VIG・SDYの利回りを比較(連続増配ETFの株価・配当)

高配当ETF

【最新更新】
2026年5月13日時点で確認できる各社公式データに基づき更新しました。VIGは2026年2月2日付で経費率が0.04%に引き下げられており、旧稿の0.06%表記を修正しています。SDYは2026年5月12日時点のAUM・銘柄数・30日SEC利回り・セクター配分を反映しました。[1][2]

連続増配銘柄に投資する代表的ETF、VIGSDYのデータを比較し、足元の投資環境を整理します。

このページでは、長期の資産形成や分配金目的の運用を検討されている方向けに、ETFの概要、利回り、コスト、ポートフォリオの構造を詳しく解説します。[1][2]

【徹底比較】VIG vs SDY “連続増配”ETFのおすすめはどっち?戦略の違いを解説

安定したビジネスモデルを持ち、株主への還元を継続的に増やす「連続増配株」は、長期投資において有力な選択肢です。こうした企業群にまとめて投資できるのが連続増配ETFですが、中でもVIGSDYは代表的な存在です。

ただし、この2つは「連続増配」という看板は同じでも、銘柄選定の哲学がかなり異なります。VIGは「10年以上の増配実績」と「高すぎる利回りの除外」により、増配の継続性と将来の成長性を重視する設計です。一方、SDYは「20年以上の増配実績」と「配当利回り加重」により、より長い実績と現在のインカムを重視する設計です。[3][4]

【VIG vs SDY】投資戦略 比較一覧表

2つのETFの個性が最も際立つ「選定基準」「コスト」「利回り」「構成銘柄数」を軸に比較表を作成しました。数値は、2026年5月13日時点で確認できる公式ページまたは運用会社系データを反映しています。

比較項目 VIG
バンガード米国増配株式ETF
SDY
SPDR S&P米国高配当株式ETF
投資戦略 成長・トータルリターン重視 インカム・長期実績重視
選定キーワード 10年以上の連続増配実績。さらに、利回り上位25%の高配当銘柄を除外する設計。[3] 20年以上の連続増配実績。S&P Composite 1500内の対象銘柄を、配当利回りを基準に加重。[4]
利回りの目安 30日SEC利回り:1.56%(2026年4月30日時点)。分配利回りは1%台半ばが目安。[1] 30日SEC利回り:2.48%(2026年5月11日時点)。VIGより高いインカムを狙いやすい。[2]
経費率
年率
0.04%(2026年2月2日時点の公式表示)[1] 0.35%(2026年5月13日時点の公式表示)[2]
純資産総額 ファンド総資産:約1,171億ドル(2026年3月31日時点)。ETFシェアクラス純資産:約993億ドル[1] 209.0億ドル(2026年5月12日時点)。[2]
構成銘柄数 334銘柄(2026年3月31日時点)。[1] 155銘柄(2026年5月12日時点)。[2]

※利回り・純資産・構成銘柄数・セクター比率は変動します。とくに利回りは、株価水準と直近分配金の変化により短期間で変わります。


各ETFの「銘柄選定基準」と特徴

【VIG】バンガード米国増配株式ETF

  • 連動指数:S&P U.S. Dividend Growers Index。[3]
  • 特徴:10年以上連続して増配している米国企業を対象とし、さらに利回り上位25%の銘柄を除外します。これは、高利回りに見えるものの株価下落や減配リスクが高まっている「利回りの罠」を避けるためのフィルターと考えられます。[3]
  • 強み:2026年3月31日時点の上位銘柄にはBroadcom、Apple、Microsoft、JPMorgan Chase、Eli Lillyなどが入り、単なる高配当株ではなく、増配も行う大型成長株を取り込みやすい設計です。[1]
  • コスト:経費率は0.04%(2026年2月2日時点)と非常に低く、長期運用ではコスト差が効きやすいETFです。[1]

【SDY】SPDR S&P米国高配当株式ETF

  • 連動指数:S&P High Yield Dividend Aristocrats Index。[4]
  • 特徴:S&P Composite 1500構成銘柄のうち、20年以上連続して増配している企業を対象とします。指数は配当利回りを基準に加重されるため、VIGよりもインカム寄りの性格が強くなります。[4]
  • 強み:2026年5月12日時点の上位銘柄にはVerizon Communications、Realty Income、QUALCOMM、Kenvue、Kimberly-Clark、Texas Instrumentsなどが入り、成熟企業・高配当寄りの性格が出ています。[2]
  • インカム:30日SEC利回りは2.48%(2026年5月11日時点)で、VIGよりも高い分配金収入を狙いやすいETFです。[2]

ポートフォリオ構造の違い

VIGとSDYは、どちらも「増配」を重視するETFですが、実際の中身はかなり異なります。VIGは時価総額の大きい大型優良株の比率が高くなりやすく、成長株寄りの性格を持ちます。一方、SDYは高利回り銘柄に重みが乗りやすく、公益・生活必需品・資本財・金融などの比率が高まりやすいETFです。

項目 VIG SDY
上位銘柄の傾向 Broadcom、Apple、Microsoftなど、増配実績を持つ大型成長株が入りやすい。 Verizon、Realty Income、Kimberly-Clarkなど、成熟・高配当寄りの銘柄が入りやすい。
セクターの印象 情報技術・金融・ヘルスケアなど、大型株中心の市場構造を反映しやすい。 2026年5月12日時点では、資本財18.64%、生活必需品16.37%、公益14.91%、金融12.59%が上位。[2]
銘柄分散 334銘柄で、より広く分散。 155銘柄で、VIGより絞り込まれた構成。
向きやすい投資家 配当成長と株価成長の両方を狙いたい長期投資家。 現在の分配金収入と、長期増配実績を重視する投資家。

結論:どちらの「増配」戦略を選ぶべきか?

トータルリターンと「成長」を重視するなら → VIG

「現在の利回りは低くても、将来的な配当成長と株価の値上がりの両方を狙いたい」という方には、VIGが向きます。とくに、運用期間が長い現役世代にとっては、コアETFの候補になりやすい商品です。経費率が0.04%まで下がったことで、長期保有のコスト面でも優位性がさらに強まりました。[1]

「今」のインカムと「実績」を重視するなら → SDY

「20年以上という長い増配実績を重視し、安定したキャッシュフローが欲しい」という方には、SDYが向きます。VIGよりも銘柄数は少なく、成熟企業・高配当株に寄りやすいため、ポートフォリオにインカムと守りの要素を加えたい場面で使いやすいETFです。[2]

投資家としての視点と注意点

  • 同じ「増配ETF」でも中身は別物:VIGは大型成長株を取り込みやすく、SDYは高利回り・成熟企業に寄りやすい設計です。どちらが絶対に良いというより、自分のポートフォリオに不足している要素を補う視点が実務的です。
  • 経費率の差を無視しない:2026年5月時点では、VIGが0.04%、SDYが0.35%です。差は年0.31%あり、10年、20年という長期では無視しにくい差になります。[1][2]
  • 高利回りはメリットであると同時にリスクでもある:SDYはVIGより高い利回りを狙いやすい一方、利回り加重のため、株価が低迷して利回りが高く見える銘柄の比率が上がる可能性があります。
  • 金利環境の影響:高配当株は債券利回りとの比較で評価されやすく、金利上昇局面では売られやすい時期があります。連続増配株は収益の安定性に期待できますが、金利変動による価格ボラティリティからは逃れられません。
ミニ解説:VIGは2021年に連動指数がS&P U.S. Dividend Growers Indexへ変更されて以降、Appleなどの大型株が含まれるようになり、単なる高配当ETFではなく「増配する大型優良株ETF」としての性格が強まりました。一方、SDYは20年以上の増配実績と配当利回り加重により、伝統的な高配当・バリュー株寄りの性格を維持しています。[3][4]

免責事項:本記事は客観的なデータ提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。記載の数値は、原則として各注に記載した確認日時点の情報です。

【注】(出典リンク)

  1. VIG(経費率・純資産・銘柄数・利回り・上位銘柄) → Vanguard VIG 公式ページVanguard Advisors VIG 公式ページ(確認日:2026-05-13)
  2. SDY(経費率・AUM・銘柄数・30日SEC利回り・上位銘柄・セクター配分) → State Street SDY 公式ページ(確認日:2026-05-13)
  3. VIG連動指数(10年以上増配・利回り上位25%除外) → S&P U.S. Dividend Growers Index 公式ページS&P Dividend Growers Index Series Methodology(PDF)(確認日:2026-05-13)
  4. SDY連動指数(20年以上増配・S&P Composite 1500・利回り加重) → S&P High Yield Dividend Aristocrats Index 公式ページS&P Dividend Aristocrats Indices Methodology(PDF)(確認日:2026-05-13)

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株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算しているので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されています)

VIGの利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算しているので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されています)

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.73% 3.682 9.1% 212.4 17.0%
2024 1.86% 3.376 5.3% 181.5 15.3%
2023 2.04% 3.206 7.9% 157.4 2.7%
2022 1.94% 2.971 12.8% 153.2 -0.2%
2021 1.72% 2.634 14.7% 153.5 25.4%
2020 1.88% 2.296 8.2% 122.4 8.2%
2019 1.88% 2.122 3.5% 113.1 9.7%
2018 1.99% 2.051 9.6% 103.1 12.2%
2017 2.04% 1.871 5.0% 91.9 13.0%
2016 2.20% 1.791 0.6% 81.3 2.8%
2015 2.25% 1.780 14.1% 79.1 3.8%
2014 2.05% 1.560 14.7% 76.2 12.9%
2013 2.01% 1.360 -2.2% 67.5 17.2%
2012 2.41% 1.390 19.8% 57.6 7.9%
2011 2.17% 1.160 12.6% 53.4 11.3%
2010 2.15% 1.030 6.2% 48.0 18.5%
2009 2.40% 0.970 -4.0% 40.5 -16.3%
2008 2.09% 1.010 48.4

配当金(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算しているので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されています)

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 2.51% 3.538 4.5% 141.2 9.9%
2024 2.63% 3.385 2.4% 128.5 5.2%
2023 2.71% 3.305 -16.4% 122.1 -1.4%
2022 3.19% 3.953 55.6% 123.8 4.6%
2021 2.15% 2.541 -33.0% 118.4 25.0%
2020 4.00% 3.791 15.2% 94.7 -4.7%
2019 3.31% 3.292 8.2% 99.4 6.5%
2018 3.26% 3.042 -30.9% 93.3 4.9%
2017 4.95% 4.402 57.2% 88.9 10.6%
2016 3.48% 2.801 -38.4% 80.4 5.5%
2015 5.96% 4.544 22.1% 76.2 2.4%
2014 5.00% 3.721 30.9% 74.4 11.0%
2013 4.24% 2.842 50.4% 67.0 19.9%
2012 3.38% 1.889 10.6% 55.9 7.3%
2011 3.28% 1.708 -0.5% 52.1 7.9%
2010 3.55% 1.717 0.1% 48.3 21.7%
2009 4.32% 1.716 -21.5% 39.7 -17.3%
2008 4.55% 2.186 48.0

ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢