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ポンペオ国務長官は北朝鮮をどう見ている?(主な発言一覧)

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マイク・ポンペオ氏は4月26日に米国の国務長官に就任しました。

それまでCIA長官を務めていたポンペオ氏は、いったい、どんな人物なのでしょうか。

今回の記事では、北朝鮮にたびたび訪朝し、非核化の重責を担う国務長官の人物像と発言、政策などを紹介してみます。

マイク・ポンペオ新国務長官の経歴

Mike_Pompeo_official_CIA_portrait

マイクは略称なので、正式な名前は「マイケル・リチャード・ポンペオ」(Michael Richard Pompeo)です。

ポンペオ氏はカリフォルニア州のオレンジ市に1963年12月30日に生まれました(現54歳)。

1982年にロス・アミーゴス高校を卒業後、ウェストポイント陸軍士官学校に入学(機械工学を専攻)。

86年に卒業し、91年まで米陸軍機甲部隊で働きました。当時、ベルリンの壁の近辺を巡回する仕事をしています。

その後、次にハーバード大学ロースクールで法務博士となり、94年以降、法律事務所で働いています。

(ロースクールでは、ハーバード・ロー・レビューの編集者をしている)

Thayer Aerospace社を設立し、10年以上にわたってCEOを務め、さらに、油田機器の製造・流通・サービスを担うSentry InternationalのCEOを務めています。

オバマ政権に対抗するティーパーティー運動の波に乗って2010年にカンザス州第4選挙区で下院選に当選。

2011年以降、共和党の連邦下院議員としてイラン核合意に反対したり、リベリアのベンガジ米大使館が2012年に襲撃された折のヒラリー国務長官の対応を批判したりしました(14年に、下院でのベンガジ特別委員会に所属)

思想的には保守派であり、福音派クリスチャン右派に属し、中絶とゲイに反対。全米ライフル協会の終身会員として銃規制にも反対しています。

ポンペオ新国務長官就任にあたって

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トランプ氏はポンペオ氏をCIA長官に指名した際には、以下のように述べました(英文出所はC-SPAN)。

【訳】

  • 中央情報局のマイク・ポンペオ局長を新国務長官に指名することを誇りに思う。
  • マイクはウェストポイントを首席で卒業し、米軍で際立った士官として働き、ハーバード・ロースクールを卒業した。
  • 彼は下院で議員として奉職し、党派を超えて際だった実績を残してきた。
  • マイクはCIA長官として共和党と民主党の双方から高い評価を得た。情報収集を強化し、攻守にわたってその機能を近代化し、インテリジェンスコミュニティー(情報機関関係者の界隈)において我々の友邦や同盟国と緊密な関係を築いた。
  • 私は過去14ヶ月の間にマイクをよく理解しており、彼はこの重要な時節に適した人物だと確信している。
  • 彼は、世界における米国の地位を回復させ、同盟を強化し、敵対者と対峙し、朝鮮半島の非核化を進める計画を続けていく。
  • 軍、議会、CIA長官としての彼の経験は、この新しい役割にふさわしい。迅速な(上院での)承認を薦める。

【英文】

  • I am proud to nominate the Director of the Central Intelligence Agency, Mike Pompeo, to be our new Secretary of State.
  • Mike graduated first in his class at West Point, served with distinction in the U.S. army, and graduated with Honors from Harvard Law School.
  • He went on to serve in the U.S. House of Representatives with a proven record of working across the aisle.
  • As Director of the CIA, Mike has earned the praise of members in both parties by strengthening our intelligence gathering, modernizing our defensive and offensive capabilities, and building close ties with our friends and allies in the international intelligence community.
  • I have gotten to know Mike very well over the past 14 months, and I am confident he is the right person for the job at this critical juncture.
  • He will continue our program of restoring America’s standing in the world, strengthening our alliances, confronting our adversaries, and seeking the denuclearization of the Korean Peninsula. 
  • His experience in the military, Congress, and as leader of the CIA have prepared him well for his new role and I urge his swift confirmation.

最後の記述で、北朝鮮問題を視野に入れた人事であることが強調されています。

そして、ポンペオ氏の側は、このように答えました。

【訳】

  • CIA長官としての就任を許可し、国務長官を務める機会をいただいたことに大統領に感謝する。
  • 彼のリーダーシップは米国をより安全にする。私は、彼と米国民に我が国の繁栄を体現させることを楽しみにしている。
  • 私が会った最も献身的で才能のある公僕であるCIAの偉大な男女とともに仕事ができたことは、私の人生の大きな栄誉の一つとなっている。
  • 私は、米国を代表した仕事を誇りに思う。CIAはジーナ・ホスペルのリーダーシップの下でうまくやっていけることを理解している。
  • 承認されれば、私は大統領の外交政策を策定と実行に関わり、世界最高級の外交団を率いることを楽しみにしている。
  • 中央情報局長官として、私は国務省で働いている多くの著名な外交官や国務長官とともに、米国と自由のために力を尽くしてきた。
  • 私は彼らから学び、トランプ大統領が国連演説の中で述べた「われわれの国は永遠に安全で強く、誇りで強大で自由である」という言葉を具体化するために懸命に働く。

【英文】

  • I am deeply grateful to President Trump for permitting me to serve as Director of the Central Intelligence Agency and for this opportunity to serve as Secretary of State.
  • His leadership has made America safer and I look forward to representing him and the American people to the rest of the world to further America’s prosperity.
  • Serving alongside the great men and women of the CIA, the most dedicated and talented public servants I have encountered, has been one of the great honors of my life.
  • I am proud of the work we have done on behalf of America and know that the Agency will continue to thrive under the leadership of Gina Haspel.
  • If confirmed, I look forward to guiding the world’s finest diplomatic corps in formulating and executing the President’s foreign policy.
  • In my time as Director of the Central Intelligence Agency, I have worked alongside many remarkable Foreign Service officers and Department of State leaders serving here in the United States and on the very edge of freedom.
  • I know I will learn from them and, as President Trump set out in his State of the Union Address, work hard to ensure that “our nation will forever be safe and strong and proud and mighty and free.”

マイク・ポンペオ氏の外交路線は?

ポンペオ氏は2017年1月12日に、CIA長官になるにあたって、議会で政策に関する見識を披露しています。

その時に、以下のような情勢分析を行いました。

【訳】

  • 2016年初に、クラッパー長官は 「こんにち、過去のいかなる時代よりも数多くのスンニ派の過激派集団が活動しており、最も多くの避難所を持っている」と述べた(※前任者のCIA長官の言葉を引用している)。
  • ISISは引き続き、復元し、転移しながら活動を続けており、過去、2年間、世界に衝撃を与えながら中東の大都市を2年以上もの間、管理してきた(※発言当時は17年初なので、まだISが都市を支配していた)。
  • 数年前、我々は、シリアとイラクに行く外国人戦闘者の流れを止めることに焦点を当てていた。こんにちの懸念は、彼らの慫慂の拡大を防ぐことであり、彼らが母国に帰り、無実の人々を虐殺したりしないようにと心配している。
  • シリアは失敗した国家であり、21世紀の最悪の人道的災害の一つになっている。
  • この紛争は、過激主義、分裂主義、地域と欧州の不安定化、最近の記憶の中で世界が直面した最悪の難民危機の原因となった。
  • イランはテロ支援国の代表格であり、中東で大胆かつ破壊的なプレイヤーであり、スンニ派同盟諸国との緊張を高めている。
  • ロシアは再び攻撃的になり、ウクライナを侵略・占領し、欧州を脅かしている。IS打倒を助けることはほとんど何もしていない。
  • 中国は軍事的、経済的な活動範囲を拡大するにつれて、南・東シナ海とサイバースペースでの版図拡大を目指し、真の緊張を作り出している。
  • 北朝鮮は、国際的な圧力を考慮せず、核・弾道ミサイル能力を危険なまでに加速している。
  • いっそう相互接続された世界では、サイバードメインは新たな成長の課題を提示する。
  • 進化するサイバーツールを使用して、国家および非国家主体は米国のシステムを調査し続け、脆弱性を悪用し、我々の国益に挑戦してくる。

【英文】

  • As Director Clapper acknowledged at the beginning of 2016: “there are now more Sunni violent extremist groups, members, and safe havens than at any time in history.”
  • ISIS remains a resilient movement, has metastasized, and shockingly has controlled major urban centers in the Middle East for well over two years.
  • Whereas a few years ago, we focused on stemming the flow of foreign fighters going to Syria and Iraq, today, the concern is making sure they, and those they inspire, are prevented from expanding their reach,returning home, or slaughtering more innocent people.
  • Syria is a failed state and has become one of the worst humanitarian catastrophes of the 21st century.
  • This conflict has led to the rise of extremism, sectarianism, instability in the region and Europe, and the worst refugee crisis the world has faced in recent memory.
  • Iran – the leading state sponsor of terror – has become an emboldened, disruptive player in the Middle East, fueling tension with our Sunni allies.
  • Russia has reasserted itself aggressively, invading and occupying Ukraine, threatening Europe, and doing nearly nothing to aid in the destruction of ISIS.
  • As China flexes its muscles and expands its military and economic reach, its activities in the South and East China Seas and in cyberspace are pushing new boundaries and creating real tension.
  • North Korea has dangerously accelerated its nuclear and ballistic missile capabilities, with little regard for international pressure.
  • In an increasingly inter-connected world, the cyber domain presents new and growing challenges. Using evolving cyber tools, state and non-state actors continue to probe U.S. systems, exploit vulnerabilities, and challenge our interests.

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中国の台頭やロシアの軍事力の復活、北朝鮮の核開発、テロの拡大、イランの動向などを警戒しています。

米国が安全保障に熱心であれば、北朝鮮や中国も警戒し、活動が控え目になってくるので、こうした危機感のある人材が国務長官となるのは、日本にとってよいことです。

日本にとっていちばん危険なのは、安全保障上の危機感がなく、危機が進行していても、後手後手に回ってしまうような人材が米国の要職についてしまうことです。

筆者は、トランプ氏の前任者のオバマ氏は、北朝鮮に対して、そうしたアクションを取っていたと考えています。

ポンペオ国務長官は北朝鮮をどう見ている?

ポンペオ氏は、米朝首脳会談の前(2018/6/11)にシンガポールで記者会見を行い、以下のように述べています。

  • この会見の冒頭では、米国チームには北朝鮮の非核化のための技術的な専門知識が欠けていると述べた報道(NYT紙)に反論しました。
  • 米国チームは関係省庁から送られた100人以上の専門家がいる。
  • そこには、核兵器解体を担う軍の専門家、博士号を持つエネルギー省の職員や専門家、北朝鮮担当の情報部員などが含まれている。
  • 核兵器、核燃料サイクル、ミサイル、化学兵器や生物兵器の専門知識を有する博士が何十人もいる。
  • 米国チームには技術的専門知識が欠けているというのは、事実認識として誤っている。

そして、米朝会談の趣旨を説明しました。

  • 北朝鮮側の「非核化の用意がある」という言葉の真贋を見極めたい
  • 最終的な目標は変わっていない。完全かつ検証可能で不可逆的な朝鮮半島の非核化。それが米国の受け入れる唯一の成果だ。
  • 北朝鮮が完全に検証可能な方法で大量破壊兵器の計画を捨てるまで、制裁は継続される。
  • 大統領は、北朝鮮が正しい措置を講じれば、外国投資へのアクセスなどの経済的機会を北朝鮮に拡大する寛大さを示してきた。

米朝会談後には、6月14日にソウルで日米韓外相会談を行い、その記者会見の席で日米韓の連携を強調。

  • (12日の)会談は米朝関係の転換点となる。金正恩委員長が公式に完全な非核化を約束したのは、北東アジアと全世界に永続的な平和と安定をもたらす重要な第一歩だ。
  • このプロセスは容易ではないが、その成功のためには同盟国である韓国と日本との緊密に連携が不可欠だ。
  • 日米韓は、北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化の実現のたまに引き続き取り組む決意である。
  • 国際社会は安心していただきたい。
  • 米国と日韓両国との同盟関係は、間違いなく非常に強固だ。

そして、記者が「南北合意(1992)では北朝鮮は核兵器に関して、製造、保持、使用しないと約束した。ウラン濃縮施設やプルトニウム再処理施設の非保持で合意した。2005年の6か国者協議に関する共同声明では、北朝鮮は検証可能な非核化に合意し、全核兵器と既存の核計画の放棄を約束した」と述べ、具体的なスケジュールがないのにどうして金正恩を信じられるのかと問うた際には、以下のように答えています。

  • 今回の合意は、完全な非核化となることを非常に明確に述べている。
  • 申し分ない合意文書である板門店宣言に関してはっきりと言及し、それを盛り込んでいる。板門店宣言の中には過去の全ての南北合意が含まれている。
  • かつての過ちは、非核化の完了前に経済支援を提供したことだ。そのようなことはもう起こらない。
  • トランプ大統領は、今後の手順はこれまでとは違うことを、会見の席だけでなく、金正恩委員長との会談でも明言した。
  • 交渉が時間切れになり、北朝鮮が非核化を先送りするリスクに関して、我々は、金正恩委員長が非核化の緊急性と、完全な非核化なしに制裁緩和はないことを理解していると信じている。

金正恩が本気かどうかは、今後の交渉の過程で明らかになるはずですが、一応、非核化の約束を取り付けることができたのは、米国が17年に強硬な威嚇を繰り返した「成果」でもあるのでしょう。

今後、交渉の当事者となるポンペオ氏の今後の発言を注視していきたいと思います。

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