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世界の実質GDPランキング(2015~2017年の推移)

更新日:

世界銀行のデータをもとに2017年までの実質GDPのランキングを作成してみました。

GDP成長率は2014~2017年、GDPの総額は2015~2017年を収録しています。

やはり、経済を見る上で大事なのは名目値よりも実質値です。

始めにGDP上位60位までの国々の成長率を概算で見て、その後、総額1億ドル以上の国々のランキングを見てみます。

★GDPとは
GDP(Gross Domestic Product)は「国内総生産」のこと。一国で一定期間に生み出された付加価値の総額。ざっと言えば、粗利(売上-原材料費)に相当するものが付加価値であり、モノやサービスの価格から中間生産物を差し引くことで付加価値は計算される。3000万円分のアンコモチを例に考えると、お米(原材料費)が1000万円、モチへの加工費が1000万円、アンコをつめる作業が1000万円等と、各工程ごとに付加価値が生まれ、総額の3000万円がGDPにカウントされる。全てのモノとサービスで生まれた付加価値を累計したものが国のGDPとなる。

※そもそもGDPについて確認したい方はランキングの後に書かれた説明を参照(見出しからクリックで飛べます)

実質GDP成長率ランキング(各国別)

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(※順=順位、14=2014年。15以降もみな同じ)

14 15 16 17
1 米国 2.6 2.9 1.5 2.3
2 中国 7.3 6.9 6.7 6.9
3 日本 0.4 1.4 0.9 1.7
4 ドイツ 1.9 1.7 1.9 2.2
5 フランス 0.9 1.1 1.2 1.8
6 英国 3.1 2.3 1.9 1.8
7 インド 7.4 8.2 7.1 6.6
8 ブラジル 0.5 -3.5 -3.5 1
9 イタリア 0.1 1 0.9 1.5
10 カナダ 2.9 1 1.4 3
11 ロシア 0.7 -2.8 -0.2 1.5
12 スペイン 1.4 3.4 3.3 3.1
13 豪州 2.6 2.4 2.8 2
14 韓国 3.3 2.8 2.9 3.1
15 メキシコ 2.8 3.3 2.9 2
16 トルコ 5.2 6.1 3.2 7.4
17 インドネシア 5 4.9 5 5.1
18 オランダ 1.4 2.3 2.2 3.2
19 サウジアラビア 3.7 4.1 1.7 -0.7
20 スイス 2.4 1.2 1.4 1.1
21 ポーランド 3.3 3.8 2.9 4.6
22 スウェーデン 2.6 4.5 3.2 2.3
23 イラン 4.6 -1.3 13.4 4.3
24 ベルギー 1.3 1.4 1.4 1.7
25 ノルウェー 2 2 1.1 1.9
26 ナイジェリア 6.3 2.7 -1.6 0.8
27 アルゼンチン -2.5 2.7 -1.8 2.9
28 オーストリア 0.8 1.1 1.5 3
29 南アフリカ 1.8 1.3 0.6 1.3
30 タイ 1 3 3.3 3.9
31 アラブ首長国連邦 4.4 5.1 3 0.8
32 コロンビア 4.4 3.1 2 1.8
33 マレーシア 6 5 4.2 5.9
34 アイルランド 8.3 25.6 5.1 7.8
35 デンマーク 1.6 1.6 2 2.2
36 シンガポール 3.9 2.2 2.4 3.6
37 フィリピン 6.1 6.1 6.9 6.7
38 イスラエル 3.4 3 4.1 3.3
39 香港 2.8 2.4 2.2 3.8
40 チリ 1.8 2.3 1.3 1.5
41 エジプト 2.9 4.4 4.3 4.2
42 フィンランド -0.6 0.1 2.1 2.6
43 ギリシャ 0.7 -0.3 -0.2 1.4
44 チェコ 2.7 5.3 2.6 4.3
45 パキスタン 4.7 4.7 5.5 5.7
46 ポルトガル 0.9 1.8 1.6 2.7
47 ルーマニア 3.1 4 4.8 6.9
48 イラク 0.7 4.8 11 -0.8
49 アルジェリア 3.8 3.8 3.3 1.7
50 ペルー 2.4 3.3 4 2.5
51 カザフスタン 4.2 1.2 1.1 4
52 ニュージーランド 3.5 4.4 3.5 3
53 バングラデシュ 6.1 6.6 7.1 7.3
54 ベトナム 6 6.7 6.2 6.8
55 カタール 4 3.6 2.2 1.6
56 ハンガリー 4.2 3.4 2.2 4
57 クウェート 0.5 0.6 3.5 -2.9
58 ウクライナ -6.6 -9.8 2.3 2.5
59 モロッコ 2.7 4.5 1.2 4.1
60 スロバキア 2.8 3.9 3.3 3.4

世界実質GDPランキング(地域/国別)

次に、世界の国・地域の実質GDP総額をランキングを見てみます。

出典は世界銀行データベースです(2018/8/8閲覧)。

世界銀行のサイトから2010年比で見たドル換算の実質GDPのデータを取り込んでいます。

日本の実質GDPが5.9兆ドル(2015年)や6兆ドル(2016年)になっているので、筆者は「そんなバカな」と思ったのですが、これはあくまでも2010年でのドル円の為替で換算した場合の数字です。

2010年のドル円の為替の平均値は1ドル=86.81円です。

(※三菱リサーチ&コンサルティングの試算。ドルを円に換算する際に用いるTTBで計算)

この数字を2015年と16年の実質GDPの数値にかけると、現在、日本政府が国民経済計算で出した数字とほぼ一致します。

  • 5兆9861億ドル×86.81円=519兆6568億円(政府試算は518兆3372億円)
  • 6兆479億ドル×86.81円=525兆177億円(政府試算は524兆3972億円)

世界銀行のデータは2010年のドルを基準にした数字なので、現在の為替で換算すると見当違いになってしまいます。

一応、これを念頭においた上で実質GDPのランキングを見ていきましょう。

以下、単位は全て2010年基準で見た「ドル」。「17(%)」は2017年の実質経済成長率です。

地域別に見た実質GDPランキング

※17(%)=2017年実質成長率。数値の単位は「億ドル」なので「10000=1兆ドル」。なお、「ラ米=ラテンアメリカ」。

2015 2016 2017 17(%)
世界 757336 776313 800778 3.15
OECD諸国 487624 496076 507872 2.38
欧州+中央アジア 225088 229191 235139 2.59
東アジア+太平洋 210820 219475 229466 4.55
北米 184806 187538 191943 2.35
EU 179553 183067 187525 2.44
ユーロ圏 131359 133724 136889 2.37
ラ米+カリブ海諸国 59529 59246 60268 1.73
中東・北アフリカ 32274 33772 34391 1.83
南アジア 27976 29888 31824 6.48
アラブ世界 25449 26214 26526 1.19
サハラ以南アフリカ 16817 17040 17485 2.61
中欧+バルト諸国 14771 15224 15921 4.58

次に、国別に見た実質GDPのランキングを見てみます。

世界実質GDPランキング:1位~194位

ここにはややマニアックな国も入っていますが、基本的には1億ドル以上の実質GDPがある国をカウントしました。

※17(%)=2017年実質成長率。数値の単位は「億ドル」なので「10000=1兆ドル」。

2015 2016 2017 17(%)
1 米国 166727 169203 173050 2.3
2 中国 89083 95052 101610 6.9
3 日本 59964 60527 61563 1.7
4 ドイツ 37096 37817 38658 2.2
5 フランス 27731 28060 28571 1.8
6 英国 27053 27576 28069 1.8
7 インド 23024 24662 26295 6.6
8 ブラジル 23380 22569 22789 1
9 イタリア 20629 20806 21119 1.5
10 カナダ 18025 18280 18837 3
11 ロシア 16582 16544 16800 1.5
12 スペイン 14181 14645 15092 3.1
13 豪州 13122 13493 13757 2
14 韓国 12688 13059 13459 3.1
15 メキシコ 12234 12590 12847 2
16 トルコ 10879 11225 12058 7.4
17 インドネシア 9881 10379 10905 5.1
18 オランダ 8709 8901 9183 3.2
19 サウジアラビア 6787 6901 6850 -0.7
20 スイス 6334 6421 6491 1.1
21 ポーランド 5562 5721 5982 4.6
22 スウェーデン 5428 5604 5732 2.3
23 イラン 4767 5406 5638 4.3
24 ベルギー 5079 5151 5240 1.7
25 ノルウェー 4677 4728 4818 1.9
26 ナイジェリア 4643 4568 4605 0.8
27 アルゼンチン 4558 4475 4603 2.9
28 オーストリア 4140 4200 4328 3
29 南アフリカ 4188 4212 4268 1.3
30 タイ 3941 4070 4229 3.9
31 アラブ首長国連邦 3731 3842 3873 0.8
32 コロンビア 3591 3665 3729 1.8
33 マレーシア 3301 3441 3644 5.9
34 アイルランド 3161 3324 3583 7.8
35 デンマーク 3408 3475 3553 2.2
36 シンガポール 2922 2992 3100 3.6
37 フィリピン 2661 2843 3034 6.7
38 イスラエル 2765 2878 2974 3.3
39 香港 2644 2701 2803 3.8
40 チリ 2646 2679 2719 1.5
41 エジプト 2500 2608 2717 4.2
42 フィンランド 2474 2527 2593 2.6
43 ギリシャ 2451 2445 2478 1.4
44 チェコ 2255 2313 2413 4.3
45 パキスタン 2159 2279 2409 5.7
46 ポルトガル 2281 2317 2380 2.7
47 ルーマニア 1910 2002 2141 6.9
48 イラク 1927 2139 2123 -0.8
49 アルジェリア 1898 1960 1994 1.7
50 ペルー 1863 1937 1985 2.5
51 カザフスタン 1863 1883 1958 4
52 ニュージーランド 1702 1761 1815 3
53 バングラデシュ 1566 1678 1800 7.3
54 ベトナム 1545 1641 1753 6.8
55 カタール 1670 1707 1734 1.6
56 ハンガリー 1440 1472 1531 4
57 クウェート 1380 1429 1388 -2.9
58 ウクライナ 1212 1240 1271 2.5
59 モロッコ 1134 1148 1195 4.1
60 スロバキア 1013 1047 1082 3.4
61 アンゴラ 1039 1030 1038 0.7
62 エクアドル 864 851 876 3
63 スリランカ 765 799 824 3.1
64 スーダン 727 761 794 4.3
65 ミャンマー 703 745 792 6.4
66 ドミニカ 691 737 770 4.6
67 オマーン 712 751 748 -0.3
68 ウズベキスタン 579 625 658 5.3
69 ルクセンブルク 613 632 647 2.3
70 クロアチア 592 611 628 2.8
71 ベラルーシ 607 592 606 2.4
72 ブルガリア 546 568 588 3.6
73 ケニア 523 554 581 4.9
74 エチオピア 487 523 577 10.2
75 アゼルバイジャン 590 572 573 0.1
76 スロベニア 490 505 530 5
77 グアテマラ 499 514 528 2.8
78 ガーナ 465 482 523 8.5
79 タンザニア 437 468 501 7.1
80 ウルグアイ 476 484 496 2.7
81 チュニジア 481 487 496 2
82 コスタリカ 447 466 480 3.2
83 リトアニア 447 457 475 3.8
84 パナマ 427 448 472 5.4
85 リビア 379 368 466 26.7
86 レバノン 421 429 438 2
87 トルクメニスタン 373 396 421 6.5
88 セルビア 402 413 421 1.9
89 コートジボワール 340 368 397 7.8
90 カメルーン 336 351 362 3.2
91 マカオ 322 319 348 9.1
92 コンゴ 313 321 333 3.7
93 バーレーン 308 318 330 3.9
94 ヨルダン 302 308 314 2
95 ラトビア 282 289 302 4.5
96 ウガンダ 263 275 286 4
97 ザンビア 261 270 281 4.1
98 ボリビア 257 268 279 4.2
99 パラグアイ 254 264 266 0.8
100 キプロス 235 243 253 3.9
101 エストニア 233 238 250 4.9
102 エルサルバドル 210 216 221 2.3
103 アフガニスタン 209 214 220 2.6
104 ネパール 198 199 213 7.5
105 トリニダードトバゴ 229 215 210 -2.3
106 ホンジュラス 188 195 205 4.8
107 パプアニューギニア 190 194 198 2.2
108 ボスニアヘルツェゴビナ 184 189 195 3
109 ガボン 185 189 191 1.1
110 カンボジア 159 170 182 6.8
111 セネガル 158 168 180 6.8
112 ボツワナ 161 168 172 2.4
113 アイスランド 153 164 170 3.6
114 ジョージア 148 152 159 5
115 モザンビーク 143 148 154 3.7
116 ジンバブエ 147 148 153 3.4
117 ナミビア 148 150 148 -0.8
118 赤道ギニア 165 150 146 -3.2
119 マリ 127 134 141 5.3
120 アルバニア 130 135 140 3.8
121 ジャマイカ 136 138 139 0.5
122 コンゴ 146 142 136 -4.6
123 ブルネイ 136 133 135 1.3
124 ブルキナファソ 117 124 132 6.7
125 モーリシャス 120 124 129 3.8
126 マルタ 113 119 126 6.4
127 ニカラグア 114 120 125 4.9
128 モンゴル 117 118 125 5.9
129 アルメニア 115 115 124 7.5
130 チャド 135 126 123 -3
131 イエメン 182 119 ? ..
132 ラオス 104 111 119 6.9
133 マケドニア 106 109 109 0
134 ギニア 88 97 109 12.7
135 マダガスカル 99 104 108 4.2
136 バハマ 105 103 105 1.4
137 プエルトリコ 955 930 ? ..
138 ベニン 88 91 96 5.6
139 ルワンダ 83 88 93 6.1
140 マラウイ 85 87 91 4
141 タジキスタン 79 85 91 7.1
142 ニジェール 77 81 85 4.9
143 ハイチ 78 79 80 1.2
144 キューバ 739 ? ? ..
145 モルドバ 70 74 77 4.5
146 マン島 70 ? ? ..
147 コソボ 69 71 74 4.5
148 キルギス 61 63 66 4.6
149 モーリタニア 55 56 58 3.5
150 スワジランド 52 52 54 2
151 グアム 52 52 ? ..
152 モンテネグロ 45 47 49 4.3
153 バルバドス 45 46 47 1.7
154 スリナム 48 45 45 0.1
155 ベネズエラ ? ? ? ..
156 トーゴ 40 43 45 5.6
157 フィジー 38 38 39 3.8
158 東ティモール 37 38 35 -8
159 モルディブ 34 36 39 8.8
160 バージン諸島(US) 32 ? ? ..
161 シエラレオネ 32 34 35 4.2
162 アンドラ 33 33 34 1.9
163 レソト 29 30 31 5.6
164 ガイアナ 28 29 30 2.9
165 グリーンランド 26 28 ? ..
166 ブルンジ 23 23 23 0.5
167 ブータン 21 22 24 6.8
168 カボベルデ 18 19 19 3.9
169 サンマリノ 17 17 18 1.2
170 リベリア 17 16 17 2.5
171 ベリーズ 16 16 16 0.9
172 中央アフリカ 14 15 16 4.3
173 セントルシア 15 15 15 2.7
174 アンティグアバーブーダ 13 13 14 3.3
175 セイシェル 12 13 13 4.2
176 ガンビア 11 11 11 3.5
177 ギニアビサウ 10 11 11 5.9
178 北マリアナ諸島 8 11 ? ..
179 グレナダ 9 9 10 3.7
180 ソロモン諸島 9 9 9 3.2
181 セントクリストファー・ネイビス 8 9 9 1.7
182 バヌアツ 7 8 8 4.5
183 サモア 7 7 8 2.5
184 セントビンセント・グレナディーン 7 7 7 1.6
185 コモロ 6 6 6 2.5
186 アメリカンサモア 5 5 ? ..
187 ドミニカ 5 5 5 -4.2
188 トンガ 4 4 4 2.7
189 ミクロネシア 3 3 3 2
190 サントメプリンシペ 2 3 3 3.9
191 パラオ 2 2 2 -3.7
192 キリバス 2 2 2 3.1
193 マーシャル諸島 2 2 2 2.5
194 ナウル 1 1 1 4.2

そもそもGDPとは

一応、最後に「GDPって何だっけ」という素朴な疑問について整理しておきます。

GDP=付加価値の累計

GDP(Gross Domestic Product)は「国内総生産」のことで、一国で一定期間につくりだされた付加価値の総額を指します。
ざっと言えば、これは粗利(売上-原材料費)に相当します。

粗利を経済学的に言い直すと、付加価値というもっともらしい言葉になるわけです。

モノやサービスの価格から中間生産物を差し引くと、付加価値は計算できます。農家がつくったお米がモチになり、モチにアンコが入るまでの過程を考えてみましょう。この三つの段階では、以下のように付加価値が生まれてきます。

  • 農家(お米)の総生産1000万:付加価値1000万
  • 加工業者①(モチ)の総生産2000万:中間生産物1000万/付加価値1000万
  • 加工業者②(アンコモチ)の総生産3000万:中間生産物2000万/付加価値1000万

前段階での総生産額は、次の段階の業者が原材料費として購入する金額と同じです。そのため、二段階目以降では、総生産額-中間生産物(原材料費)で付け足した価値(コメをモチにする/モチにアンコをつめる)を計ります。
この場合、この三品目の総生産額は6000万円です。総生産額から中間生産物の合計を引くと、付加価値は3000万円。この金額は、最終生産物であるアンコモチの額(3000万円)と一緒です。

こんなふうに出てきた全国のモノとサービスの付加価値を足し合わせて計算すると、日本全体の付加価値が分かります。
その合計を四半期(1-3月/4-6月/7-9月/10-12月)で見たり、一年全体で見たりすると、GDPがカウントしたりするわけです。
今の日本では、だいたい、一年間のGDPは500兆円ほどです。現実の経済では、サービスを含むたくさんの商品があるので、付加価値の計算は大変、複雑になっていますが、日本では総務省統計局が、これを四半期ごとに集計しています。

GDPの実質値と名目値の違い

これを身近な比喩で説明しますと、同じ体重70キログラムでも、おなかがタプタプで70キロなのと、鍛えまくったボクサーで70キロなのとでは、ぜんぜん意味合いが違います。実質GDPと名目GDPの違いというのは、このようなものです。

GDPの名目値と実質値の違いは、物価の変動をカウントするかどうかが分かれ目です。名目値でGDPが成長していても、同じ比率で物価が上がっているのなら実質値のGDP成長はゼロです。

例えば、2050年にX国のGDPが1000兆円で、これが2051年に1050兆円に増えれば、一年間の名目GDP成長率は5%です。この時、X国の物価が2050年から2051年にかけて5%伸びていたら、GDPの総額が増えていても、物価変動分を引いて、実質GDP成長率は0%になります。

【例1】

  • Yさんの給料は300万円から315万円になりました。
  • しかし、店にある商品はみんな5%値上がりしています(例えば、ラーメン+チャーハン+スープで1000円だった中華定食は1050円になっていたりします)。

こうなったら、経済成長しているとはいいにくいですよね。単に数字が増えただけで、中身は何も変わっていませんから。これはおなかのお肉が増えただけの”成長”に近いので、うれしくありません。実質的な成長というのは、次のようなケースです。

【例2】

  • Yさんの給料は300万円から315万円になりました。
  • 店にある商品はみんな2%値上がりしています(例えば、ラーメン+チャーハン+スープで1000円だった中華定食は1020円になっていたりします)

この場合、給料は5%増えて、物価は2%上がっているわけですから、Yさんは3%豊かになっています。実のある経済成長です。これは筋肉がついて体重が増えたようなものでしょう。この二つの成長を国レベルで見たら、どうなるのでしょうか。

【例A】

名目GDP 1000兆円(2050年)→1050兆円(2051年) 5%成長
実質GDP 1000兆円(2050年)→1000兆円(2051年) 0%成長

【例B】
名目GDP 1000兆円(2050年)→1050兆円(2051年) 5%成長
実質GDP 1000兆円(2050年)→1030兆円(2051年) 3%成長

例1のケースで「0%成長、実質GDP変動なし」になるのは、物価5%上昇によって、2050年の1000兆円は2051年のGDP1050兆円と同じ価値になるからです。

例2のケースで「3%成長、実質30兆円増」になるのは、物価2%上昇によって、2050年の1000兆円は2051年のGDP1020兆円と同じ価値になるので、名目値の1050兆円から1020兆円を引いた時に、実質の成長分の金額と%が計算できるからです。

やや乱暴な比喩ですが、人間で言えば、例1のような成長が続く場合は、単に数字が増えているだけなので、延々とおなかの周りに肉が増えていくような感じでしょう。

例2の場合は、どちらかと言えば、筋肉質のボクサーのように鋼の肉体ができて体重が重くなるようなケースに近いかもしれません。
毎年の名目GDPの伸び率に物価変動の比率を加えることで、実質GDPの成長率が分かります。

名目GDP成長率 - 物価変動率 = 実質GDP成長率

例1と2は物価が上昇するケースですが、物価が-2%の場合は物価下落分が実質GDPに加算されます。

5% -(-2%)= 5%+2% = 7%

GDPの総額と伸び率を計算する時には、名目値に物価変動分を加えた実質値を見る必要があるわけです。

GDPの公式とは

いままで、生産面からGDPを説明してきました。付加価値(売上-製造原価)の面からGDPを見ましたが、GDPは支出面と分配面からも説明できます。
付加価値は、企業の利益となるだけでなく、家計を担う労働者の給料にもなりますし、お金の貸し手である金融機関には利子、株主には配当、政府には税金として分配されます。

仮に1億円の付加価値を生んだパン屋があったとすると、そこから、利益500万円、雇用者への給料(人件費)が6000万円、利子支払いが750万円、配当金が750万円、税金が2000万円……という具合に分配されていくわけです。

上に上げた項目と金額は便宜上あげているだけなので、実際はもっと複雑になりますが、生み出された付加価値と分配される付加価値の総額は同じになります。そして、この場合、消費者が1億円のパンを買っていますので、支出面でも1億円のお金が動いています。生産面、分配面、支出面の金額がどれも1億円になるわけです。

これは小さな例ですが、国全体の経済でも、同じ論理が当てはまります。こうした経済活動がみな累計されて、日本で言えば、500兆円のGDPになっているからです。企業がつくった財やサービスが家計で消費され、その代価であるお金が企業の利益や社員の給料に変わります。

そして、企業の利益が投資に回ったり、給料が株を買うのに使われたり、預金を通じて企業への融資が行われたりします。その結果、生産活動が活発になります。政府のほうも、税金や国債でお金を集めながら、民間の財やサービスを消費し、公共投資をしています。政府からもお金が企業に払われ、民間に流れていくのです。こうした経済活動は、生産・分配・支出の三面のどれかに該当します。

かくして、生産という面から見たGDP(付加価値の合計)は、分配という面から見ると、国民や企業、政府などが得た金額と一致します。そして、支出という面から見ると、国民や企業、政府が消費した金額とも一致するわけです。
生産・支出・分配がみな同じになることが、GDPの三面等価と呼ばれますが、その中で、特によく使われるのが、支出面から見たGDPです。

GDP=消費(C)+投資(Y)+政府支出(G)+輸出(E)-輸入(I

日本国内の活動は、「消費(C)」+「投資(Y)」+「政府支出(G)」です。これに、外国から日本への支出である「輸出(E)」を足し、日本から外国企業への支出である「輸入(I)」を引きます。こうして「国内総支出」が計算されます。この金額が「国内総生産」と一致するわけです。

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