【MRNA/BNTX】モデルナとバイオンテックを比較する
ワクチン製造で一躍有名になったMRNA(モデルナ)とBNTX(バイオンテック)を比較してみます。
どちらもメッセンジャーRNA(mRNA)を用いた新型肺炎対策のワクチン製造に成功した新興バイオ企業です(BNTXはPFE〔ファイザー〕と連携)。
mRNAはタンパク質を合成するための情報を持つRNA〔リボ核酸〕分子で、遺伝子内の情報をタンパク質を発現させる細胞装置に運ぶわけですが、これを編集してMRNAとBNTXはワクチンをつくったわけです。
むろん、他の商品もありますが、現時点ではワクチンが両企業に与えるインパクトが大きいので、今後のワクチン製造の行方がどうなるかが注目されています。
MRNAは自社で一貫してワクチンを製造していますが、BNTXは小企業なので、大規模製造のためにPFEと連携しました。
BNTXは2020年時点でPFEと取り分50%ずつで1年の契約をしたので、この契約が終わった時、次はどんな形態をとるのかが気になります。
バイデン政権はワクチンの特許放棄を支持しましたが、MRNAやBNTXの利益が全て損なわれるような全ての知的財産権を破棄するとは限らないので、両社の存続と調和できる形で何らかの妥協がなされると考えたほうが自然です。
そうした前提を踏まえて、この2社の株価と決算、業績などを比較してみます(グラフをクリックすると、リンクでMRNAやBNTXのページに飛びます)。
過去~現在株価
※左目盛り:株価推移はMRNA/BNTX、IBB(iシェアーズNASDAQバイオテクロノジーETF)を比較(最大20分ディレイ)。
※右目盛り:10年国債利回り
※主要指標の単位 時価総額:億ドル、株式数:億、1日の平均取引量:100万ドル
四半期決算 予想:結果
さらに、マーケットにおけるEPSと売上の予想値の変動を整理してみます。
(※Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄には1カ月前、2か月前の予想値を記載)。
四半期決算 予想:結果
さらに、マーケットにおけるEPSと売上の予想値の変動を整理してみます。
(※Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄には1カ月前、2か月前の予想値を記載)。
EPS:予想と結果
予想 | MRNA | BNTX | ||
2/1 | 1月前 | 2/1 | 1月前 | |
2023 | 3.21 | 4.48 | 16.56 | 17.97 |
2022 | 21.31 | 21.51 | 37.66 | 37.42 |
Q:23/3 | -0.35 | -0.69 | 4.7 | 5.67 |
Q:22/12 | 4.77 | 4.8 | 8.39 | 8.48 |
売上高:予想と結果
予想 | MRNA | BNTX | ||
2/1 | 1月前 | 2/1 | 1月前 | |
2023 | 8150 | 8260 | 9880 | 10090 |
2022 | 19150 | 19090 | 17820 | 17700 |
Q:23/3 | 1530 | 1530 | 3300 | 3250 |
Q:22/12 | 5050 | 4860 | 4420 | 4360 |
業績:通期決算実績
通期の売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの詳細を見てみます(単位は百万ドル)
損益計算(売上、純利益等)
同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。