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【FB情報流出】ザッカーバーグ声明(2018)を日本語訳

更新日:

3月17日にはフェイスブックを通じた情報漏洩問題の詳細がニューヨーク・タイムズとオブザーバー(英紙)に報じられました。

大統領選でトランプ陣営が契約したデータ分析会社(ケンブリッジ・アナリティカ)がフェイスブック利用者約5千万人の個人情報を不正に収集していたというのです。

この記事は内部告発者の話がもとになっており、フェイスブック(以下、FB)が事実を知っておりながら利用者に警告をしなかったことを問題視しています。

当初、FB側は、これがデータ流出であることを否定し、その後にケンブリッジ・アナリティカのアカウントを停止したのですが、その対応の鈍さがマスコミに叩かれ、米国や英国で情報流出についての捜査を求める声が議員から上がりました。

米国では、民主党のクロブシャー上院議員が、上院司法委員会での証言をザッカーバーグ氏に要請。

英国でも保守党議員が英EU離脱の是非を問う国民投票についてロシア介入が行われたかどうかの議会調査で、ザッカーバーグ氏への証言を求めました。

ザッカーバーグ氏は、FB内のフェイクニュースは選挙に影響しなかったと述べた2016年の発言を謝罪するまでに1年を要し、その間、同社の広告や個人情報の扱い方などが問題視されたのです。

その後、4月10日にザッカーバーグ氏は米上院の司法、商業科学運輸両委員会の合同公聴会で証言し、今回の件について謝罪しながらも自社を擁護しました。

同氏の対応はおおむね市場から高評価を勝ち取り、これを契機にFB社の株価は回復傾向に戻りました。

フェイスブックの株価と指標

FBの株価チャート

まず、ロイターHPのデータでフェイスブックの株価の動きを追ってみます。

【年初来チャート】

【長期チャート】

大変な伸び率ですが、最近は、総スカンをくらい、株価は大きく下がっています。

FBの指標

ブルームバーグHPで見たFBの指標は以下の通り(2018/5/20)。

  • 株価52週レンジ:144.56~195.32
  • 1年トータルリターン:23.38%
  • 年初来リターン:3.52%
  • 株価収益率(PER) :26.83
  • 1年1株当り利益 (EPS) :6.81
  • 時価総額:5289億8900万ドル
  • 発行済株式数:23億9900万株
  • 株価売上高倍率(PSR) :11.9
  • 直近配当利回り(税込):無配当

フェイスブックの決算

年次報告書の決算の数字を見てみます。

(出所は亜州IR株式会社『米国株四半期速報』とモーニングスターHPなど)

なお、売上高と純利益の単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPSです。

四半期決算:2015~2018年

売上高 純利益 EPS
2015/3 3543 512 0.18
2015/6 4042 719 0.25
2015/9 4501 896 0.31
2015/12 5841 1562 0.54
2016/3 5382 1510 0.52
2016/6 6436 2283 0.78
2016/9 7011 2627 0.9
2016/12 8809 3568 1.21
2017/3 8032 3064 1.04
2017/6 9321 3894 1.32
2017/9 10328 4707 1.59
2017/12 12972 4268 1.44
2018/3 11966 4988 1.69

通年決算:2010~2018年

売上高 純利益 EPS ROE
2010/12 1974 606 0.28 24.05
2011/12 3711 1000 0.46 22.91
2012/12 5089 53 0.01 0.4
2013/12 7872 1500 0.6 10.95
2014/12 12466 2940 1.1 11.34
2015/12 17928 3688 1.29 9.14
2016/12 27638 10217 3.49 19.7
2017/12 40653 15934 5.39 23.84

財務情報:2015~2017年

最後にキャッシュフロー(CF)などの推移を見てみます。

15/12 16/12 17/12
総資産 49407 64961 84524
自己資本 44218 59164 74347
自己資本比率 89.5 91.12 87.96
有利子負債 315 - -
営業CF 10320 16108 24216
投資CF -9434 -11739 -20038
財務CF -139 -310 -5235
フリーCF 5647 8294 11623

フェイスブックの情報流出事件の詳細

まず、FBの情報流出を報じたニューヨークタイムズ(2018/3/18)の記事から、その顛末を見てみます(出所:How Trump Consultants Exploited the Facebook Data of Millions)。

重要な部分を抜粋で翻訳すると、以下のように事件が説明されています。

  • 米国民を含む情報漏洩の本格的な規模は以前は明らかにされていないし、FBはそれをまだ認めていない。
  • 6名(半ダース)の元従業員と請負業者へのインタビュー、同社の電子メールと文書のレビューから、ケンブリッジ・アナリティカ(以下、CA)はFBの個人情報に依存しているだけでなく、そのほとんど全てを所有していることが明らかになった。
  • CAは外部の研究者を通じて、学術目的を名目に個人情報を取得するためにお金を支払った。
  • ニューヨークタイムスの調査から1週間の間、FBは情報漏洩の範囲を軽視しており、ニューヨークタイムズはデータのいずれかがいまだ制御不能なのではないかという疑問を呈した。

その後、FBは問題について行動を起こすことを約束した声明を発表し、対処を開始しました。

  • CAは、ワイリー氏がライバル会社を立ち上げ、その後、彼に対して知的財産権を巡る訴訟を起こしたことを発表した。
  • ワイリー氏や他の元請負業者は、「明らかに会社を傷つける悪意のある試み」に関与しているとしたのだ。
  • 年の終わり頃に出された英ガーディアン紙のレポートによると、CAはFBのツールを通してテッド・クルーズの選挙運動にFBの個人情報を用いていた。
  • 当時の声明では、FBは「注意深くこの状況を調査している」と約束し、企業に悪用されたデータを破壊する必要があると述べた。
  • FBはこの情報漏洩を確認し、それを公には認めないまま情報の確保のために努力し、その活動を2016年8月まで続けていた。
  • FBの弁護士はCAの請負業者に連絡を取り、データが無断で入手して使用されていることを指摘し、今後は正当に使用できず、すぐに削除する必要があることを伝えた。
  • FBの副社長であるグレアル氏は声明でコーガン博士と「SCL GroupとCAの両者が、問題のデータを破壊したことを我々に証明した」と述べた。

この情報漏洩がFBの大幅な株価下落を引き起こします。

「フェイスブック・ショック」は他の大手インターネット企業の株価にも波及し、さらには、同社株を購入する上場投資信託(ETF)の値下がりを引き起こします。

そして、メディア報道を通じて、ユーザーにも不安が広がっていきました。

多くのユーザーは、FBを通じて個人情報が広告主などの外部企業に共有されていることを知りませんでしたが、米国やEUで規制強化を求める議員は、それを公にしようとしています。

(情報大手を通じて、ユーザーは、地図情報や検索、動画などの多様なサービスを無料で手に入れられるようになったが、その反面、大量の個人情報がビッグデータとしてネット企業に蓄積され、それが合法的あるいは不法に第三者に販売されている)

欧州では5月から「一般データ保護規制(GDPR)」が施行され、個人情報保護の規制が厳しくなります。

その結果、広告主と共有する顧客情報に基づいてFBユーザーに合わせた特定の広告をリアルタイムで載せることが難しくなります。

規制強化によって法令順守のコストを押し上げられ、全体の利益が下がります。

その意味では、今回の情報漏洩事件は、FBの問題ではありますが、他社にまで大きく波及していく問題だと言えます。

情報漏洩に対するザッカーバーグ声明(日本語訳)

ザッカーバーグ氏は、3月21日に、この問題に対する声明を発表しました。

その全文を翻訳してみます。

ーーーー

この重要な問題に対処する我々の次の措置を含めて、ケンブリッジアナリティカ社に関する最新情報を共有したい。

我々には、皆様の情報を守る責任がある。それができなければ皆様にサービスするに値しない。

私は、事件の経緯と、再発を防ぐ方法を正確に理解するよう努めてきた。

良いニュースは、こんにちでは、それを防ぐための最も重要な措置が数年前に取られているということです。

我々はまた間違いを犯した。しかし、それ以上にやるべきことがある。

我々はもう一歩踏み出し、それを実施する必要がある。

その経緯は以下の通りだった。

・・・・・・

皆様のカレンダーは友人の誕生日を表示できる。皆様のマップは友人の住んでいる場所を、住所録は友人の写真を表示できる。

これを行うことで、我々はユーザーはアプリにログインして友だちの人とその情報を共有することができた。

2013年にケンブリッジ大の研究者であるアレクサンドル・コーガン氏がパーソナリティに関するクイズアプリをつくった。

それは30万人にインストールされ、その人たちは自分のデータだけでなく、友人のデータの一部を共有していた。

我々のプラットフォームは、当時、コーガン氏がアクセスできた数千万人の友人のデータにアクセスできる。

2014年に、虐待に関するアプリを阻止するために我々はプラットフォーム全体を変更したことを発表した。それは劇的にアプリへのアクセスを制限するものだった。

最も重要なのは、コーガンがつくったようなアプリはもはや、承認されない限り、ある人の友人についてのデータを要求できないということだ。

開発者は、人々に極秘のデータ(個人情報やパスワード等)を要求する前に、我々の承認が必要になった。

これらの措置は、こんにち、コーガンがつくったようなアプリが、多くのデータにアクセスするのを不可能にしている。

2015年に英ガーディアン紙のジャーナリストが、コーガンがそのアプリから得たデータをケンブリッジ・アナリティカと共有していることが分かった。

開発者が人々の同意なしにデータを共有することは我々のポリシーに違反しているので、我々はKoganのアプリを(FBの)プラットフォームから即座に禁止した。

そして、コーガンとケンブリッジ・アナリティカが不適切に得たデータを全て削除したことを正式に証明する。

彼らはそれらの認証を提供した。

先週、我々はガーディアンとニューヨークタイムズ、チャンネル4の報道から、ケンブリッジアナリティカが認証したデータを削除していない可能性があることを認識した。

我々はすぐに、ケンブリッジアナリティカのサービスを用いることを禁止した。

ケンブリッジアナリティカは、すでにデータを削除したことを主張している。これ(データ削除)に関しては、我々が雇った企業による監査に合格した。

また、我々は規制当局と今回の事件の経緯についての調査にも協力している。

今回の出来事はコーガン氏、ケンブリッジアナリティカ社とフェイスブックの間での信義を裏切りでした。

それはフェイスブックとそのデータを共有し、フェイスブックにそれを守ることを期待した人々との間の信義に対する裏切りでもあった。

我々はそれを修正する必要がある。

このケースに関しては、悪意ある者が人々の情報にアクセスすることを防ぐために、2014年の数年前に最も重要な措置を取っていた。

しかし、我々にはもっと必要なことがある。私はここでその手順の概要を説明したい:

まず、2014年にデータアクセスを大幅に削減すべくプラットフォームを変更した以前に、大量の情報にアクセスした全アプリを調査する。疑わしい活動をしたアプリの完全な監査を行う。

我々は、徹底的な監査に同意しない開発者に対して、当社のプラットフォームの使用を禁止する

個人識別情報を悪用した開発者が見つかった場合、そのアプリを禁止し、その影響を受ける全ての人に通知する。

そこには、コーガンのデータを悪用された人々が含まれる。

第二に、開発者のデータへのアクセスをさらに制限して、他の種類の不正行為を防止する。

例えば、あなたが3か月間、アプリを使用していない場合、あなたのデータへの開発者のアクセス権を削除する。

ログイン時に入力した皆様の名前、プロフィール写真、メールアドレスを削除する。

開発者は、(FBユーザーから)投稿や個人情報に対して他の者がアクセスすることを容認する契約書への承認と署名を得ることが必要になる。

数日後には、シェアに関してさらに多くの変更が予定されている。

第3に、皆様がデータにアクセスすることを許可したアプリについての理解を確かなものにしたい。

来月には、ニュースフィードの上部のツールに皆様が使用したアプリを表示し、そのアプリの個人情報等に対する権限を取り消す簡単な方法を紹介する。

我々は、皆様のプライバシー設定でこれを行うツールを持っている。

今度は、このツールを皆様のニュースフィードのトップに置き、誰もが見られるようにする。

2014年にすでに取り組んできた措置のほか、これが我々がプラットフォームの安全を維持するために必要な次の措置だと私は考えている。

私はフェイスブックを始めた。その終わりの日まで、私は、我々のプラットフォームで起きることに責任を負っている。

私はコミュニティを守るために必要な措置に真剣に取組んでいる。

ケンブリッジアナリティカに関して起きた問題は、もはや今日の新しいアプリでは起こらないはずだが、それは過去の出来事の中身を変えられない。

この経験から、私はプラットフォームを守り、今後とも皆様のためにコミュニティをより安全にする術を学ぶ。

我々のミッションを信じ、このコミュニティを一緒に構築すべく努力している方々に感謝する。

これら全ての問題を修正するのに、我々が望むよりも時間がかかるのは分かっているが、私はこれを実践して長期的によりよいサービスを構築することを約束する。

ーーーー

この事件を見ると、CA社の問題は氷山の一角にすぎないのではないか、という疑念がわいてきます。

FBは、大きくなったわりには、十分な責任感が伴っていないようです。

FBの懸念事項はそれだけではない

フェイクニュース問題への対処も後手後手

それは、2016年に起きたフェイクニュース問題(FB内であふれていたフェイクニュースが選挙に影響を与えたとされる問題)に対処するためにザッカーバーグ氏が出した声明にも見てとれます。

結局のところ、ザッカーバーグ氏は、どちらも後手後手の対応になってしまいました。

2017年9月のメッセージはTIME(2017/9/21)に全文掲載されています。

(記事名は”'I Care Deeply About the Democratic Process.' Mark Zuckerberg Reveals Facebook Election Meddling Plan”)

その一部を抜粋・和訳してみました。

  • 私は民主的な過程とその保全について深く心配しています。
  • Facebookの使命は、人々に声を与え、人々をより近づけることです。
  • それらは民主的に深く根差した価値観であり、我々はそれらを誇りに思っています。
  • 私は誰かが民主主義を損なうために私たちのツールを用いることを望みません。
  • それを私たちは支持できません。
  • I care deeply about the democratic process and protecting its integrity.
  • Facebook’s mission is all about giving people a voice and bringing people closer together.
  • Those are deeply democratic values and we’re proud of them.
  • I don’t want anyone to use our tools to undermine democracy.
  • That’s not what we stand for.
  • 選挙の健全性は、世界中の民主主義の基盤です。
  • だからこそ、我々はチームをつくって選挙保全に取り組み、ある国が他国の選挙に干渉することを妨げています。
  • 以前にも分かったように、私たちのチームは、最近のフランスの選挙を含む多くの国の選挙に影響を与えようとする数千もの偽の口座を見つけ出し、閉鎖しました。
  • 全ての干渉を止められると伝えたいのですが、それは現実的ではありません。
  • 世界には常に悪い人がいるでしょう。全政府を干渉から守ることはできません。
  • しかし、私たちはそれをもっと難しくすることができます。
  • The integrity of our elections is fundamental to democracy around the world.
  • That’s why we’ve built teams dedicated to working on election integrity and preventing governments from interfering in the elections of other nations.
  • And as we’ve shared before, our teams have found and shut down thousands of fake accounts that could be attempting to influence elections in many countries, including recently in the French elections.
  • Now, I wish I could tell you we’re going to be able to stop all interference, but that wouldn’t be realistic.
  • There will always be bad people in the world, and we can’t prevent all governments from all interference.
  • But we can make it harder.

こうしたことを述べ、ザッカーバーグ氏はロシアの干渉に関する継続的な調査について米国政府と積極的に協力していることを強調し、必要な情報を議会にも提供し、FBへの嫌疑を晴らしていると述べました。

FBが中国市場参入のために検閲ソフトを作成中?

筆者には、それ以外にも、FBには見過ごせない問題があると考えています。

2016年11月には、ニューヨークタイムズがフェイスブックが中国市場参入のために検閲ソフトを開発していると書いていました(英語版では22日付だが、日本の新聞では、日本時間に合わせたのか、23日と書かれている)。

まず、産経ニュースの紹介記事を見てみます(「フェイスブックが中国参入へ検閲ソフト開発 米NYタイムズが報道」2016/11/24)。

(※ニューヨーク・タイムズは)「米フェイスブックが中国への参入を認めてもらおうと、中国政府向けにフェイスブック内に出回る情報を検閲するソフトウエアを開発したと報じた」

「このソフトを使えば、フェイスブック内に特定の情報が表示されないように操作することができるという」

「同紙によると、フェイスブック自体は直接検閲せず、提携する中国企業がフェイスブックに拡散する情報を監視。その情報を中国国内で非公開にするかどうかを管理するとみられる。フェイスブックはまだ、中国当局にソフトを提示していないようだ」

22日のニューヨークタイムズでは”Facebook Said to Create Censorship Tool to Get Back Into China”(フェイスブックは中国に入るために検閲の道具をつくると述べた)という物騒な題名の記事が出ています。

プランの段階だったようですが、フェイスブックの未来を考える上で、これは非常に大事な話です。

この英文記事の中で特に気になる箇所をピックアップしてみます(傍線・着色は筆者)。

”Facebook does not intend to suppress the posts itself. Instead, it would offer the software to enable a third party — in this case, most likely a partner Chinese company — to monitor popular stories and topics that bubble up as users share them across the social network, the people said. Facebook’s partner would then have full control to decide whether those posts should show up in users’ feeds.”

”The current and former Facebook employees caution that the software is one of many ideas the company has discussed with respect to entering China and, like many experiments inside Facebook, it may never see the light of day.”

まだこの検閲ソフトは用いられていませんが、実際に検閲が行われる時は、フェイスブックは直接に手を汚さず、中国企業にこのソフトを渡し、その企業が投稿の中身を監視。投稿を公開させるかどうかを決める権限を与えます。

非常に怖い話ですが、元スタッフもしくは現スタッフの話によれば、これは中国市場参入のためのアイデアの一つであり、まだ日の目を見てはいません(不幸中の幸い?)。

とはいえ、アイデアレベルでもそういう議論をするほど、フェイスブックは中国市場を取りたがっているのでしょう。

筆者は、それはマズイのではないかと思うのですが、現状でも、フェイスブックは政府の要望に答えて、ユーザーの投稿のブロックをやっているようなのです。

ニューヨークタイムズの元記事を見ると、フェイスブックは、他のネット企業と同じく、パキスタン、トルコ、ロシア等(計20カ国)の要望を受け、2015年7月~12月までにコンテンツのうち55000ピースをブロックした、とも書かれていました。

55000ピースを20で割ると、一ヶ国あたりは2750ピース。6か月で割ると、それぞれの国で、1か月で45~46ピースがブロックされていることになります。

このピースの中身の説明がなかったのですが、中国を例に考えれば「天安門事件」のようなワードがブロックされているのでしょうか。

フェイスブック検索で40~50ぐらいのフレーズがブロックされているということなのでしょうか。

結構、政治的圧力を受けながらフェイスブックを運営している国が多いわけです。

新聞・メディアで自由に中国記事が書きにくいのと似た現象が起きているのですが、この上に、中国で「検閲ツール」がプラスされるかどうか、という争点が、今後、浮上してくる可能性があります。

ニューヨークタイムス(NYT)紙も、半ば警告的なコメントをかきつらねています。

「このプロジェクトは、14億人の中国人市場へのアクセスを得るために、フェイスブックが「世界をもっとオープンにし、つなげていく」という中核使命の宣言の一つに関して自発的に妥協する可能性があることを示すものだ」

”But the project illustrates the extent to which Facebook may be willing to compromise one of its core mission statements, “to make the world more open and connected,” to gain access to a market of 1.4 billion Chinese people. Even as Facebook faces pressure to continue growing”

筆者の下手な邦訳で申し訳ないのですが、NYT紙のMIKE ISAAC氏はかなり厳しい目でフェイスブックを見ています。

NYTですが、この記事は、非常に公平な観点で書かれています。

※リスニングが苦手な筆者には聞き取り不能でしたが、ニューヨークタイムズ紙のサイト内には動画も出ています(URL:”Facebook’s Censorship Tool” By CNBC | Nov. 23, 2016)。

訪中に熱心なザッカ―バーグ氏 共産党幹部と面談

顔出しをしない筆者は、もともとフェイスブックがさほど好きではありません。

しかし、顔出しで実名のSNSを謳いながら、中国進出のためにポリシーを妥協するのはいかがなものかと思います。

CEOのザッカ―バーグ氏は2016年の3月に訪中し、中国共産党関係者や政財界の人物と会談を繰り返していたようです(「中国でフェイスブック解禁できるか? ザッカーバーグ氏が説得行脚 「グレートウオール」突破に期待高まるが…」2016.3.27)。

  • 国営新華社通信によると、ザッカーバーグ氏は(※3月)19日、北京市内で党序列5位の劉雲山政治局常務委員(宣伝担当)と面会。
  • ザッカーバーグ氏は「中国はインターネット大国であり世界でも重要な影響力がある」と持ち上げ、「われわれはよりよく中国を理解し、中国を紹介し、中国とともに歩み、インターネットを通じてよりよい世界を創造したい」と中国と寄り添う姿勢を強調した。
  • ザッカーバーグ氏は同日、・・・中国の電子商取引最大手アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長と「イノベーション」をテーマに会談。
  • FB創業者と中国指導部との“蜜月”を思わせる展開は、中国のネットユーザーにFB解禁への期待を抱かせた。

ザッカ―バーグ氏は50億人をネットにつなぎたいと言っていたので、中国を見過すごせないと考えたのかもしれません。

しかし、これは量の議論であって、自由な情報空間の有無という質の議論ではありません。もともと、「顔出し+実名」で参加者をつのってきたフェイスブックであるなら、もう少し、言論の自由を抑圧する政府との付き合いは慎重であってほしいものです。

米国で民主主義の擁護を謳う以上、今後、中国進出を巡って、ザッカーバーグ氏がどんな判断をするのかは、重大な社会的責任を伴うからです。

※参考:グーグル社の中国撤退の場合はどうだったのか?

 NHKのサイトで、2010年3月頃の、グーグル中国撤退騒動の話がまとめられているので(「米グーグル,中国市場からの“撤退”を表明」2010年5月「放送研究と調査」)、そのポイントを紹介してみます。

(グーグルが)「2006年に中国市場に参入した際には,民主化や少数民族問題など中国政府の望まない情報を非表示にするという自主検閲を受け入れたため,ヤフーなど他のネット関連事業者とともにアメリカ議会の公聴会で集中砲火を浴びた」

「グーグルはその後,中国市場でのシェアを30%以上と,中国の事業者『百度』に次ぐ2位にまで伸ばした。しかし2010年1月,中国政府による厳しいネット検閲に加え,同社の無料メールサービス「Gメール」が中国国内からと見られるハッカー攻撃を受けたことなどを理由に,中国市場からの撤退を検討」

(交渉後)「中国政府は譲歩する気配を一切見せなかったため,グーグルが正式に中国市場からの撤退を決めた」

その後、中国のネットユーザーがgoogleにアクセスすると香港のサイトに転送されるようになりましたが、グーグル社は結局、中国市場のシェアよりも、自社のポリシーを守ることを選んだわけです。

グーグルのライバルとして、フェイスブックは有力な対抗馬なので、「ライバルが入れないでいる中国に入り込んで、一気にシェア拡大を計ろう」というアイデアが出てきたわけですが、果たして、それが吉と出るか、凶と出るか。

もともとの理念を忘れるようなことがあれば、フェイスブックのブランドそのものが成り立たなくなるのではないかと思うのですが・・・。

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