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マネックス証券のコインチェック買収 松本大の発言要点

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マネックスグループ株式会社は2018年4月6日にコインチェック株式会社を買収し(全株式を取得)、両社社長が共同記者会見を行いました。

この記事では、その会見の要旨を整理してみます。

スピーカーは以下2名です。

  • マネックスグループ株式会社 取締役会長兼代表執行役社長CEO 松本大氏
  • コインチェック株式会社 代表取締役社長 和田晃一良氏

(以下、敬称略。それぞれ、松本、和田と表記)

マネックス証券で口座をつくり、米国株を買っているので、顧客の一人として、今回の買収に対する感想も書いてみます。

コインチェックの運営体制はどうなる

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記者会見では、まず、松本が買収形態とコインチェックの運営体制について説明しました。

その概要は以下の通り。

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買収の形態

  • マネックスグループがコインチェックの全株式を取得
  • コインチェックはマネックスグループの完全子会社となる
  • マネックスグループのノウハウをコインチェックに活かす

コインチェックの運営

  • 監督機能と執行機能を分ける
  • 監督機能は取締役会が担う
  • 取締役会のメンバーは5名で、そのうち3名がマネックス側(マネックスグループ社長:松本大/常務執行役:勝屋敏彦/同執行役:上田雅貴)
  • 残りの2名は、久保利英明氏(日比谷パーク法律事務所の代表パートナー)、玉木武至氏(元東京三菱銀行常務取締役)
  • 執行機能は執行部が担う。
  • コインチェック社長は勝屋敏彦、コインチェック執行役員に上田雅貴が就任。執行役員にさらに2名のマネックスメンバーが参加(システム運営:後藤浩/コンプライアンス・法規管理等:三根公博)。
  • コインチェックでCEOを務めた和田晃一良、COOを務めた大塚雄介、CFOを務めた木村幸夫は、そのまま執行役員となる。

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マネックスとコインチェックでメンバーが重複しているので、「監督機能と執行機能を分ける」という言葉には、あまり説得力がありません。

要するに、マネックス執行部がコインチェック元経営陣を指示出しをしていく形になるのでしょう。

クリプトアセットバンク機能とは

松本は、今後の展開について、以下のように説明しました。

サービス再開について

  • 株式の譲渡契約等の後、独禁法のクリア等が課題となる
  • 4月16日に効力発生⇒株主総会、臨時取締役会の実施⇒全人事を決定となる
  • 金融庁の指導下でリスク管理体制の整備を進める
  • 2か月を目標として、サービスの全面再開と事業登録を目指す。
  • マネックスとコインチェックは、今後、「クリプトアセットバンク機能」と世界の金融市場をつなぐ証券機能を中核とし、新たな総合機関を作っていく。

「クリプトアセットバンク機能」とは

  • 法定通貨を扱っているメガバンクののグループ内に国内証券会社やクレジットカードの会社があり、総合金融機関が作られている。
  • それに対して、仮想通貨を扱うコインチェックがクリプトアセット、暗号資産の規模を世界のゴールドの時価総額5%程度にまで拡大した。
  • 新しい資産であるクリプトアセット、仮想通貨を持つ機能と、クレカ以上の決済機能を備えたコインチェックと日本、アメリカ、香港、オーストラリア、中国等で各種証券を扱うマネックスが新時代の総合金融機関を作ってゆく
  • コインチェック社は将来、IPOを目指す

要するに、法定通貨を基盤にしたメガバンクを代替しうる、仮想通貨を基盤にした新たな金融機関を目指すわけです。

今までのマネックスは法定通貨による証券売買を主な業務としてきましたが、今後は仮想通貨に重点を移していくことになりそうです。

なお、松本大と記者のやりとりでは、以下のようなテーマが話題に上りました。

マネックスとコインチェックのシナジー効果

  • もともと、両社の顧客基盤は別々。
  • だが、FXの顧客層にはオーバーラップがある。
  • 両社の口座数はそれぞれ170万程度(稼働口座は70万程度)。
  • このコインチェックにはマネックスとはまったく違う顧客層がいる。
  • 若年層は仮想通貨の顧客がはるかに多い(株式・投資信託は知らないがビットコインは持っている」という若者など)

要するに、マネックスにとっては新市場への顧客拡大を意味していますが、この場合、株や投資信託を愛好しながらも仮想通貨に抵抗感を持つ人が顧客から離れていく可能性を伴っています。

(筆者はわりと後者に近いので、マネックス社の買収の報を聞き、マネックスの米国株の取引口座の金額を減らしたくなりました。もう少し、今後の経営方針などを見て判断するつもりですが)

松本は、この質疑で興味深い仮説を出しています・

  • 17年に仮想通貨の時価総額は2兆円⇒50兆円。最も投機的なお金が仮想通貨に流れたことで、株式などの伝統的な資本市場が変に過熱しないで済んだこともあるかもしれない。
  • 仮想通貨はぜんぜん別のものではなくて、1つのマーケットの中の重要な資産クラスになってくる
  • コインチェックとマネックスの顧客の双方にとって新しい投資やトレーディングの機会を提供していけるようになるはずだ(ここがシナジー効果にあたる)

仮想通貨の将来性について

松本大は、気になる36億円という金額に関しては、「将来利益の部分をもとの株主に後で支払う」としています。

コインチェックの収益・利益力に対しては肯定的な見方です。

なお、コインチェックという名前やサービスブランドは現状維持となります。

そして、仮想通貨の将来には、かなり明るい見通しを述べています。

「時価総額がいったん50兆円ぐらいまで行けば、無視できない」「1兆円に満たないようなものだとそのまま消えていくことはあるが、いったん50兆にまで伸びた新しい資産クラスは、きっとこれからも大きくなっていく」という見方です。

仮想通貨インチキ説に関しては、「歴史上採掘されたすべての金の総額が800兆円程度と言われますが、金だって、99.9999パーセントって刻印があっても偽物かもしれません」と述べています。

真正性を保つ手段があればよいという意見です。

NEMの補償はすでに大筋で支払い終了。

大塚は「補償に関しては終わった」「訴訟に関してはまた個別の措置になります」と明言しました。

マネックスの一顧客としての感想

今回の買収は、マネックスにとっては新市場への顧客拡大の挑戦です。

しかし、株や投資信託を愛好しながらも仮想通貨に抵抗感を持つ人々(壮年~中高年層に多い)が顧客から離れていく可能性を伴っています。

投機性の低い投資を狙う層と仮想通貨との相性は、どの程度、あるのでしょうか。

仮想通貨を買う若者が、米国株その他を買うことはありそうだと思いますが・・・。

筆者は、マネックス社の買収の報を聞き、リスク分散のため、他社の米国株口座を開設したくなりました。

いままではマネックス口座だけでしたが、他の証券口座を増やします。

突然、仮想通貨部門の赤字が原因でマネックス倒産とかになったら困りますので。

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