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【NOC】ノースロップグラマンの株価と決算、配当

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軍需企業のノースロップ・グラマン(NOC)は2017年に株価が大きく伸びた企業の一つです。

北朝鮮情勢が一息ついた2018年に、この企業について情報を整理してみます。

※『米国株四季報』はグラマン社(NOC)について「米政府向け売上げが8割の国防大手。航空分野でステルス爆撃機や無人偵察機、電子分野では防衛用機器、早期警戒システム等扱う。2015年に米政府が新型爆撃機の開発企業に選定。F16レーダーの性能向上に米空軍が同社技術を採用」と説明しています。

【NOC】指標で見るグラマン社

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まず、主要指標のデータを見てみます(出所はグーグルファイナンスなど)。

  • 1/2株価 : 307.35
  • 10/12株価 : 302.37
  • 年初からの上昇率 : -1.6%
  • 52週高値 : 360.88
  • 52週安値 : 287.09
  • EPS : 12.83
  • PER(株価収益率) : 23.56
  • 配当利回り : 1.61%
  • 配当成長率(5年比) : 12.65%
  • 時価総額(億$) : 526
  • 株式数(億) : 1.7

【NOC】グラマンの株価チャート

次に、グラマン社の株価推移をチャートで見てみます。

青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線です。

年ごとに株価の伸び率を見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※18年終値は10/12)
NOC 初値 最安 最高 終値 上昇率
2018 307.4 291.3 360.0 302.4 -1.6%
2017 234.1 227.0 310.5 306.9 31.1%
2016 186.0 178.2 251.8 232.6 25.0%
2015 148.3 143.4 191.5 188.8 27.3%
2014 114.2 110.8 152.2 147.4 29.1%
2013 68.8 64.4 115.3 114.6 66.6%
2012 59.4 57.1 71.1 67.6 13.8%
2011 59.1 49.3 70.3 58.5 -1.0%
2010 50.9 49.1 62.9 58.8 15.5%
2009 41.5 31.2 51.6 50.7 22.1%
2008 71.4 31.0 74.9 40.9 -42.8%
★2:各年初から2018/10/12までの伸び率
18年~ 17年~ 16年~ 15年~ 14年~ 13年~
-2% 29% 63% 104% 165% 339%
12年~ 11年~ 10年~ 09年~ 08年~ -
409% 412% 494% 629% 323% -

サブプライムショックで株価が4割ほど下がりましたが、09年初から株を持ち続けている場合は7倍以上にまで株価が上がっています。

ISとの戦いやウクライナ危機、中国の台頭、米朝関係の緊迫化等が株価を上昇させました。

これを見て「バブルではないか」と思われた方もいるかもしれません。

しかし、筆者は、NOC社は株価相応の実力を持つ企業だと考えています。

グラマン社は米国軍事の基幹技術を担っている

NOCなどの軍事企業は、世界ナンバーワン国家である米国を軍事面から支えています。

国力の基本は経済力と軍事力ですが、LMT社やNOC社、ボーイング社(民需割合が半分程度)等がなければ、米国も世界ナンバーワン国家としてのパワーを維持できないわけです。

グラマン社は米国空軍の基幹となるステルス爆撃機(B2)をつくり、新鋭ステルス攻撃機F35のレーダーをつくっているので、米国空軍の優越性の基になる技術を握っているとも言えます。

グラマンは米軍の次世代無人爆撃機の開発にも関わっていますが、特に高性能のレーダーや電子機器の技術、無人システムなどは注目に値します。

自衛隊もグラマン社のE-2C(情報中枢を担う早期警戒機。航空戦の「目」を担う重要機)を運用しています。

グラマン社は航空機を動かす情報機器や電子システムに優れ、また、軍の中枢を担う情報システム(C4ISR)でも最先端の技術を誇っているのです。

(※C4ISRとは、指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)の4つのCと、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)のこと)

電子機器や情報システムに強みを持つグラマン社は、サイバーセキュリティ等にも優れているので、民生部門でも大きな活躍の可能性を持っています。

グラマン社の日本語版記事では、以下のようにわが国にPRしていました。

  • ノースロップ・グラマンは、F-35Aの主要構成品であるレーダー、通信、航法の各システム及び中央胴体部を防衛省殿に納入し、これらの製品を通じて日本の産業界とのパートナーシップ構築に重点を置いています。
  • 航空自衛隊殿は、F-4、F-35、E-767AWACS、C-130航空機に、レーダー、電子戦装置、航法装置、IFFシステム等の様々なノースロップ・グラマン製ミッション及びフライト・アビオニクス(※飛行のための電子機器類のこと)を搭載し運用しています(※F4は戦闘機、E767は早期警戒管制機、C130は輸送機)。
  • 海上自衛隊殿は、ノースロップ・グラマン製の空中照射レーザー・機雷探知システム(ALMDS)とAQS-24A機雷掃討ソナーをMCH-101掃海ヘリコプターに搭載して運用しています。
  • 陸上自衛隊殿は、ノースロップ・グラマン製のロングボウ・レーダーとAPR-39レーダー警報装置をAH-64Dに搭載して運用しています。
  • ノースロップ・グラマンは世界有数のグローバル・セキュリティー・カンパニーとして、各国政府機関及び民間のお客様に対し、無人システム、サイバー、C4ISR、ロジスティクス及び近代化の分野において、革新的システム、製品、並びにソリューションを提供しております。

要するに、グラマン社の技術がなければ、自衛隊は動けません。

ある意味では、この技術が日本を北朝鮮の野心から守っているので、北朝鮮情勢が緊迫化したら、株価上昇になるのは当然のことではあります。

グラマン社の決算と配当

最後に、決算の数字を見てみます。

(売上と利益、資産と負債、資本とキャッシュフローの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS。情報源は、亜州IR株式会社の『米国株四半期速報』、週刊東洋経済社の『米国会社四季報』等)

四半期決算と配当:2016~2018年

売上高 純利益 EPS 配当
2016/12 6397 525 2.96 0.9
2017/3 6267 640 3.63 0.9
2017/6 6473 555 3.16 1
2017/9 6527 645 3.68 1
2017/12 6634 178 1.01 1
2018/3 6735 739 4.21 1.1
2018/6 7119 689 3.93 1.2

通年決算:2008~2017年

売上高 営業利益 純利益 EPS
2008/12 32315 2797 -1262 -3.77
2009/12 33755 2483 1686 5.21
2010/12 28143 2827 2053 6.82
2011/12 26412 3276 2118 7.52
2012/12 25218 3130 1978 7.81
2013/12 24661 3123 1952 8.35
2014/12 23979 3196 2069 9.75
2015/12 23526 3076 1990 10.39
2016/12 24508 3193 2200 12.19
2017/12 25803 3299 2015 11.47

配当余力:2008~2017年

営業CF フリーCF 配当性向 配当
2008/12 3211 2530 - 1.57
2009/12 2133 1411 34.7 1.69
2010/12 2453 1677 27.1 1.84
2011/12 2115 1627 28.4 1.97
2012/12 2640 2309 27.5 2.15
2013/12 2483 2119 27.8 2.38
2014/12 2593 2032 27.8 2.71
2015/12 2162 1691 29 3.1
2016/12 2813 1893 28.9 3.5
2017/12 2613 1685 28.3 3.9

利益率など:2008~2017年

粗利率 営業利益率 ROA ROE
2008/12 18.4 8.7 -3.97 -8.53
2009/12 16.7 7.4 5.58 13.7
2010/12 18.8 10 6.66 15.65
2011/12 21.3 12.4 7.45 17.73
2012/12 22.1 12.4 7.61 19.93
2013/12 21.8 12.7 7.38 19.39
2014/12 23.4 13.3 7.81 23.18
2015/12 24 13.1 7.8 31.2
2016/12 23.6 13 8.79 40.81
2017/12 23.1 12.8 6.66 32.75

財務情報:2013~2017年

総資産 総負債 株主資本 自己資本率
2013/12 26381 15761 10620 40.3%
2014/12 26572 19337 7235 27.2%
2015/12 24454 18932 5522 22.6%
2016/12 25614 20355 5259 20.5%
2017/12 34917 27869 7048 20.2%

ここ3年間の自己資本率は2割前後。

流動資産と流動負債などの数値も見てみます。

流動資産 流動負債 非流動資産 非流動負債
2013/12 9488 5815 16893 9946
2014/12 8184 5892 18388 13445
2015/12 6334 5457 18120 13475
2016/12 6856 5630 18758 14725
2017/12 16349 6965 18568 20904

キャッシュフロー:2013~2017年

営業CF 投資CF 財務CF フリーCF
2013/12 2483 -346 -849 2119
2014/12 2593 -645 -3235 2032
2015/12 2162 -431 -3275 1691
2016/12 2813 -805 -1786 1893
2017/12 2613 -889 6960 1685

グラマンは売りか買いか

グラマンは高値をつけていますが、筆者は、今後の可能性は有望だと考えています。

その理由は以下の三つです。

  • 米国対北朝鮮の核開発を巡るバトルは鎮静化したが、再燃の可能性が高い
  • 基本的にアジアは米中覇権競争の場になっており、ロシアと欧州も緊張関係が続いているので、緩やかな「冷戦」に近い状態がしばらく続く。
  • グラマン社は米空軍の基幹技術を握っているため、米政府から見ても見捨てがたい事業となっている。さらには、トランプ政権の米軍強化の路線にも載っている。米軍は戦死者を減らしたいので、陸戦よりも海空軍に力を入れると見る。

この企業の技術力と今後の安保情勢の厳しさを考えれば、グラマンの株価はまだ天井には到達していないのではないでしょうか。

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