トランプ政権のAI戦略 ~米国の優位確立を目指す~

2019年3月23日

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雇用の拡大を目指すトランプ政権の政策と、人間の仕事を不要にするAIは、相性が悪そうです。

また、「GMやフォードの車が売れない」などと日本の自動車市場に文句をつけるトランプ大統領はオールドタイプの製造業振興を目指しているようにも見えます。

しかしながら、ホワイトハウスHPにはAIについての戦略も公開されています。

昨年には、「米国産業の人工知能サミットを開催」(2018年5月10日)と題した記事が公開されていました。

また、「米国民のための人口知能」(上記記事と同日)と題した記事もあります。

AIブームのご時世には抗しえず、その対策を出しているのです。

さらには、19年2月にはAI領域での米国のリーダーシップを守るための大統領令が出されました。

その両者を見て、トランプ政権のAI政策を整理してみます。

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ホワイトハウスが米国産業の人工知能サミットを開催

※出所は”White House Hosts Summit on Artificial Intelligence for American Industry”(May 10, 2018)

※科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)の方針が整理されている。

これを和訳してみました。

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人工知能(AI)は米国民に大きな利益をもたらす潜在的な可能性を秘めており、すでに国家安全保障の強化と経済成長に大きく貢献している。

AIは米国民の生活や米国のビジネスを迅速に革新している。

AIは病気の診断と治療、食物の育成、新製品の製造と納品、財務管理、家庭への電源供給、交通事情などを改善する。

今日、ホワイトハウスは「米国産業のための人工知能」サミットを開催した。人工知能の時代に米国民のための約束を実現し、米国の指導力を維持するために必要な政策およびAIのルールについて話し合う機会を提供したのだ。

「人工知能は、米国の労働者に力を与え、米国の産業を成長させ、米国民の生活を改善するツールとして、非常に大きな可能性を秘めている」とマイケル・クラスシオス技術政策担当副社長は語った。

「科学的発見に対する我々の自由市場的なアプローチは、政府、産業界、学界の強みを結びつけ、その独特の立場は、偉大な国家を改善するためにこの技術を活用させる」

このサミットには、100人以上の政府高官、トップの学術機関の技術専門家、産業研究機関の研究所長、AI技術を用いて顧客、労働者、株主に利益をもたらす米国のビジネスリーダーが集まった。

サミットの参加者は、AIの研究開発(R&D)、人材育成、AIの革新に向けた規制の壁、AIの分野別アプリケーションなど、分野を横断した課題に焦点を当て、2組の分科会に参加する機会を得た。

AIサミットには、食糧と農業、エネルギーと製造、金融サービス、医療、輸送と物流に関わる業界が参加している。

分科会の間、連邦当局者は、これらのセクターで生じたAIの最新の技術革新と革新的なアプリケーションについて直接聞いてみた。

ホワイトハウスの上級スタッフに加えて、連邦政府の参加者には、国立科学財団の高官、国家情報局長官、農業、商業、防衛、エネルギー、保健医療サービス、労働、交通、および財務省の高官が参加している。

連邦政府の上級職員が広範に参加していることは、このトピックの重要性を示している。国家により良く奉仕し、米国民の生活を改善するために、機関の垣根を超えてAI技術を活用するトランプ政権の方針が示されているのだ。

分科会の議論における取り組みは以下の通りである。

  • 国家のAI研究開発エコシステムを支援する。
  • 米国はユニークなR&Dエコシステムに恵まれており、そこで生まれる独創的な創意工夫には際限がない。
  • AIサミットの参加者は、科学的な発見を活用するための自由市場におけるアプローチについて議論した。それは、政府、産業界、学術界の強みを結集し、AIの研究開発を加速する強力な官民パートナーシップを形成するためのものだ。
  • AIの利点を最大限に活用するために米国の労働力をより高度なものにする。
  • AIや関連技術は、新しいタイプの雇用を創出し、産業の違いを超えた新たな技術スキルを求めている。
  • 同時に、既存の職業の多くは大きく変わるか、時代遅れになるかのどちらかになる。

AIサミットの参加者は、未来の米国の雇用を準備するための努力について話し合った。小児期以降のSTEM教育に新たに焦点を当て、技術の見習い、再雇用、生涯学習プログラムに向けて、米国の技術と業界のニーズをよりよく対応させるために。

米国におけるAIイノベーションの障壁を取り除く。

過度に煩わしい規制はイノベーションを止めるだけでなく、それらを海外に移転してしまう。

この会合の参加者は、AIと新興技術における米国のリーダーシップを維持し、同盟国間のAI研究開発の協力を促すことの重要性に言及した。

参加者は、人々がAI技術の仕組みや日常生活における利便性を理解できるようにするために、AIの認識を促進する必要性をも提起した。

インパクトの高いAIのセクタ固有のアプリケーションを活用する。

最後に、業界ごとの分科会に組織された参加者は、業界のリーダーがAI技術を用いて米国の労働力を強化し、ビジネスを成長させ、顧客に役立てる斬新な方法を共有した。

ホワイトハウスはAIを研究開発の優先事項と位置づけているため、米国の技術上のリーダーシップと人々のための進歩を支える政策を知らせるため、業界や民間セクターの代表や学界等との継続的な関係を期待している。

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トランプ大統領の直接的なメッセージがないのが気になりますが、この文書からは、数多くの閣僚がAI投資の重要性を認識していることが伺えます。

トランプ政権も、AIの重要性は認識しているわけです。

 米国民のための人口知能(AI)

米国民のための人口知能」(”Artificial Intelligence for the American People”  May 10, 2018, President Donald J. Trump )も訳してみます。

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我々は新しい技術革新に直面している。それは、生活のあらゆる側面を改善し、米国民の労働者や家族のために膨大な新しい富を作り、科学、医学、コミュニケーションの新たな境界を大胆に開くものだ」

 (AI)の研究開発(R&D)のための資金調達を優先させる:

トランプ政権は、基本的なAI研究とコンピューティング・インフラストラクチャー、機械学習、および自律的なシステムのための資金調達を優先的に行う。

連邦政府のAIとその関連技術に関する未分類の研究開発投資は、防衛と情報機関(インテリジェンスコミュニティ)の領域で行われた投資を加えると、2015年以降40%以上成長した。

省庁の長官への年次ガイダンスでは、OMB(Office of Management and Budget)と大統領府の科学技術政策(OSTP)が、機械学習や自律システムなどの新技術に重点を置くように指導した。

トランプ大統領の予算要請(FY2019)は、歴史の中で初めて、研究開発の優先事項として、人工知能と自律型システム、無人システムを指定した。

 AI革新への障壁を取り除く

トランプ政権は、AI技術の導入に対する規制上の障壁を取り除き、新しい米国産業の創出を可能にしている。

昨年9月、運輸省は、2016年の連邦自動車政策を更新し、自動車の開発者に無規制のガイダンスを提供し、運転手の要らない自動車(※自動運転車)を米国の道路に安全に統合できるようにした。

10月に、トランプ大統領は、州と地方自治体が、現在、FAA規制の下で禁止されている革新的な商業と公衆無人運転を行うことを可能にする大統領覚書に署名した。

先月、FDAは、糖尿病性網膜症を検出する医療診断のために、初めてAIに基く装置を承認した。これは、現役世帯の米国民が失明する主な原因となる病気への対策だ。

 未来の米国労働者の訓練

トランプ大統領は、米国労働者に21世紀の経済活動を成功させるスキルを与えるための措置を講じている。

昨年6月、トランプ大統領は、業界で認知された徒弟制度を確立し、閣僚のレベルで徒弟制度の拡大に関するタスクフォースを作成する大統領令に署名した。

9月に、トランプ大統領は、コンピュータサイエンス教育に重点を置くこと、高等教育において科学、技術、工学、数学(STEM)教育を優先すること、2億ドルの助成金を与えることを決めた大統領覚書に署名した(民間企業からも3億円が供与されている)

 戦略的な軍事優位を達成する

トランプ政権の国家安全保障戦略は人工知能で優位に立つ必要性を認識しており、国防総省はそのために投資している。

トランプ大統領の国家安全保障戦略は、米国の歴史の中で初めて、米国軍の未来のためにAIの重要性を具体的に指摘した。

国家安全保障戦略は、自動化、AI、機械学習の軍事用途に幅広く投資することを約束した。

 政府サービスのためのAIの活用

各省庁幹部は、米国民に公的サービスの提供を改善するためにAIを活用している。

大統領府の政策では、政府サービスの効率を上げ、米国民と最大限に連邦のデータを共有するために、自動化ソフトの使用が求められている。それは、民間(非連邦の)AI研究のアプリケーションを支援するものだ。

米共通役務庁は、本年にcloud.govで 企業の法令順守と生産計画の予測を含めた、AIを用いた試験プログラムを実施している。

国際的なAI交渉を主導する

合衆国科学技術政策局(OSTP)の米国代表団は、2017年と2018年には、G7のイノベーションと技術を巡る閣僚会合において規制緩和を主導し、AIの潜在的利益を認め、AIの研究開発を促進するために同盟国と協力している。

2018年3月にOSTPは、経済発展のためのAI革新の重要性を認識した。AI技術への信頼と普及を促進する17年のG7イノベーションを巡る閣僚会合が出したAIに関する文書に従い、2018年の同会合にて、AIに関する声明の中身を交渉した。

また、トランプ政権は、米国と英国の間で初めての科学技術(S&T)についての合意した。米仏間の科学技術協力に関する3月共同声明などを通じて、国際的なAI研究開発協力を推進している。

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AI領域での米国のリーダーシップを守るための大統領令

さらに、2019年2月11日には”Executive Order on Maintaining American Leadership in Artificial Intelligence”と題した大統領令が出されています。

ざっくり言えば、前掲の文書の内容が大統領令で明確化されたとみてよいでしょう。

その訳は以下の通りです。

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憲法と連邦法によって大統領に与えられた権限によって、以下のように命令する。

1:方針と原則

人工知能(AI)は、米国経済の成長を推進し、我々の経済と国家の安全保障を高めるだけでなく、生活の質的向上を約束する。

米国は、AIの研究開発(R&D)と展開における世界的リーダーだ。

AIにおいて米国のリーダーシップを維持することは、米国の経済と国の安全保障を維持し、米国的な価値と原則、優先事項と一致する形で世界的にAIを進化させるために最も重要なことだ。

連邦政府は、AI研究開発の促進、AI関連技術の開発と展開における米国人の信頼促進、仕事にAIを使用できる従業員の訓練、試みられた米国人からのAI技術基盤の保護において重要な役割を果たす。

(戦略的な競合企業と敵対国による買収について)

AIにおいて米国のリーダーシップを維持するには、米国のテクノロジー、経済と国の安全保障、市民の自由、プライバシー、そして、米国の価値を保護し、外国のパートナーや同盟国との国際協力を強化しながら、技術の進歩と革新を促進するための努力が必要だ。

5原則によって導かれる連邦政府の戦略、米国のAIイニシアチブを通して、AIの研究開発と展開における米国の科学的、技術的、経済的リーダーシップの地位を維持し強化することが、政府の方針である。

(a)米国は、科学的発見と経済的競争力、国家安全保障を促進するために、連邦政府、産業界、学術界全体でAIの技術的進歩を推進しなければならない。
(b)米国は、新しいAI関連産業の創出と今日の産業によるAIの採用を可能にするために、適切な技術標準の開発を推進し、AI技術の安全なテストと展開に対する障壁を減らす必要がある。
(c)米国は、現在と将来世代の米国労働者を、今日の経済と将来の仕事に備えてAI技術を開発・適用するスキルを身に付けさせる必要がある。
(d)米国民のためのAI技術の可能性を十分に実現するためには、米国はAI技術に対する国民の信頼と自信を育み、その適用において市民の自由、プライバシー、および米国の価値を保護しなければならない。
(e)米国は、AIにおける米国企業の技術的優位性を保護し、戦略的な競合他社および敵対国による買収から米国企業の重要なAI技術を保護しつつ、米国におけるAI研究とイノベーションを支援し、米国AI産業の市場を開拓する国際環境を促進しなければならない。

2:目的

人工知能は、政府のほぼ全機関の役割と仕事に影響を与える。

本大統領令の第3節に従い、実施機関と見なされた機関は、AIにおける米国の進歩を促進し、保護するための6つの戦略目標を追求する。

(a)産業界、学界、国際パートナーや同盟国と協力してAI関連のR&D(研究開発投資)を促進し続ける。 AIと関連技術の技術的な進歩を生み出し、そのブレークスルーを我々の経済と国の安全保障に貢献する能力に迅速に移行させること。
(b)安全とプライバシーを守り、適用法と政策に準拠した機密保護を維持しながら、高品質で完全に追跡可能な連邦のデータとモデル、コンピューティングリソースへのアクセスを強化する。
(c)米国の技術、経済と国の安全保障、市民の自由とプライバシー、個人の尊厳を保護しながら、AI技術の使用による障壁を減らして革新的な応用を促進する。
(d)技術標準が悪意ある行為者からの攻撃に対する脆弱性を最小限に抑え、AIシステムの技術革新に連邦の優先事項を反映する。AIに対する公衆の期待や信頼に応える。それらの優先事項を促進し保護するための国際基準を開発する。
(e)アプレンティスシップ(徒弟制度)を通じて、次世代の米国人AI研究者とユーザーを訓練する。スキルのプログラムは、米国労働者(連邦労働者を含む)がAIの機会を十分に活用できるようにするために、コンピュータサイエンスを重視した科学、技術、工学、および数学(STEM)の教育を行う。
(f)この「行動計画」に従って計画を策定・実施する。

3:役割と責任

イニシアチブは、国家科学技術評議会(NSTC)の人工知能に関する選択委員会(選択委員会)を通じて調整されるものとする。

このアクションは、基礎的なAI研究開発を行い、AI技術の応用を開発・展開し、教育助成金を提供し、規制機関によって実施される。

NSTC選択委員会(実施機関)の共同議長による決定に従って、AI技術の適用に関するガイダンスを提供する。

4:AIの研究開発への連邦投資

(a)研究開発を実施または資金調達する実施機関の長(AI研究開発機関)は、適用法に準拠し、管理局に従って、それぞれの機関の任務に応じて、代理店の研究開発優先事項としてAIを検討する。予算(OMB)と科学技術政策局(OSTP)の研究開発優先事項を覚書として出す。該当する機関の長は、予算案を立て、2020年度および将来の年度に資金の使用を計画する時に、この優先順位を考慮に入れる。これらの機関の長はまた、2019年のAIに焦点を当てるために適切な行政措置を検討しなければならない。

(b)AI R&D機関の長は、この優先順位付けに適切なAI R&Dの金額を予算に入れなければならない。
(i)議長への大統領予算要請の提出後、そのような機関の長は、ネットワーク化および情報技術研究開発(NITRD)プログラムを通じて、毎年、この優先順位付けを達成するための計画をOMB所長およびOSTP所長に伝達する。 。
(ii)それぞれの機関に対する予算の制定から90日以内に、当該機関の長は、適用法に準拠して、AI R&D優先順位が適用されるプログラムを毎年特定し、かかる資金の総額を見積もる。

そのような各プログラムに費やされる情報は、NITRDプログラムを通じて、会計年度ごとにOMB所長およびOSTP所長に伝達されなければならない。

(c)適用可能な法律と適切かつ矛盾しない範囲で、AI R&D機関の長は、学界非営利団体、州、地方、集団、政府を含む非連邦組織との協力の機会を探る。すべての共同研究者がAIの研究開発に対する互いの投資と専門知識から恩恵を得られる。

5. AIの研究開発のためのデータとリソース

(a)連邦政府の各省の長は、安全性、セキュリティ、プライバシー、および機密性を保護しながら、そのコミュニティに利益をもたらすような方法で、より大きな非連邦AI研究コミュニティによるアクセスと使用を増やす機会を特定するために自国のデータおよびモデルを見直す。具体的には、機関は発見と有用性を可能にするためにデータとモデルの目録文書を改善し、AI研究コミュニティのユーザーフィードバックに基づいてAIデータとモデルのアクセスと品質の改善を優先する。

(i)この命令の日から90日以内に、OMB局長は、連邦のデータおよびAIの研究開発および試験を改善するモデルへのアクセスまたは品質改善の追加要求を特定するよう公衆に求める通知を連邦登録簿に公表する。
さらに、この注文日から90日以内に、OMBは、選択委員会と連携して、AIの研究開発およびテストを妨げる連邦データおよびモデルのアクセスまたは品質制限に対する障壁を調査する。
OMBによるこれらの行動は、連邦以外のAIの研究開発およびテストを促進するデータセットを特定することを助けるものだ。
(ii)この大統領令の日から120日以内に、OMBは、その機関間協議会および選択委員会を含むものを含め、AI R&Dにおける発見および有用性を支援するために、エンタープライズデータインベントリおよびソースコードインベントリの実施ガイダンスを更新する。
(iii)この命令の日から180日以内に、そして省庁間優先目標の実行に従って、2018年3月の大統領の管理アジェンダから、戦略的資産としての連邦データの活用により、政府機関は品質、使いやすさ、およびAI研究コミュニティによって特定された優先順位データへの適切なアクセスを得る。
機関はまた、関連リソースへの影響を特定しなければならない。
(iv)2016年2月9日の大統領令13719(連邦プライバシー評議会の設立)に従って設立された、政府機関のプライバシー保護担当官と連携して、公共アクセスの向上を考慮するデータおよびモデルを特定する。統計機関、連邦プログラム管理者、その他の関係者は、そのようなデータやモデルへのアクセスの増加と使用に対する障壁や、それに関わる要件を特定する。

(A)アクセスおよび使用の増加によって影響を受ける可能性がある個人のプライバシーと市民的自由の保護、また、個人とデータプロバイダーの機密保護。
(B)データとモデルの関連付けや編集に関連する事項を含む、安全性の問題。
(C)データの文書化とフォーマット(相互運用可能で機械可読なデータフォーマットが必要)
(D)適切なデータおよびシステムガバナンスを確保するために必要な変更。
(E)その他の関連する考慮事項

(v)大統領の管理アジェンダおよび省庁間の優先目標に従って、データを戦略的資産として活用する。政府機関は、オープンなデータやモデルへのアクセスと利便性を向上させるために新技術とベストプラクティスを実施する機会を特定する。プライバシーと機密を保持し、市民の自由を保護する。

(b)国防、商務、保健および社会福祉省、エネルギー長官、航空宇宙局長官、全米科学財団長は、適用法に合い、矛盾のない範囲で優先順位を付ける。以下のAI関連アプリケーションのために高性能なコンピューティングリソースを割り当てる
(i)裁量的な資源配分および資源準備金の割り当ての増加
(ii)他の適切なメカニズム。

(c)この命令から180日以内に、選択委員会は、一般財団法人管理局(GSA)と連携し、連邦資金によるAIのためのクラウドコンピューティングリソースの使用の有効化に関する勧告を出すべく、大統領に報告書を提出する
(d)選択委員会は、必要に応じて、AIと連邦政府の技術、データの近代化、デジタルサービスの提供に関する事項について、技術専門知識をAmerican Technology Councilに提供する

6 :AI適用の規制に関する指針

(a)この命令から180日以内に、OMB理事は、OSTP理事、国内政策評議会の理事、および国家経済評議会の理事と調整し、他の関係機関と協議し、 OMB長官として、主な関係者に向けて、以下のことを実施する覚書を全機関の長に発行しなければならない。
(i)AIによって権限を与えられるかまたは可能にされ、市民の自由、プライバシー、米国的な価値を支持しながら米国のイノベーションを推進する技術と産業部門に関して、そのような機関による規制および非規制アプローチの開発を知らせる。
(ii)市民の自由、プライバシー、米国の価値観、米国の経済と国家の安全を保護しながら、革新的なアプリケーションを促進するために、AIテクノロジーの使用に対する障壁を減らす方法を検討する。

(b)AIアプリケーションの開発および実施に対する国民の信頼を確保するために、OMBは、最終決定の前に、パブリックコメントのための覚書の草稿を発行する。

(c)に定める備考の日から180日以内
本条の(a)において、規制当局も有する実施機関の長は、AIの適用に関連する自国の当局を検討し、覚書との整合性を保つためにOMB計画を提出するものとする。

(d)この命令の日から180日以内に、商務長官は、国立標準技術研究所(NIST)の長官を通じて、技術基準と関連ツールの開発における連邦の関与のための計画を発行する。 AI技術を使用した、信頼性が高く、堅牢で信頼できるシステムをサポートする。 NISTは、商務長官の決定と同じく、関連機関の参加を得てこの計画の策定を主導する

(i)OMB通達A-119を踏まえて、この計画は以下の内容を含まなければならない:

(A)AIシステムの開発と展開の標準化に対する連邦政府の優先的なニーズ(を反映する)
(B)テクノロジーにおける米国の指導的な役割を確立し、支援する目的で連邦機関が加盟を求める規格開発団体を特定する。
(C)AI技術に関しての標準化における米国のリーダーシップ(そのチャンスと課題)
(ii)この計画は、必要に応じて選択委員会と協議し、必要に応じて民間部門、学界や非政府組織、他の利害関係者と協議して作成される。

7. AIとアメリカの労働力

(a)教育助成金を提供する実施機関の長は、適用法と一致する範囲で、AIを既存のフェローシップとサービスプログラムにおける優先分野と見なす

(i)優先順位を付けるための適格プログラムは、法律で認められる範囲で、米国市民を優先する。その上で、以下の内容を含む。

(A)高校や大学の学部、大学院での交流。代替教育トレーニングプログラム
(B)学長賞や表彰を含めて、AI研究開発を実施する教員を表彰・助成するプログラム。
(C)サービスプログラムの奨学金。
(D)米国軍の直接的な試運転プログラム。
(E)公式・非公式の教育と訓練のために個別化された適応的学習経験を促進する。そのためにAI技術の過程への統合を奨励する教育プログラムとカリキュラム開発を支援する。
(ii)該当する機関は、毎年、この優先順位を達成するための計画を選択委員会の共同議長に伝達する。
(b)この命令の日から90日以内に、選択委員会は、米国市民に焦点を当てたAI関連の教育と労働力開発の考慮事項について、STEM教育に関するNSTC委員会に勧告を提供する。
(c)選択委員会は、必要に応じて、AIと米国労働力に関する事項について、米国労働者評議会に技術的専門知識を提供する。

8. AI 技術における米国の優位性を守るための行動計画

(a)NSPMの指示に従って、国家安全保障局長補佐は、OSTP所長とNSPMの受領者と調整しながら、AIとAIにおける米国の優位性を守るための行動計画の策定を組織する。戦略的な競合勢力や敵対国に対する米国の経済と国の安全を守るために不可欠な技術を保持する。
(b)行動計画は、この命令の日から120日以内に大統領に提供される。そこでは、必要に応じてその全部もしくは一部を分類できる。
(c)大統領の承認を得て、行動計画はNSPMの受領者である全機関によって、この命令に従って行われた活動を含むすべてのAI関連活動について実施される。

9:定義

(a)「人工知能」という用語は、以下を含む、AIに対する連邦の投資の全範囲を意味する。コアAI技術および技術の研究開発AIプロトタイプシステムAI技術の応用と適応AIに対するアーキテクチャとシステムのサポートAIのサイバーインフラストラクチャ、データセット、および標準。そして
(b)「オープンデータ」という用語は、OMB Circular A-130および覚書M-13-13に従って、データが完全に発見可能でエンドユーザーによって使用可能になるように構成された「公に利用可能なデータ」を意味する。 」

10.一般規定

(a)この大統領令は、以下のものを損なったり、影響を与えたりするものと解釈してはならない。
(i)執行権や行政機関、その長に法律により付与された権限
(ii)予算上、行政上、立法上の提案に関連するOMBの理事の機能。
(b)この命令は、適用法に準拠して実施され、予算枠が利用可能であることを条件とする。
(c)この命令は、合衆国、その部署、機関、団体、役員、従業員に対して、実質的・形式的・法的に公平であり、特定の権利や利益を創出することを意図しておらず、作成するものでもない。それを代表するものでもない。

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AIの経済的活用に関しては、世間で言われているような論点は、だいたい網羅しています。

政治面で見ると、特に注目に値するのは、堂々とAI関連技術を軍事活用すると書かれている点です。

プーチン大統領は「AIを制する国が世界を制する」と述べていましたが、軍事の次世代技術においても、ここは熱い注目点になっています。

こうしてみると、トランプ政権は、意外にもきちんとAI時代への対応を考えていることがわかります。

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