日本の平均年収は432万円 トップ企業とワースト企業の年収格差はどのぐらい?

2019年3月23日

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給料日に明細を見て、年収に満足できる人は、今の日本にどれぐらいいるのでしょうか。

むろん、筆者は満足できるほどの金額ではなく、諸々のデータを見ているうちに平均値を下回っていることに気付いてしまいました。

今回は、様々な調査結果を並べ、暮らしに直結する給料の問題について考えてみます。

(※この記事は随時更新)

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日本の平均給与は432万円(民間給与実態統計調査)

国税庁によれば、民間企業の会社員(パート含む)が2015年にもらった給料の平均値は420万4000円。

2016年は421万6000円。2017年は432万2000円でした。

この数字は民間給与実態統計調査(平成29年度)に書かれており、1年間勤務した給与所得者数は4900万人程度です。

2015 2016 2017
男性 2831 2862 2936
女性 1963 2007 2009
合計 4794 4869 4945

そして、過去の民間給与実態統計調査の統計を参照しながら、ここ10年間の平均給与の推移を見ていきます。

【出典(同調査):平成29年度平成27年度平成26年度平成23年度平成21年度平成20年度

ここ10年間の平均給与は、以下の金額で推移しました。

(※単位:万円)

  男性 女性 全体
2007 542.2 271.2 437.2
2008 532.5 271 429.6
2009 499.7 263.1 405.9
2010 507.4 269.3 412
2011 503.8 267.9 409
2012 502 267.8 408
2013 511.3 271.5 413.6
2014 514.4 272.2 415
2015 520.5 276 420.4
2016 521.1 279.7 421.6
2017 531.5 287 432.2

この「男性」「女性」はどちらも「正規と非正規」の両方を足した平均値です

重要なのは、アベノミクス後、給料の微増が続きましたが、いまだに名目値でサブプライムショック前の2007年の水準に戻っていないということです。

正社員の平均給与(男女別):2012~2017年

全体の給与平均は430万程度ですが、正規・非正規で男女別にみると、年収の違いがはっきりと出てきます。

正社員の給与の平均値(下記数値)は男女とも、毎年増え続けています。

(※単位:万円)

  男性 女性 正規平均
2012 520.5 349.6 467.6
2013 526.6 356.1 473
2014 532.3 359.3 477.7
2015 538.5 367.2 484.9
2016 539.7 373.3 486.9
2017 547.5 376.6 493.7

なお、民間給与実態統計調査で正規社員・非正規社員に分けた調査が始まったのは2012年以降なので、11年以前は不明です。

※追記:フルタイムで働く女性の平均賃金

日経朝刊(2017/2/23:5面)は「厚生労働省が22日発表した2016年の調査によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は月額24万4600万円と3年連続で最高となった。男性の賃金の73%となり、男女格差はこの20年で10ポイント縮まった」と報じた。これは16年6月時点で10人以上の常用労働者がいる約5万事業所が対象。残業代や休日手当は含まれていない。

非正規社員の平均給与(男女別):2012~2017年

しかし、非正規社員の給与平均(下記数値)はいま一つ伸びません。

  男性 女性 非正規平均
2012 225.5 143.6 168
2013 224.5 143.3 167.8
2014 222 147.5 169.7
2015 225.8 147.2 170.5
2016 227.8 148.1 172.1
2017 229.4 150.8 175.1

12年から17年までを比べると、前掲の正社員の平均値が26万円以上も伸びているのに、非正規の伸び率は7万円程度です。

これで消費税が増税され、物価が上がれば、生活が苦しくなるのは避けられません。

物価上昇率を考慮した実質的な平均給与は?

全体の給与平均の伸びは以下の通りです。

413.6万(13年)415万(14年)420.4万円(15年)⇒421.6万(16年)⇒432.2万円(17年)

これに対して、2015年を100とした時の物価上昇率(消費者物価指数【総合】生鮮食品及びエネルギーを除く)と給料の伸び率を比べてみましょう(出所は総務省:2015年基準消費者物価指数 全国 平成29年8月分)。

2015年を「100」として換算してみます。

  • 給料:98.4(13年)⇒98.7(14年)⇒100(15年)⇒100.3(16年)⇒102.8(17年)
  • 物価:96.5(13年)⇒98.6(14年)⇒100(15年)⇒100.6(16年)⇒100.7(17年)

15年の給料を「100」とすると、13年は98.4、17年は102.8なので、13年から17年までの給料の伸び率は4.4ポイント。

15年の物価を「100」とすると、13年は96.5、16年は100.7なので、13年から17年までの物価の伸び率は4.2ポイント。

日本人の平均給与の伸び率は、物価上昇率よりも2ポイント高いことになりますが、最終的に+になったのは、17年に大幅に給料が伸びたためです。

それ以前は物価上昇率が給料の伸び率に勝っていました。

17年の給料の伸びの大きさを信じるかどうかで、日本経済の見方が大きく変わりそうです。

なお、日銀の「経済・物価情勢の展望」(2017年7月21日)でも、日本の実質賃金の伸び悩みは問題視され、5年間で日本の労働生産性は9%伸びたにもかかわらず、実質賃金の伸び率は2%でしかなかったとされています(普通、社員一人一人の生産性が上がれば企業の収益も増えるため、賃金も伸びなければおかしいのですが、この資料では、そうなっていない)。

ここはアベノミクスの成否を見る重要なポイントなので、このあたりの信憑性が、今後の経済の伸びで問われることになるのでしょう。

日本の昇給の割合は低い?

2018年に英ヘイズ社(人材紹介大手)が出した「2018年ヘイズ給与ガイド」では、日本とアジアの昇給の割合を比較しています。

「前回の給与改定で、平均して何%昇給しましたか?」と聞かれた時の答えが集計されていました。

国別 0 ~3% 3-6% 6-10% 10%~
中国 7 10 38 38 7
香港 11 19 50 14 6
日本 13 59 16 4 8
マレーシア 8 13 50 22 7
シンガポール 8 32 46 7 7

マレーシアと中国企業では8割以上が3%以上の昇給(香港では7割、シンガポールでは6割)を実現していますが、日本企業の6割は3%以下の昇給しかできていません。

日本では「人件費が増えると国際競争力が落ちる」(素材大手首脳)という考え方を採る企業も多かったのですが、中国のファーウェイ(華為技術)は日本での新卒採用で初任給40万円(日本の電機大手の2倍程度)を提示。海外との給料の差が目立ち、人材流出の恐れが出てきています(日経朝刊1面:2018/1/22)。

給料を惜しんでいると、日本企業は優秀な人材をアジアのライバル企業に取られかねません。

年齢と性別で見た平均給与一覧(2017年)

データを見ていると、女性の平均給与の低さが気になります。

「民間給与実態統計調査」(平成29年度)で年齢・性別で平均給与のマトリクスをつくると、男性は年齢ごとに昇給しますが、女性は伸びていません。

(単位:万円)

年齢 全体
~19 155 111 132
20~24 279 243 262
25~29 393 318 361
30~34 461 315 407
35~39 517 313 442
40~44 569 308 468
45~49 630 310 496
50~54 677 302 519
55~59 669 298 516
60~64 508 232 396
65~69 393 203 314
70~ 353 208 288
平均 532 287 432

女性の平均給与が318万円で頭打ちになっているのが、非常に気になります。

そして、年功序列の企業が多いので、若い人の給料が安くなっています。

日本は所得分布で見ると中高年層のほうが豊かになっており、「若い人は貯金し、高齢者は海外旅行によく出かけている」という調査もあるぐらいです。

※関連記事お金の使い道 若者と高齢者の比較 世代別資産分布と消費行動の違い

企業規模別に見た平均給与一覧(2016年)

平成29年度版の「民間給与実態統計調査」によれば、企業規模別に見た1人当たり平均給与は以下の通り(単位:万円)。

やはり、こちらで見ても女性の平均給与は320万円台で頭打ちになっています。

【従業員数別:左端欄の単位は人】

従業員数 男性 女性 平均
1~4 404.1 234.7 322.4
5~9 464.5 269.5 378.3
10~29 498.2 281.7 415.1
30~99 485.6 283.7 407.3
100~499 512.6 306.7 430.9
500~999 561.4 315.9 463.2
1000~4999 618 307.1 494
5000~ 672 272 507
合計 532 287 432

【資本金別:資本金欄の単位は億円】

資本金 男性 女性 平均
個人事業 313 234.5 260
~0.2 445.6 249 371
0.2~0.5 485 264.9 412
0.5~1 493 266.9 412
1~10 562 288 463.2
10~ 709 328 590
その他 511 322.1 409
合計 531.5 287 432.2

資本金10億円以上の企業と個人事業とでは、平均値で見た年収格差は300万円以上あります。

※追記:17年と18年の春闘について

  • 連合によれば2017年の賃金の引上額はベースアップ+定期昇給で平均で月額6200円余。16年よりも70円減額。正社員は平均で月額6270円(前年比-71円)、非正規労働者は時給で平均19円の賃上げ(前年比+0.4円)、月給では4954円増(前年比-180円)。(出所:NHKニュースWEB「春闘 賃金の引き上げ額 ほぼ横ばい」3/17)
  • 17年末に安倍首相は経団連審議員会で「3%以上の賃上げ」を要請し、18年1月16日に経団連は「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)にて「『3%賃上げ』の社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討が望まれる」と答えた(経団連が数値目標を出すのは異例)。これに呼応する形で春闘が行われ、ベア増額の企業が増えてきている。

役職別に見た平均給与一覧(2017年)

さらに、会社で見かける職種別の平均給与のデータを2017年12月の「平成29年職種別民間給与実態調査」(内閣府人事院)で見てみます。

(※国税庁の「民間給与実態調査」とは別の資料。平均年齢は調査対象者の平均値です)

職種 平均年齢 平均給与
支店長 53.1 757073
事務部長 52.7 689569
事務部次長 51.1 669904
事務課長 48.9 592113
事務課長代理 46.9 545539
事務係長 44.8 460046
事務主任 41.2 400357
事務係員 36 329430
工場長 53.3 700213
技術部長 52.6 681566
技術部次長 51.6 654572
技術課長 48.8 587901
技術課長代理 45.3 516053
技術係長 45 493651
技術主任 41.6 446276
技術係員 35.1 360928
電話交換手 48.3 276486
守衛 41.4 329713
用務員 51.1 289508

こうしてみると、工場長でも守衛さんの2倍+α程度の金額しかもらえていないんですね・・・。

2018年:高年収の企業ランキング 1位~50位

そのほか、年収を巡る調査は様々な企業が行っているので、本記事では、東洋経済社の『会社四季報 業界地図 2019』のデータから高年収の企業ランキングを作成してみます。

40歳時点での平均年収を比べてみます。

(2018年:2019年四季報掲載の前年データ。2017年:2018年四季報掲載の前年データ。※は四季報ではなく、東洋経済オンライン記事「40歳年収「全国トップ500社」ランキング〔2017/10/26〕が出典)

社名 業界 2018年 2017年
1 M&Aキャピタルパートナーズ コンサル 3515 2271
2 キーエンス 電子部品 2227 2023
3 ストライク コンサル 1937 1771
4 マーキュリアインベストメント 投資事業 1788 1059
5 GCA コンサル 1630 2247
6 ヒューリック 不動産 1534 1410
7 三菱商事 総合商社 1473 1314
8 伊藤忠 総合商社 1423 1339
9 日本M&Aセンター コンサル 1419 1537
10 三井物産 総合商社 1372 1152
11 日本商業開発 投資事業 1331 ※956
12 朝日放送 放送 1331 1317
13 ソレイジア・ファーマ バイオベンチャー 1320 ?
14 ファナック 工作機械 1313 1262
15 丸紅 総合商社 1289 1184
16 電通 広告 1270 1239
17 住友商事 総合商社 1248 1179
18 三菱地所 不動産 1215 1174
19 シグマクシス コンサル 1210 1109
20 ドリームインキュベータ コンサル 1182 1197
21 ジャフコ 証券 1174 1054
22 野村総合研究所 ITサービス 1160 1152
23 オプトラン 電子部品 1122 ?
24 プレサンスコーポレーション 不動産 1115 1076
25 三井不動産 不動産 1098 1118
26 ケネディクス 投資事業 1088 1080
27 野村ホールディングス 証券 1087 ?
28 サントリー食品 飲料・酒類 1085 1015
29 グローバルリンクマネジメント 不動産 1077 ?
30 双日 総合商社 1070 1039
31 第一三共 医薬品 1070 1026
32 ベイカレントコンサルティング コンサル 1035 1012
33 アステラス製薬 医薬品 1029 998
34 武田薬品工業 医薬品 1028 1003
35 豊田通商 総合商社 1026 971
36 日本エスリード 不動産 1012 1059
37 共栄タンカー 海運 1012 980
38 鹿島 建設 1012 ※885
39 プロパティエージェント 不動産 1011 ※862
40 東京エレクトロン 半導体製造 1000 ※879
41 大林組 建設 996 ※911
42 WOWOW 放送 991 1033
43 出光興産 石油 986 ※789
44 東京汽船 海運 984 953
45 ペプチドリーム 創薬ベンチャー 983 940
46 日本オラクル ITサービス 982 1017
47 レーザーテック 半導体製造 977 953
48 ソニー 電機・家電 975 ※879
49 三井海洋開発 電力ガス 974 ※844
50 ジンバイオ製薬 創薬ベンチャー 974 ※931

他のデータを見ると、転職サイトのDODAは2017年の平均年収を418万円と試算。

東洋経済社は18年8月20日に『最新!全国「40歳年収が高い500社」ランキング』と題して、上場企業3436社の平均年収を調査し、その平均は602万円、1000万円以上の企業は62社と発表しています。

東洋経済社の40歳の年収ランキングでは「3232社の40歳推計年収の単純平均は600万円」。「40歳推計年収が1000万円を超えたのは40社」でした。

40歳で月100万円以上もらえる人は稀少なので、月40万円前後の年収とボーナスをもらっている人あたりが平均に近いのかもしれません。

ちなみに、2018年に成立した税制改革では、年収1000万円超の高収入社員の方々は所得税増税の対象となってしまいました。

※関連記事:税率と年収で見た所得税の負担率

2018年:各業界の40歳平均年収の比較(格差を一覧)

ここで、『会社四季報業界地図』の2017年版、18年版、19年版を用いて、40歳の年収ランキングの一覧表を作成してみました。

これは日本の給料で見た業界地図です。

単位は万円。各業界の40歳での平均年収を一覧にすると、どうなるのでしょうか。

業界 2018 2017 2016
コンサルティング 1316 1240 1263
総合商社 1232 1115 1135
放送 879 866 910
携帯電話事業 839
投資事業・ファンド 815 770 756
メガバンク 798 774 698
石油 784 731 737
海運 776 808 818
証券 755 686 722
総合重機 745 746 749
医薬品 731 718 727
自動車 723 721 707
電気・家電 706 684 688
複写機・プリンタ 702 701 707
映画・アニメ 695 695 696
日用品 690 676 686
飲料・酒類 689 688 667
生保・損保 ※653 669 682
建設 671 671 636
パチンコ・パチスロ 648 658 662
不動産・住宅等 647 670 665
倉庫 636
化学 633 616 618
広告 632 641 684
ゲーム 629 624 637
ITサービス、ソフトウェア 627 621 631
工作機械 626
Webサービス 624 619 627
半導体製造 622
建設機械 612 603 598
ネット広告 609 616 ???
電子部品 608 593 595
自動車部品 602 593 589
創薬ベンチャー 601 587 601
ネット通販 600
医療機器 598 605 600
鉄道 597 597 597
鉄鋼・非鉄金属 594 587 586
化粧品 585 528 513
産業機械 583
食品 573 570 564
文房具・事務品 556 562 543
通販 537
中古車・カー用品 ※513 513 510
スポーツ・フィットネス 536 538 535
ドラッグストア 527 531 529
コンビニエンスストア 527 523 537
教育・学習塾 527 532 538
人材サービス 522 523 524
旅行 519 560 540
レジャー・テーマパーク 518 506 519
陸運 500 518 523
繊維・アパレル 500 503 491
スーパー 493 495 488
外食 491 491 491
ホームセンター等 485 479 473
家電量販店 482 479 486
リサイクル等 466
ホテル 464 481 486
百貨店 452 452 443
介護 401 395 361

※2017年の「生保・損保」は生命保険633万円と損害保険673万円の平均値。同じく「中古車・カー用品」も中古車488万円とカー用品537万円の平均値

このデータは『会社四季報業界地図』の発行年度の2年前の有価証券報告書を基に、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の5歳刻みの賃金額(給与+賞与)から計算しています(40歳年収は、各業種の賃金カーブを各社の平均年収・平均年齢にあてはめ、東洋経済社が推定。つまり、『会社四季報業界地図2019』に掲載されているのは2017年の給料試算値)

16年から18年までを見ると、増収幅が大きいのは、コンサル(53万円)、総合商社(97万円)、メガバンク(100万円)、投資事業(59万円)、石油(47万円)、化粧品(72万円)など。

減収幅が大きいのは、放送(31万)、海運(42万)、広告(52万円)などです。

小売業界の平均給与を細かく見てみると・・・

全業種を見るのは難しいので、試しに一つの業界をピックアップし、暮らしに密接な小売業界の平均給与を見てみます。

東京商工リサーチは17年8月22日に〈2016年度「上場小売業277社の平均年間給与」調査〉を発表しました。

その平均給与の推移は以下の通り。

年度 上場小売業 上場企業
2010 481.9 572.3
2011 484.3 580.3
2012 484.1 581.6
2013 487.9 587.1
2014 496.1 598
2015 498.9 605.1
2016 503.8 609.8

平均給与の金額別に見た上場企業の割合を見ると、500万円未満が過半数を占めました。

金額 割合
~500万円 56.68%
500~600万円 26.71%
600~700万円 9.03%
700~800万円 4.69%
800~1000万円 2.53%
1000万円~ 0.36%

東京商工リサーチは、平均給与が前年度より増えたのは182社(構成比65.7%)、減少は91社(同32.8%)、横ばいは4社(同1.4%)と発表しています。

ただし、その増加率は0%超~1%未満が48社を占めており、大幅な昇給は厳しいようです。

50代、60代で「得する会社」ってどこ?

年収を見る際には、50歳以降の処遇も大事です。

これに関しては『週刊現代』(2016/10/29)が「50歳すぎて、60歳すぎて『得する会社』『損する会社』」(P44~53)という記事を掲載していました。

そこでは、以下の企業の処遇に注目しています。

  • 三菱商事:60歳すぎても「再雇用で年収500万円」
  • パナソニック:再雇用は契約社員で月収20万円(※年収240万円?)
  • 博報堂:60代以降、企業年金だけで月額20万円。
  • サントリー:65歳定年。60歳から時給が6~7割(平均年収1041万円)
  • 東京海上日動火災:55歳で一線引退(年収25%減、平均年収891万円、嘱託有)
  • メガバンク:53歳までに役員以外は出向・転籍
  • 日本生命:55歳で出向。2年後に転籍
  • 全日空:50歳以降「転身支援制度」で転職先探し
  • テレビ朝日:50歳で辞めれば「退職金4000万円」
  • 日本テレビ:役職定年55歳、60歳定年、65歳まで雇用延長。平均年収1427万
  • NEC:役職定年56歳、65歳まで再雇用制度(給与は56歳時半分)平均年収834万
  • 日本IBM:50歳から転籍(※記事では強要されるとしている)
  • 日産:役職定年50歳、平均年収795万だが、再雇用には熱心でない外資系体質

有名100社の現役社員やOBへの取材を行い、かなり細かく調査しています。

就職活動や転職活動では平均年収に目がいきがちですが、50代、60代の処遇も非常に重要です。

例えば、同じ自動車会社でも日産は外資系的でドライなのに対して、トヨタ(平均年収852万円)は手厚いようです(トヨタは65歳まで再雇用制度あり。年金は月40万円!P47)。

退職後の期間も長くなるので、この差は年収差60万円以上に響きます。

この記事はネット版でも公開されているので、興味ある方には一読をお勧めします。

退職後の収入急減の危機

日本の上場企業の多くは、40代後半まで給料が伸び続け、50代前半を境に給料が下がり始めます。

まず、役職がついてきた場合は残業代が支給されなくなりますし、役職定年を迎えることで、さらに収入が下がるわけです。

退職後に関しては、5つほど注意すべきポイントがあるともいわれています(「中高年、収入急減の「5つの崖」 まず役職定年に備え|マネー研究所|NIKKEI STYLE」)。

  • 第一の崖:役職定年(500人以上の企業の4割弱が導入:人事院2007年調査)
  • 第二の崖:定年(厚生労働省によれば5割の企業で再雇用後の基本給が定年時の「50%以上80%未満」に)
  • 第三の崖:再雇用終了/公的年金生活
  • 第四の崖:企業年金終了(打ち切りとなることに気付かない例に要注意)
  • 第五の崖:配偶者死亡で年金減少

役職定年に関してはダイヤモンド(2017/4/8)でも調査されていました。

役職定年の場合、平均値では1109.9万円(2015年年収)⇒882.3万円(2016年年収)へと下がるようです(調査対象者は3300人のビジネスパーソン)。

そこでは以下の五社の役職定年の現状が紹介されていました。

  • ソニー:役職定年は53~57歳。年収は100~400万減。60歳定年の嘱託は年収250万円
  • 三井住友海上あいおい生命保険:役職定年は55歳。年収は4割減。500~600万程度になる。
  • 東京海上日動火災保険:役職定年の場合、年収1500万円から3割減。
  • 三菱東京UFJ銀行:役職定年は年収3割減。
  • 三井物産:役職定年はないが60歳定年。定年後の嘱託は年収300万円程度。

上記5企業は3割~4割減でも、それなりの収入になります。

前掲の平均値も高めなので、調査対象となった3300人のビジネスパーソンは大手企業の高年齢社員が多いのでしょう。

上場企業でも300社以上が平均年収420万円以下

東洋経済オンラインは、上場企業3600社を対象に【40歳年収「全国ワースト500社」ランキング】という調査も行っていました。

2016年5月26日の調査では社名が入っていましたが、17年では社名と金額を伏せています。

社名を上げるのは忍びないので、2018年版でのワースト5位の給与平均額だけ書いておきます。

251万円、262万円、269万円、272万円、276万円(※2017年の年収試算とみられる)。

上場のワースト企業の給与額は、中型企業の平均年収よりも低いのかもしれません。

1位のM&Aキャピタルパートナーズと比べると2千数百万円以上の差がつくのです。

上場企業ワースト500位のうち、131位までは400万円未満なので、日本の平均年収(420万円程度)を下回る企業も少なくありません。

上場企業でも平均値に届かない企業が多いのは意外な結果でした。

結局、年収300万円台の人が結構多いわけです。

「なかなか若い人が結婚しない。子供が増えない」とも言われますが、平均年収を見れば、その理由は明らかです。

子供の教育費は一人当たりで1000万円以上かかるといわれているのに、平均年収はたいして伸びていないからです。

最近の日本では、平均年収が186万人の層が約930万人(就業人口の15%程度)ほどおり、男性は66.4%が未婚。女性では43.9%が離死別を経験しているともいわれています(早稲田大教授・橋本健二氏の指摘)

平均年収が伸びず、豊かになれない層が拡大すれば、子供が増えなくなるわけです。

平均年収の420万円に及ばない筆者は、いろいろと冷厳な現実について考えさせられてしまいました。

追記:リーマンショック以前と比べた給料の増減とは?

最後に、冒頭に取り上げた2017年の平均年収432.2万円は、リーマンショック前の2007年の平均年収(437.2万円)よりも低いという論点に話を戻してみます。

この問題は、『週刊ダイヤモンド(2017/4/15:P46)』も気になったのか、リーマンショック以前と以後の給料の増減を比較していました。

これは、07年度と15年度の平均年収を比べてランキングを作成したものですが、そのポイントを見てみましょう。

(※表記は15年度年収〔増減率〕)。

【リーマン前に比べて給料増企業のトップ10】

  1. 福田組(建設業):896万円(+70.7%)
  2. ニトリ(小売業):860万円(+59.4%)
  3. ファナック(電気機器業):1571万円(+56.9%)
  4. トラスト・テック(サービス業):441万円(+55.8%)
  5. イオンフィナンシャルサービス(金融業):722万円(+53.2%)
  6. スタートトゥディ(小売業):579万円(+51.9%)
  7. ジャストシステム(情報・通信):884万円(+49.0%)
  8. ヒューリック(不動産):1295万円(+48.7%)
  9. イオン(小売業):822万円(+45.9%)
  10. 伊勢丹(小売業):611万円(+44.3%)

【リーマン前に比べて給料減企業のトップ10】

  1. 太平洋金属(鉄鋼業):520万円(-42.2%)
  2. デジタルガレージ(情報・通信):613万円(-34.3%)
  3. ワタミ(小売業):356万円(-33.7%)
  4. 吉野家HD(小売業):662万円(-32.7%)
  5. 井筒屋(小売業):303万円(-31.1%)
  6. ゴールドウイン(繊維製品):433万円(-30.4%)
  7. 日本冶金工業(鉄鋼業):560万円(-29.4%)
  8. 特殊東海製紙(パルプ・紙):622万円(-28.6%)
  9. 九州電力(電気):597万円(-27.6%)
  10. エディオン(小売業):504万円(-26.8%)

諸々の企業で明暗が分かれているわけですが、これは、今後の給料の増減トレンドを見るうえで、参考になりそうです。

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