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バフェットの手紙(2017年度)和訳

更新日:

ウォーレン・バフェットが2018年2月24日にバークシャー・ハサウェイの2017年業績について株主に送った手紙を翻訳します。

見出しの中で()がついているものは、訳者が便宜上、挿入したものです。

出所はこちら(BERKSHIRE HATHAWAY INC)。※傍線と太字は筆者追加

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(冒頭挨拶:減税と新会計基準について)

2017年にバークシャーの純資産は653億ドル増え、クラスA株とクラスB株の1株当たり簿価は23%増えた。

過去53年間(現体制になって以来)、1株当たり簿価は19ドルから211750ドルに上昇し、複利計算で年率19.1%の増加率となる。

冒頭の業績表は30年間、同じ書式だが、2017年は(今までの)規範とはほど遠い。我々の利益の大部分はバークシャーが生んだものではなかったからだ。

とはいえ、650億ドルの利益は現実のものだ。それは我々の気を休めてくれる。だが、バークシャーが生んだのは360億ドルしかない。

残りの290億ドルは12月に議会が行った税制改革(減税のこと)からもたらされたのだ。

財務上の事実を述べた上で、早速、バークシャーの事業について論じたいが、そのほかにも、世に受け入れられた新会計原則(米国会計基準=GAAP)にもふれねばならない。

その改正により、次の四半期と年次決算ではバークシャーの純利益の数字が手ひどく歪められ、解説者や投資家をしばしば誤解させるだろうからだ。

新ルールでは、当社が保有する株式の未実現損益の変動額を当社の純利益額に含めなければいけない。その条件は米会計基準上の純利益を荒々しくぶれやすいものにする

バークシャーは市場の株を1700億ドル持っており(クラフト・ハインツ社の当社株持ち分を除く)、これらの持分の価値は、四半期内に100億ドル以上容易に変動しうるのだ。

純利益にその変動幅を含めることは、当社の業績を示す本当に重要な数字(純利益もしくは純損失)を歪めてしまう。

分析のためにバークシャーの純利益(損失)は役に立たなくなる。

新ルールに伴い、コミュニケーション上の問題が生まれる。今までも「証券売却で生まれる損益(実現損益)を当社純利益に含めよ」と会計規則が強制してきたが、我々は過去の四半期・年次決算において、「そうした実現損益を気にしすぎてはいけない」と皆様に警告してきた。この数字もまた、未実現利益と同じく不規則に変動するからだ。

我々が過去、株を売った理由の多くは、その時に売るのが理に適っているように見えたからだ。それは、利益額に影響を与えるためではない。

結果的には、我々にとってひどい結果の時に大きな実現利益が生じたことがよくあった(「良い結果なのに売却損計上」という逆もあった)。

未実現損益に関する新ルールは、実現益の計上を求める現行ルールがもたらす(決算の)歪みをさらに大きくする。

我々は当社の業績を適切に理解してもらうため、四半期ごとに皆様への説明に苦心することになるだろう。

しかし、収益に関するテレビ等の解説は瞬間的で、新聞の見出しは、ほとんどの場合、純利益の前年比での変化に注目している。

その結果、報道では数字に焦点を当て、多くの読者や視聴者を不必要に脅したり、勇み足をあおったりすることになるのだ。

我々はこの問題を和らげるべく、決算報告の発表時期を金曜日の遅く(市場終了後)か土曜早朝にする慣行を維持したい。

そうすれば、市場が開く月曜日までに、皆様が分析する時間を最大限に取れるようになり、資産運用者のプロが解説する機会が与えられるからだ。

しかし、そうしても、会計にうとい株主の間でかなりの混乱が生まれると思う。

バークシャーでは、調整済の1株当たり利益を生む力を最も大事にしている

その指標は長年のパートナーであるチャーリー・マンガーと私が注視しているものだ。我々の2017年の業績は以下のとおりである。

買収(Acquisitions)

バークシャーに価値をもたらす4つの要素は、(1)相当な規模の独立企業の買収、(2)すでに所有した事業と合致した追加買収、(3)当社の多種・多様な事業における内部売上高と利益率の改善、(4)当社の膨大な株式と債券のポートフォリオが生む投資利益だ。

この節では2017年の買収活動を検討しよう。

新しい独立企業を探す際に、我々が求める核心的な特質は、耐久性ある競争力有能で高度な経営。事業運営に必要な正味有形資産の好リターン。魅力的なリターンで自ら成長するチャンス、理に適った購入価格

最後の要件(適切な価格)は、事実上、17年に我々が検討した全ての投資案件の障壁となった。企業の市場価格が過去最高を記録したからだ。

実際の価格は楽観的な購入者の群れとはほとんど無関係に見えた。

なぜ株の購入に熱狂するのか? それはCEOの仕事は「やればできる」という自己選択を促すからだ。

ウォールストリートのアナリストや取締役会のメンバーがCEOのブランドに買収の可能性を検討するよう促すのは、ませたティーンエイジャーに普通のセックスライフを持​​てと言うのと同じだ。

ひとたびCEOが取引を欲すれば購入を正当化する予測には事欠かない。

取り巻きは応援し、事業領域の拡大を構想し、企業規模の増大に合わせた報酬水準を欲する。

莫大な手数料を嗅ぎ付け、投資銀行家も拍手する (〔彼らに意見を聞くのは〕床屋に理髪が必要かどうかを聞くのと同じことだ)。

(未来の予測で)ターゲットの過去の実績が買収の有効性を欠いている場合、大きな「シナジー」が予測される。スプレッドシートは決して(購入者を)失望させない。

2017年には異常に安い借金が充分に利用可能になり、購入活動がさらに促進された。もし、それが借入金調達による高額取引でも、たいていは、1株当たり利益を増やすことになる。

対照的に、バークシャーは総資産ベースで買収を評価する。

当社の債務に対する嗜好は非常に低水準であり、我々の借金の大部分を個々の事業に割り当てるのは原則として間違っていると考えてきた(クレイトンの貸出ポートフォリオに特化した債務や、当社の制約された公益事業の固定資産への関与などの例外を除く)。

我々は決して相乗効果を考慮しないし、見つけようともしない。

レバレッジへの我々の嫌悪感は、何年もの間、我々の収益規模を抑えてきた。

しかし、(そのために)チャーリーと私はよく眠れる。

我ら二人は、必要としないものを手に入れるために、すでに持っているものを危険にさらすのは狂気の沙汰だと考えている。

我らはこの見解のもと、50年前にそれぞれの投資パートナーシップを実行し、我らを信頼してくれた数人の友人や親戚から資金を提供してもらった。

今日、百万人の "パートナー"がバークシャーに加わった後も、それを維持しているのだ。

最近、買収は干上がっていたが、チャーリーと私は、バークシャーには時折、とても大きな買収の機会が巡ってくることを信じている。

それまでの間、我々は簡単なガイドラインを固持する。

他の人々が仕事に慎重でなくなるほど、我々はより一層、慎重に行動しなければならない

(買収の具体例)

我々は昨年、パイロット・フライング・J(以下「PFJ」という)の株を38.6%ほどパートナーシップ持分で購入できた。

年間売上高は約200億ドルであり、同社は国内最大手の旅行センター運営会社である。

PFJは、驚くべきハズラムの家族によって生まれ、経営がなされている。

"ビッグ・ジム"ことハズラムは60年前に夢とガソリンスタンドをもって事業を始めた。

現在、彼の息子であるジミーは、北米の約750ヵ所で27000人の社員を抱えている。

バークシャーは、2023年にPFJに対してパートナーシップ持分を80%に引き上げる契約を結んでいる。

(その時)ハスラムの家族は残りの20%を所有する。

バークシャーは彼らのパートナーになったことを喜んでいる。

州間高速道路を運転する時に、降りてみてください。

PFJはディーゼル燃料だけでなくガソリンも販売している。

さらに、我々は、長い一日を過ごした後のために、5200もの不動産を持っている。

クレイトンホームは、2017年に2軒の住宅建設業者を買収した。これは、わずか3年前に参入した分野での存在感を倍以上に高めた。

コロラド州のオークウッド・ホームズとバーミンガムのハリス・ドイルが加わったことで、我らの2018年の敷地面積は10億ドルを超えると予想される。

しかしながら、クレイトンは、製造された家屋の保持、建設と資金調達の両方に重きを置いている。

2017年、クレイトンは自ら19168台を販売し、別の独立した小売業者に26706台を卸売した。

クレイトンは、昨年、製造された家庭市場の49%を占めていた。

業界最先端のシェアは、我々に最も近い競合他社の3倍であり、2003年に13%を達成したクレイトンよりもずいぶんと大きい。2003年はクレイトンがバークシャー傘下に入った年だ。

クレイトンホームズとPFJはともにノックヴィルに拠点を置いている。ここでクレイトンとハスラム家は長い間、友人だった。

ハスラムはケビン・クレイトンに対してバークシャーとの連携の利点についてコメントし、ハスラム家に感謝の言葉を寄せていました。こうしてPFJの取引が促進された。

2016年の終り頃には、床材事業を営むショー・インダストリィズが急速に拡大する高級ビニールタイルの販売会社であるUSフロア(USF)を買収した。

USFの経営者であるPiet DosscheとPhilippe Erramuzpeは、2017年に40%増の売上高を達成し、ショー社との業務が統合された。

USFを購入する際に人的資産と事業資産の双方を得たことは明らかだ。

ショーのCEOであるベンスベルはこの買収を交渉し、完了させ、ショーの売上高を2017年に57億ドル、雇用を22000人に増やした。

USFの購入により、ショーはバークシャーの重要かつ耐久的な収益源としての地位を大幅に強化した。

私はホームサービスについて何度も話したように、我々は不動産仲介業務を拡大している。

バークシャーは2000年にミッドアメリカンエナジー(現在バークシャーハサウェイエナジー)に多数の権益を取得し、この事業を支援した。

ミッドアメリカンの活動は主に電気事業分野にあり、私はもともとホームサービスにほとんど注意を払っていなかった。

年々、同社はブローカーを追加し、2016年末までにホームサービスは米国で2番目に大きな仲介業務を行っていたが、2017年にホームサービスは爆発的に成長した。

当社は業界で3番目に大きい業者であるLong and Fosterと 12番のホウリャン・ローレンスおよびグロリア・ニルソンを買収。これらの購入で12300人のエージェントが追加され、合計で40950人に増加した。

2017年に1210億ドルの勢力となり(自社の3つの買収プロフォーマを含む)、ホームサービスは今や国の住宅販売をリードしている。

(中略)

保険(Insurance)

人々に賭けることは、時には物理的な資産に賭けることよりも確実かもしれない。

51年にわたりバークシャーを支え、成長のエンジンとなってきた損害保険について話を移したい。

この事業は私がよく理解しているものだ。

2017年の保険分野の業績について話し合う前に、私がこの分野に参入した方法と理由を振り返ってみたい。

我々は1967年初めにナショナル・インデミニティと小さな姉妹会社を860万ドルで購入した。

買収により、当社は670万ドルの有形純資産を受領した。保険事業の性質上、当社は市場性のある有価証券の分野に事業を展開できた。

ポートフォリオをバークシャー自身が保有する証券に再編成するのは簡単だった。

実際には、純資産部分の費用は「トレーディングドル」で払われた。

バークシャーが支払った純資産以上の190万ドルの費用は、通常、引受利益を出した保険事業をもたらした。

さらに重要なのは、保険業務に1940万ドルの「フロート」が含まれていたことだ。これは当社の2つの保険会社が保有していたものだ。

(※フロート=「保険加入者が支払う保険料」ー「保険金支払いのために確保する準備金を差し引いた残り」。これは将来の保険金支払いまで運用に回せる資金となる)

以来、フロートはバークシャーにとって非常に重要だった。

これらのファンドに投資する際には、事業展開に伴う全ての配当、利子、利益はバークシャーに帰属する。

(投資損失が発生した場合は、当然、当社に計上される)

フロートは損害保険において幾つかの過程を経て実現する。

(※以下、バークシャーが取扱う保険をパターン別に説明)

(1)通常保険料は会社に支払われ、損害は保険契約期間中、通常6ヶ月または1年の期間にわたって発生する。

(2)自動車修理などの損失はすぐに支払われるが、アスベスト暴露による被害などは、査定までに長年かかることがある。

(3)損害賠償は、労働者の損害保険契約者が負傷し、その後、高価な介護を生涯にわたって必要とする場合に発生する。

フロートは通常、保険料の規模が増えるにつれて成長する。 加えて、特定の損害保険会社は、医療過誤や製造物責任のような事業ラインに特化している。

業界では「ロングテール」と呼ばれているが、(特化した)保険会社は自動車衝突や住宅損害保険よりはるかに「フロート」が多くなることがある。

後者では、 ほとんどの場合、必要な修理のために請求者にすぐに支払うからだ(※前掲の「特化した保険会社」のほうが支払いまでに長い時間がかかることが多い)

バークシャーは長年にわたってロングテール事業のリーダーであり続けてきた。 特に、私たちはジャンボ再保険に特化している。

これにより、他の保険会社が既に被っている損失を免れている。

この種のビジネスを強調した結果、バークシャーのフロートの成長は驚異的な規模となった。

我々は今、保険料の規模で計ると、国内で二番目に大きな損害保険会社だ。これは記録的な規模だ。

(単位:百万ドル)

保険料規模 フロート
1970 39 39
1980 185 237
1990 582 1632
2000 19343 27871
2010 30749 65832
2017 60597 114500

当社の2017年の再保険の規模は膨大なものだった。AIGが被ったロングテール・ロスの最大200億ドルを再保険したからだ。これに対する我々の保険料は102億ドルで世界記録を達成した。

これを繰り返すのは難しいため、保険料の規模は2018年にいくらか落ちるだろう。

しかし、フロートは少なくとも数年間ほど、ゆっくりと増える。

我々が最終的に衰退を経験するとき、それは控えめなものになる - 1年に3%程度だ。

銀行預金や生命保険はサレンダーオプションを含むが、損害保険は撤退できない。

(※サレンダーオプション=お金を払って保険から撤退すること)

これは、広範な財務負担がある時に、損保企業が冒険的な経営ができないことを意味する。

これはバークシャーの投資における意思決定に重要な特徴だ。

チャーリーと私は、自身の流動性問題に直面するリスクを抱えた友人の親切に頼り、バークシャーを決して運営しない

2008年〜2009年の危機の間、我らは、財務省証券の保有を好んでいた。

それが我らを銀行やコマーシャル・ペーパーなどの資金調達源への依存から防いでいたのだ。

当社は、バークシャーを市場閉鎖の延長などの経済危機に耐えるように意図的に建設した。

フロートの欠点はリスクが伴うことだ。時にはそれがリスクの海となることだ。保険が予測できるものは、何でもかまわない。有名なロイズ保険市場を見てください。これは3世紀の間に素晴らしい結果を生み出した。

しかし、1980年代、ロイズに幾つかのロングテールの保険ラインからの大きな潜在的な問題が浮上し、しばらくの間、その階層化されたオペレーションを破壊する恐れがあった (それは完全に回復した)。

バークシャーの保険管理者は、保守的で慎重な引受人であり、そうした文化を優先付けして動いている。

その規律ある行動は、ほとんどの年において保険引受利益を生み出した。その場合、当社のフロート費用はゼロ未満だ。

実際には、以前の表に集計された巨大な金額を保持するために支払われた。

しかし私は、近年、業界が経験した大惨事について警告した。

3つの巨大ハリケーンがテキサス、フロリダ、プエルトリコを昨年の9月に襲ったのだ。

現時点では、ハリケーンから発生した被保険者の損失は1000億ドル程度だと私は推測している。

しかし、その数字はほとんど人目を引かない。

ほとんどの大規模な災害は、最初の損失見積もりが低いことが多い。

著名なアナリストであるV.J.ダウリングは、保険会社の損失準備金は自己採点式の試験に似ていると指摘した。

無知、希望的観測、(たまに明らかになる)不正行為は、保険会社の財務状況について非常に長い間、不正確な数字を提供する可能性がある。

バークシャーの3つのハリケーンによる損失は、現在、30億ドル(税引後約20億ドル)と推定している。

業界全体で1000億ドル、バークシャーが30憶ドルであれば、業界を占める当社の損失のシェアは約3%になる。

将来のアメリカで大きな損失が出ても、当社の損失のシェアは理にかなった水準になると私は信じている。

3つのハリケーンがもたらした20億ドルの純費用により、バークシャーの会計上の純資産が1%未満、減少したのは注目に値する。

再保険業界では、7%から15%以上の純資産を失った企業がたくさんあった。

ハリケーン・イルマがフロリダを通ってもう少し東に進路を取った場合、被保険者の損失はさらに1000億ドル増えた可能性がある。

400億ドル以上の被保険者負担を引き起こす米国の大惨事の年間確率は約2%ほどだと考えている。

もちろん、誰も正しい確率を知る者はいない。

しかし、災害に脆弱な地域にある建築物は価格でも数でも増えているので、リスクは時間の経過とともに増加する。

バークシャーのように、4000億ドルの大きな被害に財政的に備えている会社はない。

このような損失のシェアは120億ドル程度になる可能性がある。これは、保険以外の活動から期待される年間収益よりもはるかに低い額だ。

損害保険業界の多くは、恐らくほとんどはビジネスを失う。当社の比類のない財務力はバークシャーのみが再保険を引き受けることを可能にし、他の損害保険会社は当社を当てにせざるをえなくなる。

バークシャーは2017年以前は14年連続の引受利益を計上しており、税引き前は283億ドルだった。

私は定期的に、バークシャーが何年にもわたって引受利益を得ることを期待しているが、時々、損失を経験していることにも言及してきた。

私の警告は2017年に事実となった。私たちは引受けから32億ドルの税引前損失を計上したからである。

このレポートの後ろの10Kには、さまざまな保険業務に関する追加情報が大量に含まれている。

私がここで追加する唯一のポイントは、さまざまな損害保険のオペレーションでは皆様のために働く特別なマネージャーがいるということだ。

これは、営業秘密、特許、地の利のないビジネスだ。

あてになるものは、頭脳と資本だ。

様々な保険会社の経営陣が脳を供給し、バークシャーは資本を提供している。

(略)

グループ以外の投資収益を除くと、保険以外の事業は2017年に200億ドルの税引前利益を達成し、2016年に比べ9億5000ドルの増加となった。

2017年利益の約44%は2社の子会社からのものであった。

我々のBNSF鉄道、バークシャー・ハサウェイ・エナジー(90.2%を我々が所有)だ。

(略)

バークシャーの目標は、非保険グループの収益を大幅に増やすことだ。

そのためには、1つ以上の巨大買収を行う必要がある。 我々は確かにそのための原資を持っている。

17年末現在、バークシャーは1120億ドルの現金と米国財務省証券(平均満期は88日)を保有しており、16年末の864億ドルから増加した。

(略)

投資(Investments)

(略)

チャールズと私は利益を生み出す事業に着目してバークシャーが所有する市場株式を見ている。

(株式を)チャートのパターンやアナリストの「ターゲット」価格、メディア専門家の意見に基づいて売買されるティッカーシンボルとして見ていない。

我々は、投資家の事業が成功すれば(ほとんどの人がそうであると信じているように)、投資は成功するだろうと単純に信じている。

(略)

何十年にもわたって、当社は「所有者関連ビジネス原則」において、当社の被投資会社の未分配利益が、その後のキャピタルゲインによってそれと同等の利益を当社に提供することを期待している。

キャピタル・ゲイン(および損失)の認識は、特に、当社の損益に未実現損益を継続的に計上することを当社に要求する新しい会計規則に適合している場合、一まとまりになります。

しかし、当社の投資先が保有する利益は、時の経過とともに、当社の投資先をグループとして見た時に、バークシャーに相応のキャピタルゲインとなることを確信している。

私が今説明した利益剰余金へのバリュー・ビルディングの接続は、短期間では検出できない。

株式の急騰と暴落は、その基になる価値の年々の蓄積に見合うものではない。

しかし、時間が経つにつれて、ベン・グレアムの格言が真実であることが証明される

短期的には、市場は投票機だ。しかし、それは、長期的には計量器になる

バークシャー自身が、短期的に価格のランダム性が長期的な価値の伸びをどのように見えなくするかについて、幾つかの鮮明な例を提供している。

過去53年間、同社は収益を再投資し、複合利益の魔法を働かせて価値を創造してきた。

毎年、私たちは前進した。 しかし、バークシャーの株式は4つの本当に大きな沈没を経験している。

 時期 高値 安値 割合
1973/3~1975/1 93 38 -59.1%
1987/10/2~1987/10/27 4250 2675 -37.1%
1998/6/19~2000/3/10 80900 41300 -48.9%
2008/9/19~2009/3/5 147000 72400 -50.7%

この表は、借金して株を買うことに反対する最も強力な議論を提供している。

短期間にどのくらい株価が落ちるのかは分からない。

たとえあなたの借り入れが小さく、あなたのポジションが急落する市場にすぐに脅かされなくても、あなたの心は恐ろしい見出しと息をのむような解説によってうずくまるかもしれない。

不安定な心は良い決断を下せない。

今後53年間で、当社の株式(およびその他の株式)は、前掲の表に似た減価を経験するだろう。

それがいつ起こるかは誰にも分からない。

ライトは、黄色で一時停止することなく、いつでも緑色から赤色に変わることができる。

しかし、株価が急落する時に、借金によるハンディキャップのない人たちに格別の機会が与えられる。

それはキプリングの言葉に留意すべき時だ。

「あなたが全てを失った時、あなたの頭脳を冷静に保てるならば、倦むことなく耐え、過去の目標にとらわれずに考えられるのならば・・・

全ての人があなたを疑っても、あなた自身を信じられるのならば・・・、あなたは大地を手にしている。全てのものはその中にある」

(略)

アメリカの投資家は毎年顧問弁護士に莫大な額を払い、しばしばいくつかの重大なコストを負担する。

これらの投資家はお金の対価を得ることができるのか。

投資家は支出し、何を得るのだろうか?

(※以下、投資実験の概略を紹介)

  • (バフェットらは)S&P 500を上回ると予想していた5つの「ファンド・オブ・ファンド」を選んだ。
  • それは小さなサンプルではなく、これら5つのファンド・オブ・ファンドは200を超えるヘッジファンドの持分を所有していた。
  • ウォールストリート周辺を知る顧問会社Protégéは、それぞれが自分のヘッジファンドを管理する数百人の投資専門家を雇い、5人の投資専門家を選出した。
  • この集団は優れた頭脳と自信を持ったエリートが集まっていた。
  • 5つのファンド・オブ・ファンドのマネジャーは10年の間にヘッジファンドのポートフォリオを再編成し、アクティブ投資を行った。
  • この5つの投資先とS&P500のインデックスファンドのリターンを比較した。
  • その結果、どのアクティブファンド(以下のファンドオブファンドA~E)もS&P500のインデックス投資に勝てなかった。
S&P500 A B
2008 -37.0% -16.5% -22.3%
2009 26.6% 11.3% 14.5%
2010 15.1% 5.9% 6.8%
2011 2.1% -6.3% -1.3%
2012 16.0% 3.4% 9.6%
2013 32.3% 10.5% 15.2%
2014 13.6% 4.7% 4.0%
2015 1.4% 1.6% 2.5%
2016 11.9% -3.2% 1.9%
2017 21.8% 12.2% 10.6%
最終 125.8% 21.7% 42.3%
平均 8.5% 2.0% 3.6%

 

C D E
2008 -21.3% -29.3% -30.1%
2009 21.4% 16.5% 16.8%
2010 13.3% 4.9% 11.9%
2011 5.9% -6.3% -2.8%
2012 5.7% 6.2% 9.1%
2013 8.8% 14.2% 14.4%
2014 18.9% 0.7% -2.1%
2015 5.4% 1.4% -5.0%
2016 -1.7% 2.5% 4.4%
2017 15.6% N/A 18.0%
最終 87.7% 2.8% 27.0%
平均 6.5% 0.3% 2.4%

賭けは重要な投資の教訓を示した。

市場は概して合理的だが、時には狂ったことをする。

提供された機会をつかむためには、偉大な知能、経済学の学位、アルファやベータなどのウォール街の専門用語に精通している必要はない。

代わりに投資家が必要とするものは、荒れ狂う恐怖や熱狂を無視し、いくつかの基本的な要素に焦点を当てる能力だ

愚かにさえ見えるほど、意欲的に(投資対象を)見続けることが不可欠だ。

(※債券を用いた実験)

もともと、我々は、50万ドルのゼロクーポンの米国債を購入していた。

これらの債券は318250ドルで購入され、10年後に50万ドルの支払いを受けることができる。

取得した債券は利息を伴わなかったが、(ディスカウント購入のために)満期まで保有されていれば4.56%の収益をもたらした。

我々はもともと、2017年後半に満期になると、年間収益を計上し、勝利した慈善団体に100万ドルを分配することを意図していた。

しかし、購入後、債券市場では非常に奇妙なことが起こった。 2012年11月までに、我々の債券(現在は成熟する前に約5年間)は額面金額の95.7%を売却していた。

その価格では、満期までの年間利回りは1%未満だった(正確に言えば、0.88%)。

その哀れなリターンを考えれば、私たちの債券はアメリカの株式と比べると役に立たなかった。

時間の経過とともに、S&P500のリターンは、株主持分(純資産)に対して毎年10%を大幅に上回っている。

2012年11月には、これをすべて考慮していたため、S&P500の配当金からのキャッシュ・リターンは、米国財務省債の約3倍。年間で10.5%だった。

これらの配当支払いはほぼ確実に増加した。

その金額はS&P500を構成する会社によって保持されていた。

これらの事業は、利益剰余金を使用して事業を拡大し、しばしば株式を買い戻す。どちらのコースでも、時間の経過とともに、1株当たり利益が大幅に増加する。

そして、1776年以来そうであったように、何が問題になっても、アメリカ経済は前進するだろう。

(バフェットらは)5年前に購入した債券を売却し、11,200株のバークシャーB株を購入することに同意した。

その結果、債券からは、もともと望んでいた100万ドルではなく、先月に22222ドルを受け取っていた。

バークシャーは2012年以来、華麗なパフォーマンスはないが、輝きは必要なかった。

結局のところ、バークシャーの利益は、その年率0.88%の国債を打ち負かしていたに過ぎない。それは難しいことではなかった。

(略)

投資とは、後で消費を増やすために、今日の消費を止める活動だ。

「リスク」は、この目的が達成されない可能性があることだ。

この基準により、2012年の「リスクフリー」長期債は、長期間の普通株式の投資よりもはるかにリスクの高い投資となった。

当時、2012年から2017年の間に年間1%のインフレ率であっても、売却した国債の購買力は低下していたであろう。

日、週、年であれば、短期間の米国債よりも株式が危険性が高く、危険性が高いと認識できる。

しかし、投資家の投資期間が長くなるにつれて、米国株式の多様化したポートフォリオは、株式が賢明に購入されたと仮定すると、債券よりもリスクが低くなる

ポートフォリオの株式に対する債券の比率によって、投資の「リスク」を測定することは、長期的な視点(年金基金、大学基金、貯蓄意欲のある個人)の投資家にとってはひどい間違いだ。

多くの場合、投資ポートフォリオの高格付けの債券はリスクを増加させる。

結局、我々の賭けの最終的な教訓は大きく「簡単な」決定に固執し、(不要な)活動を避けることだ

10年の賭けに関わった200人以上のヘッジファンドのマネージャーは、何十万という買いと売りの決定をしていた。

これらのマネージャーのほとんどは間違いなく、意思決定について懸命に考え、それぞれが有利だと信じていました。

投資の過程で、彼らは10-Kを研究し、経営陣にインタビューし、貿易ジャーナルを読み、ウォールストリートのアナリストに相談した。

一方、我々は、研究、洞察力、才能を傾けず、10年間で1つの投資判断しか行わなかった

我々は債券投資を100倍以上の利益を生む取引に切り替えた(債券を売り払い、BRK株に切り替えた)。

我々は、バークシャーの単一の証券に資金を移すために売却を行った。これは、多様な堅実な事業のグループを所有していた。

剰余金に支えられ、バークシャーの価値の伸びは年間8%以下になる可能性は低い。

そうした幼稚園のような分析の後、我々は切り替えを行い、成果を確信していた。

(以下略:「年次総会」の案内など)

(バークシャーハサウェイの一株当たり簿価/市場価値)

  • 手紙では冒頭に出てきますが、見やすさを考え、後に回しました。
  • BRKの一株当たり簿価と一株当たり市場価値は年間での変動率の%、これとS&P500(配当込)の変動率の%が比較されています。
  • 1965-2017年において複利計算での年間成長率(Compounded Annual Gain)を見ると、1株簿価が19.1%、1株市場価値が20.9%、S&P500が9.9%。
  • BRKにおいては、1964年の1株簿価は2017年に10880.29倍、1964年の1株市場価値は2017年に24047.48倍になりました。
  • これに対して、同期間で見たS&P500は155.08倍です。
年間成長率
1株簿価 1株市場価値 S&P500(配当込)
1965 23.8 49.5 10
1966 20.3 -3.4 -11.7
1967 11 13.3 30.9
1968 19 77.8 11
1969 16.2 19.4 -8.4
1970 12 -4.6 3.9
1971 16.4 80.5 14.6
1972 21.7 8.1 18.9
1973 4.7 -2.5 -14.8
1974 5.5 -48.7 -26.4
1975 21.9 2.5 37.2
1976 59.3 129.3 23.6
1977 31.9 46.8 -7.4
1978 24 14.5 6.4
1979 35.7 102.5 18.2
1980 19.3 32.8 32.3
1981 31.4 31.8 -5
1982 40 38.4 21.4
1983 32.3 69 22.4
1984 13.6 -2.7 6.1
1985 48.2 93.7 31.6
1986 26.1 14.2 18.6
1987 19.5 4.6 5.1
1988 20.1 59.3 16.6
1989 44.4 84.6 31.7
1990 7.4 -23.1 -3.1
1991 39.6 35.6 30.5
1992 20.3 29.8 7.6
1993 14.3 38.9 10.1
1994 13.9 25 1.3
1995 43.1 57.4 37.6
1996 31.8 6.2 23
1997 34.1 34.9 33.4
1998 48.3 52.2 28.6
1999 0.5 -19.9 21
2000 6.5 26.6 -9.1
2001 -6.2 6.5 -11.9
2002 10 -3.8 -22.1
2003 21 15.8 28.7
2004 10.5 4.3 10.9
2005 6.4 0.8 4.9
2006 18.4 24.1 15.8
2007 11 28.7 5.5
2008 -9.6 -31.8 -37
2009 19.8 2.7 26.5
2010 13 21.4 15.1
2011 4.6 -4.7 2.1
2012 14.4 16.8 16
2013 18.2 32.7 32.4
2014 8.3 27 13.7
2015 6.4 -12.5 1.4
2016 10.7 23.4 12
2017 23 21.9 21.8

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