トランプ政権のインフラ政策は2019年に実現するのか

2019年4月12日

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18年の中間選挙で下院は民主党議員が多数を占め、従来よりも共和党は政策の実現が難しくなりました。

そして、予算交渉を巡るバトルは激しさを増し、政府閉鎖も起きています。

ただ、民主党はインフラ投資には肯定的なので、トランプ政権のインフラ投資構想は法案として実現可能性があるという見方もあります。

共和党には「ティーパーティー運動」で「小さな政府」を掲げ、政府支出と財政赤字の抑制を公約した議員もかなりいるので、同政権は政府投資の割合を低めに見積もっているのですが、民主党側の考えが反映されると、この分が増えるわけです。

トランプ政権が17年5月23日に公表したプランでは10年で2000億ドルを政府が支出し、投資減税等で民間から8000億ドル規模のインフラ投資を促すことになっていました。

その後、トランプ氏は2018年の一般教書演説で「インフラ投資のために1兆5千億ドル以上を生み出す法案を作成する」ことを主張。

つまり、規模拡大を目指しているわけです。

論点は様々ですが、この記事では、インフラ投資法案について、幾つかの柱を立てながら、理解を深めてみたいと考えています。

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インフラ投資法案が必要な理由ー―深刻な老朽化

そもそも、この政策が出てきたのは、米国ではインフラの老朽化が深刻化しているからです。

これに関しては、米国土木学会(ASCE)が総合で「D+」という厳しい評価を下しています(infrastructure_report_card)。

ASCEの橋、道路、ダム、飲料水、港湾、空港、鉄道、学校の状態についての査定の経緯は以下の通りです。

2005 2009 2013 2017
航空 D+ D D D
C C C+ C+
ダム D+ D D D
飲料水 D- D- D D
エネルギー D D+ D+ D+
有害廃棄物 D D D D+
内陸水路 D- D- D- D
堤防 D- D- D
C C+
公立公園など C- C- C- D+
レール C- C- C+ B
道路 D D- D D
学校 D D D D+
固形廃棄物 C+ C+ B- C+
トランジット D+ D D D-
排水 D- D- D D+
総合評価 D D D+ D+
補修費用 $1.6T $2.2T $3.6T $4.59T

そして、ASCEはインフラ更新費用として、10年間で4.59兆ドルという、とほうもない金額を挙げています。

近年では2017年のオロビルダム決壊(穴が開き、近隣住民は避難した)など、ショッキングな事件も起きましたが、他のインフラでも老朽化が深刻化しています。

例えば、高速道路はアイゼンハウアー政権の頃の立法をもとにつくられたので、かなり古いわけです(老朽化の詳細は、最終節の「参考資料」を参照)。

ASCEはそれを問題視し、抜本的対策を政府に求めています。

トランプ政権のインフラ政策の概要

では、トランプ政権の構想はどうなっているのでしょうか。

そのプランを見てみます。

「米国インフラを再建するトランプ大統領の計画」

(出所:President Trump’s Plan to Rebuild America’s Infrastructure | whitehouse.gov

米国のインフラ再建は経済成長と雇用の創造を促進するトランプ大統領の主要政策の柱だ。

米国のインフラが世界(ランキングで)12位になったことは容認しがたい。

どの米国人も道路、鉄道、港、空港を頼りにしている。トランプ大統領は未来の世代に負担を押し付けることなく、この問題に取り組むことを公約した。

★インフラ投資の期間短縮(10年⇒2年)

トランプ大統領の規制改革は成長と投資を促進する。

投資を一気に進めるために、大統領はこれらのインフラ計画を実行する期間を、許認可を得るための規制を削減することで10年から2年に大幅に縮める。

我々の都市や州を再建するための民間資本を活かし、専門家を登用する。

大統領の計画は都市や州を再建するために民間資本と専門家を活用することでアメリカを活気づかせる。

★地方インフラへの投資

大統領は我々の壊れた(インフラ)システムに1兆ドルの投資をすべく、2000億ドルの予算をインフラ投資に計上した。

(※残りの8000億ドルは投資減税等のインセンティブで民間に出資をつのる)

農村インフラへの投資は大統領の計画の主要部分だ。

★変革的なプロジェクトでインフラ政策を見直す

大統領の計画は米国のインフラへの取り組みを変える大胆かつ斬新な変革的プロジェクトに投資する予定だ。

大統領の計画はスキルに基づいた見習い教育に焦点を当てた労働者への教育構想で未来のアメリカを準備する。

  • インフラ資金:2000億ドル(22兆円程度)
  • 許認可を得る時間の削減:8年間
  • 地方インフラ投資:250億ドル
  • 地方インフラ投資への優先予算枠:1000億ドル
  • 変革プロジェクト(労働者教育):150億ドル
  • 2年間で教育実習を行う労働者の規模:100万人

トランプ大統領の計画はこれらの課題に直接的に取組み、米国インフラを世界一にするための新政策を実施する。

投資額の規模を拡大

その後、18年には、投資規模を増額するプランが出されています。

(出所:Legislative Outline for Rebuilding Infrastructure in America

  • 投資規模の総額:10年間で5兆ドル
  • 州・地方政府と民間資金:10年間で3兆ドル
  • 連邦政府支出:10年間で2000億ドル

その連邦政府支出の内訳を、さらに細かく見ていきましょう。

★州と地方、民間投資を促進するための連邦インセンティブプログラム:1000憶ドル(50%)

インフラ事業のプロジェクトスポンサーに、収益の創出、時間の短縮、業績向上を促すインセンティブを付与する。そのインセンティブの原資は、米国運輸省(DOT)、米国陸軍技術者協会(USACE)、環境保護局(EPA)を通じて管理される。この資金は政府の計画に沿って各州に提供される。

★農村インフラ計画:500億ドル(25%)

農村地域の交通、水資源、飲料水、排水、ブロードバンド、エネルギーインフラプロジェクトへの設備投資を助けるための連邦資金。

具体的には「交通手段」(道路、橋、公共交通機関、鉄道、空港、海上と内陸水路、港。ブロードバンドなど)や「水と廃棄物処理」(飲料水、排水、雨水、土地再生)、電力(政府の発電、送配電設備)、水資源、洪水リスク管理、水供給などが範囲に入る。

★変革プロジェクト:200億ドル(10%)

輸送インフラ、清潔な水の確保、商業スペースの確保、電気通信インフラ、エネルギーインフラ等に用いられる。デモンストレーション、プロジェクト計画、資本建設をサポートする。

★インフラ資金調達プログラム:200億ドル(10%)

既存の連邦与信プログラムを増やし、プライベート・アクティビティ・ボンド(PAB)の利用を拡大するのに60億ドルを投下。「PAB」は償還原資を特定の収入減に限定する債券(レベニュー債)の中で民間団体の資金支援のために発行される債券のこと(例:民間団体が運営する鉄道のためにレベニュー債を発行し、鉄道の収入で債務を償還するなど)。

残りの140憶ドルは、交通社会資本資金調達及び革新法(TIFIA)、鉄道の修繕と改善のための融資(RRIF)、水インフラファイナンスと革新法(WIFIA)、辺境農村サービス(RUS)などの既存の信用供与プログラムを拡大するために用いられる。

★連邦資本回転基金:100億ドル(5%)

連邦所有の民間の不動産の購入、建設または改築の資金を調達するためにリボルビング資金を確立する。長期で民間にリースされた資産を連邦政府が再購入する。民間に公的施設をリースする際のルールも変更。リースされた民間団体が免税を受けられるようにする

※そのほか、不要な国有資産の売却や、政府が現在の石油、ガス、石炭などの収入を財源としてインフラ投資に充当する「国有地インフラ基金」を国務省内に設立する

・・・

なかなか幅広い分野に向けて計画を練っています。

しかし、気になるのは、財源ねん出策です。

これについても考えてみましょう。

インフラ投資の財源ねん出策とは?

前掲資料によれば、その中身は、意外と日本人にとっては「おなじみ」の手法でした。

  • 連邦の地上交通インフラに長期的で持続可能な資金提供を保証するために連邦自動車燃料税を引き上げる。
  • 補助金を支給する際に州や地方政府に歳入増を求める(不動産税やインフラ利用料の引上げ等)
  • インフラストラクチャー(高速道路など)の所有者と運営者が確実に料金を徴収する。

自動車燃料税とインフラ使用者への料金徴収

米国では高速道路が「原則無料」となっているところが多いので、料金徴収をもっと強化できるわけです。

我々にはなじみがない話なので、米国の高速道路建設の歴史を振り返ると、以下の経緯となります(国土交通省「諸外国における高速道路料金の状況」)

  • 1956年:アイゼンハワー大統領が州際国防道路法(National Interstate and Defense Highways Act)に署名。税金で無料道路を整備。
  • 1991年:ISTEA法(92~97年)有料道路の支援を開始。
  • 1998年:TEA-21法(98~03年)条件付きで州際道路を有料道路にすることを認めた。
  • 2005年:SAFETEA-LU(04~09年)  条件つきで州際道路の新規路線の建設費の財源として通行料金徴収を認めた。
  • 2009年:全米陸上交通インフラ資金調達委員会は2020年までに連邦政府の陸上交通整備の財源として燃料税から対距離課金へ移行すべきと最終提言。
  • 2012年:MAP-21法(12~14年)により、新設の州際道路を有料道路として整備することが本格的に認められた。

そのため、トランプ政権の計画では、州間道路の通行料を柔軟にし、インフラの通行料収入を再投資します。

既存の州間高速道路の有料道路に柔軟性を持たせることで、州が地上交通インフラに投資するための追加収入が生まれます。

例えば、1987年の地上輸送と統一移転支援法(STURRA)に基づいて連邦政府の承認を受けた有料施設は、その建設、再建、運営、債務返済のためにのみ通行料収入を使用できるのですが、これをもっと柔軟に料金を用い、その他の重要な高速道路プロジェクトを進めようとしています。

そのほか、インターステート・ハイウェイ(州際道路)の建設では、今までは連邦政府負担が8割、州政府負担が2割。鉄道は連邦と州が5割ずつ負担していましたが、トランプ政権は、連邦負担を2割に削減し、州と地方政府の負担は8割に増やす構想を明かしています。

(※米国でも歳入実績が当初予算を下回る州は多いので、この負担案の変更は道路や鉄道建設に冷や水を浴びせる危険性もある。これは共和党の中にある財政均衡路線が反映されたのであろう)

投資へのインセンティブを高める

トランプ政権は「民間出資」を重視しているので、もともと、大統領選の頃から、これに関してはアイデアを出していました。

トランプ氏のブレーンであるピーター・ナヴァロ氏とウィルバー・ロス氏が、道路、橋、空港、配電網、水道等の更新すべくインフラ投資を行うという公約の中身を詰めようとしたわけです。

当時の提言では、税額控除を利用した民間のインフラ投資の活性化を提案していました。

1兆ドルのインフラ投資に関して民間企業に1370億ドルの税額控除を与え、その仕事を担ってもらい、その税額控除分をプロジェクトに携わる労働者や企業から得られる税収で回収しようと考えたのです。

これに関しては、利益率の高い儲かるプロジェクトは前掲の官民パートナーシップでもやってくれるが、利益率の低い地方のインフラの修繕などはやってくれないはずだ、という異論も出ています(インフラの老朽化が進んでいるため、全米でそれを立直すには官民連携だけでは足りないとみられている)

他のアイデアでは、クリントン氏は法人税改革でねん出した財源を用いて5年間で公共事業に2750億ドルを投資するプランを出していました(2500億ドルが政府の直接投資となり、250億ドルがインフラ銀行設立のために使われ、同銀行から公共設備を改修する民間企業に融資を行う。クリントンだけでなく、ムニューチン財務相もインフラ銀行設立論を述べていたことがある)

その投資の方法に関しては、ブルームバーグ記事(2017/5/19)で説明が出ています(「米予算教書、インフラ支出10年間で2000億ドルを提案へ-関係者」)

  • 交通インフラ資金調達・革新法(TIFIA)の融資プログラム(各州や地方自治体のために連邦資金を活用)
  • 投資促進を目的に連邦補助金や融資の活用を検討
  • 資産リサイクリング:連邦政府が州や地方自治体に民間部門への公有資産リースを促すインセンティブを提供し、リースと引き換えに州などが受け取る前払い金を資金不足の他のプロジェクトに活用する

これらの政策に関して、OMB高官は「米国内のインフラの大半は州や地方自治体、民間が所有するか、これらの管理下にある。トランプ大統領の計画には、州などが連邦政府に頼らずに自前で資金を確保するよう促す狙いがある」と述べました。

インフラ計画の障害―許認可行政の短縮

トランプ政権の政策の中では規制緩和やお役所仕事の迅速化も大きな眼目になっています。

同政権は、平均10年かかっていたインフラ計画の許認可を2年に縮める方針を打ち出しました。

そのために環境規制を緩和したり、新たな政府機関が一括して申請に対処する構想を明かしています。

インフラ投資に関しては「言うは易く、行うは難し」という一面もあるようです。

ニューズウィーク日本語版(2017/5/2)ではプロジェクトの中には「準備改良」とされても、すぐに開始できない案件が多いと書いています(2017/5/2「トランプ大統領のインフラ計画 「準備完了」でも未着工の理由」。

この記事が着目した事例はポセイドン・ウォーター社が提案した、カリフォルニア州ハンチントンビーチに海水脱塩プラントを建設する計画の遅延です。

このプランが最初に提案されたのは1990年代末で、認可取得へのプロセスが開始したのは2000年代初めでした。

しかし、このプロジェクトを2006年に承認したハンチントンビーチ市は、複数の州機関から24もの許可を得る必要がありました(汚染物質排出防止システムに関するサンタアナ地域水質管理委員会の認可など。そのほか、州海岸管理委員会や州土地委員会、カリフォルニア海岸管理委員会からの認可も必要とされた)。

やはり、アメリカでも許認可行政の問題があるため、その見直しが必要になります。

6月10日のロイター記事(2017/6/10)は「トランプ氏、インフラ案件認可プロセス加速へ」と題した記事で、同政権の許認可行政見直しの取り組みを紹介していました。

トランプ氏が「驚くほど緩慢かつコストや時間のかかる認可プロセスが、必要に迫られたインフラ刷新における最大の足かせのひとつになっている」と述べ、「ホワイトハウスが『大規模な認可プロセス改革』を進め、インフラ整備のプロジェクト担当者を支援する諮問委員会を新設する方針を明らかにした」と報じています。

具体的には、認可の過程を確認できるデータベースをつくることで、許認可が進んだのかどうかを誰もがチェックできるようにします。そして、期限を守らず、計画を遅らせる「お役所仕事」をしている政府機関に厳罰を科す方針だとされています。

米国だけではインフラ投資計画を完成不能?

冒頭に挙げた米国インフラの採点簿を見ると、途方もない規模のインフラ投資が必要になりそうです。

このインフラ投資の中には米国企業に技術がない分野もあるため、これは、諸外国の大手インフラ企業にとってのビジネスチャンスにもなりえます。

エキサイトニュース(2017/2/10)で、この問題に関する米専門家の声が紹介されていました。

  • 米国土木学会(ASCE)の予測では、インフラ建設やリニューアルに必要な投資額は2020年までに3兆6000億ドル(約409兆円)
  • 交通輸送コンサルタントのKevin Coates氏は「現在の米国に高速鉄道と関連インフラを建設できる企業は存在しない」と指摘。
  • 一部のアナリストからは「米国企業の作業効率はトランプ大統領の建設計画に追い付けない。先進的な建設経験を持つ企業のほとんどが日本、ドイツ、中国だ」などとして、これら3カ国の企業との協力を模索すべきとの声が出ている

(出所:トランプ大統領のインフラ投資計画、米専門家「日本や中国企業との協力必要」 – エキサイトニュース

前掲のASCEの投資必要額を全部足すと2020年までで3.6兆ドルもの規模になります。

トランプ氏がぶちあげた10年間で1兆ドルという当初構想よりもはるかに大きいので、インフラ事業は、10年以上を超えた長期の大きな政策課題になりそうです。

参考資料:インフラ劣化に全米土木学会が警鐘

2013年の米国土木学会(ASCE)のレポートではインフラ劣化の状況や必要な投資額等が具体的に試算されているので、抜粋を翻訳・紹介してみます(出所:ASCE | 2013 Report Card for America’s Infrastructure)。

※このレポートではインフラの状況を通信簿にたとえA、B、C、D等の評価を行っています。だいたいDなので、これは、トランプ政権の「インフラはぼろぼろ」という認識と合致しています。

ダム:評価D

84000のダムの平均年齢は建築から52年だ。

・・・

高い危険性を抱えたダムは増え続け、2012年には14000に達した。欠陥のあるダムは今や4000以上だ。

国家ダム安全協会の高官は、これらの致命的で高度な危険性を持つダムの老朽化補修には210億ドルの投資が必要だと見積もっている。

飲料水:評価D

21世紀に入り、我々の飲料水に関わるインフラの多くは、その耐用年数の終わりにさしかかっている。

アメリカの中で、一年あたり24万の給水本管の破裂が見込まれている。

それぞれのパイプが補修に要するコストを想定すると、その額は1兆ドル以上になると見積もられている。これは米国水道協会の試算だ。

・・・

アメリカの飲料水の品質は世界的に見て高い。しかし、給水本管とパイプにはつくられてから100年以上のものがしばしばある。それらには補修や交換が必要だ

危険廃棄物:評価D

国が危険廃棄物と汚染による工場跡地の清掃に成功したことは否定しがたい。

しかしながら、工場跡地の浄化のための年間の資金融通において、5億ドルもの不足が見積もられている。というのは、国家の優先事項リストの中には1280の工場跡地が残されているからだ。ほかにもまだ知られていない跡地があることも認識されている。

40万以上の工場跡地に関して、浄化と再建設が必要とされている。

堤防:評価D-

全米50州とワシントンD.Cで100000マイルもの堤防があると見られている。

・・・

公共の安全はこれらの建築物の老朽化リスクにさらされている。その補修と堤防再建の費用はざっとみて1000億ドルだ。これは堤防の安全に関する国家の委員会の試算だ。

しかしながら、その投資の見返りも明らかになっている。堤防は、2011年に1410億ドルもの洪水の被害を防いでいるからだ。

固形廃棄物:評価B-

2010年にアメリカは2億5000トンものゴミを生み出した。

8500万トンのゴミはリサイクルや肥料になった。

再利用率は34%。1980年は14.5%だったから二倍以上になった。

廃水:評価D

国家の廃水と雨水処理のシステムのためには、今後20年間で累計2980億ドルの設備投資が必要だ。

航空:評価D

・・・

連邦航空局は2012年に、空港の混雑と遅延による損失を220億ドルと見積もった。

もし連邦がこの水準を維持するのなら、連邦航空局の試算によれば、混雑と遅延の損失は2020年に340億ドル、2040年には630億ドルに達する。

橋:評価C+

・・・

累計で9分の1の橋は構造的な欠陥を抱えている。我が国の607380の橋は平均で築42年になる。

連邦高速道路局は、2028年までに未処理の(欠陥)橋を取り除く費用に我々は年あたり205億ドルの投資を要すると試算したが、実際には年あたり128億ドルしか使われていない。

道路局は連邦と州、地方政府のために橋への投資を年あたり80億ドル増やそうと挑戦した。全米では欠陥のある橋のために760億ドルの投資が必要だと認知させようとした。

しかしながら、いたるところに構造的に欠陥のある橋が下り坂に続いている。

内陸水路:評価D-

大部分、内陸水路のシステムは1950年代以来、更新されていない。その半分はつくられてから50年以上がたっている。

・・・

そのシステムでは、平均で1日あたり52のサービス障害が発生している。

鉄道:評価C+

2012年にアムトラックは、最も多い公共交通機関利用者数である3120万人を記録した。これは2000年の二倍だ。

・・・

2010年だけで、貨物鉄道は3100マイルの線路を更新する。その距離は太平洋沿岸から大西洋沿岸までの距離に匹敵する。

2009年以来、貨物と上客のための設備投資は750億ドルを上回った。実際に、投資は資源価格が下がり、鉄道が頻繁に走らなくなる不況の間も増え続けている。

道路:評価D

42%のアメリカの主要高速鉄道は渋滞している。時間の無駄と年間の燃料における経済的損失は1010億ドルと見積もられている。

近年、その状況は改善されたが、連邦と州は地方の公共投資を年間910億ドル増やした。しかし、その投資はまだ不十分で、長期的に見た成果と交通状況は悪くなっている。

現在、連邦の高速道路の当局は、条件を改善させ、成果を出すために1700億ドルの投資が必要だと見積もっている。

学校:評価D

アメリカの公立校の約半分はベビーブーマーの世代を教育するためにつくられた。その彼らは今や引退しつつある。

・・・

学校づくりのための国の予算は減少し、2012年には100億ドルになった。それは不況期以前の水準の半分だ。学校の機能に関してコミュニティは重大な懸念を抱えている。

専門家は近代化と施設維持のために我が国の学校には少なくとも2700億ドル以上の費用が必要だと見積もっている。

エネルギー:評価D+

アメリカは老朽化した電線とパイプラインのシステムに頼っている。そのなかには1880年代につくられたものも含まれている。

・・・

しかし、電気需要の水準は高いままだ。エネルギーの利用形態は電気、天然ガス、石油などだが、それらは2020年以降も人口増加のために巨額になるだろう。

Posted by 投資猫