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【XOM】エクソンモービルの株価と決算、配当

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エクソンモービル(Exxon Mobil Corporation)はアメリカ最大手の総合エネルギー企業です(連続増配36年、S&P格付はAA+で、NYダウ30銘柄の一つ)

2015年に原油価格が下がってから株価は低空飛行を続けて、17年には減産合意で株価が底打ちしました。

減税の後押しなどもあって2018年初には株価が上昇しましたが、2月以降、一気に株価が急落。

最近は原油価格の回復などで株価が回復し始めています。

株価の変動が激しいのですが、エクソンモービルは高配当株なので、長期投資の対象として長らく注目されてきました。

【XOM:5年チャート】

しぶとく生き延びてきた巨大企業なので、どこかの段階でぶり返してくる可能性もあるのではないでしょうか。

今回は、そうした観点から、この企業について調べてみます。

エクソンモービル(XOM)の経営指標

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直近の指標は以下の通り(ブルームバーグHPを2018/7/8閲覧)。

  • 株価52週レンジ : 72.16~89.3
  • 1年トータルリターン : 6.72%
  • 年初来リターン : -1.57%
  • 株価収益率(PER) : 22.41
  • 1年1株当り利益 (EPS) : 3.67
  • 時価総額:3485億7200万ドル
  • 発行済株式数 : 42億3400万株
  • 株価売上高倍率(PSR) : 1.43
  • 直近配当利回り(税込) : 3.98%

エクソンモービル(XOM)は米最大手のエネルギー企業

7万人以上の従業員を擁するXOMは20兆円以上の売上高(2016年は1975億ドル)を誇り、世界の200カ国以上でエネルギー事業を展開しています。

原油や天然ガスの生産と輸送、石油製品、石油化学品の製造などを手がけ、スーパーメジャー6社のなかで最大の規模を誇っています(本社はテキサス州)。

資源の探査と開発(川上)からガスや石油等の精製と販売(川下)を行い、「エクソン」「エッソ」「モービル」の3ブランドを展開しています。

同社の2016年報告書では、川上では39か国で積極的な探査と開発を行い、世界の16カ国に石油化学の拠点を持っているとも書かれていました。

2012~14年までは川上(upstream)が稼ぎ頭でしたが、15年以降の資源安により、16年以降は川下(downstream)化学事業も重要な収益源となってきました。

(出所はXOMの年次報告書

中国など新興国の成長が減速し、米国でのシェールオイル増産、OPECの生産水準維持などの要因があって原油価格が下がり、XOMもそのあおりを受けました。

OPEC諸国は2016年11月に8年ぶりの減産合意を行い、12月にはOPEC非加盟国の一部とも減産合意を重ね、2017年には原油価格が底打ち感を見せています(一進一退のため断定はしかねる)。

原油価格の下落がもたらしたメジャー5社へのインパクトについて、経産省の「エネルギー白書2017」は以下のように述べています。

「スーパーメジャー」と呼ばれる世界を代表する5社(ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total)の石油・天然ガス開発企業においても、2016年の純利益は2014年比で約76%、投資額は約37%減少しています。

xom2

エクソンモービルを含むメジャーの利益はどの程度、減ったのでしょうか。

その規模がXOMの2016年年次報告書にもグラフ化されています。

投下資本(有利子負債+自己資本)に対して、どれだけの利益が上がったかを計る使用資本利益率で見ると、どの社も見事に減っています。

エクソン社は川下と化学でふんばっています。

エクソンモービル(XOM)の政治力

1999年12月にエクソン社とモービル社とで石油大手同士の合併を行い、エクソンモービル社ができました。その結果、北米とヨーロッパ中心だったエクソン社は、南米、アジア、中東アフリカへと事業範囲を広げていきます。

合併吸収後、XOMは巨大な政治力を発揮しましたが、その事例としては、以下の二つが有名です。

その概要を『石油の帝国』(スティーブ・コール著/森義雅訳、ダイヤモンド社)で見てみます。

当時、モービル社は70年代から独立闘争が続くインドネシアのアチェ州でガス田(アルンガス田)開発を続けており、合併後にその問題を引き継ぐことになります(アルンガス田はエクソンとの合併前の10年間にモービル海外石油ガス生産収入の1/5を占めた)。モービル社はインドネシア政府と交渉し、インドネシア軍にアルンガス田を警備させることを認めさせました。

また、独裁体制が続く中央アフリカのチャド共和国では、高い政治リスクに見合った有利な契約を政府との間で締結しています。

「本契約の期間中、将来いかなる政府も、当事者間の合意に基づかないで、契約共同体に反し、直接もしくは間接に、共同体の義務を加重し、あるいは支払い負担を増加させ、もしくは本契約によって享受される共同体の権利と経済的便益に有害な効果をもたらす行為を行わないことを国(チャド)を保証する」

要するに、何が起きても、エクソンに不利な契約改定は認めないというわけです。

その後、エクソン社はロシアでの資源採掘にも踏み込みました。

1996年にはサハリン1の開発条件に合意し、プーチン政権発足後まで交渉を続け、2002年にロシア政府との契約締結にこぎつけます。プーチンは当初、大統領令によって開発プロジェクトを進めようとしたのですが、その時にティラーソン社長(当時)は納得せず、「事業を大統領令に基づいては進めたくない、耐久性のある法律に基づいて進めたい」と迫りました。

その後、立法がなされたことについて、ティラーソン氏は「正確にロシア法に沿って細部まで注意を払いたかった。もしそれができないなら、プロジェクトを進めるつもりはなかった」と述べています。

米国をバックにして、エクソン社はロシア政府にも屈しない交渉力を発揮したわけです。

エクソンモービル社(XOM)の決算と配当

XOMの経営指標を『米国会社四季報』(週刊東洋経済)や『米国株四半期速報』(亜州IR社)、エクソン決算HP、モーニングスターHP等で見てみます。

(以下、EPSと一株当たり配当金以外の単位は百万ドル。CF=キャッシュフロー。EPS=当期純利益/発行済株式総数。増資による株式数増を考慮した「希薄化後EPS」を記載)

4半期決算と配当:2015~2018年

売上高 純利益 EPS 配当
2015/3 64758 4940 1.17 0.73
2015/6 71360 4190 1 0.73
2015/9 65679 4240 1.01 0.73
2015/12 38057 2780 0.67 0.73
2016/3 47105 1810 0.43 0.75
2016/6 56360 1700 0.41 0.75
2016/9 56756 2650 0.63 0.75
2016/12 40396 1680 0.41 0.75
2017/3 56474 4010 0.95 0.77
2017/6 65441 3350 0.78 0.77
2017/9 64415 3970 0.93 0.77
2017/12 50832 8380 1.97 0.77
2018/3 65436 4650 1.09 0.82

通年決算:2008~2017年

売上高 営業利益 純利益 EPS
2008/12 466278 72989 45220 8.66
2009/12 303443 28182 19280 3.98
2010/12 370125 40122 30460 6.22
2011/12 467029 54104 41060 8.42
2012/12 451509 49881 44880 9.7
2013/12 420836 40301 32580 7.37
2014/12 394105 34082 32520 7.6
2015/12 239854 12883 16150 3.85
2016/12 200628 936 7840 1.88
2017/12 237162 12074 19710 4.63

配当余力など:2008~2017年

営業CF フリーCF 配当性向 配当
2008/12 59725 40407 17.8 1.55
2009/12 28438 5947 41.7 1.66
2010/12 48413 21542 27.9 1.74
2011/12 55345 24370 21.9 1.85
2012/12 56170 21899 22.5 2.18
2013/12 44914 11245 31.3 2.46
2014/12 45116 12164 33.2 2.7
2015/12 30344 3854 59.9 2.88
2016/12 22082 5919 138.3 2.98
2017/12 30066 14664 99 3.06

利益率など:2008~2017年

粗利率 営業利益率 ROA ROE
2008/12 38.4 15.7 19.24 38.53
2009/12 30.2 9.3 8.36 17.25
2010/12 25.1 10.8 11.37 23.67
2011/12 23.8 11.6 12.96 27.26
2012/12 22.4 11 13.5 28.03
2013/12 21 9.6 9.57 19.17
2014/12 20.5 8.6 9.34 18.67
2015/12 23.4 5.4 4.71 9.36
2016/12 21 0.5 2.35 4.64
2017/12 23.2 5.1 5.81 11.1

財務情報:2013~2017年

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
2013/12 346808 172805 174003 51.13
2014/12 349493 175094 174399 50.87
2015/12 336758 165947 170811 51.64
2016/12 330314 162989 167325 51.67
2017/12 348691 161003 187688 54.90

自己資本率は5割超で安定しています。

流動資産と流動負債の比率に着目すると、以下の結果になりました。

流動資産 流動負債 非流動資産 非流動負債
2013/12 59308 71724 287500 101081
2014/12 52910 64633 296583 110461
2015/12 42623 53976 294135 111971
2016/12 41416 47638 288898 115351
2017/12 47134 57771 301557 103232

キャッシュフロー:2013~2017年

営業CF 投資CF 財務CF フリーCF
2013/12 44914 -34201 -15476 11245
2014/12 45116 -26975 -17888 12164
2015/12 30344 -23824 -7037 3854
2016/12 22082 -12403 -9293 5919
2017/12 30066 -15730 -15130 14664

直近では純利益が増えています。

しかし、この金額は米国の減税の効果が上乗せされていることに注意が必要です。

純利益の約3分の1が減税効果と見なされています。

xom

エクソンモービル(XOM)は売りか買いか

2015年の資源安の原因は中国の景気減速でしたが、その後はやや持ち直しています。

【XOM:長期チャート】

株価の上がり下がりはありますが、長期的には世界の資源需要の伸びは止まらない以上、その基幹となる石油やLNG価格には揺り返しが来るかもしれません。

XOM社の株価推移を長期で見ると、一定の範囲で上下するボックス相場になっているので、株高を期待する銘柄というよりは、底値になった時に買い増し、配当増を狙う株のようにも見えます。

また、XOM社などの石油メジャーの株価に影響を与える18年の政治イベントとしては、サウジアラムコのIPOが想定されています。

しかし、ブルームバーグ(2017/10/14)は「サウジアラムコの国際市場IPOを19年に先送り検討」と報じました。

関係者の見解をもとに「国内IPOは18年に実施される可能性」があるが、政府は、国際市場での新規株式公開(IPO)を2019年に先送りすることを検討していることを紹介していたのです。

サウジアラムコは米国の石油メジャーの巨大なライバルなので、今後、その動きにも注視が必要でしょう。

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