日本の長者番付一覧(1位~32位)資産額、年齢、性別、業種等に要注目

2019年3月24日

広告

フォーブス誌は2019年版の世界の富豪ランキングを3月5日に更新しました。

そのなかで日本のベスト32位の順位も明らかになっています。

日本一のお金持ちはファーストリテイリングの柳井正です。

その資産額は1兆8200億円(17年)⇒2兆2100億円(18年)⇒2兆4800億円(19年概算)に増えました。

2018年に株価が大きく変動したので、富豪たちの資産額もかなり増減しました。

上位に入る日本のお金持ちは、どんな顔ぶれなのでしょうか。

広告

【2019】日本の長者番付1位~32位の顔ぶれ

『フォーブス2017年7月号』〔P59〕の解説によれば、「日本の長者番付」は「ビリオネアランキング」とは違い、家族と共有する資産を含めて計算した金額です。

(以下、2019年の富豪資産は「1ドル=111.88円」〔2019/3/5の為替〕で概算しています)

氏名 億$ 億円 社名
1 柳井正 222 24837 70 ファーストリテイリング
2 孫正義 216 24166 61 ソフトバンク
3 滝崎武光 163 18236 73 キーエンス(センサー機器)
4 高原豪久 49 5482 57 ユニ・チャーム
5 三木谷浩史 48 5370 53 楽天
6 森章 47 5258 82 森トラスト
7 重田康光 47 5258 54 光通信(携帯、保険、OA機器)
8 伊藤雅俊 41 4587 95 セブン&アイ・ホールディングス
9 永守重信 41 4587 74 日本電産
10 三木正浩 36 4028 63 ABCマート(靴のディスカウントストア)
11 似鳥昭雄 35 3916 75 ニトリ(家具)
12 安田隆夫 25 2797 70 ドンキホーテ(ディスカウント)
13 野田順弘 22 2461 81 オービック(ソフトウェア)
14 多田勝美 22 2461 74 大東建託(賃貸住宅)
15 岡田和生 20 2238 77 ユニバーサルエンターテインメント(パチスロ機)
16 宇野正晃 20 2238 72 株式会社コスモス薬品
17 韓昌祐 19 2126 88 マルハン(パチンコ)
18 前澤友作 18 2014 43 スタートトゥデイ(ZOZOTOWN)
19 森佳子 17 1902 66 森稔氏未亡人
20 栗和田榮一 16 1790 72 SGホールディングス
21 鈴木郷史 15 1678 65 ポーラ(化粧品)
22 小川賢太郎 14 1566 70 ゼンショー(すき家等)
23 佐治信忠 14 1566 73 サントリー
24 毒島秀行 13 1454 93 SANKYO(パチンコ)
25 松下剛 13 1454 48 MTG
26 福嶋康博 12 1343 71 スクウェア・エニックス
27 元谷外志雄 12 1343 75 アパホテル
28 福武總一郎 11 1231 73 ベネッセ(通信教育)
29 上月景正 11 1231 78 コナミ(ゲーム)
30 上原昭二 11 1231 91 大正製薬
31 荒井正昭 10 1119 53 オープンハウス
32 石原昌幸 10 1119 70 平和(パチンコ)

【2016~2019】日本の長者番付1位~32位の顔ぶれと資産額の変動

フォーブス(ネット版)のランキングからベスト32位の顔ぶれと資産の変動を見てみます。

上位50位の資産総額は1370億ドル(2016)⇒1520億ドル(2017)⇒1860億ドル(2018)へと増えています。

(※家族、一族の氏名表記は省略。)

氏名 2019 2018 2017 2016
1 柳井正 24837 22100 18200 16837
2 孫正義 24166 22930 22640 18419
3 滝崎武光 18236 18430 13880 9379
4 高原豪久/慶一朗 5482 5450 5000 4746
5 三木谷浩史 5370 5660 6770 6441
6 森章 5258 6910 4880 5424
7 重田康光 5258 4500 3310 2599
8 伊藤雅俊 4587 4080 4100 4407
9 永守重信 4587 5760 3890 3051
10 三木正浩 4028 4190 4050 4294
11 似鳥昭雄 3916 5030 3660 2712
12 安田隆夫 2797 2460 1670 1683
13 野田順弘 2461 1990 1280 1412
14 多田勝美 2461 2250 1900 1808
15 岡田和生 2238 3140 2440 1469
16 宇野正晃 2238 2300 2000 1751
17 韓昌祐 2126 2930 4000 4520
18 前澤友作 2014 2830 3330 2486
19 森佳子 1902 2720 2890 2825
20 栗和田榮一 1790 ? ? ?
21 鈴木郷史 1678 2200 1390 1243
22 小川賢太郎 1566 1520 1170 881
23 佐治信忠 1566 18850 14650 13221
24 毒島秀行 1454 4820 4660 4633
25 松下剛 1454 ? ? ?
26 福嶋康博 1343 1680 1330 1209
27 元谷外志雄 1343 ? ? ?
28 福武總一郎 1231 1340 1320 1299
29 上月景正 1231 1380 1310 937
30 上原昭二 1231 1150 1210 1186
31 荒井正昭 1119 ? ? ?
32 石原昌幸 1119 1080 1440 1130
2019年の資産額が分からない富豪たち
A 小林一俊 ? 4290 2260 2373
B 大塚実 ? 3560 2150 2486
C 木下盛好 ? 2620 2600 3503
D 多田直樹 ? 2510 2090 2260
E 武井博子 ? 1890 1940 1921
F 金沢要求 ? 1780 1070 ?
G 松井道夫 ? 1620 1290 1356
H 笠原健治 ? 1570 1890 1593
I 山西泰明 ? 1470 1145 1062
J 島村恒俊 ? 1440 1550 1525
K 飯田和美 ? 1410 926
L 藤田晋 ? 1390 900 ?
M 山海嘉之 ? 1260 1380 1695
N 田中良和 ? 1230 1370 1220
O 篠原欣子 ? 1200 1220 904
P 石橋寛 ? 1100 1140 983
Q 里見治 ? 1090 1050 847
R 襟川陽一 ? 1050 1150 ?
S 杉浦広一 ? 1010 930 1028

日本のお金持ちランキングベスト20の推移

氏名 2019 2018 2017 2016
柳井正 1位 2位 2位 2位
孫正義 2位 1位 1位 1位
滝崎武光 3位 3位 3位 3位
高原豪久/慶一朗 4位 7位 5位 6位
三木谷浩史 5位 6位 4位 4位
森章 6位 4位 6位 5位
重田康光 7位 10位 14位 15位
伊藤雅俊 8位 13位 8位 9位
永守重信 9位 5位 11位 12位
三木正浩 10位 12位 9位 10位
似鳥昭雄 11位 8位 12位 14位
安田隆夫 12位 21位 25位 23位
野田順弘 13位 25位 1280 1412
多田勝美 14位 23位 23位 21位
岡田和生 15位 15位 16位 24位
宇野正晃 16位 22位 21位 22位
韓昌祐 17位 16位 10位 8位
前澤友作 18位 17位 13位 16位
森佳子 19位 18位 15位 13位
栗和田榮一 20位 ? ? ?

日本の長者番付1位:柳井正 2020年以降は会長に専念

Tadashi_Yanai

(22 April 2015/Author:Jigneshhn/出所はWIKI)

一方、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は17年10月20日に2年後を目途に社長職を譲り、会長職に専念することを表明しました。

世界一の衣料品会社を目指す柳井も2年後に70歳になります。今後は経営を「監督」しながら会社に関わるわけですが、今後は後継者の選定(もしくは「後継者育成計画」)が大きな課題になります。

(出所:日経電子版「ファストリ柳井、2年後に会長専念 社内から社長」2017/10/21)

2年後に会長専念」となる頃には「執行役員など内部から選ぶ」ことになります。日経記事では、その考えを以下のように説明しました。

  • 「実際の経営は若い人がしないといけない」
  • 市場の構造改革に対応し、スピード感ある経営判断を下すには、体力やIT(情報技術)などの知見がある若い経営者が必要であるため。
  • 後継者は「今の執行役員の中から一番ふさわしい人が最高経営責任者になる」
  • 現在、執行役員にあたる人は40人強。執行役員の2人の実子は後継の社長候補ではないという。
  • 「会長職」はアドバイスする立場だが「創業者に引退はない」。
  • 柳井は過去、「65歳での社長引退」を撤回したこともある。

孫は「まだまだ自分が攻めるぞ」という論調でしたが、柳井は年齢の問題もあって、そろそろ、自分以外の者に譲って事業を拡大しなければいけなくなっています。

創業から発展する段階を経て、その次にある、守成をしながら事業を継続的に大きくするという難しい課題に直面しています。

柳井の後継者の選定がうまく行くかどうかは、今後の企業経営の貴重なケーススタディになりそうです。

2018年に入り、柳井は『トヨタ物語』(野地秩嘉著)を読み、「自分はまだまだ甘い」と感じ、ユニクロをトヨタに負けない大企業に発展させる決意を新たにしたそうです。

トヨタは初代(豊田佐吉)から二代目(豊田喜一郎)、さらにその次へと優れた後継者が事業を発展させていったので、今後、ユニクロが事業継承に成功するかどうかは、大きな運命の分かれ目となります。

日本の長者番付2位・孫正義の大構想

孫正義は、19歳の頃、初めてマイクロプロセッサーを雑誌で見て、感動のあまり路上で泣いたとも述べています。

「これで人類の生活が一変する。人類最大のイノベーションだ」(『フォーブス2018年3月号、P49)

この時、産業革命に次ぐ情報革命が起きると直感したのです。

孫はソフトバンクを企業。96年には米ヤフーに出資し、合弁事業でYahoo! JAPANを立上げました。

アメリカで成功したビジネスモデルが数年遅れで日本にもやってくると読み、それを先に持ち込むことで成功したわけです。

その後、ボーダーフォンを買収し、ソフトバンクを日本の携帯事業者の雄に育て、ネット関連で幅広く事業を展開しました。

孫正義

(11 July 2008/Source:iPhone 3G 孫正義 谷原章介/Author:Masaru Kamikura from Japan)

近年では「SoftBank World 2017」が7月20日に開催され、孫正義(ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長)が基調講演を行っています(講演動画⇒「動画配信 | ニュース | 企業・IR | ソフトバンクグループ」)

そこでは、産業革命を筋肉の力の拡張、情報革命を脳細胞の力の拡張にたとえ、最近の大きな企業買収についての説明が行われました。

ソフトバンクがIoTの世界で90%のシェアを持つアームを買収したのは2016年9月です(アームのチップは世界中のスマホの99%以上に使われている)。そして、2017年6月にはロボットを開発するボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)を、グーグルの親会社のアルファベットから買収しました。

この背景にあるのは、今まではPCやインターネット、スマホの革新が続いていたのですが、今後はその中に入るマイクロプロセッサーの進化が重視されるという、孫の読みがあります。

孫は人工知能が人間に勝ち始めており、人工知能はデータで鍛えられることに注意を喚起し、データ取得の基盤となる英半導体設計大手アーム(ARM Holdings plc)に着目したと指摘しています。

孫は、70億人による「70億回線の世界」ではなく、世界にある約1兆のモノが生み出す「1兆回線」をつなぎたいと述べました。今後は人工衛星まで含めたデータのネットワークをつくり、人間の回線数を競い合うのではなく、モノが生み出す回線数を競おうとしているわけです。

モノとモノとの通信、ヒトとモノとの通信でデータが生まれますが、「データが生まれるところには、90%の確率でアームのチップがある」と述べ、このチップから得られるビッグデータを活かして、人工知能を鍛えていきたいと述べています。この人工知能をロボットに組み込み、「スマートロボット」をつくり、ロボットと人間が共生する時代をつくろうとしているわけです。

孫は「シンギュラリティ」は未来に必ず来ると述べました。

シンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能が人間の能力を超える技術的特異点のことです。孫はそれを人間を不幸にするためではなく、幸福な未来をつくるために使いたいと述べました。つまり、ビッグデータで鍛えらたAIやスマートロボットを用いて新たな技術インフラをつくろうとしているわけです。

そのほか、孫はサウジアラビア等と17年に設立した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(10兆円規模)でも世界の注目を集めています。

この規模は世界中のスタートアップへの年間投資額に匹敵しますが、孫は「10兆円でも全然足りない」「あと2年もすれば使い切る」と述べています。

孫はワンウェブ(米衛星通信)、エヌビディア(自動運転向け画像処理)、フリップカート(インドのネット通販)、ボストン・ダイナミクス(ロボット)、OSIソフト(産業用IoT)等に投資しており、概算すると、1社あたり1000億円規模になるとも言われています(米ウーバーテクノロジーズは1兆円規模)。

しかし、これではまだ不十分と見て、次の段階となる100兆円ファンドの設立を構想しているわけです。

2017年のソフトバンクグループの営業利益は連結ベースで1兆1488億2900万円(過去最高)を計上しました

今後、こうした壮大な構想の質の中身が問われることになるでしょう。

※2018年に入り、孫は以下の構想を明かした。

  • 1月31日:LINEモバイルとの提携を発表。
  • 2月7日:携帯子会社ソフトバンクのIPO(株式新規公開)の準備を進め、1年以内の上場を目指す方針を明かした。
  • 2月下旬:ソフトバンクは、再保険大手スイス・リー社(総資産1492億フラン=約17.6兆円)の株の2割~3割の保有を目指す。

※参考:17年12月までの累計契約数(モバイル+光回線)の上位3社は以下の通り。

  • ドコモ:7567.8万件
  • KDDI:3925.8万件
  • ソフトバンク:3299.6万件

日本の長者番付3位:滝崎武光 退任後もキーエンスは堅調

滝崎武光はキーエンス(計測制御機器大手)の創業者です。

最近のデータでは、キーエンスの平均年収は1800万円超という調査も出ています。

※関連記事:日本の平均年収は420万円 トップ企業とワースト企業の年収格差はどのぐらい?

滝崎は1972年にリード電機(現キーエンス)を創業。74年以来、代表取締役社長を務め、2000年12月には代表取締役会長となり、2015年に会長から退任しました。

キーエンスは高付加価値の新製品をつくる能力(工場を持たず生産は委託している)だけでなく、直販体制でコンサル・提案営業を行っています。

製造だけでなく、大きな権限を持った営業スタッフが顧客の生産現場に入ってコンサル営業を行い、顧客ニーズを開発部門に伝え、高付加価値の新製品を生み出しています。

ただ、滝崎はあまり表に出てこないので、そのビジネスモデルの謎は明らかになっていません。

【5年間のキーエンス株価⇒滝崎退任後も順調】

ここ数年の株価を見る限り、滝崎が二回の倒産を経てつくりあげたビジネスモデルは今なお堅調のようです。

日本の長者番付4位:高原豪久 ユニチャーム二代目社長

高原豪久氏は二代目社長の成功例です。

ユニ・チャームは、ベビーケア用品(オムツ等)、生理関連用品、大人用排泄介護用品、掃除用品(シートクリーナー等)、ウェットティッシュ、立体型マスク、ペットケア用品などを手がけています。

高原氏はユニチャーム創業者である高原慶一朗氏から事業を継ぎ、企業のグローバル化を進め、業績を拡大しました。

高原氏は1961に愛媛県に生まれ、若い頃に米国に1年間留学しています。

その時、欧米企業のスケールの大きさを見て対抗意識を燃やし、欧州・米州・アジアのうち、これから最も伸びしろのあるのはアジアだと考えました。

そのために、有利な位置にある日本からグローバル化を目指したわけです。

まずは銀行に入社し、その後にユニチャームに入りましたが、当時は父が進めた多角化が裏目に出、大企業化に伴って社員の活力も低下していたようです。

高原氏は、経営の重責を担うようになると「本業多角化、専業国際化」という方針を打ち出します。

不織布と吸収体の加工成形技術に経営資源を集中させ、そこから派生した事業を育てていきます。

そして、競争力の強い事業を海外展開したのです。

2001年に39歳で社長に就任した頃は、整理対象にした事業の役員だけでなく、父とも確執が起きましたが、この方針を断行。

その結果、世界80カ国以上に進出し、ベビー用紙おむつや生理用品市場でシェアを獲得。

2017年にはこの分野で「アジア1位、世界三位」とも報じられていました(フォーブス誌)。

フォーブス記事によれば、その勝ちパターンは成長市場に対しては、「小さく生んで、大きく育てる」こと。

「”1─10─100”が私のモットー。計画を立てる労力が1だとすると、計画の実行には10倍、成功させるまでには100倍のエネルギーがかかります」

高原はそう熱弁しています。

その経営理念や行動原則は「ユニ・チャームウェイ」としてまとめられ、全世界で共有されているそうです。

ベンチャー企業から世界企業へと発展したユニチャーム。

今後も大きく発展し、日本企業の気概を示してほしいものです。

事業継承の成功例:サントリー 佐治信忠氏

日本の長者はわりと二代目も多いので、日本企業に投資している方は、事業承継の成否が気になるのではないでしょうか。

当ブログの読者は投資に関心のある方が多いので、ここをもう少し深堀し、成功例を取り上げてみます。

佐治信忠(1945~)はサントリーを発展させた元会長の佐治敬三(1919-1999)の後を継ぎました。

敬三は1967年に日本で初めてビール酵母の熱処理殺菌なしの「生ビール」をつくり上げ、1986年には100%麦芽のビール「モルツ」を発売。しかし、87年にはアサヒビールが「スーパードライ」を発売し、サントリーのビール事業は赤字化していきます。敬三は「商いとは『飽きない』こっちゃ」と述べ、赤字続きのビール事業の再生に執念を燃やしたものの、生前にその黒字化を見ることはできませんでした。しかし、信忠はその試みを引き継ぎ、「ザ・プレミアム・モルツ」を開発し、2008年に黒字化を達成しました。この父子の事業継承は、ここ20年ほどの日本における事業継承の成功例となっています。

信忠は海軍で技術将校をしていた父を「学者タイプ」と評しました。(以下、出所は「ビールに執念の遺伝子」サントリー佐治、父を語る NIKKEI STYLE

「創業者の祖父(鳥井信治郎)は根っからの商売人だったが、おやじは実はそうではないんです。たぶん、研究者になりたかったんでしょう。経営者になり、ずいぶん努力したんでしょうね」

そして、敬三の業績として「ビール事業への参入」を挙げています。

「それで今のサントリーがある。ウイスキーだけだったらつぶれていたでしょうね。ウイスキーは手工業的な世界ですが、ビール事業に参入したことでサントリーは近代的な企業に生まれ変わった」

信忠は資金の回転も早く、難しい装置産業であるビール事業で父が会社を変えたことに敬意を表しています。祖父⇒父⇒子と事業を三代にわたって継いできた佐治家は、事業承継の成功例と言えるのかもしれません。

日本の長者番付の特徴:資産額、年齢、性別、業種等

2018年データで金額で見ると1位~4位が1兆円以上。5位~10位が5000~7000億円、50位~10位が1000~5000億円なので、意外と近い金額で多数の長者が並んでいます。

長者番付でも突き抜けた4名(孫正義、柳井正、佐治信忠、滝崎武光)とそれ以外のメンバーとの差が非常に大きいことが分かります。

そして、長者番付を見ると、高齢の方々が目立っています。

  • 90代が3名
  • 80代が5名
  • 70代が19名
  • 60代が6名
  • 50代が3名
  • 40代が4名

50代で若いと言われる日本政界を思い出させる年齢構成です。

2018年データで見た時には、一番若いのはグリーの田中良和(42歳)でした。

この年齢構成は、日本では新規企業が大をなすことが難しいことを暗示しています。

女性は経営者夫人としてランキング入りした人が多く、女性経営者では、テンプスタッフの篠原が際立っています。篠原は日本人女性経営者で初めて10億ドル以上の富を築きました。

そのほか、長者番付には、出身校や出身地等のデータもあるので、長者入りした面々の傾向を見てみます。

業種で伸びているのは、通信やテクノロジー、ゲーム等です。

筆者としては、パチンコ(パチスロ含む)が5社もあり、全体の1割を占めていたことに不安を感じました。

パチンコ関係者が大儲けする日本経済には、どこかに歪みがあるのかもしれません。

ネット系では、楽天、ヤフージャパンを傘下に置くソフトバンク、サイバーエージェント等の経営者がランキング入り。

ゲームは4社ですが、グリーやミクシー、サイバーエージェント等のゲーム事業をカウントした場合は7社となります。

そのほか、医療系が3社、化粧品が3社、ドラッグストアが2社、ディスカウントストアが3社、消費者金融が2社ほどランキング入りしています。

2018年のデータで見ると、出身校(中退含む)は、慶應大学が8人、早稲田大が3人、日本大学が3人、東大が2人、関西大学が2人 、大学中退の人は2名いました。

出身地では東京が6人。兵庫が4人。大阪は2人でした。ただ、日本各地から長者は出ています。

いろいろと見ていくと、長者番付からも日本経済の現状が透けて見えます。

フォーブスの世界富豪ランキングの面々と比べてみると、意外な発見があるかもしれません。

世界富豪ランキングの特徴は、とにかく数字の桁が大きいことと、米国を中心に若い企業家等が入っていることです。

国別に富豪の数をカウントしてみるのも一興かもしれません。

関連記事:世界の大富豪ランキング2017

日本の長者5人:フォーブス誌はどこに着目

ちなみに、フォーブス誌(2017/4/6)は5人の長者にスポットライトを当てています(「日本長者番付クローズアップ 今年注目の5人を紹介」)。

フォーブスが2017年に注目したのは以下の5名でした。

(以下、長者番付順位、2016⇒2017⇒2018⇒2019の資産額推移を掲載)

篠原欣子

2018年では43位。資産額は904億⇒1220億⇒1200億

日本初の「たたき上げ女性ビリオネア(資産10億ドル以上の富豪)」。東京のワンルームアパートに事務所を構え、人材派遣会社テンプスタッフを設立。

似鳥昭雄

2019年では11位。資産額は2712億⇒3660億⇒5030億⇒3916億

家具大手ニトリホールディングスの17年2月期の売上高は5129億円、純利益は599億円で、18期連続の増益を達成。

上月景正

2019年では29位。資産額は937億⇒1310億⇒1380億⇒1477億⇒1231億

コナミホールディングスの創業者兼会長。2014年以来3年ぶりにビリオネア入り。

小川賢太郎

2019年では22位。資産額は881億⇒1170億⇒1520億⇒1622億⇒1566億

牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスの創業者。

前澤友作

2019年では18位。資産額は2486億⇒3330億⇒2830億⇒3021億⇒2014億

2016年にピカソの「女の半身像(ドラ・マール)」を2260万ドル(約25億円)やジャンミシェル・バスキアの無題の絵画を約5700万ドル(約62.4億円)で落札したことを紹介。

※『週刊現代(2017/9/2』(P60~63)も前澤友作に注目。

年間670万人の購買者を誇るZOZOTOWN(日本最大級ファッションサイト)を運営するスタートトゥディ社の時価総額は366億円(07年)⇒1兆円(2017年)に急成長。前澤は若い頃はバンドに明け暮れながらも自宅でカタログ通販を開始。経営に専念し、異例のアパレルネット通販に挑戦。試着してから購入という常識を打ち破った。千葉への郷土愛から千葉に100億円豪邸を建築。美術館も建築予定。持前の美的センスのため、絵や茶の湯には使うお金を惜しまない。

【スポンサーリンク】