中国ETF(FXI・MCHI・KWEB・ASHR・CNXT・CXSE)を比較:株価・配当・構成銘柄
中国ETF徹底比較 2025年8月最新版
中国ETFのデータを比較し、情報を整理してみます。 このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう 日本の主要証券会社でも購入可能な米国上場の代表的な中国株ETF4本 (FXI, MCHI, KWEB, ASHR) を中心に、さらにユニークな特徴を持つETF (CXSE, CNXT) も加えて、それぞれの違いと選び方を、パフォーマンスや配当の観点も交えて徹底的に解説します。 Contents
結論:あなたの投資目的はどれ?4つの主要ETFのポジショニングまず、中心的に比較する4つのETFがどのような投資目的に合うのか、その特徴を見てみましょう。
このように、同じ中国株ETFでも投資対象やコンセプトは大きく異なります。まずはこの4つの基本形を理解することが重要です。 4大ETF 詳細比較それでは、各ETFの基本情報を比較表で確認しましょう。
※経費率は2025年8月23日時点の参考値であり、変更される可能性があります。
配当(分配金)利回りの比較中国株ETFは、一般的にキャピタルゲイン(値上がり益)を主な目的としており、高い分配金利回りを期待する商品ではありません。しかし、ETFの構成銘柄によって分配金には明確な差が出ます。
※分配金利回りは2025年8月23日時点の参考値であり、将来の分配金を保証するものではありません。 結論として、分配金を重視するならKWEBとFXIが候補になります。特にKWEBは以前とは状況が大きく変わり、現在では意外にも高い分配金利回りを実現しています。一方で、ASHRの分配金利回りは以前より低下しており、注意が必要です。 各ETFの深掘り解説1. 【伝統の大型株】 iシェアーズ 中国大型株 ETF (FXI)FXIは、米国で最も歴史があり、流動性も高い中国株ETFの一つです。投資対象を中国を代表する大手企業約50社に絞っているのが最大の特徴です。 構成銘柄には、大手国有銀行や保険会社、エネルギー企業といった伝統的な巨大企業が多く含まれます。これが、他のETFに比べて分配金利回りが比較的高くなる要因となっています。MCHIよりも銘柄数が少ない分、これらの超大型株の動向にパフォーマンスが左右されやすくなります。
2. 【バランスの王道】 iシェアーズ MSCI チャイナ ETF (MCHI)MCHIは、中国株ETFの中で最も包括的で分散が効いている一本です。香港市場のH株や米国市場のADRなど、海外で取引される中国株を中心に約500銘柄に投資します。 構成銘柄はテンセントやアリババといった巨大テック企業から、金融、消費財まで幅広くカバー。特定のセクターに偏らず、中国経済全体の値動きを捉えたい投資家にとって、ポートフォリオの「核」となるETFです。
3. 【ハイテク特化】 クレーンシェアーズ CSI チャイナ・インターネット ETF (KWEB)KWEBは、その名の通り中国のインターネット関連企業に特化した、テーマ型ETFの代表格です。Eコマース、オンライン決済、ゲーム、SNSなど、中国のデジタル経済を牽引する企業に集中投資します。 構成銘柄は利益を事業拡大に再投資する「グロース株」がほとんどでしたが、2025年8月現在では約2.8%の分配金利回りを実現しており、以前とは状況が大きく変わっています。中国のテクノロジーセクターのダイナミックな成長を狙うなら、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。
4. 【中国「本土」市場】 Xトラッカーズ・ハーベスト CSI300 チャイナA株 ETF (ASHR)ASHRは、上記3つとは異なり、中国本土(上海・深圳)の株式市場(A株)に上場する主要300銘柄に投資するETFです。 A株市場は、中国の国内政策や個人投資家の動向に影響されやすいという特徴があります。海外上場のH株やADRとは異なる値動きをすることが多く、ポートフォリオにASHRを加えることで、より多角的な中国投資が可能になります。ただし、分配金利回りは以前の2.1%から約1.0%に低下しています。
【参考】東証で手軽に投資したいなら「まずは為替リスクを気にせず、日本円で手軽に始めてみたい」という方のために、東京証券取引所(東証)に上場している代表的な中国株ETFもご紹介します。これらは日本のほぼ全ての証券会社で、国内株と同じように取引できます。
【参考】その他ユニークな米国上場ETF主要4本のETF以外にも、ユニークな戦略を持つETFが存在します。他の投資家と差をつけたい場合に検討の価値がある2本です。 ウィズダムツリー 中国株 ex-国有企業 ファンド (CXSE)CXSEは、その名の通り「中国の国有企業を除外する」という非常に明確なコンセプトを持つETFです。具体的には、中国政府が20%以上出資する企業を投資対象から外します。 これにより、政府の政策に影響されやすい大手銀行やエネルギー、通信といったセクターが除かれ、より市場原理に基づいて経営される民間のテクノロジー企業や消費関連企業への投資比率が高まります。「中国には投資したいが、政府の介入リスクは避けたい」と考える投資家にとって、非常に魅力的な選択肢です。
ヴァンエック ChiNext ETF (CNXT)CNXTは、中国のChiNext市場(深圳証券取引所の新興企業板)に上場する企業に投資することを目指すETFです。ChiNext市場は中国版NASDAQとも呼ばれ、主に中小規模の成長企業やハイテク企業が上場しています。 このETFは、中国の新興企業や成長企業への投資を通じて、中国経済の次世代の成長を狙うことができます。ただし、小型・中型株が中心のため、大型株ETFに比べてボラティリティが高くなる傾向があります。
|
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。
中国の経済力
最後に、中国の経済力を見ていきましょう。
ここで、世界銀行のデータバンク等から主要統計を閲覧してみます。
中国の経済力
最後に、中国の経済力を見ていきましょう。ここでは 世界銀行データバンク(WDI) から主要統計を抽出し、推移を整理しました。
実質GDPと成長率
(※実質GDPは2015年米ドル基準。単位は億ドル)
年 | 実質GDP | 名目GDP | 実質成長率(%) |
---|---|---|---|
2005 | 44205 | 22860 | 11.39 |
2006 | 49829 | 27521 | 12.72 |
2007 | 56920 | 35503 | 14.23 |
2008 | 62413 | 45943 | 9.65 |
2009 | 68279 | 51017 | 9.40 |
2010 | 75541 | 60872 | 10.64 |
2011 | 82756 | 75515 | 9.55 |
2012 | 89263 | 85322 | 7.86 |
2013 | 96196 | 95704 | 7.77 |
2014 | 103339 | 104757 | 7.43 |
2015 | 110616 | 110616 | 7.04 |
2016 | 118191 | 112333 | 6.85 |
2017 | 126402 | 123104 | 6.95 |
2018 | 134934 | 138948 | 6.75 |
2019 | 142962 | 142799 | 5.95 |
2020 | 146318 | 147227 | 2.35 |
2021 | 177593 | 287225 | 8.4 |
2022 | 178485 | 316781 | 3.0 |
2023 | 177580 | 345409 | 5.3 |
2024 | 184881 | 370721 | 4.8 |
一人当たりGDP/人口/失業率
(*失業率は ILO モデル推計。一人当たり GDP〔実質〕の単位はドル、人口は万人)
年 | 1人当りGDP | 人口 | 失業率(%) |
---|---|---|---|
2005 | 3391 | 130372 | 4.5 |
2006 | 3801 | 131102 | 4.4 |
2007 | 4319 | 131789 | 4.3 |
2008 | 4712 | 132466 | 4.6 |
2009 | 5129 | 133126 | 4.7 |
2010 | 5647 | 133771 | 4.5 |
2011 | 6153 | 134504 | 4.5 |
2012 | 6592 | 135419 | 4.6 |
2013 | 7056 | 136324 | 4.6 |
2014 | 7533 | 137186 | 4.6 |
2015 | 8016 | 137986 | 4.6 |
2016 | 8517 | 138779 | 4.5 |
2017 | 9053 | 139622 | 4.4 |
2018 | 9619 | 140276 | 4.3 |
2019 | 10155 | 140775 | 4.6 |
2020 | 10370 | 141093 | 5.0 |
2021 | 12572 | 141236 | 5.1 |
2022 | 12643 | 141175 | 5.6 |
2023 | 12597 | 140967 | 5.2 |
2024 | 12969 | 140828 | 5.1 |