注文を行った。これはこれは幾千もの米国人の雇用を支える。
  • また、現在交渉中の米国の天然ガスの長期購入契約を含め、経済成長に伴い、より多くの米エネルギーをインドに輸出することを楽しみにしている。その価格を少し上げようとしているのだ。
  • 経済的な協力関係をさらに発展させるため、モディ首相がわが娘イヴァンカに今秋、インドのグローバル・アントレプレナーシップ・サミットに米国代表団を率いるように招待したことに感激している。彼女はそれを受け入れるだろう。
  • 米国とインドの安全保障上の協力関係は非常に重要だ。
  • 両国とも悪しきテロに打撃を受けており、テロ組織とそれらを推し進める過激主義のイデオロギーを破壊しようとしている。我々は過激なイスラムのテロを破壊する。我々の軍隊は、協力を強化するために毎日働いている。
  • そして、来月、日本の海軍(海上自衛隊)と一緒に、広大なインド洋で過去、最大の海上訓練に参加する。(※7月には米印両海軍と自衛隊による3カ国合同での海洋軍事演習「マラバール」が開催される)
  • 私はまた、アフガニスタンでの努力への貢献、そして北朝鮮に対する新制裁の適用に参加してくれたことをインドの人々に感謝する。北朝鮮政権は大きな問題を引き起こしており、対処しなければならない。

モディ首相の発言

  • この会談は、両国の協力の歴史の中で非常に重要なページだ。
  • 双方にとって、全面的もしくは包括的な経済成長と両国と両社会の共同の進歩が主な目的だ。
  • 大統領と私の最優先事項は、テロリズムのような地球規模の挑戦から私たちの社会を守ることだ。私たちの目標は、インドと米国の強化だ。世界の中での2つの偉大な民主主義国であり、友である二国関係を強化したい。
  • 我々は、すべての主力プログラムとスキームにおいて、米国をインドの社会的・経済的変革のための主要パートナーと見なしている。私は新しいインドのビジョンと「アメリカを再び偉大にする」というビジョンの連携が、我々の協力に新次元を開くと確信している。
  • 我々の共通の優先事項の1つは、貿易、商取引、投資の関係の発展にある。技術、革新、知識経済の分野では、協力拡大と深化が最優先事項の一つだ。このため、デジタルパートナーシップの成功をさらに強化する措置を講じる。
  • 友人というが、我々は偶然のパートナーではない。我々は現在または未来においても直面する課題に対処するパートナーだ。
  • 今日の会合では、今日の世界が直面する主要課題であるテロリズムや過激主義等について議論した。我々はこれらの惨状と戦うための協力強化に合意した。テロとの戦いやテロリストにとって安全な避難所や聖域をなくすことは、我々の協力の主要部分だ。

モディ首相は中国を警戒しつつ、「全方位外交」を展開

インドと日本は同じ自由民主主義を奉じる経済大国ですが、外交・安保政策には大きな違いがあります。

日本は日米同盟を国を守る中心軸においていますが、インドは同盟国を持っていません。冷戦期においては「非同盟諸国」の中心でもありました。

建国以来、国を率いたネルー首相は、当初は中国と連携したのですが、非同盟諸国の旗を掲げた後に中国側に裏切られるという挫折を経験し、外交・安保政策をより現実的なものに変えていきます。

最終的には核兵器まで持つようになり、米国やロシア、中国がインドを侮れないだけの軍事力を養成したのです。

(※インドは核武装を自国防衛の柱にしているため、指導者層は本音ではNPTを核大国が他国に核を持たせないための偽善的な枠組みだと評価している。ここでも日本と立場が大きく異なる)

インドはソ連から武器を買い、イランから石油を輸入し、アメリカと最先端のビジネスで提携しながら多くの人材を送り(米IT系大手の経営者の中にインド系は少なくない)、中国とは対立しながらも取引を続けています。

これはインドの全方位外交とも言われています。いわば各国と”いいとこ取り”をして自国に最大の利益を引き出すという、独立した大国の外交を実践しているわけです。

(米国に言いなりの日本に住む筆者としては、インドの大国外交はある意味ではうらやましく見えます)

インド側からは、日本は日米同盟のために外交の自由性を失っているように見えているようです。

ただ、立場や手段は違えども、共に自由民主主義国としての発展を目指しているので、日米印は大きく経済協力に踏み込む、インド太平洋の時代を開いていくべきでしょう。

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