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日本の好感度はどの程度? アメリカ人の本音とは

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2018年には日米間の通商交渉が行われることが見込まれています。

また、日米共通の懸案事項である北朝鮮問題への対応も同時進行しています。

こうした米政府の動きには対日世論が反映されるので、今後の展開を考えるために米国民の対日世論を理解するのは、非常に大事なことです。

米国はやはり、民主主義の国だからです。

そこで、ここ数年、外務省が行った「米国における対日世論調査」のデータの推移を見てみます。

米国における対日世論調査(2017年)

日本政府(外務省)は2017年3月、米ニールセン社に米国での対日世論調査を委託し、その結果を17年12月に公表しました。

これは1960年以来続いている恒例の電話調査であり、「一般の部」(18歳以上の1005名が対象)と「有識者の部」(政官財界/学界/言論界/宗教界/労働関係等で影響力を持つ200名が対象)に分かれています。

その直近の数字は以下の通りでした。

項目 一般の部 有識者の部
対日信頼度 73%⇒82% 83%⇒86%
日米協力関係 (「きわめて良好」+「良好」) 62%⇒62% 75%⇒58%
日米間の相互理解が (「良好」) 36%⇒43% 38%⇒33%
アジアにおける米国の最も重要なパートナーは「日本」 27%⇒33% 34%⇒48%
アジアにおける米国の最も重要なパートナーは「中国」 25%⇒20% 19%⇒21%
日米安全保障条約は「維持すべき」 81%⇒82% 84%⇒86%
日本は防衛力を「増強すべき」 59%⇒61% 65%⇒66%
日米はクリーンエネルギーや高速鉄道で「協力すべき」 ---- 86%
日米はTPP交渉で協力すべき/日米はシシェールガス開発で協力すべき ---- 57%/57%

この数字からは、米国民が日本に対して良好な印象を持っていることが推測できます。

「外務省委託調査って、出来レースじゃないの?」

そんな疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、過去数年の調査を見る限り、必ずしも外務省に都合がよい数字は並んでいませんでした。

例えば、2013年の調査では、アジアにおける米国の最も重要なパートナーは「中国」と答えた人の割合が「日本」を上回っていたのです。

2013年 一般の部 有識者の部
アジアの重要パートナーは「日本」 35% 39%
アジアの重要パートナーは「中国」 39% 43%

当時は安倍政権発足初年だったので、米国側には「日本にナショナリスト政権が誕生した」という警戒感が強く、わりと中国寄りの見方が強かったことが対日世論調査にも反映されていました。

※しかし、その後に安倍政権はオバマ政権、トランプ政権の信頼を獲得。逆に中国は南シナ海で暴れた結果、米国民の好感度を下げていった(近年、この設問にはインドや韓国などが選択肢に追加されたので、以前より低い数字が出やすくなっている)。

米国民は日米関係をどう評価しているのか

もっと長期間で米国民の対日感情を見ていくと、数値は以下のように推移しています。

それを「一般の部」と「有識者の部」に分けて、設問別に見ていきましょう。

対日世論調査:一般の部

※2017年3月の調査結果は、以下の図表で「2016」の欄に記載されている

設問17-a:米国は現在の日米安全保障条約を維持すべきと考えるか。

(※YES:「維持すべき」、NO:「そうは思わない。残りの数値は「分からない」と返答)

YES NO
2016 82 7
2015 81 5
2014 81 7
2013 67 9
2012 89 7
2011 92 4
2010 90 5
2009 87 6
2008 78 7
2007 87 6
2006 85 7
2005 86 6

設問15-a:日本と米国は,アジア太平洋地域の平和と安定のために,緊密に協力すべきと考えるか。

YES NO
2016 91 6
2015 93 3
2014 91 5

設問15-b:日本は,アジア太平洋地域の平和と安定のために,より積極的な役割を果たしていくべきと考えるか。

YES NO
2016 80 12
2015 83 10
2014 81 9

設問19:日本は防衛力を増強すべきと考えるか。

YES NO
2016 61 28
2015 59 25
2014 57 28
2013 64 24
2012 59 37
2011 61 35
2010 56 37
2009 54 38
2008 46 39
2007 54 40
2006 51 39
2005 52 41

設問20-a:アジア地域の中でどの国が米国・地域にとり最も重要なパートナーであるか。

日本 中国 韓国 豪州
2016 33 20 9 16
2015 27 25 10 17
2014 46 26 13
2013 35 39 7
2012 50 39 1
2011 31 39 7 11
2010 44 44 1
2009 46 39 1
2008 43 34 1
2007 48 34 1
2006 45 33 1
2005 48 26 1

対日世論調査:有識者の部

※2017年3月の調査結果は、以下の図表で「2016」の欄に記載されている

設問14-a:米国は現在の日米安全保障条約を維持すべきと考えるか。

(※YES:「維持すべき」、NO:「そうは思わない。残りの数値は「分からない」と返答)

YES NO
2016 86 3
2015 84 5
2014 85 5
2013 77 6
2012 93 3
2011 91 4
2010 86 6
2009 89 5
2008 87 7
2007 88 6
2006 90 4
2005 83 6

※累計で100%。※残りは「分からない」等

設問12-a:日本と米国は,アジア太平洋地域の平和と安定のために,緊密に協力すべきと考えるか。

YES NO
2016 96 3
2015 99 1
2014 97 2

※外務省HPでは2015年のYESの欄が100%になっているが、NOが1%あり、累計で101%となってしまう。反対者がいないことは考えにくいので、YESを99%と記載した。

設問12-b:日本は,アジア太平洋地域の平和と安定のために,より積極的な役割を果たしていくべきと考えるか。

YES NO
2016 85 10
2015 88 9
2014 88 7

※累計で100%。※残りは「分からない」等

設問16-a:日本は防衛力を増強すべきと考えるか。

YES NO
2016 66 22
2015 65 28
2014 65 26
2013 72 18
2012 71 27
2011 64 32
2010 70 25
2009 69 24
2008 74 22
2007 67 25
2006 61 33
2005 69 25

※累計で100%。残りは「分からない」等

一般層よりも専門家層のほうが、日本の防衛強化に期待する人の比率が多いようです。そして、2014年を境にして、「アジアにおける米国のパートナーは中国ではなく日本だ」と考える人が増えてきました。

設問20-a:アジア地域の中でどの国が米国・地域にとり最も重要なパートナーであるか。

日本 中国 韓国 豪州
2016 34 21 13 14
2015 48 19 6 13
2014 58 24 13 0
2013 39 43 14 10
2012 40 54 1
2011 28 46 8
2010 36 56
2009 44 42
2008 54 38
2007 53 38
2006 47 43
2005 48 38

設問10:日米間の経済関係をより深化するために,日本が特に進めるべきと考える政策は以下のうちどれか(複数回答)

項目 2016 2015 2014
TPP交渉  57 78 88
日米FTA 86 83
クリーンエネルギーや高速鉄道等 86 90 91
その他 21 27 23
シェールガス等の資源開発 57 52 61

※不思議なことに、2016年の日米FTAの欄は数値データが入っていません。外務省が聞きたくなかったのでしょうか。

設問17-a:日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか。

YES NO
2016 69 18
2015 69 24
2014 66 20
2013 76 16
2012 58 40
2011 50 46
2010 56 41
2009 57 39
2008 49 47
2007 52 42

日本の常任理事国入りを支持する理由には、以下のような理由が挙げられています。

  • 「常任理事国入りした日本が国際の平和と安全に果たす今後の役割に期待するから」
  • 「民主主義、人権といった価値観を共有する国であるから」
  • 「経済大国である日本の存在は安保理機能の実効性を強化するから」
  • 「信頼できる同盟国であるから」
  • 「日本は国際の平和と安全に貢献を行っているから」

近年になって米国の専門家層から日本の国連常任理事国入りが期待されてきていることが分かります。

報道されない米国民の本音

米国内では、アジアにおけるパートナーとして日本が中国よりも評価されてきています。

また、米国内で、日本に防衛強化や安全保障面も含めたアジアでの責任拡大が期待されています。

このデータによれば、「日本は国連常任理事国入りしてもかまわない」と考えている人が多いようです。

日本の左派メディアにとっては、あまり都合がよくないデータであるせいか、これらの数字は大きな声で報道はされていません。

しかし、そうした事実をしっかりと認識し、米国の動向をウォッチングしていきたいものです。

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