【EBS】エマージェントの株価と決算

2020年10月19日

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エマージェント・バイオソリューションズ(Emergent BioSolutions Inc.)はワクチン製造の下請けを手がけるバイオテクノロジー企業です。

EBSは「9.11」事件の後、米国で起きた炭疽菌テロに対抗するワクチンを生産するところから事業を開始しました。

HHS(米国の保険福祉省)やDoD(国防総省)等と深いつながりを持ち、炭疽菌ワクチンや天然痘ワクチンといった公衆衛生上の脅威に対抗する製品を製造・販売しています(販売先は米国政府が多い)。

近年では、鎮痛薬として用いられる「オピオイド」の過剰摂取が米国では問題になり、その中毒患者を助けるための「ナルカン」という薬の販売に力を入れてきました。

そして、2020年にはトランプ政権がコロナ対策のワクチン製造を早める「オペレーション・ワークスピード」計画に採用した企業がつくるワクチンの下請け契約を締結しています。

具体的には、JNJ(ジョンソンエンドジョンソン)のワクチンの下請け製造を行います。

また、ノヴァヴァックス社やヴァックスアート社のワクチンに関しても契約を締結しました。

ワクチン製造そのものは、もともと成功率が低く、どの企業が成功するのかもわかりませんが、EBSには、それらが失敗したとしても、下請けの手間賃を回収できるという強みがあります。トランプ政権のワクチン計画に関しては、政府が買い取りを約束しているので、ある意味では、将来の収益は確定しているわけです。

2020年の米国株投資では「ワクチン」が大きなテーマになっていますが、その中で手堅い勝負をしたいのであれば、EBSにも注視していくべきでしょう。

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主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)。

1/2株価 54.3
10/21株価 93
株価上昇率 71.44%
52週高値 137.6
52週安値 46.4
β値 1.4
EPS 3.21
PER 28.96
配当利回り
時価総額(億$) 49
株式数(億) 0.5

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※20年終値は10/21株価)
EBS 初値 終値 上昇率
2020 54.3 93 71%
2019 58.4 54 -8%
2018 47 59.3 26%
2017 33.5 46.5 39%
2016 37 32.8 -11%
2015 25.8 37.8 47%
2014 21.8 25.7 18%
2013 15.4 21.7 41%
2012 16.3 15.2 -7%
2011 22.3 15.9 -29%
2010 13 22.2 71%
2009 25.3 12.8 -49%
2008 4.7 24.7 421%
★2:各年初から20/10/21までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~
59% 98% 178% 151%
15年~ 14年~ 13年~ 12年~
261% 326% 505% 472%
11年~ 10年~ 09年~ 08年~
317% 616% 268% 1867%

四半期決算(2020予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。

(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。ただ、2019年6月までのデータ出所はロイター)。

EPS:予想と結果

予想 10/18 1月前 2月前
Y:2021 8.25 7.95 7.58
Y:2020 6.77 6.76 6.81
Q:20/12 2.7 2.69 2.75
Q:20/9 2.1 2.09 2.09
EPS 予想 結果 %
20/6 0.68 1.98 1.3 191.2
20/3 0.01 0.01 0 0.0
19/12 1.73 1.57 -0.16 -9.2
19/9 0.9 1.21 0.31 34.4
19/6 0.17 0.12 -0.05 -29.4
19/3 0.13 -0.13 -0.26 -200.0
18/12 0.61 0.75 0.14 23
18/9 0.61 0.55 -0.06 -9.8
18/6 0.96 1.07 0.11 11.5

売上高:予想と結果

予想 10/18 1月前 2月前
Y:2021 1870 1870 1820
Y:2020 1530 1540 1530
Q:20/12 505 510 511
Q:20/9 436 439 436
売上 予想 結果
20/6 295 395 100 33.9
20/3 199 193 -6 -3.2
19/12 357 360 3 0.8
19/9 272 312 39 14.5
19/6 213 243 30 14.2
19/3 205 191 -14 -6.9
18/12 270 271 1 0.2
18/9 183 174 -9 -4.9
18/6 209.3 220.2 10.9 5.2

決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

EBS 売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 179 7 4% 21
09/12 235 30 13% 31
10/12 286 98 34% 52
11/12 273 12 4% 23
12/12 282 40 14% 24
13/12 313 97 31% 31
14/12 404 112 28% 37
15/12 489 43 9% 63
16/12 489 55 11% 52
17/12 561 208 37% 83
18/12 782 42 5% 63
19/12 1106 188 17% 55

*同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや売上高成長率など

EBS SG(%) EPS DSO
08/12 -2% 0.68
09/12 31% 0.99
10/12 22% 1.59 60.1
11/12 -5% 0.64 75.8
12/12 3% 0.65 97.3
13/12 11% 0.85 71.1
14/12 29% 0.88 34.8
15/12 21% 1.41 49.6
16/12 0% 1.13 71.9
17/12 15% 1.71 68.1
18/12 39% 1.22 82.3
19/12 41% 1.04 76.1

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

EBS 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 291 91 199 68%
09/12 345 101 244 71%
10/12 500 127 374 75%
11/12 547 130 417 76%
12/12 564 122 442 78%
13/12 627 137 489 78%
14/12 939 385 553 59%
15/12 1037 377 660 64%
16/12 970 374 596 61%
17/12 1070 158 912 85%
18/12 2229 1219 1011 45%
19/12 2327 1239 1089 47%

ROAとROEなど

EBS ROA ROE 流動比率
08/12 7% 11% 283%
09/12 9% 13% 354%
10/12 10% 14% 322%
11/12 4% 6% 358%
12/12 4% 5% 425%
13/12 5% 6% 482%
14/12 4% 7% 465%
15/12 6% 10% 541%
16/12 5% 9% 482%
17/12 8% 9% 485%
18/12 3% 6% 310%
19/12 2% 5% 317%

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

EBS 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 7 -31 9
09/12 30 -33 15
10/12 98 -23 -8
11/12 12 -54 17
12/12 40 -40 -2
13/12 97 -68 9
14/12 112 -210 199
15/12 43 -45 35
16/12 55 -76 -20
17/12 208 -250 -51
18/12 42 -897 789
19/12 188 -97 -36