【AFRM】アファームホールディングスの株価と決算
アファームホールディングスは、近年、注目が高まる後払いサービス(BNPL:Buy now pay later)を提供する米国の新興フィンテック企業です。
AFRMは消費者に対して、衣類からタイヤまで様々な商品を後払いで買える決済サービスをオンラインやモバイルで提供し、分割払いでの返済を可能にする企業です。
そのプラットフォームを通じて返済オプションを選択した顧客に対して、パートナーとなる銀行がローンを組み、資金を提供。
BNPLを行うAFRMは与信管理にAIを用いてリスク管理を行い、分割払いの利用者の拡大と貸倒率を抑えることの両立を目指しています。
2020年以降、米国でロックアウトが行われた際に、若年層を中心にして、多くの消費者がPTONのフィットネス関連機器を購入するためにAFRMのサービスを利用していました。
(PTONのバイクは2000ドル以上するが、AFRMはそれを金利0%の分割払いで買えるようにしたので、若年層に人気を博した)
2021年1月にIPOされた後、金利上昇で株価が下落しましたが、その後は盛り返してきています。
21年8月末にはAMZNとの提携を発表し、株価上昇に弾みがつきました。
主な指標を概観
まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)。
1/3株価 | 102 |
5/23株価 | 24.5 |
株価上昇率 | -75.96% |
52週高値 | 176.7 |
52週安値 | 13.6 |
β値 | – |
EPS | -2.43 |
PER | – |
配当利回り | – |
時価総額(億$) | 70 |
株式数(億) | 2.2 |
株価推移(チャートと伸び率)
次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。
株価の推移を1年ごとに見てみましょう。
★1:各年の株価伸び率(※22年終値は5/23株価) | |||
AFRM | 初値 | 終値 | 上昇率 |
2022 | 102 | 24.5 | -76% |
2021 | 90.9 | 100.6 | 11% |
★2:各年初から22/05/23までの伸び率 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
22年~ | 21年~ | 20年~ | 19年~ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
-76% | -73% | – | – |
四半期決算(2021予想など)
さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス)。
EPS:予想と結果
予想 | 5/22 | 1月前 | 2月前 |
Y:2023 | -1.69 | -1.95 | -1.89 |
Y:2022 | -2.24 | -2.68 | -2.67 |
Q:22/9 | -0.5 | -0.48 | -0.45 |
Q:22/6 | -0.5 | -0.51 | -0.5 |
EPS | 予想 | 結果 | 差 | % |
22/3 | -0.54 | -0.19 | 0.35 | 64.8 |
21/12 | -0.34 | -0.57 | -0.23 | -67.6 |
21/9 | -0.30 | -1.13 | -0.83 | -276.7 |
21/6 | -0.29 | -0.48 | -0.19 | -65.5 |
21/3 | -0.29 | -1.06 | -0.77 | -265.5 |
20/12 | -0.81 | -0.45 | 0.36 | 44.4 |
売上高:予想と結果
予想 | 5/22 | 1月前 | 2月前 |
Y:2023 | 1910 | 1920 | 1910 |
Y:2022 | 1340 | 1330 | 1320 |
Q:22/9 | 386 | – | – |
Q:22/6 | 356 | 352 | 350 |
売上 | 予想 | 結果 | 差 | % |
22/3 | 344 | 355 | 11 | 3.2 |
21/12 | 329 | 361 | 32 | 9.7 |
21/9 | 248 | 269 | 21 | 8.5 |
21/6 | 226 | 262 | 36 | 15.9 |
21/3 | 198 | 231 | 33 | 16.7 |
20/12 | 189 | 204 | 15 | 7.9 |
ガイダンス
(Q=四半期、Y=通年、予=予想。「21/3」は21/3決算で出した次期Qもしくは通年のGDを示す)
売上高 | Q:予 | Q:GD | Y:予 | Y:GD |
22/3 | 352 | 345~355 | 1330 | 1330~1340 |
21/12 | 330 | 325~335 | 1280 | 1290~1310 |
21/9 | 296 | 320~330 | 1200 | 1225~1250 |
21/6 | 234 | 240~245 | 1170 | 1160~1190 |
21/3 | 208 | 215~225 | – | – |
20/12 | 189 | 185~189 | 747 | 760~780 |
決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。
通年決算(GAAP基準)
最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。
損益計算(売上、純利益等)
AFRM | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 |
19/6 | 264 | -88 | -33% | -135 |
20/6 | 510 | -71 | -14% | -126 |
21/6 | 870 | -193 | -22% | -431 |
同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。
EPSや売上成長率など
AFRM | SG(%) | EPS | DSO |
19/6 | -39% | -2.84 | 6.1 |
20/6 | 93% | -2.63 | 8.6 |
21/6 | 71% | -2.88 | 8.1 |
※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。
バランスシート
AFRM | 総資産 | 総負債 | 株主資本 | 自己資本率 |
19/6 | 1149 | 614 | 535 | 47% |
20/6 | 1402 | 965 | 437 | 31% |
21/6 | 4867 | 2286 | 2581 | 53% |
ROAとROEなど
AFRM | ROA | ROE | 流動比率 |
19/6 | -12% | -25% | 1449% |
20/6 | -9% | -29% | 815% |
21/6 | -9% | -17% | 479% |
★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標
キャッシュフロー
AFRM | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
19/6 | -88 | -354 | 562 |
20/6 | -71 | -253 | 295 |
21/6 | -193 | -1022 | 2578 |