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【NOC】ノースロップ・グラマンの株価はこれからも上がるのか

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ノースロップ・グラマン(NOC)は2017年に株価が大きく伸びた企業の一つです。

北朝鮮情勢が一息ついた2018年に、この企業の株価等がどう動くのかについて書いてみます。

今回は、グラマン社を取り上げてみます。

グラマン社(NOC)の株価は北朝鮮情勢の緊迫化に伴い、上昇した

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グラマン社は2月の株安後も株価がわりと早く回復しました。

【3か月チャート】

パウエルFRB議長の議会証言後に下落しましたが、回復基調に入ってきています。

グラマン社の株価は、トランプ政権の成立以降、上昇傾向が続きました。

さらに、17年4月以降、北朝鮮情勢が緊迫し、グラマン社はぐんぐんと株価を上げていきます。

かなりの急上昇ではあるので、「バブルではないか?」と思われた方もいるかもしれません。

米朝関係の緊迫化等が株価上昇を後押ししたのは間違いないでしょう。

しかし、筆者は、NOC社は株価相応の実力を持つ企業だと考えています。

【長期チャート】

グラマン社は米国軍事の基幹技術を担っている

非常にシンプルに考えますと、現在、米国が世界ナンバーワン国家であるのは、経済力と軍事力が世界ナンバーワンであるためで、その軍事力は米国の防衛企業が支えています。

その雄はLMT社やNOC社、ボーイング社(民需割合が半分程度)等です。

グラマン社は米国空軍の基幹となるステルス爆撃機(B2)をつくり、新鋭ステルス攻撃機F35のレーダーをつくっています。ある意味では、米国空軍の優越性の基になる技術を握っているわけです。

グラマンは米軍の次世代無人爆撃機の開発にも関わっているのですが、特に注目すべきなのは、高性能のレーダーや電子機器の技術、無人システムなどです。

自衛隊もグラマン社のE-2C(情報中枢を担う早期警戒機。航空戦の「目」を担う重要機)を運用しています。

グラマン社は航空機を動かす情報機器や電子システムに優れ、また、軍の中枢を担う情報システム(C4ISR)でも最先端の技術を誇っているのです。

(※C4ISRとは、指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)の4つのCと、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)のこと)

電子機器や情報システムに強みを持つグラマン社は、サイバーセキュリティ等にも優れているので、民生部門でも大きな活躍の可能性を持っています。

グラマン社の日本語版記事では、以下のようにわが国にPRしていました。

  • ノースロップ・グラマンは、F-35Aの主要構成品であるレーダー、通信、航法の各システム及び中央胴体部を防衛省殿に納入し、これらの製品を通じて日本の産業界とのパートナーシップ構築に重点を置いています。
  • 航空自衛隊殿は、F-4、F-35、E-767AWACS、C-130航空機に、レーダー、電子戦装置、航法装置、IFFシステム等の様々なノースロップ・グラマン製ミッション及びフライト・アビオニクス(※飛行のための電子機器類のこと)を搭載し運用しています(※F4は戦闘機、E767は早期警戒管制機、C130は輸送機)。
  • 海上自衛隊殿は、ノースロップ・グラマン製の空中照射レーザー・機雷探知システム(ALMDS)とAQS-24A機雷掃討ソナーをMCH-101掃海ヘリコプターに搭載して運用しています。
  • 陸上自衛隊殿は、ノースロップ・グラマン製のロングボウ・レーダーとAPR-39レーダー警報装置をAH-64Dに搭載して運用しています。
  • ノースロップ・グラマンは世界有数のグローバル・セキュリティー・カンパニーとして、各国政府機関及び民間のお客様に対し、無人システム、サイバー、C4ISR、ロジスティクス及び近代化の分野において、革新的システム、製品、並びにソリューションを提供しております。

要するに、グラマン社の技術がなければ、自衛隊は動けません。

ある意味では、この技術が日本を北朝鮮の野心から守っているので、北朝鮮情勢が緊迫化したら、株価上昇になるのは当然のことではあります。

グラマン社のトータルリターンは?

『米国株四季報』では、グラマン社(NOC)について「米政府向け売上げが8割の国防大手。航空分野でステルス爆撃機や無人偵察機、電子分野では防衛用機器、早期警戒システム等扱う。2015年に米政府が新型爆撃機の開発企業に選定。F16レーダーの性能向上に米空軍が同社技術を採用」と説明しています。

最近(4/14)の経営指標をブルームバーグのサイトで見てみます。

  • 株価52週レンジ:239.04 - 360.88
  • 1年トータルリターン:48.06%
  • 年初来リターン:14.46%
  • 株価収益率(PER) :27.8
  • 1年1株当り利益 (EPS) :12.65
  • 株価売上高倍率(PSR) :2.37
  • 直近配当利回り(税込):1.25%

グラマン社の決算、配当

次に、決算の数字を見てみます。

(情報源は、亜州IR株式会社の『米国株四半期速報(2018新年号/2017秋号/2016夏号)、週刊東洋経済社の『米国会社四季報』(2017秋冬号/2018春夏号)等)

まず、業績は以下のように推移しています。

(営業利益と純利益の単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

【四半期決算:2017年】

売上高 純利益 EPS 1株配当
2016/12 6397 525 2.96 0.9
2017/3 6267 640 3.63 0.9
2017/6 6375 552 3.15 1
2017/9 6527 645 3.68 1
2017/12 6634 178 1.01 1

通年で見た決算は以下の通りです。

【通年決算:2013~2017年】

  売上高 純利益 EPS 1株配当
2013/12 24661 1952 8.35 2.38
2014/12 23979 2069 9.75 2.71
2015/12 23526 1990 10.39 3.1
2016/12 24508 2200 12.19 3.5
2017/12 25803 2015 11.47 3.9

財務上のデータも見てみます(自己資本比率以外の単位は百万ドル)。

【財務情報:2015~2017年】

15/12 16/12 17/12
総資産 24424 25614 34917
自己資本比率 22.61 20.53 20.19
営業CF 2162 2813 2613
投資CF -431 -805 -889
財務CF -3275 -1786 6960
フリーCF 1691 1893 1685

グラマンは売りか買いか

グラマンは高値をつけていますが、筆者は、今後の可能性は有望だと考えています。

その理由は以下の三つです。

  • 米国対北朝鮮の核開発を巡るバトルは鎮静化したが、再燃の可能性が高い
  • 基本的にアジアは米中覇権競争の場になっており、ロシアと欧州も緊張関係が続いているので、緩やかな「冷戦」に近い状態がしばらく続く。
  • グラマン社は米空軍の基幹技術を握っているため、米政府から見ても見捨てがたい事業となっている。さらには、トランプ政権の米軍強化の路線にも載っている。米軍は戦死者を減らしたいので、陸戦よりも海空軍に力を入れると見る。

この企業の技術力と今後の安保情勢の厳しさを考えれば、グラマンの株価はまだ天井には到達していないのではないでしょうか。

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