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対イラン制裁を再開 米国は各国に原油輸入停止を要請

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2018年に入り、米国はイランに対して本格的な強硬路線を打ち出しています。

トランプ大統領は5月8日にイラン核合意からの離脱を表明。

「イラン核合意」は「米国と同盟国をイランの核の狂気から守る」という名目に反して、「イランにウラン濃縮を許し、長い目で見たら、地域を核戦争の脅威にさらしてしまった」と述べています。

イラン核合意は、2002年にウラン濃縮施設が見つかった後、イランが核兵器を持たないように欧米が圧力をかけ、イランと米中ロ、英仏独を含む欧州連合(EU)が2015年7月に取りまとめた協定です。

イラン核合意は「包括的共同作業計画(JCPOA)」と呼ばれ、以下の4点が決まりました。

  • 15年間、イランは核兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを生産しない。10トンの貯蔵濃縮ウランを300キロに削減する
  • 19000基の遠心分離機を10年間は6104基に限定。
  • 濃縮ウラン再開の場合でも、核爆弾1発分の原料の生産に最低1年を要するレベルに能力を制限する。
  • その見返りに米欧などは金融制裁やイラン産原油の取引制限などを解除。

ただ、これは一定期間の合意にすぎません。

さらに、ミサイル開発の制限がないので、敵対するイスラエルなどが反対しました。

合意終了後は元通りになるため、長期的には核ミサイル開発に向けた体制づくりが可能なのは事実です。

そのため、トランプ氏は、長い目で見た時に、地域を核戦争の脅威にさらす危険性があると考えました。

そして、「これは単なる時間稼ぎに過ぎない」と判断し、イランへの制裁を復活させることを決めたのです。

米国が各国にイラン原油輸入停止を要請

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米国は6月26日、制裁実施のため、同盟国(日韓豪、EU、英国等)とアジア各国(中国含む)にイラン産原油の輸入を11月4日までに停止するように要請しました。

そして、8月6日にトランプ大統領は対イラン制裁を部分的に再開する大統領令に署名。米国は今後、各国企業に自動車や貴金属等の取引停止を求め、11月上旬にはイラン産原油の取引や金融分野も制裁対象に加えます(その後もイランと取引を続けた企業は制裁金を賦課されたり米市場でのビジネスを禁止されたりする)。

現在、これに関して、日本はまだ最終結論を出していません。

しかし、輸入原油のうちイラン産原油は5.5%を占めており、代替品が調達された場合は原油調達のコストが上がり、ガソリンなど石油製品が値上がりする可能性があります(代替先はサウジアラビアなど)。

EUはこの措置に反発を強め、8月7日には、米国が再開したイラン制裁について対抗措置(ブロッキング規制)を発動しました。

EU域内の企業・個人が米制裁に従うのを禁じ、制裁での損害に関して、EUの裁判所で損害賠償を求めることを可能にしたのです。EUは欧州企業が米国の制裁を避けるためにイランから次々と撤退すれば、核合意の見返りがなくなり、「イラン核合意」が崩壊することを懸念しています。

むろん、中ロは制裁には応じず、イラン包囲網には参加していません。むしろ、米国や日本、韓国、欧州の企業がイランから撤退する中で、中国とロシアはイランでの影響力の拡大を狙います(中国はイランと人民元建ての原油取引を拡大させることを狙う)。

中国はすでにイランからの原油輸入継続を表明しましたが、米国との関係が大事な同盟国は苦慮しています。

トランプ政権は、まず、8月にイランへの航空機輸出を禁止、11月にイラン産原油購入や中央銀行との取引等について制裁を実施する予定です。

11月4日までに禁輸を実施しなければ各国にも制裁を科すことを表明。

米国はイランの孤立化を図り、外国の武装組織への資金提供を止めることを狙っているわけです。

そこで、この記事では、この決定に伴ってホワイトハウスHPに掲示された記事を日本語訳してみます。

元記事は”President Donald J. Trump is Ending United States Participation in an Unacceptable Iran Deal”(May 8, 2018)です。

(「トランプ大統領は米国が許容できないイラン核合意を終わらせる」というぐらいの意味)

この記事は、以下のようなメッセージから始まっていました。

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「イランの取引は、米国がこれまでに締結したものの中で、最悪かつ最大の一方的な取引の一つだった」

The Iran Deal was one of the worst and most one-sided transactions the United States has ever entered into.

悪しき取引からアメリカを保護する(PROTECTING AMERICA FROM A BAD DEAL)

ドナルド・J・トランプ大統領は、米国がイランとの共同行動計画(JCPOA)への参加を取りやめる。この協定に基づいて解除された制裁を再会する。

President Donald J. Trump is terminating the United States’ participation in the Joint Comprehensive Plan of Action (JCPOA) with Iran and re-imposing sanctions lifted under the deal.

トランプ大統領は、JCPOAへの米国の参加を終わらせる。米国の国家安全保障上の利益を守れないからだ。

President Trump is terminating United States participation in the JCPOA, as it failed to protect America’s national security interests.

JCPOAは、イランが核兵器を追求し、最もよい形で核の研究開発を維持する能力を延期したが、イランの政権を豊かにし、悪意ある行動を可能にした。

The JCPOA enriched the Iranian regime and enabled its malign behavior, while at best delaying its ability to pursue nuclear weapons and allowing it to preserve nuclear research and development.

大統領は、JCPOAに関連する制裁を直ちに再開させる措置を取るよう、行政府に指示した。

The President has directed his Administration to immediately begin the process of re-imposing sanctions related to the JCPOA.

再開される制裁は、エネルギー、石油化学、金融などのイラン経済の重要な分野を対象とする。

The re-imposed sanctions will target critical sectors of Iran’s economy, such as its energy, petrochemical, and financial sectors.

イランで事業を行っている企業には、イランに関わる事業を終わらせるための期間が設けられる。

Those doing business in Iran will be provided a period of time to allow them to wind down operations in or business involving Iran.

その期間の終わりまでに、イランとの間でそうした活動を終わらせることに失敗した人々は、重大な結果に直面する。

Those who fail to wind down such activities with Iran by the end of the period will risk severe consequences.

JCPOAからの米国の撤退はイラン政権に圧力をかけるだろう。悪意のある活動の過程を変え、それが報われないようにするために。

United States withdrawal from the JCPOA will pressure the Iranian regime to alter its course of malign activities and ensure that Iranian bad acts are no longer rewarded.

その結果として、イランと地域における(イランの)代理人の両方に、(今回の件が)通知される。

As a result, both Iran and its regional proxies will be put on notice.

重要なのは、このステップが、不法なテロや核開発に流入する資金を止めるのに役立つということだ。

As importantly, this step will help ensure global funds stop flowing towards illicit terrorist and nuclear activities.

イランの悪しき信念と不作為(IRAN’S BAD FAITH AND BAD ACTIONS)

イランは悪意をもってJCPOAを交渉し、その取引は、イラン政権にあまりにも多くを与えた。あまりにも少なすぎる対価と引き換えに。

Iran negotiated the JCPOA in bad faith, and the deal gave the Iranian regime too much in exchange for too little.

イスラエルによって最近発表された情報は、イランが過去、秘密の核開発のための取り組みについての説得力のある詳細を提供している。

Intelligence recently released by Israel provides compelling details about Iran’s past secret efforts to develop nuclear weapons, which it lied about for years.

この情報は、イランの政権が核開発を清算せず、悪意をもってJCPOAに参加したことを証明している。

The intelligence further demonstrates that the Iranian regime did not come clean about its nuclear weapons activity, and that it entered the JCPOA in bad faith.

JCPOAは、イランのミサイル計画の脅威に対処できず、検査と検証のための十分なメカニズムを備えていない。

The JCPOA failed to deal with the threat of Iran’s missile program and did not include a strong enough mechanism for inspections and verification.

JCPOAは、イランに思いもかけない利益と、貿易と投資のための国際金融システムへのアクセスを与えた。

The JCPOA foolishly gave the Iranian regime a windfall of cash and access to the international financial system for trade and investment.

JCPOAからの資金を国内で使う代わりに、イラン政権はヒズボラやハマスなどのテロの代理人の軍事力強化のために資金を出し続けている。

Instead of using the money from the JCPOA to support the Iranian people at home, the regime has instead funded a military buildup and continues to fund its terrorist proxies, such as Hizballah and Hamas.

イランは、隣国イエメンの通貨を偽造し、欧州諸国の法律や規制に違反した。それは、地域を不安定にするイスラム革命防衛隊(IRGC)の活動を支援するためのものだった。

(※イランには「イラン軍」のほかに「イスラム革命防衛隊」が存在している)

Iran violated the laws and regulations of European countries to counterfeit the currency of its neighbor, Yemen, to support the Islamic Revolutionary Guard Corps (IRGC) Quds Force’s destabilizing activities.

イランの脅威への取り組み(ADDRESSING IRANIAN AGGRESSION)

トランプ大統領は、イランが核兵器を持てないようにすると約束し、イランの悪しき活動がもたらす脅威に対処している。

President Trump is committed to ensuring Iran has no possible path to a nuclear weapon and is addressing the threats posed by the regime’s malign activities.

トランプ大統領は、イランが核保有に至る全ての道を閉ざし、その政権の悪意のある行為に対抗すべく、幅広い国家連合の建設を目指す。

President Trump will work to assemble a broad coalition of nations to deny Iran all paths to a nuclear weapon and to counter the totality of the regime’s malign activities.

地域の覇権を求める、イラン政権の不安定化への動きを止めるためには、各国が協力しなければならない。

Nations must work together to halt the Iranian regime’s destabilizing drive for regional hegemony.

シリアでは、イラン政権はアサド政権を支持し、アサドがシリア人にとった残虐行為に賛成している。

In Syria, the Iranian regime supports the Assad regime and is complicit in Assad’s atrocities against the Syrian people.

イラン政権はイエメンで紛争を激化させ、フーシ(※シーア派の武装組織)を他国攻撃のための代理人として利用した。

In Yemen, the regime has escalated the conflict and used the Houthis as a proxy to attack other nations.

イラクでは、イラン革命防衛隊(IRGC)が、シーア派の反政府団体とテロリストを支援している。

In Iraq, Iran’s IRGC sponsors Shia militant groups and terrorists.

レバノンでは、イラン政権がヒズボラを支援している。(ヒズボラが)地域を不安定化し、脅威となる兵器製造を可能にしているのだ。

In Lebanon, the Iranian regime enables Hizballah to play a highly destabilizing role and to build an arsenal of weapons that threatens the region.

行政の行動は、イランの政権の最悪の被害者であるイラン人ではなく、イラン政権の悪意ある行為に向けられている。

The Administration’s actions are directed against the malign behavior of the Iranian regime, not against the Iranian people, who are the regime’s longest-suffering victims.

トランプ大統領は核開発の阻止だけでなく、イラン政権は決してICBM(大陸間弾道弾)を持ってはならず、核開発と弾道ミサイルの拡散を禁止しなければならないことを明らかにしている。

President Trump is making clear that, in addition to never developing a nuclear weapon, the Iranian regime must:  Never have an ICBM, cease developing any nuclear-capable missiles, and stop proliferating ballistic missiles to others.

ヒズボラ、ハマス、タリバン、アルカイダなど、テロリストや過激派、地域の代理人への支援を中止する。

Cease its support for terrorists, extremists, and regional proxies, such as Hizballah, Hamas, the Taliban, and al-Qa’ida.

イスラエルを破壊するという宣言を撤回させる。

End its publicly declared quest to destroy Israel.

特にペルシャ湾や紅海での航行の自由を脅かす行為をやめさせる。

Stop its threats to freedom of navigation, especially in the Persian Gulf and Red Sea.

イエメン紛争を拡大させ、フーシに兵器を供与することで地域を不安定にする行為をやめさせる。

Cease escalating the Yemen conflict and destabilizing the region by proliferating weapons to the Houthis.

イスラエルを含めた同盟国と米国に対するサイバー攻撃を終わらせる。

End its cyber-attacks against the United States and our allies, including Israel.

イランの市民の幅広い抗議への政権の取締まりなどに示される、激しい人権侵害をやめさせる。

Stop its grievous human rights abuses, shown most recently in the regime’s crackdown against widespread protests by Iranian citizens.

米国市民を含む外国人の不当な勾留をやめさせる。

Stop its unjust detention of foreigners, including United States citizens.

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