米国不動産ETFを比較|IYR・RWR・XLRE+海外RWXの配当・経費率・構成銘柄【2026年】
本記事では、IYR・RWR・XLRE・RWXの公式公表値を中心に比較しています。ETFの利回り、銘柄数、純資産総額、構成比率は日々変動するため、投資前には各運用会社の最新データも確認してください。
米国の不動産・REITセクターへ投資できる代表的なETFとして、IYR、RWR、XLREがあります。本記事では、この3本に加えて、米国を除く海外不動産へ投資するRWXも比較します。
4本は同じ「不動産ETF」に見えますが、中身はかなり異なります。IYRは米国不動産セクターを比較的広く保有し、RWRは米国REITを広く分散、XLREはS&P500採用の大型不動産企業に低コストで投資します。一方、RWXは米国を投資対象から外し、日本・英国・シンガポールなど海外不動産へ投資するETFです。[1][2][3][4]
2026年は米国REITが堅調に推移する一方、米国外不動産のRWXは相対的に出遅れています。また、AI投資拡大を背景にデータセンター需要が強い一方、金利、電力供給、REITごとの業種差によってパフォーマンスに大きな差が出ています。
IYR・RWR・XLRE・RWXを比較|違いを一覧で確認
まず、4本のETFの違いを比較します。利回りは比較条件をそろえるため、原則として各社が公表する30日SEC利回りを掲載しています。
| ETF | 主な投資対象 | 30日SEC 利回り |
経費率 | 銘柄数 | 純資産総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| IYR | 米国REIT+不動産関連企業 | 2.78% 2026/6/30 |
0.37% | 61 | 約45.5億ドル |
| RWR | 米国REIT中心 | 3.27% 2026/8/6 |
0.25% | 97 | 約18.9億ドル |
| XLRE | S&P500の大型不動産企業・REIT | 3.13% 2026/8/6 |
0.08% | 31 | 約86.1億ドル |
| RWX | 米国外のREIT・不動産企業 | 3.43% 2026/8/6 |
0.59% | 125 | 約2.68億ドル |
※利回りの基準日は各運用会社が最新値として公表している日付が異なります。IYRはBlackRock、RWR・XLRE・RWXはState Street公式データ。[1][2][3][4]
- IYR:米国不動産セクターへ幅広く投資したい場合。
- RWR:米国REITを比較的広く分散して保有したい場合。
- XLRE:低コストでS&P500の大型不動産銘柄へ投資したい場合。
- RWX:米国以外の不動産へ地域分散したい場合。
不動産ETF市場の注目ポイント【2026年8月】
AI需要でデータセンター需要は引き続き強い
2026年の不動産市場で特に注目されているのがデータセンターです。
CBREによると、2026年Q1の北米主要データセンター市場では在庫が前年同期比33%増となったにもかかわらず、強いAI・ハイパースケーラー需要によって空室率は記録的な低水準となりました。Northern Virginiaは0.3%、Atlantaは1.0%です。[5]
供給を増やしても需要がそれ以上に伸びている状態で、データセンターREITには追い風となっています。
電力供給がデータセンター開発の制約
一方、AIデータセンターは大量の電力を必要とします。CBREは、送電網や電力供給能力が開発時期や立地選定を左右する主要な制約になっていると指摘しています。[5]
したがって、「AI需要が増える=すべてのデータセンターREITが同じように恩恵を受ける」と考えるのではなく、電力調達、立地、建設コスト、契約条件まで見る必要があります。
REITは業種による差が大きい
不動産ETFには、データセンターだけでなく、ヘルスケア、物流、住宅、小売、通信タワー、セルフストレージ、オフィスなど様々なREITが含まれます。
2026年はAI・データセンター需要だけでなく、高齢化の恩恵を受けるヘルスケアREITや物流REITなども重要です。一方、オフィスなどは地域や物件による回復格差が大きく、ETFごとの構成比率がパフォーマンスを左右します。
不動産ETFの概要
IYR|iShares U.S. Real Estate ETF
IYRはBlackRockのiSharesが運用する米国不動産ETFで、2000年6月12日に設定された歴史の長いETFです。
- 連動指数:Dow Jones U.S. Real Estate Capped Index
- 銘柄数:61
- 純資産総額:約45.5億ドル
- 経費率:0.37%
- 30日SEC利回り:2.78%
- 分配頻度:四半期
2026年8月7日時点の公式データでは61銘柄を保有しています。以前の記事では66銘柄、経費率0.38%としていましたが、最新値では61銘柄、経費率0.37%です。[1]
業種別では、2026年8月6日時点でヘルスケアREITが17.84%、小売REITが13.62%、産業REITが11.89%、データセンターREITが9.36%、通信タワーREITが7.73%などとなっています。[1]
特定のREITタイプだけではなく、米国の不動産関連株を比較的幅広く保有するETFです。RWRより対象範囲が広く、XLREより銘柄数も多い一方、経費率は4本の米国ETF比較ではやや高めです。
RWR|State Street SPDR Dow Jones REIT ETF
RWRはState Streetが運用する米国REIT ETFです。
- 連動指数:Dow Jones U.S. Select REIT Capped Index
- 銘柄数:97
- 純資産総額:約18.9億ドル
- 経費率:0.25%
- 30日SEC利回り:3.27%
2024年9月20日以降のベンチマークはDow Jones U.S. Select REIT Capped Indexです。従来の記事にあった「Dow Jones U.S. Select REIT Index」から更新しています。[2]
2026年8月6日時点の上位銘柄は、Welltower 10.87%、Prologis 9.45%、Digital Realty Trust 4.91%、Public Storage 4.70%、Simon Property Group 4.57%などです。[2]
業種別ではヘルスケアが21.29%、小売が20.34%、住宅が15.52%、産業REITが14.30%、データセンターREITが9.45%です。
米国REITへ比較的広く分散でき、経費率も0.25%に抑えられています。IYRより「REITそのもの」への投資色が強いETFです。
XLRE|Real Estate Select Sector SPDR ETF
XLREは、S&P500構成企業のうち不動産セクターに分類される企業へ投資するETFです。Mortgage REITは対象外です。[3]
- 連動指数:Real Estate Select Sector Index
- 銘柄数:31
- 純資産総額:約86.1億ドル
- 経費率:0.08%
- 30日SEC利回り:3.13%
4本の中では経費率0.08%と最も低コストです。一方、銘柄数は31と少なく、大型銘柄への集中度が高くなります。
2026年8月6日時点の上位銘柄は、Welltower 11.24%、Prologis 8.90%、Equinix 7.00%、American Tower 5.38%、Digital Realty Trust 5.02%です。[3]
業種別ではSpecialized REITsが39.24%、Health Care REITsが18.06%、Retail REITsが13.26%、Residential REITsが12.37%、Industrial REITsが8.90%となっています。
以前の記事ではSpecialized REITsを49.41%としていましたが、最新値では39.24%です。
データセンターだけに投資するETFではありません。Welltower、Prologis、Equinix、American Tower、Digital Realtyなど、米国の大型不動産企業・REITへの集中度が高いETFと考える方が正確です。
RWX|State Street SPDR Dow Jones International Real Estate ETF
RWXは他の3本と異なり、米国を除く海外の不動産証券へ投資します。
- 連動指数:Dow Jones Global ex-U.S. Select Real Estate Securities Index
- 銘柄数:125
- 純資産総額:約2.68億ドル
- 経費率:0.59%
- 30日SEC利回り:3.43%
2026年8月6日時点の上位銘柄は、三井不動産5.50%、SEGRO 3.72%、Unibail-Rodamco-Westfield 3.11%、Scentre Group 3.07%、Link REIT 2.73%などです。[4]
国別では2026年7月27日時点で、日本26.23%、英国14.64%、シンガポール9.51%、豪州8.51%、フランス6.90%となっています。[6]
以前の記事では日本比率を29.90%としていましたが、現在は約26%まで低下しています。それでも日本が最大の投資国です。
米国REITとの値動きや地域構成を分散する目的では有効ですが、純資産総額は他の3本より小さく、経費率も0.59%と高めです。売買時には出来高やスプレッドにも注意が必要です。
IYR・RWR・XLRE・RWXの2026年リターンを比較
2026年は各ETFのパフォーマンスに大きな差が出ています。比較条件をそろえるため、以下では2026年6月30日時点の年初来NAVトータルリターンを使用します。
| ETF | 2026年 年初来リターン |
特徴 |
|---|---|---|
| IYR | +9.74% | 米国不動産が堅調 |
| RWR | +16.71% | 米国REITが特に強い |
| XLRE | +10.78% | 大型REIT中心に上昇 |
| RWX | -2.47% | 米国外不動産は出遅れ |
6月末時点ではRWRが+16.71%と最も高く、IYRとXLREも二桁近い上昇となりました。一方、RWXは-2.47%で、米国と米国外の不動産市場で大きな差が出ています。[1][2][3][4]
なお、RWRは7月末には年初来リターンが19.72%まで上昇しています。短期間で値動きが大きくなることもあるため、「今年上がっているから」という理由だけで追随するのではなく、金利、FFO、REITの評価水準も確認したいところです。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:米国10年国債利回り
主要指標の単位はB=10億ドル、M=100万ドルです。株価の成長率、前日比、52週高値/安値のほか、純資産、分配利回り、経費率、権利落ち日などを整理しています。リアルタイムではありませんが、株価は最大20分程度のディレイでフォローしています。
配当(分配金)と利回り
ETFでは企業の「配当」に相当するものを一般に分配金と呼びます。
ここでは、過去の年間累計分配金を平均株価で割った利回りの推移を確認します。
以下の長期表は、各年に実際に支払われた年間累計分配金を平均株価で割った独自の過去利回りです。一方、記事前半の4ETF比較表では比較条件をそろえるため30日SEC利回りを使用しています。両者は定義が異なるため、同じ数値になるものではありません。
IYRの利回り推移
| 年 | 分配金 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2025 | 2.45% | 2.33 | -2.5% | 95.1 | 3.0% |
| 2024 | 2.59% | 2.39 | -4.4% | 92.3 | 9.1% |
| 2023 | 2.96% | 2.50 | 2.5% | 84.6 | -11.9% |
| 2022 | 2.54% | 2.44 | 2.5% | 96.0 | -4.9% |
| 2021 | 2.36% | 2.38 | 8.7% | 100.9 | 22.9% |
| 2020 | 2.67% | 2.19 | -22.3% | 82.1 | -7.3% |
| 2019 | 3.18% | 2.82 | 7.2% | 88.6 | 13.2% |
| 2018 | 3.36% | 2.63 | -12.6% | 78.3 | -1.9% |
| 2017 | 3.77% | 3.01 | -10.7% | 79.8 | 3.0% |
| 2016 | 4.35% | 3.37 | 15.0% | 77.5 | 2.2% |
| 2015 | 3.87% | 2.93 | 4.6% | 75.8 | 6.6% |
| 2014 | 3.94% | 2.80 | 18.6% | 71.1 | 6.0% |
| 2013 | 3.52% | 2.36 | -1.3% | 67.1 | 6.7% |
| 2012 | 3.80% | 2.39 | 11.2% | 62.9 | 9.6% |
| 2011 | 3.75% | 2.15 | 10.3% | 57.4 | 12.8% |
| 2010 | 3.83% | 1.95 | 1.6% | 50.9 | 42.6% |
| 2009 | 5.38% | 1.92 | -37.3% | 35.7 | -38.3% |
| 2008 | 5.28% | 3.06 | – | 57.9 | – |
RWRの利回り推移
| 年 | 分配金 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2025 | 3.74% | 3.72 | 0.0% | 99.5 | 2.3% |
| 2024 | 3.82% | 3.72 | 4.5% | 97.3 | 9.4% |
| 2023 | 4.00% | 3.56 | 7.9% | 88.9 | -12.1% |
| 2022 | 3.26% | 3.30 | -2.7% | 101.1 | -3.3% |
| 2021 | 3.24% | 3.39 | 5.3% | 104.6 | 25.3% |
| 2020 | 3.86% | 3.22 | -5.6% | 83.5 | -16.4% |
| 2019 | 3.41% | 3.41 | -5.0% | 99.9 | 10.4% |
| 2018 | 3.97% | 3.59 | 26.4% | 90.5 | -2.8% |
| 2017 | 3.05% | 2.84 | -30.2% | 93.1 | -0.9% |
| 2016 | 4.33% | 4.07 | 40.8% | 93.9 | 3.8% |
| 2015 | 3.19% | 2.89 | 4.7% | 90.5 | 10.1% |
| 2014 | 3.36% | 2.76 | 15.0% | 82.2 | 8.0% |
| 2013 | 3.15% | 2.40 | 8.6% | 76.1 | 7.0% |
| 2012 | 3.11% | 2.21 | 9.4% | 71.1 | 12.0% |
| 2011 | 3.18% | 2.02 | 13.5% | 63.5 | 15.2% |
| 2010 | 3.23% | 1.78 | -9.2% | 55.1 | 45.8% |
| 2009 | 5.19% | 1.96 | -31.5% | 37.8 | -39.1% |
| 2008 | 4.61% | 2.86 | – | 62.1 | – |
XLREの利回り推移
| 年 | 分配金 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2025 | 3.41% | 1.39 | -0.7% | 40.8 | 0.7% |
| 2024 | 3.46% | 1.40 | 6.9% | 40.5 | 9.5% |
| 2023 | 3.54% | 1.31 | -3.0% | 37.0 | -12.9% |
| 2022 | 3.18% | 1.35 | 0.7% | 42.5 | -3.0% |
| 2021 | 3.06% | 1.34 | 17.5% | 43.8 | 22.3% |
| 2020 | 3.18% | 1.14 | -2.6% | 35.8 | -3.2% |
| 2019 | 3.16% | 1.17 | 1.7% | 37.0 | 15.6% |
| 2018 | 3.59% | 1.15 | 9.5% | 32.0 | -0.6% |
| 2017 | 3.26% | 1.05 | -18.0% | 32.2 | 1.9% |
| 2016 | 4.05% | 1.28 | 276.5% | 31.6 | 3.3% |
| 2015 | 1.11% | 0.34 | – | 30.6 | – |
RWXの利回り推移
| 年 | 分配金 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2025 | 3.78% | 1.02 | 2.0% | 27.0 | 5.9% |
| 2024 | 3.92% | 1.00 | -3.8% | 25.5 | -1.2% |
| 2023 | 4.03% | 1.04 | -2.8% | 25.8 | -12.8% |
| 2022 | 3.61% | 1.07 | -34.0% | 29.6 | -18.0% |
| 2021 | 4.49% | 1.62 | 67.0% | 36.1 | 15.3% |
| 2020 | 3.10% | 0.97 | -71.9% | 31.3 | -19.7% |
| 2019 | 8.85% | 3.45 | 87.5% | 39.0 | -0.3% |
| 2018 | 4.71% | 1.84 | 67.3% | 39.1 | 14.0% |
| 2017 | 2.86% | 1.10 | -64.9% | 38.4 | -4.5% |
| 2016 | 7.79% | 3.13 | 174.6% | 40.2 | -4.5% |
| 2015 | 2.71% | 1.14 | -18.6% | 42.1 | -0.9% |
| 2014 | 3.29% | 1.40 | -23.9% | 42.5 | 1.2% |
| 2013 | 4.38% | 1.84 | -31.9% | 42.0 | 11.7% |
| 2012 | 7.18% | 2.70 | 103.0% | 37.6 | 1.1% |
| 2011 | 3.58% | 1.33 | -60.4% | 37.2 | 3.9% |
| 2010 | 9.39% | 3.36 | 102.4% | 35.8 | 21.4% |
| 2009 | 5.63% | 1.66 | 9.9% | 29.5 | -33.6% |
| 2008 | 3.40% | 1.51 | – | 44.4 | – |
IYR・RWR・XLRE・RWXの構成銘柄を比較
ETFを比較する際は、銘柄数だけでなくどのREIT・どの不動産分野に比重を置いているかが重要です。投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。
IYRの構成
IYRはヘルスケア、小売、産業、データセンター、通信タワー、住宅、セルフストレージなどを幅広く保有します。データセンターREITだけに偏らず、米国不動産市場全体へ比較的広く投資できることが特徴です。
RWRの構成銘柄
RWRはWelltower、Prologis、Digital Realty、Public Storage、Simon Property Group、Equinix、Realty Incomeなどの大型REITが上位を占めます。
ヘルスケア、小売、住宅、物流、データセンターなどへ分散されており、「米国REITを広く保有する」という目的に比較的合いやすい構成です。
XLREの構成銘柄
XLREは31銘柄と少なく、WelltowerとPrologisの2社だけで約20%を占めます。
Equinix、American Tower、Digital Realtyも上位にあるためAI・データセンター・通信インフラ需要の影響を受けますが、WelltowerなどヘルスケアREITの影響も非常に大きい点には注意が必要です。
RWXの構成銘柄・国別比率
RWXでは三井不動産が最大の構成銘柄で、SEGRO、Unibail-Rodamco-Westfield、Scentre Group、Link REITなど各国の不動産企業が続きます。
| 国 | 構成比率 2026/7/27 |
|---|---|
| 日本 | 26.23% |
| 英国 | 14.64% |
| シンガポール | 9.51% |
| 豪州 | 8.51% |
| フランス | 6.90% |
| 香港 | 5.71% |
| スイス | 4.51% |
「海外へ分散できるETF」ではありますが、日本だけで約4分の1を占めています。米国ETFとRWXを組み合わせる場合には、米国以外のどの国へ分散しているのかも確認することが重要です。
IYR・RWR・XLRE・RWXはどれを選ぶ?目的別に比較
低コストを重視
候補:XLRE
経費率0.08%で4本の中では圧倒的に低コストです。ただし31銘柄と少なく、大型銘柄への集中度は高くなります。
米国REITを広く分散
候補:RWR
97銘柄を保有し、ヘルスケア、小売、住宅、物流、データセンターなどへ比較的広く分散されています。
米国不動産全体へ広めに投資
候補:IYR
REITに加え、不動産関連企業も含む米国不動産セクターへの幅広いエクスポージャーを得られます。
米国外へ地域分散
候補:RWX
米国を除く世界の不動産へ投資します。ただし経費率0.59%、純資産約2.7億ドルと、コストや規模では他の3本に劣ります。
米国不動産ETFの今後の見通し
金利低下はREITに追い風になりやすい
REITは不動産取得や開発で借入を利用するため、一般に金利の影響を受けやすい資産です。
長期金利が低下すれば資金調達コストへの懸念が和らぎ、債券利回りとの相対比較でもREITの分配利回りが魅力的に見えやすくなります。一方、インフレ再加速などで長期金利が上昇すれば、再びバリュエーションの重荷になる可能性があります。
AI需要だけでなくREITごとの収益力を見る
2026年はデータセンター需要が大きなテーマですが、不動産ETFの収益源はそれだけではありません。
例えばWelltowerのようなヘルスケアREIT、Prologisの物流施設、Simon Property Groupの商業施設、Public Storageのセルフストレージなど、構成銘柄ごとに需要構造が異なります。
ETFを選ぶ際には「不動産全体が上がるか」だけでなく、各ETFがどの不動産分野へどの程度投資しているかを見ることが重要です。
投資上の注意点
- 金利リスク:長期金利上昇はREITの資金調達コストやバリュエーションの逆風になり得ます。
- 業種集中:XLREなどは少数の大型銘柄への依存度が高くなります。
- 分配金は変動:ETFの分配金は企業の普通配当のように一定とは限りません。
- 利回りの定義:30日SEC利回り、Distribution Yield、Trailing Yieldは計算方法が異なります。
- 為替リスク:日本の投資家はドル/円の影響を受けます。RWXでは投資先の各国通貨の影響も間接的に受けます。
- RWXの流動性:純資産規模が小さいため、売買時のスプレッドにも注意が必要です。
- 過去のパフォーマンス:2026年に上昇率が高いETFが今後も高いリターンを続けるとは限りません。
まとめ|米国不動産ETF4本の違い
IYR、RWR、XLREは、いずれも米国不動産への投資に利用できるETFですが、投資対象やコストには明確な違いがあります。RWXはさらに性格が異なり、米国を除く海外不動産への投資手段です。
- IYR:米国不動産セクターを比較的広く保有。経費率0.37%。
- RWR:米国REITを97銘柄に分散。2026年のパフォーマンスが4本の中で特に強い。
- XLRE:経費率0.08%の低コスト。31銘柄の大型不動産株へ集中。
- RWX:米国外の不動産へ投資。日本が約26%を占める。経費率0.59%。
2026年6月末までのリターンでは米国REITが海外不動産を大きく上回っていますが、短期的な値動きだけでETFを選ぶのではなく、経費率、分配利回り、構成銘柄、業種・地域分散、金利感応度をあわせて比較することが重要です。
【注】(出典リンク)
-
IYRの純資産、銘柄数、経費率、利回り、構成、パフォーマンス →
BlackRock / iShares:iShares U.S. Real Estate ETF(一次情報)
→ 2026年8月7日時点の純資産・銘柄数、2026年6月30日時点の30日SEC利回り・パフォーマンス等(確認日:2026-08-09)
↩ -
RWRのベンチマーク、純資産、銘柄数、経費率、利回り、構成銘柄、パフォーマンス →
State Street:SPDR Dow Jones REIT ETF(一次情報)
→ Dow Jones U.S. Select REIT Capped Index、97銘柄、経費率0.25%、30日SEC利回り3.27%等(確認日:2026-08-09)
↩ -
XLREの純資産、銘柄数、経費率、利回り、構成銘柄、業種比率 →
State Street:Real Estate Select Sector SPDR ETF(一次情報)
→ 31銘柄、経費率0.08%、30日SEC利回り3.13%、Specialized REITs 39.24%等(確認日:2026-08-09)
↩ -
RWXの純資産、銘柄数、経費率、利回り、構成銘柄、パフォーマンス →
State Street:SPDR Dow Jones International Real Estate ETF(一次情報)
→ 125銘柄、経費率0.59%、30日SEC利回り3.43%、上位構成銘柄等(確認日:2026-08-09)
↩ -
2026年データセンター市場 →
CBRE:Global Data Center Trends 2026
→ 北米在庫+33%、Northern Virginia空室率0.3%、Atlanta 1.0%、AI需要、電力・送電網制約、賃料動向(確認日:2026-08-09)
↩ -
RWXの国別構成 →
State Street:RWX 日本語公式ページ(一次情報)
→ 2026年7月27日時点、日本26.23%、英国14.64%、シンガポール9.51%、豪州8.51%等(確認日:2026-08-09)
↩

