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【XOM】エクソンモービルの株価 底打ち⇒上昇⇒急落の次は?

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エクソンモービル(Exxon Mobil Corporation)はアメリカ最大手の総合エネルギー企業です(連続増配35年、S&P格付はAA+で、NYダウ30銘柄の一つ)

2015年に原油価格が下がってから、株価が低空飛行を続けており、17年には減産合意で株価が底打ちしました。

2018年初にも株価が上昇しましたが、2月以降、一気に株価が急落しました。

しかし、エクソンモービルは高配当株で長期投資の対象として長らく注目されてきました。

しぶとく生き延びてきた巨大企業なので、どこかの段階でぶり返してくる可能性もあるのではないでしょうか。

今回は、そうした観点から、この企業について調べてみます。

エクソンモービル(XOM)の経営指標

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直近の指標は以下の通り(ブルームバーグHPを2018/5/20閲覧)

  • 株価52週レンジ:72.16~89.3
  • 1年トータルリターン:3.19%
  • 年初来リターン:-2.8%
  • 株価収益率(PER) :22.13
  • 1年1株当り利益 (EPS) :3.67
  • 時価総額:3442億1100万ドル
  • 発行済株式数:42億3400万株
  • 株価売上高倍率(PSR) :1.41
  • 直近配当利回り(税込):4.03%

エクソンモービル(XOM)は米最大手のエネルギー企業

7万人以上の従業員を擁するXOMは20兆円以上の売上高(2016年は1975億ドル)を誇り、世界の200カ国以上でエネルギー事業を展開しています。

原油や天然ガスの生産と輸送、石油製品、石油化学品の製造などを手がけ、スーパーメジャー6社のなかで最大の規模を誇っています(本社はテキサス州)。

資源の探査と開発(川上)からガスや石油等の精製と販売(川下)を行い、「エクソン」「エッソ」「モービル」の3ブランドを展開しています。

同社の2016年報告書では、川上では39か国で積極的な探査と開発を行い、世界の16カ国に石油化学の拠点を持っているとも書かれていました。

2012~14年までは川上(upstream)が稼ぎ頭でしたが、15年以降の資源安により、16年以降は川下(downstream)化学事業も重要な収益源となってきました。

(出所はXOMの年次報告書

中国など新興国の成長が減速し、米国でのシェールオイル増産、OPECの生産水準維持などの要因があって原油価格が下がり、XOMもそのあおりを受けました。

OPEC諸国は2016年11月に8年ぶりの減産合意を行い、12月にはOPEC非加盟国の一部とも減産合意を重ね、2017年には原油価格が底打ち感を見せています(一進一退のため断定はしかねる)。

原油価格の下落がもたらしたメジャー5社へのインパクトについて、経産省の「エネルギー白書2017」は以下のように述べています。

「スーパーメジャー」と呼ばれる世界を代表する5社(ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total)の石油・天然ガス開発企業においても、2016年の純利益は2014年比で約76%、投資額は約37%減少しています。

xom2

エクソンモービルを含むメジャーの利益はどの程度、減ったのでしょうか。

その規模がXOMの2016年年次報告書にもグラフ化されています。

投下資本(有利子負債+自己資本)に対して、どれだけの利益が上がったかを計る使用資本利益率で見ると、どの社も見事に減っています。

エクソン社は川下と化学でふんばっています。

エクソンモービル(XOM)の政治力

1999年12月にエクソン社とモービル社とで石油大手同士の合併を行い、エクソンモービル社ができました。その結果、北米とヨーロッパ中心だったエクソン社は、南米、アジア、中東アフリカへと事業範囲を広げていきます。

合併吸収後、XOMは巨大な政治力を発揮しましたが、その事例としては、以下の二つが有名です。

その概要を『石油の帝国』(スティーブ・コール著/森義雅訳、ダイヤモンド社)で見てみます。

当時、モービル社は70年代から独立闘争が続くインドネシアのアチェ州でガス田(アルンガス田)開発を続けており、合併後にその問題を引き継ぐことになります(アルンガス田はエクソンとの合併前の10年間にモービル海外石油ガス生産収入の1/5を占めた)。モービル社はインドネシア政府と交渉し、インドネシア軍にアルンガス田を警備させることを認めさせました。

また、独裁体制が続く中央アフリカのチャド共和国では、高い政治リスクに見合った有利な契約を政府との間で締結しています。

「本契約の期間中、将来いかなる政府も、当事者間の合意に基づかないで、契約共同体に反し、直接もしくは間接に、共同体の義務を加重し、あるいは支払い負担を増加させ、もしくは本契約によって享受される共同体の権利と経済的便益に有害な効果をもたらす行為を行わないことを国(チャド)を保証する」

要するに、何が起きても、エクソンに不利な契約改定は認めないというわけです。

その後、エクソン社はロシアでの資源採掘にも踏み込みました。

1996年にはサハリン1の開発条件に合意し、プーチン政権発足後まで交渉を続け、2002年にロシア政府との契約締結にこぎつけます。プーチンは当初、大統領令によって開発プロジェクトを進めようとしたのですが、その時にティラーソン社長(当時)は納得せず、「事業を大統領令に基づいては進めたくない、耐久性のある法律に基づいて進めたい」と迫りました。

その後、立法がなされたことについて、ティラーソン氏は「正確にロシア法に沿って細部まで注意を払いたかった。もしそれができないなら、プロジェクトを進めるつもりはなかった」と述べています。

米国をバックにして、エクソン社はロシア政府にも屈しない交渉力を発揮したわけです。

エクソンモービル社(XOM)の決算と配当

XOMの経営指標を『米国会社四季報』(週刊東洋経済)や『米国株四半期速報』(亜州IR社)、エクソン決算HP、モーニングスターHP等で見てみます。

(以下、EPSと一株当たり配当金以外の単位は百万ドル。配当=1株当たり配当、CF=キャッシュフロー。EPS=当期純利益/発行済株式総数。増資による株式数増を考慮した「希薄化後EPS」を記載)

4半期決算と配当:2015~2018年

売上高 純利益 EPS 配当
2015/3 64758 4940 1.17 0.73
2015/6 71360 4190 1 0.73
2015/9 65679 4240 1.01 0.73
2015/12 38057 2780 0.67 0.73
2016/3 47105 1810 0.43 0.75
2016/6 56360 1700 0.41 0.75
2016/9 56756 2650 0.63 0.75
2016/12 40396 1680 0.41 0.75
2017/3 56474 4010 0.95 0.77
2017/6 65441 3350 0.78 0.77
2017/9 64415 3970 0.93 0.77
2017/12 50832 8380 1.97 0.77
2018/3 65436 4650 1.09 0.82

通年決算と配当:2008~2017年

売上高 純利益 EPS 配当
2008/12 466278 45220 8.66 1.55
2009/12 303443 19280 3.98 1.66
2010/12 370125 30460 6.22 1.74
2011/12 467029 41060 8.42 1.85
2012/12 451509 44880 9.7 2.18
2013/12 420836 32580 7.37 2.46
2014/12 394105 32520 7.6 2.7
2015/12 239854 16150 3.85 2.88
2016/12 200628 7840 1.88 2.98
2017/12 237162 19710 4.63 3.06

財務情報:2015~2017年

15/12 16/12 17/12
総資産 336758 330314 348691
自己資本 170811 167325 187688
自己資本比率 50.72 50.66 53.83
有利子負債 38687 42762 42336
営業CF 30344 22082 30066
投資CF -23824 -12403 -15730
財務CF -7037 -9293 -15130
フリーCF -2304 7079 12864

直近では純利益が増えています。

しかし、この金額は米国の減税の効果が上乗せされていることに注意が必要です。

純利益の約3分の1が減税効果と見なされています。

xom

エクソンモービル(XOM)は売りか買いか

2015年の資源安の原因は中国の景気減速でしたが、産油国(OPEC諸国)の減産合意が続き、2017年秋に底打ちし、最近は株価が上がってきました。

しかし、2018年2月以降、株価が急落しています。

【年初来チャート】

17年に株価が回復しつつありましたが、その分が消滅しました。

【長期チャート】

しかし、長期的には世界の資源需要の伸びは止まらない以上、その基幹となる石油やLNG価格には揺り返しが来るかもしれません。

XOM社の株価推移を長期で見ると、一定の範囲で上下するボックス相場になっているので、株高を期待する銘柄というよりは、底値になった時に買い増し、配当増を狙う株のようにも見えます。

また、XOM社などの石油メジャーの株価に影響を与える18年の政治イベントとしては、サウジアラムコのIPOが想定されています。

ブルームバーグ(2017/10/14)は「サウジアラムコの国際市場IPOを19年に先送り検討」と題して、関係者の見解をもとに「国内IPOは18年に実施される可能性」があるが、政府は、国際市場での新規株式公開(IPO)を2019年に先送りすることを検討していると報じていました。

サウジアラムコは米国の石油メジャーの巨大なライバルなので、今後、その動きにも注視が必要でしょう。

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