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仏大統領 エマニュエル・マクロンの経歴と政策

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2017年の仏大統領選で一躍、世界に名をとどろかせたマクロン大統領の経歴と政策を見ていきます。

17年の議会選で決まった議席数は以下の通り。

★下院選(定数577)

  • 中道政党を含めた前進陣営:361
  • 保守系の共和党陣営:126
  • 社会党陣営:46
  • 共産党等の急進左派:26
  • 国民戦線:8(ルペン党首初当選)

「共和国前進」は289議席を獲得しました。

★上院選(定数348:3年ごとに改選。171議席を改選)

  • 共和党:149(7議席増)
  • 社会党:68(18議席減)
  • 共和国前進:23(6議席減)

通常法案は下院の議決が上院に優越するため、大統領府が推す経済改革法案(税制・年金改革)はとん挫しないと見られています。

こうした政治情勢の中、マクロン氏はどのように経済改革を推し進めていくのでしょうか。

18年4月のマクロン訪米も要注目です。

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仏大統領:エマニュエル・マクロンの経歴

エマニュエル・マクロン氏(39歳)は1977年12月21日に神経科医の父(大学教授を兼務)と小児科医の母の下でフランス北部のソンム県アミアン市で生まれました。

子供の頃から読書と音楽が好きで、大学ではヘーゲル哲学(※ヘーゲルはドイツの大哲学者)を専攻。

パリ第十大学からパリ政治学院、国立行政学院に進学(パリ政治学院、国立行政学院は歴代大統領や首相を数多く出した名門校)。

会計監査官を経てロスチャイルド系の投資銀行で勤務。フランスの学者であるジャック・アタリ氏の推薦によりオランド大統領に抜擢されました。側近として大統領府副事務総長(2012~14)、経済産業デジタル相(2014~16)を歴任。経歴が華麗なので、嫉妬や批判も買っていますが、本人は「実力主義の結果」と述べています。

オランド政権で解雇過程の簡略化や労働時間の規制緩和、長距離バス路線の自由化等を含む、経済改革法案「マクロン法」を議会に提出し、実現させました(強行採決)。左派政権の中で右派的な経済改革を行い、メディア報道では「中道派」とされています。

主要政策は、法人税減税や週35時間労働制の見直し、年金支給開始年齢の引き上げ、公的部門の人員削減など。EU強化と自由貿易を支持。

「前進」にはオランド政権で内相と首相を務めたマニュエル・バルス氏も同党に参加。同氏は「社会党は死んだ」と述べたとも言われています。

本人は自分はエスタブリッシュメント(既成の指導者層)ではないと言っていますが、学歴を見ると、パリ第十大学⇒パリ政治学院⇒国立行政学院(この2校は数多くの大統領や首相を輩出している。フランスは学歴社会)。さらにはロスチャイルド銀行で勤務。どこから見ても100点満点のエリートです。ルペン氏やメランション氏が台頭し、格差問題に火がついたので、マクロン氏はそう言わざるを得なくなりました。

マクロン氏は既成政党から抜け、独自の政治集団「前進!」を率い、中道勢力の票を結集しました。

政策面では、オランド政権下で「マクロン法」ともいわれる経済改革法案(解雇過程の簡略化、労働時間の規制緩和、長距離バス路線の自由化等)を実現させました。

現在は、内政面では規制緩和と福祉の充実の両立を目指し、対外的にはEU支持、ユーロ圏経済政府の創設等を掲げています。重要争点の移民や難民に関しても受け入れには肯定的でした(不法移民は帰国を促す)。

仏大統領選ではマクロン氏は都市や豊かな西部で支持を受け、ルペン氏は経済が低迷する北東部やアフリカ系移民んが多い地中海湾岸で支持を得ています。

このたび、39歳の大統領が出現したわけですが、これは、おやじ社会の中でなかなか偉くなれない若い世代への朗報ではないかと筆者は肯定的に受け止めています。

マクロン氏には、もう一つ、注目ポイントがあります。

それは「年の差」婚です。39歳で当選。25歳年上の奥さんと結婚。

この人は、何かと年齢に関する話題が多い方ではあります。

早熟なタイプなのかもしれませんが、世間ではいろいろと文句を言う方もいるようです。

例えば、フォーブスの記事(2017/05/08 )では、ブリジットさんに関して、(批判者が)「悪く言う理由は主に、64歳というその年齢と、39歳という夫の若さだ。だが、夫妻の年齢差はドナルド・トランプ米大統領と妻メラニアと同じ。違いはただ、男性が年の離れた若い妻を持つことは有利に働くと見られる一方で、逆の場合は侮辱や悪ふざけ、不信感、批判の対象にされるということだ」と論評していました(フランス新大統領夫妻への反応に見る仏社会の「女性観」

筆者がこの記事を読んで驚いたのは、その種の批判ではなく、二人の出会いの逸話のほうでした。

マクロン氏15歳、ブリジットさん40歳(当時は私立高校教師)で出会い、マクロン氏が18歳になるまでに先生のほうが既存の夫と別れ、マクロン氏が29歳の頃に結婚が固まったので、かなり衝撃的なカップリングがなされたことになります。

旦那と別れて15歳の少年と恋愛する・・・という世の夫が目をむくような話ですが、お互いに年の差があってもずっと夫婦関係が続いているので、恋愛としては非常に真面目だったということなのかもしれません。

「子供はどうなってるの?」という疑問はありますが、読売新聞(5/8)は「2人の間に子供はいないが、ブリジットさんは前夫との間に3人の子供と7人の孫がいる。子供の1人はマクロン氏と同級生だったという」と報じていました(「マクロン氏、妻は25歳年上・高校時代の教師」)。

同級生が子供の一人に入るそうなので、もはや筆者には理解不能な世界の話ですが、同性愛者の人権が守られなければいけないなら、年の差婚への挑戦者の人権も守られなければいけないーーという論理は成り立つはずです。

この種の話題に関して、あまり衝動的な批判等をしてもラチはあかないでしょう。

なお、日本の統計(2010年度)で見ると、マクロン氏とブリジット氏のように夫29歳、妻54歳で結婚したケースは、わずか4件でした。他の年齢層で25歳差の年の差婚(女性年長)で見ても、2件~20件程度の範囲で収まっているので、日本社会では、マクロン氏のようなケースはきわめてレアだとも言えそうです。

仏大統領の政策(公約)

マクロン氏の政策の概要は以下の通りです。

  • 5年間で600億ユーロの歳出削減
  • 5年間で500億ユーロの投資(投資先は都市開発、デジタル革新、環境等)
  • 法人税引き下げ(33.3%⇒25%)
  • 中小企業や自営業者の負担軽減
  • 12万人の公務員削減
  • 国有企業の売却
  • 国有企業と民間企業の競争条件の対等化
  • 若者への職業訓練の充実
  • 年金支給年齢(62歳)の維持
  • 難民同化策(国籍取得者にはフランス語習得を徹底させる)
  • 不法移民の本国への送還
  • 難民審査は半年以内に終了させる
  • 警察官1万人増員
  • 刑務所の収容人数を1.5万人増
  • 諜報機関の強化
  • EUに境界警備隊5000人を設立
  • ユーロ圏議会とユーロ圏の共通予算の創設
  • シェンゲン協定を維持
  • 国防費をGDP2%の水準に引き上げる
  • NATOとの連携重視
  • ロシア警戒路線の外交
  • シリアのアサド政権打倒を目指す

仏大統領:マクロン氏の主な発言

  • 「若者はもっと働き、50歳を過ぎたら週30~32時間にすればよい」
  • 「右でも左でもない」
  • 「ドゴール将軍(※現在のフランスの体制の元をつくった指導者)は、右、左、真ん中、それぞれの一番良いところをとったのです」⇒自分の中道路線をドゴールになぞらえている。
  • 「EUは我々を守る存在だ」「欧州なしで我々の成長はない」⇒ルペン批判
  • 「独仏は欧州連合を確固たる未来に導かなければならない」
  • 「最も弱い人を守り、連帯の輪を形成し、全ての不平等や差別と戦い、かたくなに安全を守り、国家の団結を保証しながら、そうした声に耳を傾けるのが私の責務だ」(就任演説)
  • 「私たちは、偉大な歴史や、世界に向けられた人間主義の重要なメッセージを引き継ぐ立場にある」(就任演説)※愛国心の表明
  • 「私は欧州、すなわち我が大陸の民衆に与えられた運命共同体を守る」(就任演説)※EU擁護の立場
  • 「フランスは国内と国際的な行動で、テロとの戦いを最前列に立って展開していく」(就任演説)

仏大統領選後の反応

  • 「共有する幅広い優先課題でともに取り組むことを楽しみにしている」(メイ英首相)
  • 「新大統領と信頼に満ちた協力を」期待する(メルケル独首相)
  • 「欧州の希望だ」(ジェンティローニ伊首相)
  • 「あなたが守った理念(強く進歩的な欧州)が実行されることをうれしく思う」(ユンケルEU欧州委員長)
  • 「マクロン次期大統領の勝利は、内向き志向や保護主義的な動きに対する象徴的な勝利であり、EUへの信任だ」(安倍首相)
  • 「彼と一緒に働くことをとても楽しみにしている!」(トランプ米大統領)
  • 「相互不信を乗り越え、力を合わせて安定や安全を確保することが重要だ」(プーチン露大統領)
  • 「勝利を過信すべきではない。ポピュリズム現象は広がり続けており溝は深い」(欧州政策センターアナリスト・リッテルマイヤー氏)

仏大統領をどう見るか

筆者は5月に銀座をフラフラ歩き、画廊を眺めていた時、フランスから来た日本人とのハーフの若者店員に、仏大統領選について聞いてみました。

「あなたはルペンとマクロンのどちらを選びますか?」

その若者は「怖いからルペンは選べない。マクロンを選ぶ」と言っていました。この人はニース近辺の出身ですが、「フランスでも豊かな地域とそうでない地域はけっこう違うからねえ」とぼやいていたのです。

筆者はマクロン氏に関しては肯定的にとらえています。内政に関する政策はフランスの左傾化に歯止めをかけ、競争力を強化する効果があると考えているからです。

防衛費をGDP比で2%にすることも、トランプ政権との関係を円滑にするうえでプラスです。トランプ政権が欧州各国に言っているのはこればっかりですから。

ただ、ユーロ圏議会とユーロ圏共通予算の創設は、本当に実現できるのかどうか、よくわかりません。

「各国の現状を知らないEUの中央官僚に指図されたくない」という反感が高まっていますし、実際にEUの中央官僚が各国の政治経済を正しく把握しているのかどうかは疑問が残ります。

ルペン氏のような反EU勢力が台頭しているのに、この種の体制強化ができるかは疑わしいのです。

防衛面ではロシア対策としてNATOで結束を高めながらも、政治面では各国の主権を尊重したほうがよいのではないでしょうか。

EUの体制においては、各国に健全財政を求めるので、不況時に財政出動を自由に行うことができません。

マクロンとトランプの関係はわりと良好

2018年に入り、マクロン仏大統領は4月24日に初訪米しました。

EU強化論のマクロン氏と米国第一のトランプ氏とでは価値観が違い、経歴を見てもエリート風のマクロン氏と野人風のトランプ氏とでは大きな差があるのですが、訪米自体は友好ムードのなかで進みました。

17年のトランプ訪仏に対する返礼でマクロン氏は訪米し、国賓として迎えられているからです。

ホワイトハウスHPに掲示された、両大統領の発言をざっと見ると、建国以来の米仏の友好関係をたたえる外交言辞が彩られていました。

全体的には、安全保障面での連携(テロ根絶の戦いなど)が重視されています。

環境問題などは合意できないため、合意できる部分で協力関係を確認することが主な会談の内容になりました。

日本のマスコミで全文が翻訳されることはなさそうなので、ここで、その中身をチェックしてみます。

マクロン訪米にあたってのトランプ発言

※出所はホワイトハウスHP (Remarks by President Trump and President Macron of France at Arrival Ceremony  /April 24, 2018  9:23 A.M)

トランプとマクロンの双方の発言は以下の通りでした。

トランプ大統領の歓迎挨拶

大変ありがとうございました。 マクロン大統領夫妻、フランス代表団のみなさん、国賓の皆様、ホワイトハウスへようこそ (拍手)。

マクロン大統領、メラニアと私は昨夏に偉大な貴国を訪問できたことを光栄に思っていた。

今、米国であなたとブリジットを迎え入れたことに興奮している。

我々が昨年に固めた素晴らしい友情は、両国を結びつける永続的な友情の証だ。

今こそ、米国の最古の同盟国、誇り高きフランスの指導者の最初の公式訪問にふさわしい時節だ。

(※フランスは米国独立戦争の時、米国の独立国だったため、「最古の同盟国」である)

ジョージ・H・W.元大統領のいち早い立ち直りのために、我々は皆、ブッシュ家のために祈る(※その妻バーバラ・ブッシュ逝去のため)

私はまた、多くの無実の命を奪ったトロントの悲惨な悲劇に関して、カナダの人々に深い同情を表明したい。

我々の心は、カナダの遺族とともにある。

マクロン大統領、あなたは我々の同盟にとってとても大事な時にやって来られた。

米国とフランスは、友である英国とともに、シリア政権による化学兵器の使用に対して、最近、決定的な行動を取った。

マクロン大統領、フランス軍、そしてフランスの人々に、その堅実な協力に対して個人的に感謝したい。

信じられないほど堅実な協力だ。

ありがとう、マクロン大統領。

米国とフランスの友情関係は、今から241年前(の今月)に始まる。その時、ラファイエットと名付けられた19歳のフランス人が米国独立戦争に参加するために船に乗ったのだ。

彼はすぐにジョージ・ワシントンの信頼を獲得し、戦では勇敢に戦った。そして、米国の大義のためにフランスの援助を堅固にすることを助けた。

数十年後、アンドリュー・ジャクソン大統領は、ラファイエットの貢献は「米国民の心の中でワシントンの記憶に次ぐものとなろう」と記した。

革命の中で固められた米国とフランスの美しい友好関係は歴史の行方を変えた。

まさに100年前の春、米国民は第一次世界大戦で勇敢なフランス人と肩を並べて戦った

後の世代に、第二次世界大戦では、何十万人もの若い米国民と自由なフランス人がともに犠牲を払い、最大の危機の時代に文明を救った。

フランスの平和な田舎にある畑や丘の下には、6万人の米国軍人が永遠の眠りについている(※ノルマンディー上陸作戦での戦死者を意味する)

そして、バージニアとジョージアの土地では、フランスの愛国者が名もなき墓に眠っている。その名は、神にしか知られていないのだ。

今日、我々は、2世紀以上にわたる友情を確認するために会う。

我々の2つの偉大な共和国は、時を超えた歴史、文化、運命の絆で結ばれている。

我々は、我々の価値観を重んじ、文明を守り、あらゆる人間の魂に神の姿を知らしめる。

この遺産は我々に、愛すべきものを与えてくれた。それは信仰と自由の祝福、芸術と科学の驚異。家族やコミュニティへの愛。家庭と国家の防衛である。

この大義への呼びかけ、聖なる遺産のために、若きフランス人がヨークタウンで米国の自由のために死んだ(※米国独立戦争でフランスの義勇軍が参戦したことを指す)

米国軍がオマハビーチの崖で(英国軍を)襲った頃に。

それが、パリ市民のバリケードを支援するために、マサチューセッツ州の農民をコンコルド橋に立たせたのだ。

ほんの数週間前、我々は偉大な英雄の記念碑に新しい名前をつけた。それは偉大なフランス人のアルノー・ベルトラムにちなんだものだ。

(※アルノー・ベルトラム中佐は18年3月24日、南仏のスーパーマーケットに立てこもったテロリストに人質の身代わりになることを申し出て、民間人の人質女性1人の命を救った)

ベルトランは悪を見つめ、怯むことはなかった。

彼は隣人と国家、文明のために命を落とした。偉人である。

その不滅の行為を通じて、フランス国民の息子は、世界に我々の力を図る真の基準を思い出させた。

マクロン大統領、フランスのみなさん、アメリカのみなさん、今は強くなければいけない時だ。

だから、強くなろう。団結しよう。我々の過去を重んじ、自信と誇りをもって、未来に向き合おう。

米国とフランスは、自由と平和の高貴な大義のために永遠に連帯する。

ありがとう(拍手)。マクロン大統領

マクロン大統領の返礼

親愛なるトランプ大統領、メラニア夫人。

あなたがたの温かいご歓迎とフランス、米仏関係への敬意に感謝する。あなたの訪仏(2017年のトランプ訪仏)は両国をつなぐ数百年の友好関係の強さを証明するものだった。

しかし、まず第一に、(トロントでの悲劇に対する)フランス国民からの哀悼の意をカナダ国民に伝え、ブッシュ大統領とその家族に深い同情を表明させてほしい。

悲しく、恐ろしい状況の中で、攻撃に対して我々は連携している。

2世紀前、独立戦争の30年後、ここに歓迎されたのはラファイエット侯爵だった。

当時、彼は米国で約14ヶ月を過ごした。

残念ながら私の滞在は短いが、私とフランス国民にとって特に大事なのは、我々が強い敬意を米国に対して持っている、ということだ。

トクヴィルは「アメリカで、アメリカ以上のものを見た」と書いている(※トクヴィルは19世紀の政治思想家。これは主著『アメリカのデモクラシー』の有名な一節)

確かに、彼は、民主主義の原型を知った。その理想は、政治家が統治機構を啓発し、自由な個人の居場所を認めるものだ。

親愛なる大統領、米国は我が国の無限の可能性を代表している。

それは全ての決定論と規定された運命を克服する希望をもたらす。

フランスは楽観主義を、米国への羨望を羨ましく思う楽観主義を持ち直したと言われている。

フランスは貴国と自由と平和の理想を共有している。

過去数世紀にわたり、我々は時折、共通の闘いで歴史を紡いだ。西洋世界と普遍なるもののために、共に戦ったのだ。

我々の革命を通じて、いや、その始めから(我々は一緒だった)。我々はヴァーノン山脈にいた。私はあなたとともに米国最初の大統領、ジョージワシントンの墓に賛辞を捧げることを望んだ。

大邸宅の中で、我々はバスティーユ刑務所への鍵を見た。それは、ラファイエットによって破られない絆の象徴としてワシントンに送られたものだ。

それから、自由のための闘いを通じて、今年は第一次世界大戦終結100年を記念し、ウッド・ベルロー(Wood Belleau)の木から作られた木材をご提供したい。

1918年に米国の兵士や海兵隊が特に勇気と献身を発揮したフランス北部の森林の木材だからだ。

この樹木が、有名な「ブルドッグ」噴水の近くで成長したのを見れたのは光栄だ。貴国の兵士がフランスを守るために共通の戦いで血を流した地に生えた木が犠牲の象徴としてホワイトハウスで根をおろしたのだから。

両国が継承し共有する価値観は、我々の現代史の章を、肩を並べて書き続けるための基礎だ。

我々は、西洋世界を結束させ、普遍的な価値を追求することを目指している。

米国とフランスはテロ根絶の戦いを共にすることで合意している。

フランスとアメリカは、レヴァントやアフリカの地域にて、様々な形でそれに直面している。

(※レヴァント:東部地中海沿岸地方を指す。トルコ、シリア、レバノン、イスラエル、エジプトのあたりのこと)

北朝鮮やイランでも、大量破壊兵器の拡散に対抗することで合意している。

我らはすべての人々のために新しい形の繁栄を築いてゆく。革新的で自由かつ公正な貿易を行い、すべての中産階級を保護するために。

我らはともに、地球のために効果的に行動を取る。

気候問題だけでなく、海洋問題、生物多様性の保護や、あらゆる形態の汚染についてもだ。

この問題について、必ずしも解決策に合意が見られていないが、どんな家族や友情にも、そういうことは起こりえる。

それは、すべての子供たちの運命が危険にさらされているとも言える。

我々は歴史を否定し、世界を分裂させる積極的な国家主義の台頭に抵抗する。

我々は、その悪天候の中で、新たな多国間主義を構築し、多元主義と民主主義を守る。

我々の文化にとって、そのアイデンティティは、普遍性を志向しながら、常にすべての国に働きかけていた。

我らの友情は絶えず堅固に成長しているが、まだ克服すべき課題を抱えている。

それが今日の我々の立場だ。歴史が我々に呼びかけている。

最も困難な時期に我々を導いた不屈の精神を見つけるよう、国民に促しているのだ。

フランスと欧州、米国は、今後も歴史を共にしていく。

我々には義務がある。親愛なる大統領と共にその義務を果たしていく。

大統領ご夫妻、ご招待に感謝する。この目標に向かって共に働く機会をいただき、我らの友情をもう一度、表す機会を与えてくれたことに感謝する。

その友情が米国で永続し、その愛がフランスでも永続するように。ありがとう(拍手)。

両首脳の発言の印象

マスコミ報道のおかげで、トランプ氏には野蛮人風のイメージがまとわりついていますが、スピーチの中身は教養人風の内容です。

恐らくは、スピーチライターがきちんと用意してくれたものをもとにしゃべっているのでしょう。

歴史にまつわる話が多いのは、大学で哲学を専攻したマクロン氏の好みに合わせているのかもしれません。

中身を見ると、具体性がある話は、テロ根絶の戦いでの合意などです。

シリア攻撃の後のロシアとの交渉などで、今後、フランスとも連携していくのでしょう。

環境問題に関しては、合意が難しいことについて、「どんな家族や友情にも、そういうことは起こりえる」と述べているので、やや諦めモードに入っています。

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