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日本の経済成長率の予測一覧(2018)

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2018年度の日本経済の実質成長率は何%になるのでしょうか。

各紙報道によれば、平成30年度(=2018年度)の政府経済見通しは以下の数字に上方修正されました。

  • 名目経済成長率:2.5%(こちらは従来通り)
  • 実質経済成長率:1.4%→1.8%(+0.4%)

実質成長率を上方修正する要因には、海外経済の回復による輸出増、設備投資や個人消費の増加などが挙げられています。

税制大綱では賃上げを行った企業の法人税を軽減する方針が固まり、これによって賃上げが進み、消費が伸びることを見込みました。

18年の経済成長率の予測はどうなっているのでしょうか。

2017年の実質GDP予測(民間10人)

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この問題に関して、日経電子版(2017/11/15)では「17年度実質1.6%成長へ」と題して、民間のエコノミスト10人の予測を並べていました。

10人の平均値は1.6%。

全体的には、1.5%から1.9%の範囲におさまっています。

  • 伊藤篤氏(新生銀行):1.9% 賃金・企業収益の割に内需は伸びず
  • 宮崎浩氏(三菱UFJモルガンスタンレー):1.9% 良好な雇用を支えに内需は増加基調
  • 熊谷亮丸氏(大和総研):1.6% 残業削減等による消費拡大の鈍化に要注意
  • 斎藤太郎氏(ニッセイ基礎研究所):1.6% 株価上昇による資産効果で内需増
  • 佐々木仁氏(日本経済研究センター):1.6% 将来不安に伴い勤労世帯は節約志向
  • 新家義貴氏(第一生命経済研究所):1.6% 内需は所得の伸びに見合った緩やかな増加
  • 徳田秀信氏(みずほ総合研究所):1.5% 生産食品の価格が落ち着くことが内需にプラスに
  • 丸山義正氏(SMBC日興証券):1.5% 賃上げペースが鈍く、個人消費の力強さは見込めず
  • 美和卓氏(野村證券):1.5% 賃金に加速感が生じる可能性が低く、消費は減速
  • 村瀬拓人氏(日本総合研究所)1.5% 家電など耐久財の買い換え需要が下支え

予測が高いと見るか、低いと見るかは人それぞれでしょう。

しかし、こういう形で並べられると、一人だけマイナス成長を予想したり、0.5%前後の予測を出したりするのは難しいのかもしれません。

米国の情報機関についての本を読むと、専門家はみなと大きく外れた予測を出しにくく、仕事柄、みなが近い範囲で「最大限」と「最小限」の数字を出す傾向があるとも書かれています。

(近年の例で言えば、皆がトランプ落選と予測する時に、トランプ当選と予測を出すのは難しかったことが思い出されます)

GDP予測でも、この種の逆張り路線は出しにくいわけです。

前掲の10人は組織の看板を背負ったエコノミストなので、なおさら、それはやりにくいはずです。

近年の実質GDP成長率(2013~2017年)

2017年度の実質経済成長率の平均は1.6%程度と見られており、日経記事の10人は、それと近い範囲での予測を出しています。

例年に近い数字をあげていました。

ここ数年の実質GDP成長率の推移を見ると、以下の数字で推移してきました。

  • 2013年:2.6%
  • 2014年:-0.5%
  • 2015年:1.3%
  • 2016年:1.3%
  • 2017年:1.7%

2018年も2017年度と同じぐらいの成長率になるが、2%までは届かないというのが、多くの研究機関の下馬評のようです。

2018年の日本の実質成長率予想一覧(シンクタンク)

その後、年末には『エコノミスト』(2017/12/26:P24)がシンクタンクの予想を一覧にしていました。

以下、各機関が出した日本の2018年の実質GDP成長率予想の一覧です。

  • 三菱UFJモルガンスタンレー:2.1%
  • UBS証券:1.8%
  • ゴールドマンサックス:1.6%
  • 第一生命経済研究所:1.5%
  • シティグループ証券:1.5%
  • BNPパリパ証券:1.5%
  • 富士通総研:1.5%
  • JPモルガン証券:1.4%
  • みずほ総合研究所:1.4%
  • ニッセイ基礎研究所:1.4%
  • SMBC日興証券:1.3%
  • 農林中金総合研究所:1.3%
  • 野村證券:1.3%
  • 明治安田生命保険:1.3%
  • 日本総合研究所:1.3%
  • 三菱総合研究所:1.2%
  • 大和総研:1.2%
  • クレディ・スイス証券:0.7%

GDPの構成要素のうち、設備投資が伸びると見ている機関が多いようです。

個人消費の伸び率予測は0.3~1.4%の範囲でしたが、設備投資の伸び率予測は1.7~5.4%の範囲で数字が並んでいます。

住宅投資と公共投資に関しては、半分以上のシンクタンクがマイナス値になると見ていました。

2018年度の経済成長は1.2%程度との声も

そのほかの予測を捜してみると、1.2%程度の成長を予測する声もありました。

★日本総研:1.2%

「2018年度も米国や中国を中心とした海外経済の堅調な成長が輸出を下支え」し、「内需も、①高水準の企業収益などを背景とした設備投資の増加、②都心部の再開発や五輪関連の建設需要、③人手不足を受けた雇用所得環境の改善、などを背景に底堅く推移」という見通し。

★東レ経営研究所:1.2%

「海外経済の堅調な成長が続く中、①高水準の企業収益を背景とする設備投資の増加、②人手不足を受けた雇用・所得環境改善を背景とした個人消費の増加、③東京オリンピック関連のインフラ建設需要発現の本格化、などにより内需主導の景気回復基調が維持される」

ーーー

日経記事では、なぜか1.5%以上の予測がセレクトされています。

これは、日経の予測値がそのあたりであるからなのかもしれません。

さらに探すと、1.6%の予測を出した機関もありました。

★SMBC信託銀行:1.6%

「賃上げに対する税優遇措置の効果は薄れていく」「法人税の実効税率の引き下げ(3%程度)や教育無償化で企業や家計の行動が変わるとは考えにくく、アベノミクスが加速するとの市場期待は徐々に薄れていく」との見通し。

★富国生命保険:0.9%

2017年度を1.6%と見込み、18年度は低めに見繕っています。緩やかに経済成長が続くとしながらも、トランプ政権の不透明感、過剰債務と過剰生産能力を抱えた中国経済の失速、北朝鮮情勢などの海外のリスクを重く見ています。

日銀とIMFの2018年の成長率予測とは

公的機関では、IMFと日銀も実質経済成長率を出しています。

IMF予測は2018年1月に日本の経済成長率の予測が上方修正されました。

(以下、「17年10月時点の予測⇒18年1月時点の予測」で表記。18年4月時点でも予測値は変わらず)

  • 2017年予測:1.5%⇒1.8%(結果は1.7%)
  • 2018年予測:0.7%⇒1.2%

日銀予測では2017年は1.9%、2018年は1.4%と予測。

日銀予測はやや強気であり、18年は物価上昇率は1.4%になるとみています(出所:わが国の経済・物価情勢と金融政策 )。

インフレ目標はずっと達成されなかったのですが、18年こそ達成に近づくと言っているわけです。

IMFと世界銀行の日本の経済成長率の予測

いっぽう、IMFは外国からの目線で2018年に1.2%(17年10月予測では0.7%)という予測を出してきました。

2019年は0.9%、2020年は0.3%に下がると見ています。

他国はわりと高めの数字なので、日本に対する評価は低くなっています。

※関連記事:【IMF予測一覧】主要国の実質成長率と名目GDP

(以下、IMFの各国の実質成長率予測)

17年10月予測 18年1月予測
2017 2018 2017 2018
米国 2.2 2.3 2.3 2.3
ドイツ 2.1 1.8 2.5 2.3
フランス 1.6 1.8 1.8 1.9
英国 1.7 1.5 1.7 1.5
イタリア 1.5 1.1 1.6 1.4
カナダ 3 2.1 2.3 2
ロシア 1.8 1.6 1.8 1.7

IMFは2018年に日本の成長率はロシアよりも低くなると予測しているので、筆者は、それは過小評価なのではないかと疑っています。

世界銀行と比べてみると、こちらも渋い数字が並んでいます。

日本の経済成長率は18年に1.3%、19年に0.8%、20年に0.5%になると予測しているのです。

(世界銀行の各国の実質成長率予測の例)

18 19 20
米国 2.5 2.2 2
ユーロ圏 2.1 1.7 1.5
日本 1.3 0.8 0.5
東アジア太平洋 6.2 6.1 6
中国 6.4 6.3 6.2
ロシア 1.7 1.8 1.8
インド 7.3 7.5 7.5

不幸の予言みたいで腹が立ちますが、実際の結果は1年が終わってみないと分かりません。

果たして、18年の日本の経済成長率はどうなるのでしょうか。

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