都道府県と世界各国のGDPを比較 東京VSオランダ、大阪VSマレーシア、愛知VSフィリピンの結果は? 

政治経済

今回は、日本の都道府県のGDP(国内総生産)の規模について考えてみます。

名目GDPで比較して、上位になる都道府県のGDPが世界各国のランキングでどのあたりに匹敵するのかを調べてみます。

日本の経済規模は大きいとされますが、それを各都道府県や経済圏に区切ってみたら、はたして、どの国と同じぐらいの経済規模になるのでしょうか。

計算過程は以下の通りです。

  1. 日本の各都道府県の名目GDPは、内閣府「県民経済計算」の「県内総生産(生産側、名目)」から取得[1]
  2. 世界各国の名目GDP(米ドル)は、世界銀行の「GDP (current US$)」から取得[2]
  3. 両方のデータが揃う最新年を確認。都道府県GDPは全都道府県が揃う最新値が2022年度(令和4年度)のため、比較対象国も2022年で揃えました。
  4. 2022年のドル円の年平均レート(1ドル=131.498円)で各都道府県GDPを米ドルに換算[3]

「各国VS東京都or地域(経済圏)」でGDPを比較

まず、各県VS各国の比較に入る前に、東京都と主な地域ブロックで名目GDPを比較してみます。

【ご注意】以下のGDPは2022年・2022年度の名目GDP(単位:百万ドル)です。都道府県GDPは年度、日本以外の国別GDPは暦年なので、厳密には期間が完全一致しているわけではありません。ただし、ここでは経済規模の大まかな比較を目的としているため、2022年基準で揃えて概算しています。

一番目立つのが関東広域圏(約1.82兆ドル)です。ブラジル(約1.95兆ドル)よりは小さいものの、メキシコ(約1.47兆ドル)を上回る規模です。東京都だけでも約9,142億ドルあり、トルコ(約9,261億ドル)にかなり近い規模感になります。

近畿圏はポーランドに近く、中部圏はスイスとほぼ同水準です。北海道・東北圏、九州・沖縄圏はベトナムやマレーシアと近い規模です。なお、地域ブロックの集計は都道府県の足し上げであり、地域定義によって金額が変わります。本記事では、関東広域圏は東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨、中部圏は新潟・富山・石川・福井・長野・岐阜・静岡・愛知・三重として計算しています。

日本の地域 GDP
(百万ドル)
比較対象国 GDP
(百万ドル)
イタリア 2,104,068
ブラジル 1,951,924
関東広域圏 1,818,414
メキシコ 1,466,935
サウジアラビア 1,239,075
オランダ 1,046,541
トルコ 926,097
東京都 914,233
スイス 828,509
中部圏 830,203
近畿圏 704,325
ポーランド 695,607
ナイジェリア 646,950
アルゼンチン 633,994
ベルギー 591,086
シンガポール 509,018
タイ 495,645
北海道・東北圏 422,628
ベトナム 413,445
九州・沖縄圏 408,618 マレーシア 407,831

「各国VS都道府県」でGDPを比較

次に、都道府県を中心に世界各国と比較してみます。この表はGDPの大きい順なので、一部、地域ブロックも交じります。

大阪府と愛知県はほぼ同規模で、どちらも約3,280億ドルです。これはコロンビアよりやや小さく、チェコ、チリ、ルーマニアを上回る水準です。神奈川県はポルトガルやペルーを上回り、カタールよりも大きい経済規模になります。

埼玉県、兵庫県、千葉県、北海道、福岡県といった主要自治体も、単独で中規模国に匹敵する規模を持っています。たとえば、埼玉県や兵庫県はハンガリーに近く、千葉県・北海道・福岡県はウクライナと近い規模です。

日本の都道府県/地域 GDP
(百万ドル)
比較対象国 GDP
(百万ドル)
マレーシア 407,831
フィリピン 404,353
コロンビア 345,632
大阪府 327,945
愛知県 327,633
チェコ 301,831
チリ 301,227
ルーマニア 295,319
神奈川県 267,375
ポルトガル 256,899
ペルー 246,066
カタール 235,709
中国地方 234,165
カザフスタン 225,496
ギリシャ 217,990
埼玉県 187,574
兵庫県 178,426 ハンガリー 177,003
千葉県 162,849 ウクライナ 161,990
北海道 158,856
福岡県 153,517
静岡県 138,946
モロッコ 131,245
茨城県 110,919
広島県 94,877
京都府 84,469

こうして見ると、日本の各地域や主要な都道府県が、単独で一つの国に匹敵する、あるいはそれを超えるほどの経済規模を持っていることが分かります。ただし、2022年は急激な円安が進んだ年でもあります。円建ての名目GDPが伸びていても、ドル建てに換算すると順位が下がるケースがあるため、こうした比較では為替レートの影響を強く受けます。

また、都道府県GDPは年度、国別GDPは暦年であり、地域ブロックの範囲にもいくつかの考え方があります。そのため、数字は「厳密な順位表」というより、日本の地域経済の大きさを世界の国々と比べて実感するための目安として見るのが適切です。

※日本の都道府県GDPは内閣府「県民経済計算(2022年度・令和4年度)県内総生産(生産側、名目)」を使用。各国GDPは世界銀行「GDP (current US$)」の2022年値を使用。為替レートは世界銀行「Official exchange rate (LCU per US$, period average)」の日本・2022年値(1ドル=131.498円)を使用。金額は四捨五入のため、合計と内訳が完全には一致しない場合があります。

【注】

  1. 内閣府「県民経済計算」2022年度(令和4年度)統計表、県内総生産(生産側、名目)。確認日:2026-05-09。内閣府 統計表
  2. World Bank, “GDP (current US$),” World Development Indicators. 2022年値を使用。確認日:2026-05-09。World Bank GDP (current US$)
  3. World Bank, “Official exchange rate (LCU per US$, period average) – Japan.” 2022年の日本円/米ドル年平均値(131.498)を使用。確認日:2026-05-09。World Bank Official exchange rate

Posted by 南 一矢