【NOC】ノースロップグラマンの株価と決算、配当

2019年5月20日

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ノースロップ・グラマン(NOC)は代表的な軍需企業の一つです。北朝鮮情勢が一息ついた2018年に、この企業について情報を整理してみます。

※『米国株四季報』はグラマン社(NOC)について「米政府向け売上げが8割の国防大手。航空分野でステルス爆撃機や無人偵察機、電子分野では防衛用機器、早期警戒システム等扱う。2015年に米政府が新型爆撃機の開発企業に選定。F16レーダーの性能向上に米空軍が同社技術を採用」と説明しています。

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グラマン社は米国軍事の基幹技術を担っている

NOCなどは、世界ナンバーワン国家である米国を軍事面から支えています。

国力の基本は経済力と軍事力ですが、LMT社やNOC社、ボーイング社(民需割合が半分程度)等がなければ、米国も世界ナンバーワン国家としてのパワーを維持できないわけです。

グラマン社は米国空軍の基幹となるステルス爆撃機(B2)をつくり、新鋭ステルス攻撃機F35のレーダーをつくっているので、米国空軍の優越性の基になる技術を握っているとも言えます。

グラマンは米軍の次世代無人爆撃機の開発にも関わっていますが、特に高性能のレーダーや電子機器の技術、無人システムなどは注目に値します。自衛隊もグラマン社のE-2C(情報中枢を担う早期警戒機。航空戦の「目」を担う重要機)を運用しています。

グラマン社は航空機を動かす情報機器や電子システムに優れ、また、軍の中枢を担う情報システム(C4ISR)でも最先端の技術を誇っているのです。

(※C4ISRとは、指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)の4つのCと、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)のこと)

電子機器や情報システムに強みを持つグラマン社は、サイバーセキュリティ等にも優れているので、民生部門でも大きな活躍の可能性を持っています。

グラマン社の日本語版記事では、以下のようにPRしていました。

——-

ノースロップ・グラマンは、F-35Aの主要構成品であるレーダー、通信、航法の各システム及び中央胴体部を防衛省殿に納入し、これらの製品を通じて日本の産業界とのパートナーシップ構築に重点を置いています。

航空自衛隊殿は、F-4、F-35、E-767AWACS、C-130航空機に、レーダー、電子戦装置、航法装置、IFFシステム等の様々なノースロップ・グラマン製ミッション及びフライト・アビオニクス(※飛行のための電子機器類のこと)を搭載し運用しています(※F4は戦闘機、E767は早期警戒管制機、C130は輸送機)。

海上自衛隊殿は、ノースロップ・グラマン製の空中照射レーザー・機雷探知システム(ALMDS)とAQS-24A機雷掃討ソナーをMCH-101掃海ヘリコプターに搭載して運用しています。

陸上自衛隊殿は、ノースロップ・グラマン製のロングボウ・レーダーとAPR-39レーダー警報装置をAH-64Dに搭載して運用しています。

ノースロップ・グラマンは世界有数のグローバル・セキュリティー・カンパニーとして、各国政府機関及び民間のお客様に対し、無人システム、サイバー、C4ISR、ロジスティクス及び近代化の分野において、革新的システム、製品、並びにソリューションを提供しております。

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要するに、グラマン社の技術がなければ、自衛隊は動けません。

ある意味では、この技術が日本を北朝鮮の野心から守っているので、北朝鮮情勢が緊迫化したら、株価が上がったのは当然のことではあります。

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(出所はグーグルファイナンスなど)

1/2株価 241.2
5/17株価 306.7
株価上昇率 27.2%
52週高値 340.1
52週安値 223.6
EPS 19.33
PER 15.87
配当(利回り) 4.80 (1.57%)
時価総額(億$) 521
株式数(億) 1.7

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

その株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は5/17)
NOC 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 241.2 239.9 290 306.7 27%
2018 307.4 226.2 360 244.9 -20%
2017 234.1 227 310.5 306.9 31%
2016 186 178.2 251.8 232.6 25%
2015 148.3 143.4 191.5 188.8 27%
2014 114.2 110.8 152.2 147.4 29%
2013 68.8 64.4 115.3 114.6 67%
2012 59.4 57.1 71.1 67.6 14%
2011 59.1 49.3 70.3 58.5 -1%
2010 50.9 49.1 62.9 58.8 15%
2009 41.5 31.2 51.6 50.7 22%
2008 71.4 31 74.9 40.9 -43%
★2:各年初から2019/5/17までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~ 15年~ 14年~
27% 0% 31% 65% 107% 169%
13年~ 12年~ 11年~ 10年~ 09年~ 08年~
346% 416% 419% 503% 639% 330%

配当利回りと配当性向

さらに、配当利回りを見てみます。

権利落ち日 1株配当 配当利回り 当日株価
2019/02/25 1.2 1.7% 287.1
2018/12/03 1.2 1.8% 261.5
2018/08/27 1.2 1.5% 300.13
2018/06/04 1.2 1.3% 332.81
2018/03/05 1.1 1.2% 344.79
2017/12/04 1 1.3% 300.56
2017/08/28 1 1.4% 267.9
2017/06/05 1 1.4% 255.61
2017/03/06 0.9 1.5% 242.92
2016/12/05 0.9 1.4% 247.49
2016/08/29 0.9 1.6% 213.1
2016/06/06 0.9 1.5% 215.44
2016/02/29 0.8 1.7% 192.22

配当性向の推移もモーニングスター(MS)社のデータで確認してみましょう。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★MS社は非GAAPのEPSで配当性向を試算。GAAP基準のEPS試算〔=単純計算〕の箇所は筆者挿入。

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
08/12 -3.77 1.57 -41.6 ?
09/12 5.21 1.69 32.4 34.7
10/12 6.82 1.84 27.0 27.1
11/12 7.52 1.97 26.2 28.4
12/12 7.81 2.15 27.5 27.5
13/12 8.35 2.38 28.5 27.8
14/12 9.75 2.71 27.8 27.8
15/12 10.39 3.1 29.8 29
16/12 11.32 3.5 30.9 28.9
17/12 16.34 3.9 23.9 28.3
18/12 18.49 4.7 25.4 28.7

四半期決算(予想と実値)

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/4/30、売上単位は100万ドル)。

EPS:予想と結果

EPS予想 平均 上限 下限 期間
2020 22.28 23.17 21.5 1年
2019 19.2 19.76 18.59 1年
9-19 4.82 5.14 4.63 3カ月
6-19 4.69 4.89 4.42 3カ月
EPS 予想 結果
3-19 4.59 5.06 0.47 10.3
12-18 4.32 4.93 0.61 14.2
9-18 4.37 5.80 1.43 32.6
6-18 3.83 3.93 0.10 2.5
3-18 3.61 4.21 0.60 16.5
12-17 2.74 2.82 0.08 2.95

売上高:予想と結果

売上予想 平均 上限 下限 期間
2020 36000 36879 35420 1年
2019 33979 34368 33349 1年
9-19 8515 8638 8361 3カ月
6-19 8420 8524 8279 3カ月
売上 予想 結果
3-19 8326 8189 -137 -1.7
12-18 8123 8156 33 0.4
9-18 8009 8085 76 1.0
6-18 7103 7119 16 0.2
3-18 6606 6735 130 2.0
12-17 6350 6634 284 4.47

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

損益計算(売上、純利益等)

売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 33887 3211 9.5% -1262
09/12 33755 2133 6.3% 1686
10/12 34757 2453 7.1% 2053
11/12 26412 2115 8.0% 2118
12/12 25218 2640 10.5% 1978
13/12 24661 2483 10.1% 1952
14/12 23979 2593 10.8% 2069
15/12 23526 2162 9.2% 1990
16/12 24706 2813 11.4% 2043
17/12 26004 2613 10.0% 2869
18/12 30095 3827 12.7% 3229

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15~35%程度あれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

営業利益率 EPS DSO
08/12 -0.3 -3.77 41.6
09/12 7.4 5.21 39.5
10/12 8.8 6.82 39.1
11/12 12.4 7.52 48.5
12/12 12.4 7.81 42.1
13/12 12.7 8.35 41.0
14/12 13.3 9.75 41.8
15/12 13.1 10.39 43.8
16/12 13.0 11.32 45.7
17/12 12.8 16.34 51.5
18/12 12.6 18.49 32.9

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 30197 18277 11920 39.5%
09/12 30252 17565 12687 41.9%
10/12 31410 17974 13436 42.8%
11/12 25411 15075 10336 40.7%
12/12 26543 17029 9514 35.8%
13/12 26381 15761 10620 40.3%
14/12 26572 19337 7235 27.2%
15/12 24424 18902 5522 22.6%
16/12 25614 20355 5259 20.5%
17/12 35128 27996 7132 20.3%
18/12 37653 29466 8187 21.7%

ROAとROEなど

ROA ROE 流動比率
単位 倍率
08/12 -4.0 -8.5 1.0
09/12 5.6 13.7 1.2
10/12 6.7 15.7 1.2
11/12 7.5 17.7 1.3
12/12 7.6 19.9 1.4
13/12 7.4 19.4 1.6
14/12 7.8 23.2 1.4
15/12 7.8 31.2 1.2
16/12 8.8 40.8 1.2
17/12 6.7 32.8 2.4
18/12 8.9 42.4 1.2

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業が上げた利益を見る

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業が上げた利益を見る

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る(表では資本が負債の何倍かを表記)

キャッシュフロー

営業CF 投資CF 財務CF
08/12 3211 -626 -2044
09/12 2133 866 -1229
10/12 2453 -760 -1266
11/12 2115 680 -3494
12/12 2640 -84 -1696
13/12 2483 -346 -849
14/12 2593 -645 -3235
15/12 2162 -431 -3275
16/12 2813 -805 -1786
17/12 2613 -889 6960
18/12 3827 -8878 -4595