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2018年の米国経済 指標は好調だが、バブル崩壊の恐怖は根強い

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米国経済の好景気は2018年以降、どうなるのか。

当ブログは米国政治や米国株をひんぱんに取り上げているので、今後の展開が気になります。

今回は代表的な経済指標を用いて、18年の米国経済の現状を見える化してみます。

(本稿のグラフの出所はみな、ウォールストリートジャーナル英語版「2018 Economic Calendar」。このページから取得可能なデータを用いています)

米国の実質GDPは上り調子

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米国の実質GDPは2008年から2018年までで、以下のように変動しています。

[Chart]

ざっくり見ると、サブプライムショックで奈落の底に沈み、2010年ぐらいから成長軌道に乗り、16年にやや低迷した後、トランプ政権発足頃から好景気に転じました。

大統領選の頃のトランプ氏は米国経済の悲惨さを力説しましたが、統計上のデータは良好です。

GDP統計は個々の細かい格差までは反映しないので、これを見ても貧困層の窮状は分かりません(トランプ氏の選挙期間中の発言は、平均値で隠されがちな底辺層の窮状に焦点を当てたものです)。

しかし、儲かっている層から貧困層までを平均した数字で見ると、上がり調子になっているわけです。

非農業部門雇用者数

最後に、雇用を見ると、失業率は一貫して右肩下がりになっています。

2017年初め頃にも、米国経済は完全雇用に近い数字だとまで言われていましたが、その後も失業率が下がり続けました。

総じて、マクロ経済政策のパフォーマンスは良好です。

[Chart]

失業率(民間部門)

ここまで見事に失業率が下がる例も珍しいのではないでしょうか。

[Chart]

これらの指標を見る限り、トランプ政権が発足してから、好景気が続いてきたと言えます。

※関連記事:米国雇用統計 非農業部門雇用者数と失業率

米国経済の見通しについて、WSJ日本語版に掲載されたバロンズの記事を紹介し、その上で、もう少し、米国経済を多面的に見てみます。

2018年の米国経済:悲観論VS楽観論

17年12月頃のバロンズ記事でも悲観論と楽観論の双方が掲載されていました。

まず、悲観論から見てみます。

悲観論:2018年にバブル崩壊

バロンズでは、 Randall W. Forsyth氏が「来年はバブルが何度か弾ける年に」(2017/12/12)と題した記事を公開しています(以下、要旨)。

  • ジョン・ケネス・ガルブレイス教授は以下のように述べた(1997年版の「大暴落1929」の前書き。その後、ドットコム・バブル崩壊)。
「株式、不動産、美術品、あるいはその他のものの価格が上昇する。その上昇が買い手の注意を引き、それがさらに価格を押し上げる効果を生む。従って値上がりへの期待は価格を上昇させる購入という行動によって正当化される。こうしたプロセスは継続し、この市場効果に対する楽観が今日の特徴である。価格はもっと上昇する」
  • WSJによればビットコインは12月上旬に40時間ほどで40%も上昇。こうしたバブルは必然的に暴落となり、「下落は上昇よりも常に急激」となる。
  • 現在の金融環境は「2004-2006年を彷彿とさせる」。「流動性低下の不安でさえ、米国株が過去最高値を更新し続けるのを阻止できずにきた」
  • FRBが利上げを行っても(2017年に計三回)、実体面での金融環境は緩和されている。
  • 「より安いドル、より小幅の信用スプレッド、より高い証券価格に象徴される緩和的な金融環境は2004-2006年を彷彿とさせる」(仏大手銀ソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジーチーム責任者:アルバート・エドワーズ氏)
  • 2000年代に0.25%ポイントずつの予想可能な落ち着いたペースの利上げは住宅ローンと住宅価格のバブルを膨張させ、悲惨な結果をもたらした。

このバブル崩壊論は現在のFRBはバブルを止められないことと、場合によっては急激な利上げに踏み込み、それがリスクを生む可能性があることを示唆しています。

インフレ圧力が、FRBが重視している個人消費支出(PCE)デフレーター(前年比1.6%上昇にとどまってきた)にも表れ始めたら、金融市場の予測に反して利上げのペースは加速する可能性がある。

楽観論:2018年も株高が続く?

Anatole Kaletsky氏(Gavekal Dragonomicsの共同会長兼チーフ・エコノミスト)は「世界的に株価が失速しない4つの理由」という記事を公開しています(2017/12/5)。

これは、世界経済全体が株価上昇基調にあり、米国も株高が続くという見方です(以下、要旨)

【最大の理由:世界経済が絶好調】

  • 米国、欧州、中国は現在、堅調な経済成長。
  • 景気拡大はインフレと金利の上昇をもたらすが、欧州失業率は高水準、中国の生産能力は過剰、技術進歩と世界的な競争によるデフレ圧力のため、景気過熱のリスクが現実化するのは数年後になる。
  • 中央銀行は時期尚早の引き締めに走ることを避けるため、米国の短期金利が金融危機前のインフレ率の平均値プラス約2%の水準に上昇する可能性は低い。2010年代は超低金利が続く可能性が高く、インフレ率を4~5%上回るリターンを示唆する現在の株式市場は依然として魅力的であり続ける。

【第2の理由:金融政策も効果を発揮】

  • 投資家の間には持続性のない金融政策が生んだ景気回復は失敗に終わるという見方がある。
  • しかし、ゼロ金利や量的緩和は金融政策への懐疑論者が予想したような「禁断症状」を引き起こさず、米国経済は成長し、雇用を生んだ。

【第3の理由:各国間の金融政策のバランスもよい】

FRBの実験的措置により、米国は他国の行動に先鞭をつけた。しかし、日本が金融緩和に踏み込んだのは2013年(FRBの5年後)。欧州は2015年(同7年後)。「その結果、過去の世界的な景気拡大時に比べ、景気循環と金融政策の同期性が低下した」。これにより、FRBが金利を引き上げるが、欧州と日本は2ゼロ近くに抑えようとするため、「米国の引き締め策が世界の資産市場に与えるマイナス効果は緩和される」。

【第4の理由:欧州、日本なども好景気】

  • 7年間増加を続けた米企業の利益が頭打ちとなっても、米国以外では利益が増え始めたばかりであり、新たな投資機会を生み出す。
  • 米国の景気が悪化しても、欧州、日本、多数の新興市場の好景気が続く。

18年に入ると、2月~3月に市況の乱高下が続き、その後、米中経済戦争の勃発が本格化する可能性が高まり、バブル崩壊論が力を増してきました。

追記:グリーンスパンは債券市場のバブルを特に問題視

そのほかにもバブル崩壊論を紹介しますと、2月の株価急落前に、グリーンスパン氏(元FRB総裁)が株式と債券の「2つのバブルが存在」と指摘していました(2018/1/31)

ーーー

まず、グリーンスパン氏は「株式市場と債券市場という二つのバブルがあると思う」と述べ、債券市場のバブルを特に問題視したのです。

I think there are two bubbles we have a stock market bubble, however bond market bubble

「短期的にはそれほど悪くないが、最終的には、債券市場のバブルは最終的に重要な問題になる

At the end of the day, the bond market bubble will eventually be the critical issue, but for the short term it’s not too bad

「我々は、明らかに長期金利の大幅な上昇に向けて動いているが、皆さんが知っているように、それは経済全体の構造に非常に重要な影響を与えるものだ」

But we’re working, obviously, toward a major increase in long-term interest rates, and that has a very important impact, as you know, on the whole structure of the economy.

「バブルの背景には何があるのか」と問われると、グリーンスパン氏は「本質的に、これまで以上に大きな財政赤字を抱え始めているということだ」と返答し、 財政赤字が1兆ドルにまで拡大したことを問題視しました。

Well the fact, that, essentially, we’re beginning to run an ever-larger government deficit.

But we're talking now about deficits going to a trillion dollars.

我々は「債務が非常に大きく上昇している」ことに「十分に注意を払っていない」からです。

Debt has been rising very significantly.

we’re just not paying enough attention to that.

ーーー

グリーンスパン氏は第二次世界大戦期を引き合いに出しながら、GDP比で見た連邦債務の肥大化に注意を喚起しました。

そして、1兆5000億ドルの減税法案に署名し、今後もGDP比で財政赤字が拡大し続けることが見込まれているのに、トランプ大統領が30日の一般教書演説で政府の財源の手当てについて具体策を示さなかったことに驚きの意を表明していました。

ベテランとして現政権を心配しているわけです。

こうした両論を踏まえた上で、米国の経済指標を見てみます。

米国の個人消費支出

まず、米国の個人消費支出(Real Personal Consumption Expenditures)の伸び率の推移を見てみます。

米国商務省は、米国の個人所得と個人消費についての調査を行い、毎月発表しています。

毎月、両者の対前月比が注目されており、所得の構成項目(賃金給与/賃貸収入/利子配当等)や可処分所得、貯蓄率なども発表されています。

個人所得では、賃金給与と賃貸収入と利子配当等の累計から社会保険料を控除しますが、個人消費支出は、「耐久財」(自動車や家電等)と「非耐久財」(食品や衣料等)、「サービス支出」(旅行や外食、教育支出等)の三つから構成されています

個人消費支出は、PCE(Personal Consumption Expenditures)とも略され、米国GDPに占める割合は6割以上を占めています。

これは景気に大きな影響を及ぼし、個人所得の拡大期は雇用市場も良好であることが多いので、重要な指標です。

前掲図表ではGDPが伸びていましたが、前年度比で見ると、個人消費は意外にも横ばいで推移しています。

【個人消費】

[Chart]

前月比を見ると、消費の数値はかなり変動しています。

可処分所得を見ても、意外と伸びていません。

[Chart]

※18年の個人所得・支出は5/31、6/29、7/31、8/30、9/28、10/29、11/29、12/21に発表(米国時間:月末)。

これだけでは見誤りそうなので、消費者信頼感指数を見てみます。

この指数は上下しやすいので、1回の調査で高い数値が出ても、景気が改善されているとは限りません。

そのため、3か月程度の平均的な推移をみることが大事です。

消費者信頼感指数が上がる時は、まず、生活必需品を扱う企業の株価が上がり、その後、ぜいたく品を扱う企業の株価が上がります。

景気が後退する際は、ぜいたく品を売る企業の株価が先に下がり、その後、生活必需品関連の企業の株価が下がるのです。

コンファレンスボード消費者信頼感指数

米国の消費者マインドを図る指数としては「コンファレンスボード消費者信頼感指数」(Consumer Confidence)が有名です。これは民間調査機関のコンファレンスボードが行った消費者5000人へのアンケートを指数化した指標です(月末発表)。

5/29発表のデータは、予想値の128.6を下回り、128でした(前回は128.7)。

[Chart]

※コンファレンスボードには、自動車や大型家電等の高額商品の購入予定の情報、物価上昇予想に関するデータ、消贅者心理の年齢・収入別分析といった広範な情報が含まれていますが、資源価格の上下、生鮮食品の価格変動、テロ等の事件などの影響も受けるので、短期的な変化要因がノイズとなることがあります。

ミシガン大消費者信頼感指数

ミシガン大学が500世帯へのアンケートで調べる消費者信頼感指数(University of Michigan Consumer Sentiment)も高めに推移しています。

[Chart]

ミシガン大のデータには速報性があり、 全体的な状況を把握できるという利点があります。

小売売上高

消費者の懐の温度を探った後に、商品・サービスの売上を見てみます。

まずは、小売の売上高(Retail Sales)からです。

これは百貨店等の小売、サービス業から約5000社の月間売上高を集計した指標です。

全米売上高の6割以上を小売売上高が占めているため、重要な指標です。

商務省による小売売上高の月次の速報値はインフレ影響の調整がされていませんが、実質米ドルベースのデータは追って発表されます。

米国の場合、景気後退まではなかなか支出を抑えたがらず、景気回復時には、消費支出は回復前に上向き始めることが多いので、消費支出は景気回復の先行指標とされています。

[Chart]

百貨店等、小売店で買い物をするのは中流層の消費者が中心で、前年比で見ていくと、やや高めに推移しています。

※2018年の小売売上高は今後、6/14、7/16、8/15、9/14、10/15、11/15、12/14に発表されます(米国時間:15日前後)

耐久財

耐久財の売上推移を見ると、前年度比で伸びていることが分かります。

[Chart]

景気の先行きを知るための指標としては、 企業や家庭の大型商品の購入額である耐久財受注額が重要です。

個人にとっての耐久財は冷蔵庫や洗濯機等の大型家電や自動車であり、一度購入したら長く使う製品のことです。

企業にとっての耐久財は資本設備であり、そこには製造機械などが含まれます。

耐久財が売れる時は、個人に余裕があり、企業に設備強化のリスクを取る余力があることを意味しているので、耐久財受注は景気回復の先行指標となります。

ただ、耐久財受注データには、軍艦や戦闘機などの防衛装備品(売れ行きは景気ではなく防衛予算次第)や、受注に一貫性のない航空機が含まれるので、景気予測の際には、高額なこの二種を除いたデータが用いられます

耐久財受注額は変動が大きいので、前月比だけでなく、3か月や5か月といった長期間での平均値での比較が行われています。

※2018年の耐久財受注は今後、5/25、6/27、7/26、8/24、9/27、10/25、11/21、12/21に発表されます(米国時間:20日近辺)

米国内自動車販売高

高額商品の自動車や不動産の売上を見ても、上昇傾向が出ています。

米国の自動車販売高(Domestic Motor Vehicle Sales)は好調です。

米国でも自動車産業は経済を支える柱であり、部品製造などの関連需要が大きいため、製造業においては大きな影響力を持ちます。

例を挙げてみます。

  • ボディ:鋼板、 塗料
  • 窓:ガラス
  • 電気配線:銅
  • タイヤ:ゴム
  • 内装:布や革

フォードやGM等の自動車の売れ行きがよい時には周辺産業も仕事が増えます。

自動車は高額商品なので、買う時にローンを組みますが、雇用が安定しないとローンは組めません。

そのため、自動車が堅調なのは、雇用が安定している時です。

雇用不安がある時は、労働者は車を買い控えるので、自動車販売台数は、 景気後退を知るための先行指標にもなっています。

しかし、労働者は景気回復が確認できなければ、自動車購入を決断できないので、景気回復時には遅行指標となります。

自動車販売台数を見る際には、新車販売台数が特に重要です。新車が売れれば、部品や原料の会社にまで利益が及ぶからです(中古車には、それがない)。

景気が悪化しているかどうかを見る上では、自動車販売台数が持続的に減っているかどうかが大事です。

(ただ、景気後退時には金利が下がり、労働者がローンを組みやすくなり、一時的に自動車の販売台数が増えることもあるので、販売台数上昇=景気回復とは限らないことに注意が必要)

この指標は、米国運輸省運輸統計局のウェプサイトで毎月の最初の営業日に前月分データが発表されます

中古住宅販売件数

中古住宅販売件数(Existing Home Sales)も堅調に推移しています。

[Chart]

住宅を購入した場合、一緒に家具や家電などが買われるので、住宅販売は経済の多分野に波及します。

住宅は自動車と並んで、家計に大きなインパクトを与えており、全米不動産業者協会(NAR)が発表する中古住宅販売件数が注目されています。

米国の住宅市場は新築件数より中古住宅の販売件数は新築よりも多くの割合を占めているからです

住宅には価格の変動に伴う「資産効果」があります。住宅価格が上がれば消費者が多くのものを買うようになり、景況感が高まります。また、住宅価格が下がると、人々はものを買わなくなり、景況感が下がります。

その典型は2000年代の好景気とサブプライムショックでした。

歴史的には住宅販売が回復する際には、景気がよくなり、不況期には住宅ローンの利率を下げる効果を期待して、FRBは利下げを行ってきました。

(ただ、2008年以降は、必ずしも、住宅販売の回復⇒景気回復というストーリーの通りにはなってはいませんでしたが・・・)

中古住宅販売件数が回復しているかどうかを見る時には、 売出し中の在庫件数に注目し、今のペースで売れ続けた時に、 売出し中の住宅が何力月で全部、売り切れるかを見ます。

この数字が「住宅在庫供給月数」といわれ、供給月数が短い場合は住宅市場は上向き、 景気は良好、供給月数が長い場合には、住宅市場は下降し、 景気が悪化しつつあると判断するわけです。

中古住宅市場等の指標が好調である時には、景気との連動性が高い銘柄が好まれ、逆の場合は国債などの安全資産が嗜好されます。

※2018年の中古住宅販売件数は、今後、5/24、6/20、7/23、8/22、9/20、10/19、11/21、12/19に発表されます(米国時間:20日前後)

ケース・シラー米住宅価格指数

米国全土の住宅価格動向を測る重要指数です。

ファイサーブ社が算出しS&P社が発表しており、全米主要10都市の一戸建て住宅価格の再販価格の変化などが計られています。

10大都市圏指数では、ボストン、シカゴ、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントンの10大都市の住宅価格および先物価格を調査。

20大都市圏指数では、10大都市圏にアトランタ、シャーロット、クリーブランド、ダラス、デトロイト、ミネアポリス、フェニックス、ポートランド、シアトル、タンパを加えた調査で、こちらの全米住宅価格指数は四半期公表なので、こちらの指数も重視されています。

なお、5月29日に判明した「20都市の調整指数」は予想値(0.7%)を下回り、0.5%となっています(前回は0.8%)。

[Chart]

新築住宅販売件数

新築住宅販売件数(New Home Sales)もよい数字です。

[Chart]

そして、米国の製造業や失業率なども、非常によい数字となっています。

ISM製造業景況指数

米供給管理協会(ISM)が約350の製造業の仕入れ担当役員にアンケートを実施して発表する「ISM製造業景況指数」(ISM Manufacturing Index)は50を超え、5月1日に57.3を刻んでいます(※50超で好景気とされる)。

[Chart]

ISM製造業景況指数は全米の製造業の購買担当役員にアンケート調査を行い、そこから製造業の景況感を指数化した指標です。

購買担当役員は製品の原材料を仕入れ、彼らは常に今後、どれだけの原材料が必要かを考えています。

その担当者の景況感をアンケートを通して測り、業界の状況を知るための情報を集めるわけです。

米国供給管理協会(ISM)は主要製造業約400社を対象に新規受注・生産・扉用・入荷遅延の比率・在庫・仕入価格・受注残・輸入・輸出について購買担当役員に調査を行っています。

特に新規受注・生産・扉用・入荷遅延比率・在庫の5つはPMI(Purchasing Managers Index)と呼ばれています

PMIが50を超えていれば、製造業は順調に伸びており、50を下回れば製造業の業績は悪化しています。

新規受注指数の伸びは今後の経済活動の明暗を示し(50以上かどうか)、雇用指数の伸びは製造業の労働市場の明暗を示しています。

PMIと新規受注指数、雇用指数の3つが同時に上がっているかどうかをチェックすることが大事です。

※2018年のISM製造業景況指数は4/2、5/1、6/1、7/2、8/1、9/4、10/1、11/1、12/3に発表されます(米国時間:月初)。

ISM非製造業景況指数

民間経済の7割を占めるサービス業の景況感を図る指標です。

ISM非製造業景況指数は全米のサービス業の購買担当役員にアンケート調査を行い、そこから非製造業の景況感を指数化した指標です。

その担当者の景況感をアンケートを通して測り、業界の状況を知るための情報を集めるわけです。

総合的な景況指数が企業活動指数として表され、それが50を超えていれば、サービス業は拡大局面にあり、50を下回れば後退局面にあります。

[Chart]

注意点は、製造業とは違い、サービス業の購買担当役員はそれほど重要なポシションではない、ということです。

※2018年のISM非製造業景況指数は、今後、6/5、7/5、8/3、9/6、10/3、11/5、12/5に発表されます(米国時間)。

鉱工業生産指数

鉱工業生産指数(Index of Industrial Production)もU字型に回復して、右肩上がりになっています。

16年は低迷していましたが、17年以降は上昇基調に入りました。

[Chart]

工業の動向を知るための2大指標として、鉱工業生産指数と設備稼働率が注目されています。

鉱工業生産指数は米国の鉱業と製造業(公益事業含む )における月々の生産量を測る指標です。

鉱工業生産物には携帯電話、テレビ、金塊や鋼等、様々な生産物が含まれ、景気動向と一致して動く指数と見なされています。

一方、設備稼働率は、最大生産能力(全企業が全工場をフル稼働させた場合の生産量)に対する実際の生産量の比率を示しています。

設備稼働率は最大100%で、高くなればなるほど、企業が機械などを無駄に寝かせず、有効活用していることを意味しているので、これが高ければ製造業は好調です。

設備稼働率が高ければ、企業が設備投資をしたり、新たに人を雇ったりする可能性が上がるので、景気の先行きを計る指標にもなっています。

設備稼働率が一定の高さになると、今度はコストが膨らむので、製造のための原料価格が上がり、メーカーの利益が減りますが、原料を提供する側の企業(素材やエネルギーセクター等)が儲かるようになります。

※2018年の工業生産指数と設備稼働率は、今後、6/15、7/17、8/15、9/14、10/16、11/16、12/14に発表されます(米国時間)。

設備稼働率

設備稼働率も78程度なので、相当な高水準です。

[Chart]

製造業の指標はわりと良好な数字です。

あくまでもざっくりとしたグラフでの観測ですが、上記10の指標で見ると、米国経済は順調に見えます。

しかし、2018年の米国株市場は乱高下が続いています。

上がりと下がりのメーターがどちらに振り切れるかを注視したいものです。

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