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フィリピン経済はドゥテルテ政権でよくなるのか

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ロドリゴ・ドゥテルテ氏は暴言で有名ですが、実は親日家でもあります。

ドゥテルテ氏は2回も訪日しており、日本にとってフィリピンと対立しなければいけない理由はないので、今後も日比関係が強まることを期待したいものです。

ところで、このドゥテルテ氏はどんな人で、何を主張しているのでしょうか。

ロドリゴ・ドゥテルテ比大統領の人物像

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まず、ドゥテルテ氏の基本情報をまとめてみましょう。

【生い立ち】

ドゥテルテ氏は1945年にレイテ島で法律家の父と学校の先生の母の間に生まれました。今は71歳ですが、暴言乱発でパワーが有り余っているせいか、見かけはもっと若く見えます。大学を卒業した後、10年ほど検察官を務め、政界に進出しました。なお、母方の祖父は中国系で、中国語も聞き取れるそうです。

学生時代の逸話としては、ケンカばかりしていたとか、神父に青いインクを浴びせて退学させられたとか、少年マンガの主人公のような話が目につきます。

「妹のジョセリン氏によると、ある晩、ドゥテルテ氏はけんかで負った刺し傷を押さえながら倒れるようにして家に帰ってきたという。またドゥレザ氏の話では、大学時代には友人が襲われた仕返しに同級生の足を銃で撃ったこともあった。同級生は回復し、ドゥテルテ氏が訴えられることはなかったという」(WSJ日本語版16/10/24「フィリピン大統領、「米国と決別」の裏に憤りの半生(後編)」)

何だか『ろくでなしブルース』の一場面みたいですね(若い人は知らないマンガかもしれませんが)。ただ、その後、検察官になっているので、きっと勉強は得意だったのでしょう(強盗被害の経験から犯罪組織撲滅を誓って検事になったとも言われる)。

大学時代にはフィリピン共産党の創設者から学んだりもしているので、このあたりが反米的な一面につながっているのかもしれません。

【政治家としての経歴】

  • 1988年~1998年:ダバオ市長(43歳~53歳)
  • 1998年~2001年:下院議員(53歳~56歳)
  • 2001年~2010年:ダバオ市長(56歳~65歳)
  • 2010年~2013年:ダバオ市副市長(65歳~68歳)
  • 2013年~2016年:ダバオ市長(68歳~71歳)
  • 2016年6月30日以降:フィリピン大統領

副大統領はレニー・ロブレド氏で、所属政党は「フィリピン民主党・国民の力」です。ダバオ市長から下院議員になったり副市長になったりしているのは、フィリピン憲法が同一人物が延々と同じ役職で選ばれ続けることを禁止しているためです。こうして見ると、議員経験もありますが、メインの仕事はタバオ市政なのでしょう。2010年には娘をダバオ市長に当選させているので、この頃も実質的には市長に相当する仕事をしていたと思われます。

【タバオ市長時代に何をした?】

そもそも、タバオ市というのはフィリピンのタバオ湾に面した都市で、ダバオ地方の中核都市です。タバオ市の広さは何と2400平方キロメートルなので、小さな都市国家みのようにも見えます。タバオ市の人口は145万人なので、福岡市(146万人)と同じぐらいの人数ですね。

ドゥテルテ市長の時代は非常に景気がよく、治安もよくなったと言われています。この頃、自ら短銃を忍ばせて薬物取締を行い、「ダーティハリー」とも呼ばれました。

ただ、ドゥテルテ氏は「自警団」が麻薬犯などを法を無視して私刑で殺すことを黙認したと人権団体から批判されています(本人はこうした殺人への関与を否定)。

しかし、大統領選以降、フィリピン人の支持を勝ち取っているので、麻薬・犯罪対策に関しては国民の側に強い要望があったのは事実です。この措置の是非は今後も争点になりそうですが、人権擁護を訴える欧米や国連と、同氏を大統領に選んだフィリピン国民の民意との違いが際立っています。

※訪日後、ダバオ市で行った記者会見では麻薬取締に関して「さらに2万人から3万人が死ぬだろう」と発言(産経10/29:8面)

この新大統領がフィリピン人から支持されているのは、その暴言が民衆の本音を代弁しているからなのでしょう。

フィリピンの民間調査会社が9月下旬に行った「大統領就任3ヶ月」調査では、ドゥテルテ氏への純満足度(満足度-準満足度)が64%もの高水準なので、これは92年のラモス大統領(66%)並みの数値です(産経10/8:7面)。

日比首脳会談:フィリピン支援の中身とは

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は25日夜に東京都でフィリピン人への講演を行い、熱烈な歓迎を受けた後、岸田外務大臣が主催する夕食会に出席しました。26日には安倍首相と首脳会談を行い、27日には三日間の訪日を終えました。

日本側からはフィリピンを重視し、JICA等を通してフィリピンの発展を後押ししてきたことを踏まえ、海洋安全保障,テロ対策,ミンダナオ和平,長期開発計画等を支援するこをに基づく国造り等で,最大限の支援を行っていくことを表明し、以下の合意がなされました。

  • 南シナ海問題の平和的解決の重要性を確認
  • 大型巡視船2隻とテロ対策のための小型高速艇供与
  • 海洋安全保障対話の立上げや海上自衛隊航空機TC-90練習機5機の有償供与
  • ミンダナオ和平定着に向けた約50億円の政府開発援助(ODA)

ドゥテルテ大統領からはダバオ市長時代から日本のJICAに支援を受けたことへの謝意が表明されています。

ドゥテルテ外交①:大国の狭間でどう動くのか

ドゥテルテVSオバマ:米比関係はひたすら悪化

ドゥテルテ氏が大統領就任後、フィリピン警察は麻薬容疑者を政権発足から18日間で665人を取締現場で射殺したとも報じられました。そして、国連人権高等弁務官事務所からは「超法規的な処刑から国民を守るため必要な措置を取ることを求める」という批判を浴び、ドゥテルテ氏も「容疑者に抵抗されたら射殺しろ。後のことは心配するな。私が支えてやる。弁護士も雇ってやる」と激怒しています。(「国連が何言おうと、おじけづくな」 比大統領、麻薬犯“殺害”への批判はねつける 人権機関「超法規的な処刑」と非難声明 産経ニュース2016/8/18)。

その後も諸々の暴言を乱発。  オバマ氏が人権問題としてフィリピン政権を批判した時、ドゥテルテ氏は怒り心頭となり、米比関係は決定的に悪化しました。 「フィリピンは主権国家だ。植民地ではない。敬意を払うべきだ。何様のつもりだ。Putang ina。フォーラムでののしってやる」(※Putang Ina⇒ 「クソッタレ」)。

フィリピンに来たローマ法王には「もう来るな」。国連は「脱退してやる」とまで爆発したわけです (柴田直治「それでもとまらぬドゥテルテの暴言 世界は今後も目が離せない」ハンフィントンポスト: 2016/9/7)。

米比首脳会談は取りやめになり、ドゥテルテ大統領は、フィリピンの米軍駐留への批判を繰り返します。  訪中時の習主席との会談では中国の南シナ海での領土主張に関する国連判決を取りあげないことと巨額の投資受け入れを決めました。

  • 訪中時(10/20)には「(米国と)「軍事的にも経済的にも決別する」とまで述べています。  ドゥテルテ氏が16年に来日する前のインタビューを見ると、かなり激しい感情をむき出しにしています(NHK「ドゥテルテ大統領 単独インタビュー全内容」10月25日)
  • 「中国とは対話できるし、ロシアともできる。日本ともできる。しかし彼ら(アメリカ)と話すのは不快だ」(米国を)「避けるのではなく、話すことがない」
  • 「国内の外国部隊についてだが、ここにいるのはフィリピン軍だけであってほしい。。私の国の中で外国の部隊は見たくない。いつか、これを動かぬ方針としたい」(※フィリピンは憲法で外国の軍隊の駐留を禁止している)
  • (アメリカとの軍事協定破棄の可能性が)「あると思う。私の任期中に。私の中にフィリピン兵士以外の武装した兵士は見たくない」

過去、争点になった激しい麻薬取締(死者続出)に関して、ドゥテルテ氏は、国内に400万人もの麻薬中毒者がいるのをどうしたらいいんだい?と述べていました。半年で麻薬犯罪を一掃することを公約した同氏の言い分は、優しい顔を見せても麻薬売人どもはどうにもならん、ということです。極めて難しい国内事情を抱えているので、外国の大統領にしたり顔で偉そうなことを言われたくなかったわけです。

しかし、フィリピンには南シナ海に進出してくる中国軍を止める実力がないため、結局、米国との関係は断ち切るわけにはいきませんでした。

声名では米比同盟を尊重。講演会では暴言乱発?

26日の日比首脳会談後の共同声明では「両国の種々の友好関係および同盟関係のネットワークが、地域の平和と安定、海洋安全保障を促進する」ことになったので、ドゥテルテ氏は、ここでは建前的に米国との同盟を尊重する姿勢を見せています。

要するに、今回の首脳会談は、オバマ大統領からの人権問題について問われ、ドゥテルテ氏が暴言乱発で応じたことでこじれた米比関係を、日本が間に入って修復しようと試みていたわけです。

ただ、東京で開催された在日フィリピン人との集会では、相変わらずの暴言を乱発しています。麻薬犯への過激な取締りを人権問題とみなして批判してくる欧米勢に対して、「米国やEUは私を攻撃する。(麻薬犯罪対策で)3千人が死んだと言うが、このばかどもは何も分かっていない。(中毒者が)300万人という数字があるのだ」と憤りを露わにしています。中毒者が300万人いたら、取締りで3000人の死者が出てよいという論理が成り立つとは思えないのですが、現時点のドゥテルテ氏は、公式な会合ではある程度、大人の発言をして、内輪の会合では暴言乱発というスタンスのようです。

(※前掲の発言は、産経ニュース「【暴言大統領来日】「ばかども」「何も分かっていない」 やっぱりドゥテルテ節がさく裂」2016.10.25 から引用)

習近平氏の前ではガムをかみ、天皇陛下の前ではかしこまる??

三笠宮さま薨去により、天皇陛下との会見は延期となりました。

チョイ悪を超えた貫禄ある風貌のドゥテルテ氏は、習近平氏の前でガムをかんでいたので、天皇陛下の前でもガムを噛んだりしないかと心配されていたので、宮内庁はほっと一息ついたのかもしれません。

「いい年(71歳)こいて何て仕草だ」と顔をしかめる方も多いと思いますが、これは意外と注目のポイントなのかもしれません。なぜかというと、習近平氏の前でガムをかんだりポケットに手を突っ込んだりしていたのは、親中派といわれながらも、同氏が本音では中国の国家主席に好感を抱いていないためである可能性があるからです。

天皇陛下の前ではかしこまり、習近平氏の前でガムをかんでいたという落ちになれば、両国の国家元首に対する明確な「差別化」がなされたことになります。

ガムという大統領にふさわしくないアイテムによって、こうした差がついたとしたら前代未聞ですが、本音で動くドゥテルテ氏は、とにかく話題には事欠かない人物です。

ドゥテルテ外交②:インフラ投資で中国と日本を競合させたい

ドゥテルテ氏は南シナ海での領有権主張が衝突する中国に対して二国間協議に前向きですが、まだ準備ができていないとも述べています。国際司法の仲裁裁判の結果を正面から突き出さず、話し合いで解決の道を探るあたりでは大きくリップサービスがなされています。

(※来日前のインタビューでは日本が望むなら、日本を入れた多国間協議を受け入れる余地があるとも述べている)

中国は南シナ海で軍事基地をつくっているので、もはや話し合いの段階ではないと思うのですが、ドゥテルテ氏は外交面で譲歩し、中国から経済協力を引き出そうとしているのです。

(以下、加藤嘉一「比ドゥテルテ大統領は中国を本心から“礼賛”しているか」2016年10月25日 より引用)

  • 「あなた方が我々のために鉄道を建設してくれるならば、我々はとても感謝するだろう。地球上の全ての国家は鉄道に依拠しないで発展することはできない」
  • 「私はいつも考えている。なぜ当時のスペイン人は我々のために鉄道を造らず、メキシコには造ったのか。米国には自らの鉄道があるが、なぜフィリピンにはただ一本の単線しか造ってくれなかったのか。本音を言えば、フィリピンの経済にとって唯一の希望は中国だ」

ずいぶん熱烈なセリフを述べており、インフラ投資に関しては中国側も乗り気です(中国からの経済協力は2.5兆円規模)。来日前のインタビューでは日本にインフラ面での出資を期待しているので、同氏は、うまく中国と日本を競合させ、経済協力を引き出そうとしているのでしょう。

これはインドネシアやマレーシアも使っている手法ですが、フィリピンは今後の成長の可能性が高い重要な親日国なので、対比投資自体はやるだけの価値があるのではないでしょうか(フィリピンの過去10年間の平均経済成長率は6%台で、すでに日本企業が1448社進出しているらしい。産経10/27:11面)。

ドゥテルテ外交③:「反米」路線は現実的には難しい

懸案の南シナ海問題について、ドゥテルテ氏は以下のように述べています

(外務省HP「日・フィリピン首脳会談」)

  • 南シナ海問題については,仲裁判断が出されたので,それに基づいて話をすることしかできない
  • 国連海洋法条約を含む法の支配の原則に従っていずれかの時点で話をする
  • 日本とフィリピンは同じような状況にある。フィリピンはいつも日本と同じ立場に立つので安心してほしい。
  • 海洋問題においては,航行の自由の確保が必要である

そして、中国の越権を批判しています。

習近平氏の前であれこれと親中外交をして見せたのは、インフラ投資が欲しいがためのポーズだったのかもしれませんが、一国の大統領がA国に行った時はA国にいい顔をし、B国に行った時にはB国にいい顔をし、A国の批判をしているようでは、外国から信用されなくなるので、基本的には望ましいやり方ではありません。

「日本は真の友人で、しかも兄弟よりももっと近しい関係にある」というドゥテルテ氏の発言が本音であることを願いたいものです。

南シナ海問題は国際法に基づいて平和裏の解決を目指すとも述べているので、中国に行った時、仲裁裁判所の裁定の評価を下げたのは、ドゥテルテ氏のリップサービスの一環だったのでしょう。

ただ、結局、南シナ海問題は米軍の軍事力が睨みをきかさなければ中国を抑止できないので、あれこれ言っても米国との関係を修復せざるをえません。

いちばんの問題発言は、都内の経済フォーラムの席での反米発言です。

「今後2年以内に、私の国から外国の軍部隊がいなくなってほしい」「私は彼ら(外国軍部隊)にいなくなってもらいたいし、行政協定の見直しや破棄が必要ならば、そうするつもりだ」(AFP通信ドゥテルテ比大統領、米軍は「2年以内に撤退を」2016年10月26日 )

二年で米軍がいなくなるとして、わずか二年でフィリピンがそれにかわる軍事力を持てるはずがないので、それをやってしまえば、90年代の米軍撤退後、中国に島を取られたのと同じような展開がフィリピン近辺で繰り返されることになります。

ドゥテルテ氏も米中で争いが生じる可能性を懸念していました。

結局、中国が南シナ海に勢力圏を広げていくと、アジアの主要海域に影響力を持ち、自由貿易の航路を守ってきた米国の国益とぶつかってしまいます。

南シナ海の主要航路は米軍だけでなくアジア経済の主要動脈なので、これを中国の自由にさせるわけにはいかない、というのが日米の考えでしたし、フィリピンのベニグノ・アキノ前大統領の考えでもありました。

「アキノさーん、帰ってきてくれー」と叫んでも同氏は帰ってこないので、恐らく、今後、日本からドゥテルテ氏に反米外交を続けるのは無理だということ納得してもらうための試みが続いていくのでしょう。

昔、マキャヴェリは『君主論』の中で、大国に挟まれた小国は、結局、どちらの側につくか明確にせざるをえない、ということを述べていました。

「味方の側が、さあ武器をもって立ちあがれと要請するなどは、ざらに起きることであろう。このとき、決断力のない君主は、当面の危機を回避しようとするあまり、多くのばあい中立の道を選ぶ。そして、おおかたの君主が滅んでいく」(中公文庫『君主論』P132)

結局、日本も冷戦期に米ソの間で日米同盟を選んだのも、結局、中立の立場を選べなかったからです(日本の場合、武器を取るのではなく、アメリカにカネと基地を提供しました)。

まだ紛争が起きたりしているわけではありませんが、米中の利害が衝突する南シナ海問題では、結局、どちらかの立場を選ばざる得ないので、もともと、フィリピンが親中でやっていられるはずがありません。米軍に出て行ってもらっても、今のフィリピンに中国の海洋進出を止められるだけの海軍も空軍もありません。

結局、ドゥテルテ氏は、最終的には米国との関係強化を選ばざるをえないでしょう。

追記:2017年にドゥテルテ氏が再訪日

2017年に入り、安倍首相が1月にフィリピンに訪問し、ドゥテルテ氏も10月末に訪日。日比関係が強化されました。

1月の安倍・ドゥテルテ会談の中身

過去を振り返ると、1月12日には安倍首相がフィリピンを訪問し、ドゥテルテ比大統領と以下の事項で合意しました(産経ニュース「安倍晋三首相がドゥテルテ大統領と会談 南シナ海『法の支配や紛争の平和的解決を』官民で5年間に1兆円投資」2017.1.12)。

  • 南シナ海問題について安倍首相が「法の支配や紛争の平和的解決を主張したい」と述べるとドゥテルテ大統領は「あらゆる分野で日本を支持する」と応じた。
  • 会談では、日比両国の戦略的パートナーシップの深化を図ることで一致。
  • テロ対策の一環としてフィリピン沿岸警備隊への小型高速艇提供を盛り込んだ交換公文の署名式を行った。
  • 安倍首相はドゥテルテ大統領が進める違法薬物の取り締まりを支援するため、更生施設や更生プログラムの整備、人材育成で協力することを確認。
  • 一連の支援策のため、政府開発援助(ODA)や民間投資を含め今後5年間で1兆円の投資を行うことを表明。
  • これを具体化すべく「経済協力インフラ合同委員会」の創設でも合意。

その後、ドゥテルテ氏は2017年10月末に再訪日します。

訪日前にドゥテルテ氏が記者会見(10/29)

最近の報道では、9月末にフィリピンのニュースサイト「インクワイアラー・ドット・ネット」が行った調査ではドゥテルテ大統領の支持率は66%(6月)から48%へと下落したとも言われています(フォーブス:2017/10/12)

ただ、ややこしいことに、世論調査機関の「パルス・アジア」の調査では9月の支持率は80%、不支持は7%なのだそうです(NNA ASIA 2017/10/15)

ドゥテルテ大統領は、日本への出発前にダバオ空港で記者会見を行い、日米韓の連携をもって北朝鮮を対話の場に引き出すべきだと述べました。

ドゥテルテ氏の記者会見の概要が報じられています(朝日デジタル:ドゥテルテ大統領、日米韓こそ金正恩氏を「説得できる」2017/10/29)。

  • (安倍首相と)「安全保障、特に北朝鮮問題について議論したい」
  • 「核戦争を受け入れることはできない」
  • (金正恩と)「誰かが彼と話さなければいけない。日米韓こそが、誰も彼の立場を脅かそうとしていないことを説明し、落ち着いて話をする機会をもてるよう、彼を説得できると考えている」
  • 安倍首相を「フィリピンの真の友人」と呼び、日本の支援に感謝を述べた。
  • ミンダナオ島マラウィの復興への日本の関与や、フィリピンの公共施設の近代化への協力にも期待していることを明かした。

1100億円の対比円借款

その後、ドゥテルテ大統領は10月30日に安倍首相と首相官邸で会談しました。

両首脳は北朝鮮の核・ミサイル開発が「脅威」であるとの認識で一致し、国連安保理決議の厳格な履行を求めていくことを確認。マニラのインフラ整備など、今後5年間の支援を行うことが明かされました。

時事通信(10/30)によれば両者は以下のように発言しています(「日比首脳、対北朝鮮で連携」

  • 「北朝鮮の核・ミサイル問題、拉致問題の早期解決や、自由で開かれたインド太平洋の実現へ協力して対応していくことを確認した」(安倍首相)
  • (巡視艇供与などで)「防衛協力を一層推進していきたい」(安倍首相)
  • 「両国は協力して地域の安全保障のため対処していきたい」(ドゥテルテ大統領)

そして、1139億2,900万円の円借款が行われることが決まりました(フィリピンに対する円借款の供与(事前通報) | 外務省

  • マニラ首都圏地下鉄計画」:1045億3,000万円。増加する輸送需要への対応を図り,マニラ首都圏の深刻な交通渋滞の緩和に資する。大気汚染や気候変動の緩和を図る
  • 幹線道路バイパス建設計画」:93億9900万円。マニラ首都圏北部近郊の中核都市プラリデル市周辺において,マニラ首都圏とルソン島中部を直接結ぶ主要な一般幹線道路のバイパス道路を整備

日比関係が強化されたことは、今後の展開を考えれば、好材料になるでしょう。

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