IBMの配当・株価|配当金推移、利回り、増配と権利確定日
最終更新:2026年10月22日
2026年10月21日発表のQ3決算と同日の12月配当宣言を反映しました。Q3売上高は171.03億ドル(前年同期比約5%増)、GAAP純利益は21.90億ドル、会社定義FCFは30.27億ドル。2026年1~9月のFCFは77.87億ドル、配当支払額は47.62億ドルで、FCF配当カバー率は約1.64倍です。通期FCF見通しは前年比10億ドル超増へ引き上げられました。[1]
12月10日支払い予定の四半期配当1.69ドル(11月10日権利確定)が正式に発表されています。現行年率換算額6.76ドルと、2026年の支払予定合計6.75ドルは区別して表示します。[2]
2026年10月21日米国通常取引終値251.46ドルを基準にした現行年率配当利回りは約2.69%です。株価にはデータ提供元による小幅な差があり、本記事では一つの基準値に統一します。[3]
2026年Q2・上半期の数値は比較対象として残し、7月22日発表の決算資料とSECのQ2 Form 10-Qを根拠としています。[4]
IBMの次回配当は2026年12月10日支払い予定の1株1.69ドルです。 10月21日のQ3決算発表と同時に正式宣言されました。[1]
- 直近の支払済み配当:2026年9月10日、1株1.69ドル
- 次回の権利確定日:2026年11月10日
- 次回の支払予定日:2026年12月10日
- 次回の1株配当:1.69ドル(据え置き)
- 現行年率換算:6.76ドル(1.69ドル×4)
- 2026年の年間支払予定合計:6.75ドル(3月・6月・9月は支払済み、12月は予定)
- 連続増配:31年(2026年4月の増配)/1916年以来、毎年四半期配当を継続
2026年9月までに支払われた配当は1株合計5.06ドルです。12月分1.69ドルは宣言済みですが、10月22日時点では未払いです。[2]
2026年1~9月の会社定義FCF77.87億ドルに対し、現金配当支払額は47.62億ドル。配当カバー率は約1.64倍に改善し、2026年Q3単独では約1.90倍です。買収による債務負担は残るものの、現時点の配当はFCFで賄われています。[1]
IBMの配当はいつ?2026年12月配当は正式発表済み
| 項目 | 直近:2026年9月配当 | 次回:2026年12月配当 |
|---|---|---|
| 1株当たり配当 | 1.69ドル | 1.69ドル(宣言済み) |
| 権利確定日 | 2026年8月10日 | 2026年11月10日 |
| 支払日 | 2026年9月10日 | 2026年12月10日(予定) |
| 状況 | 支払済み | 2026年10月21日取締役会で宣言・未払い |
| 現行年率換算 | 6.76ドル(1.69ドル×4回の参考値) | |
IBMの現金配当は通常、3月・6月・9月・12月の各10日前後に支払われます。2026年9月分は8月10日を権利確定日として9月10日に支払い済みです。次回12月分は2026年10月21日に1株1.69ドルと宣言され、11月10日権利確定、12月10日支払い予定です。[1][2]
権利確定日と権利落ち日は同じ概念ではありません。
米国株の配当を受け取るための最終購入日は、市場の決済制度と証券会社の取扱いによって決まります。実際の権利落ち日は、利用している証券会社や取引所の最新情報で確認してください。
2026年の配当スケジュール
| 支払月 | 1株配当 | 権利確定日 | 支払日 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 3月 | 1.68ドル | 2026年2月10日 | 2026年3月10日 | 支払済み |
| 6月 | 1.69ドル | 2026年5月8日 | 2026年6月10日 | 支払済み |
| 9月 | 1.69ドル | 2026年8月10日 | 2026年9月10日 | 支払済み |
| 12月 | 1.69ドル | 2026年11月10日 | 2026年12月10日 | 宣言済み・支払予定 |
2026年9月10日までに実際に支払われた配当は合計5.06ドルです。12月の1.69ドルが予定どおり支払われれば、2026年の年間支払額は6.75ドルになります。一方、現行年率6.76ドルは四半期1.69ドルを4倍した参考値であり、実際の年間支払額とは異なります。[2]
IBMの配当金推移|31年連続増配
IBMは1916年以来、毎年四半期配当を支払い、2026年4月の増配で31年連続増配となりました。2008年の年間配当2.00ドルから、現行年率換算6.76ドルまで増えています。[2]
| 年 | 配当データ | 平均株価・基準株価 | 年EPS (GAAP) |
|||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均・参考利回り | 増配率 | 配当性向 | 年間配当・現行年率 | |||
| 2026 現行 | 約2.69% 2026/10/21終値基準 |
約0.6% | 約58% 2026年Q3までのTTM GAAP EPS概算 |
6.76 現行年率換算 |
251.46 2026/10/21終値 |
約11.72 2026年Q3までのTTM概算 |
| 2025 | 約2.49% | 約0.7% | 約60% | 6.71 (支払ベース) |
約270.00 | 11.14 |
| 2024 | 2.76% | 1.3% | 65% | 6.67 | 241.50 | 10.33 |
| 2023 | 4.25% | 1% | 約81% | 6.63 | 156.00 | 8.14 |
| 2022 | 5.10% | 1% | 約366% | 6.59 | 129.20 | 1.80 |
| 2021 | 4.90% | 1% | 約55% | 6.56 | 133.80 | 11.89 |
| 2020 | 5.20% | 1% | 約98% | 6.52 | 125.40 | 6.68 |
| 2019 | 4.40% | 3% | 約52% | 6.47 | 147.00 | 12.38 |
| 2018 | 4.30% | 5% | 約52% | 6.28 | 146.00 | 12.16 |
| 2017 | 3.85% | 7% | 約48% | 6.00 | 155.80 | 12.49 |
| 2016 | 3.45% | 8% | 約45% | 5.60 | 162.30 | 12.39 |
| 2015 | 3.75% | 16% | 約42% | 5.20 | 138.50 | 12.52 |
| 2014 | 2.70% | 12% | 約27% | 4.40 | 163.00 | 16.21 |
| 2013 | 2.00% | 12% | 約24% | 3.90 | 195.00 | 16.28 |
| 2012 | 1.80% | 13% | 約22% | 3.45 | 191.50 | 15.86 |
| 2011 | 1.80% | 15% | 約20% | 3.00 | 166.60 | 14.94 |
| 2010 | 1.90% | 18% | 約18% | 2.60 | 136.80 | 14.12 |
| 2009 | 2.10% | 10% | 約17% | 2.20 | 104.80 | 12.77 |
| 2008 | 1.90% | 25% | 約17% | 2.00 | 105.20 | 11.52 |
※「2026 現行」は確定した年間支払実績ではありません。参考利回り約2.69%は年率配当6.76ドルを2026年10月21日終値251.46ドルで割った値です。TTM GAAP EPS概算11.72ドルは、2025年通期11.14ドル-2025年1~9月5.27ドル+2026年1~9月5.85ドルで計算。配当性向は現行年率配当÷同EPSの約58%です。2026年の配当支払予定合計は6.75ドルであり、年率換算6.76ドルとは別です。[1][3][5]
近年の増配率は1%未満
IBMは31年連続増配を維持していますが、近年の増配幅は小さくなっています。2025年は四半期1.67ドルから1.68ドル、2026年4月には1.68ドルから1.69ドルへ引き上げました。2026年10月21日に宣言された12月配当も1.69ドルに据え置きです。年率換算の増配率は約0.6%で、高成長配当株とは性格が異なります。[1][2]
現在の配当政策は、配当記録を維持しながら、AI、ハイブリッドクラウド、データ基盤、量子技術、M&A、債務返済にも資金を配分する慎重な方針と評価できます。
IBMの株価と配当利回り|株価下落時の見方
配当利回りは、現行年率配当を株価で割って計算します。IBMの現行年率配当は6.76ドルなので、株価が下落すれば利回りは上昇し、株価が上昇すれば利回りは低下します。
配当利回り=現行年率配当6.76ドル÷株価
2026年10月21日の通常取引終値251.46ドルを使うと、現行年率配当6.76ドルに基づく参考利回りは約2.69%です。株価が2026年9月15日の248.37ドルから上がったことにより利回りは小幅に低下しました。権利落ち日・配当発表日付近の株価変動は取引時間帯をそろえて評価します。[3]
ただし、株価下落による利回り上昇は、事業見通しの悪化を市場が織り込んだ結果である場合もあります。利回りだけでなく、売上成長、フリーキャッシュフロー、債務を合わせて確認してください。
IBMの配当は安全か|フリーキャッシュフローで検証
IBMの現行配当は、2026年Q3および1~9月累計でも、会社定義のフリーキャッシュフロー(FCF)でカバーされています。ただし、ConfluentとHRL Laboratoriesの買収後は、配当・債務管理・成長投資の資金配分を同時に考える必要があります。[1]
2026年1~9月の配当カバー率は約1.64倍、Q3単独では約1.90倍です。
1~9月FCF77.87億ドルと配当支払額47.62億ドルの差は約30.25億ドルです。Q3はFCF30.27億ドルに対して配当支払額15.96億ドルでした。会社定義FCFは、GAAP営業CFからIBM Financing債権の変動を調整し、純設備投資を差し引いた非GAAP指標である点に注意が必要です。[1]
| 年度・期間 | フリーCF (M$) |
配当支払額 (M$) |
配当カバー比率 |
|---|---|---|---|
| 2026 Q3 | 3,027 | 1,596 | 約1.90倍 |
| 2026 1~9月 | 7,787 | 4,762 | 約1.64倍 |
| 2026 Q2 | 2,540 | 1,590 | 約1.60倍 |
| 2026 上期 | 4,760 | 3,166 | 約1.50倍 |
| 2025 | 14,700 | 約6,300 | 約2.3倍 |
| 2024 | 12,700 | 6,147 | 約2.1倍 |
| 2023 | 11,200 | 6,040 | 約1.9倍 |
| 2022 | 9,285 | 5,948 | 約1.6倍 |
| 2021 | 6,478 | 5,870 | 約1.1倍 |
| 2020 | 10,797 | 5,797 | 約1.9倍 |
| 2019 | 12,306 | 5,707 | 約2.2倍 |
| 2018 | 12,041 | 5,666 | 約2.1倍 |
| 2017 | 12,901 | 5,506 | 約2.3倍 |
| 2016 | 11,872 | 5,256 | 約2.3倍 |
| 2015 | 12,953 | 4,897 | 約2.6倍 |
2026年Q2・上半期の会社定義FCFは公式調整表の精密値を使用しています(Q2:25.40億ドル、上期:47.60億ドル)。四半期決算の概数表記25億・48億ドルとの違いは丸めによるものです。[4]
配当安全性の評価
- 1~9月も配当をFCFでカバー:2026年1~9月は77.87億ドル対47.62億ドルで約1.64倍です。[1]
- Q3は回復:2026年Q3のFCFは30.27億ドル、配当は15.96億ドルで約1.90倍です。[1]
- 増配率は低い:2026年4月の四半期増配率は約0.6%で、12月分は据え置きです。[2]
- 通期FCF見通しを引き上げ:2026年通期は2025年の約147億ドルを10億ドル超上回る見通しです。[1]
- 買収後の債務:2026年9月末の総債務は638.17億ドル。FCFの増加が配当と債務管理の双方を支えるか確認します。[1]
IBMの2026年Q3決算|配当に関係する数値
| 年度・期間 | 売上高 (M$) |
営業CF (M$) |
純利益 (M$) |
GAAP EPS ($) |
フリーCF (M$) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026 Q3 | 17,103 | 4,025 | 2,190 | 2.30 | 3,027 |
| 2026 1~9月 | 50,182 | 11,791 | 5,571 | 5.85 | 7,787 |
| 2026 Q2 | 17,162 | 2,597 | 2,165 | 2.27 | 2,540 |
| 2026 上期 | 33,079 | 7,766 | 3,381 | 3.55 | 4,760 |
| 2025 | 67,535 | 13,200 | 約10,600 | 11.14 | 14,700 |
| 2024 | 62,753 | 13,500 | 6,022 | 10.33 | 12,700 |
| 2023 | 61,860 | 13,931 | 7,502 | 8.14 | 11,200 |
| 2022 | 60,530 | 10,435 | 1,639 | 1.80 | 9,285 |
| 2021 | 57,350 | 12,796 | 5,743 | 11.89 | 6,478 |
| 2020 | 55,179 | 18,197 | 5,590 | 6.68 | 10,797 |
| 2019 | 57,714 | 14,770 | 9,431 | 12.38 | 12,306 |
| 2018 | 79,591 | 15,247 | 8,728 | 12.16 | 12,041 |
| 2017 | 79,139 | 16,724 | 5,753 | 12.49 | 12,901 |
| 2016 | 79,919 | 17,084 | 11,872 | 12.39 | 11,872 |
| 2015 | 81,741 | 17,255 | 13,190 | 12.52 | 12,953 |
2026年Q3売上高は171.03億ドル、GAAP純利益は21.90億ドル、GAAP希薄化後EPSは2.30ドル(全事業ベース)でした。継続事業ベースの希薄化後EPSは2.31ドルで、対象範囲が異なります。Q3会社定義FCFは30.27億ドル、配当支払額は15.96億ドルでした。2026年1~9月累計では売上高501.82億ドル、純利益55.71億ドル、FCF77.87億ドルです。[1]
2026年Q3:主要セグメントの最新実績
| 2026年Q3セグメント | 売上高 (M$) | 前年同期比 | 主な内訳 |
|---|---|---|---|
| Software | 7,804 | +8% | Red Hat +11%、Data +19%、Transaction Processing +9%、Automation −3% |
| Consulting | 5,335 | ほぼ横ばい | 恒常為替ベース +2% |
| Infrastructure | 3,707 | +4% | IBM Z −20%、Distributed Infrastructure +31% |
| Financing | 192 | −4% | 恒常為替ベース −3% |
2026年Q3決算資料のセグメント開示による。旧Q2実績は比較用として次表に残しています。[1]
参考:2026年Q2のセグメント実績
| 2026年Q2セグメント | 売上高 (M$) |
前年比 | 主な内訳 |
|---|---|---|---|
| Software | 7,761 | +5% | Red Hat +11%、Data +19%、Transaction Processing -8% |
| Consulting | 5,327 | 横ばい | 恒常為替ベースでは+1% |
| Infrastructure | 3,835 | -7% | IBM Z -42%、Distributed Infrastructure +37% |
| Financing | 186 | +12% | 恒常為替ベースでは+11% |
Q3決算の評価
- Software:2026年Q3売上高は前年同期比8%増。Red Hatは11%増、Dataは19%増で、Confluent統合後の伸びを確認できます。[1]
- Consulting:Q3の売上は前年同期とほぼ横ばい。恒常為替ベースでは2%増でした。[1]
- Infrastructure:Q3は4%増収。IBM Zは20%減でしたが、Distributed Infrastructureは31%増でした。[1]
- 通期見通し:恒常為替ベース売上成長率4~5%を維持し、FCFは前年を10億ドル超上回る予想に引き上げました。[1]
- 配当:Q3のFCF30.27億ドルに対し配当支払額15.96億ドルで、FCFからのカバーが継続しました。[1]
2026年Q3はSoftwareとInfrastructureが増収となった一方、Consultingの成長は鈍いままです。FCF見通しの引き上げは配当にとって好材料ですが、M&A後の債務、長期の増配余力には引き続き注意が必要です。[1]
2026年Q3決算は2026年10月21日に公表済みです。恒常為替ベース売上成長率4~5%の見通しを維持し、フリーキャッシュフローは2025年比で10億ドル超増へ引き上げられました。Q3資料には詳細な財務諸表とFCF調整表が掲載されています。2026年Q3 Form 10-Qについては本稿作成時点で公開を確認できなかったため、Q3数値は公式決算リリースを根拠としています。[1]
Confluent買収後のIBM|HRL Laboratories買収も完了
IBMは2026年3月17日、データストリーミング企業Confluentの買収を完了しました。取得価格は1株31ドルの現金で、企業価値は約110億ドルです。Confluentは6,500社超に利用され、リアルタイムデータをAIモデル、AIエージェント、自動化ワークフローへ供給する基盤としてIBMのData事業へ組み込まれています。[6]
その後IBMは2026年8月26日、HRL Laboratoriesの買収完了も発表しました。HRLは量子コンピューティング、量子センシング、先端通信、電子、製造、材料科学などの研究開発機能を持ち、IBMはシリコン・スピン量子ビットなどの知見を量子技術ロードマップへ取り込む方針です。買収金額は公表されていません。[7]
※以下には2026年9月30日時点のQ3貸借対照表を追加しています。2026年8月26日完了のHRL Laboratories買収後の財務影響はQ3数値に含まれますが、買収価格は非開示のため個別の現金支出として推定していません。Q3中の買収現金支出8.84億ドルはグループ全体の買収支出額です。[1][7]
| 年度・期間 | 営業CF (M$) |
投資CF (M$) |
買収支出 (M$) |
フリーCF (M$) |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q3 | 4,025 | −2,570 | 884 | 3,027 |
| 2026 1~9月 | 11,791 | −13,539 | 11,364 | 7,787 |
| 2026 Q2 | 2,597 | -481 | 15 | 2,500 |
| 2026 上期 | 7,766 | -10,970 | 10,480 | 4,800 |
| 2025 | 13,200 | — | — | 14,700 |
| 2024 | 13,500 | -700 | — | 12,700 |
| 2023 | 13,931 | -7,070 | — | 11,200 |
| 2022 | 10,435 | -4,202 | — | 9,285 |
| 2021 | 12,796 | -5,975 | — | 6,478 |
| 2020 | 18,197 | -3,027 | — | 10,797 |
| 時点 | 総資産 (M$) |
総負債 (M$) |
株主資本 (M$) |
自己資本率 | 総債務 (M$) |
現金等 (M$) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年Q3末 | 155,011 | 118,805 | 36,206 | 約23.4% | 63,817 | 11,106 |
| 2026年Q2末 | 152,099 | 117,558 | 34,541 | 約22.7% | 約62,000 | 約8,200 |
| 2025年末 | 151,880 | 119,139 | 32,740 | 約21.6% | 約61,300 | 約14,500 |
| 2024年末 | 137,175 | 112,628 | 24,547 | 約17.9% | — | — |
| 2023年末 | 135,241 | 112,628 | 22,613 | 約16.7% | — | — |
| 2022年末 | 127,243 | 105,222 | 22,021 | 約17.3% | — | — |
| 2021年末 | 132,001 | 113,005 | 18,996 | 約14.4% | — | — |
配当投資家が確認する点
- 買収支出:2026年1~9月の買収関連現金支出は113.64億ドルで、Q3単独は8.84億ドルです。[1]
- 現金等:2026年9月末の現金・制限付現金・市場性有価証券は111.06億ドルで、Q2末の約82億ドルから増加しました。[1]
- 総債務:2026年Q3末は638.17億ドル(IBM Financing債務約127億ドルを含む)です。[1]
- 事業成長:Softwareの2026年Q3売上は8%増、Dataは19%増でした。[1]
- 今後の焦点:Confluent買収効果とHRLの研究開発能力が、FCFの成長・債務管理にどう結びつくかを確認します。
IBMが開示するフリーキャッシュフロー(FCF)はNon-GAAP指標です。2026年Q3のGAAP営業CF40.25億ドルから、IBM Financing債権変動の5.41億ドルと純設備投資4.57億ドルを調整すると、会社定義FCF30.27億ドルになります。GAAP営業CFから設備投資だけを差し引く一般的な計算とは異なるため、過年度比較の際は定義をそろえる必要があります。[1]
IBMの将来性|AI・Softwareと安定配当
成長材料
- Software:Red Hat、watsonx、HashiCorp、Confluentを軸とするAI・ハイブリッドクラウド事業
- Data:リアルタイムデータ基盤とAIエージェント向け需要
- Infrastructure:IBM Z、Power、Storageの製品サイクル
- Consulting:企業のAI導入・業務変革需要
- 量子技術:超伝導量子ビットに加え、2026年8月26日に買収を完了したHRL Laboratoriesのシリコン・スピン量子ビット、量子センシング、量子材料などの研究開発能力を取り込む方針。[7]
2026年の会社見通し
- 売上成長率:2026年通期の恒常為替ベースで4~5%(2026年Q3公表時点)
- 為替影響:2026年通期売上への影響はおおむね中立と会社は想定
- フリーキャッシュフロー:2025年比で10億ドル超増。2025年FCF約147億ドルを基準とすると、2026年は約157億ドル超の水準を見込む計算です。
- 注目点:Software・Dataの収益性、Consultingの回復、買収後の資本配分。[1]
IBMは、現行年率配当6.76ドルとSoftware・AI事業の成長を組み合わせる成熟テクノロジー企業です。2026年10月21日終値251.46ドルを基準とした参考配当利回りは約2.69%。Softwareの2026年Q3増収とFCF見通し引き上げはプラス材料ですが、Consultingの停滞やM&A後の債務には注意が必要です。[1][3]
IBMの配当投資で確認したいリスク
- Consulting:2026年Q3の売上高は前年同期からほぼ横ばいです。
- Transaction Processing:2026年Q3は前年同期比9%増へ反転しましたが、継続性の確認が必要です。
- M&Aと債務:2026年Q3末の総債務は638.17億ドルで、2025年末より増加しています。
- ソフトウェア競争:AWS、Microsoft、Google、Oracle、ServiceNowなどとの競争があります。
- Confluent統合:Data売上は2026年Q3に19%増加しましたが、買収価格に見合うFCFへの寄与を確認する必要があります。
- 量子・研究開発:HRL Laboratoriesの買収により技術力拡充が期待される一方、採算性の顕在化には時間がかかる可能性があります。
- 増配率:2026年の増配率は約0.6%にとどまっており、今後の増配を高率と想定すべきではありません。[1][2]
IBMは「高い増配率を狙う銘柄」というより、「安定配当とSoftware・AIの成長を組み合わせる銘柄」と整理できます。
2026年1~9月のFCF77.87億ドルは配当47.62億ドルを約1.64倍カバーしました。通期FCF見通しの引き上げは配当維持に追い風ですが、Confluent・HRL買収後の資本配分と約638億ドルの総債務を併せて見る必要があります。[1]
IBMの配当に関するよくある質問
IBMの次回配当はいつですか
次回のIBM配当は、2026年12月10日に1株1.69ドルを支払う予定です。権利確定日は11月10日で、2026年10月21日に正式宣言されました。10月22日時点では未払いです。[1]
IBMの配当月は何月ですか
通常は3月、6月、9月、12月です。支払日は各月10日前後、権利確定日はその約1カ月前に設定されます。
IBMの1株配当はいくらですか
現行の四半期配当は1株1.69ドルです。
IBMの年間配当はいくらですか
現行四半期配当1.69ドルを4倍した年率換算額は6.76ドルです。一方、2026年に支払われる予定の年間合計は6.75ドル(3月1.68ドル、6月・9月・12月各1.69ドル)です。10月22日時点では9月までの5.06ドルが支払済みです。[2]
IBMは何年連続で増配していますか
2026年4月の増配で31年連続増配となりました。四半期配当は1916年以来、毎年継続しています。
IBMの配当利回りは何%ですか
2026年10月21日米国通常取引終値251.46ドルと現行年率配当6.76ドルに基づく参考利回りは約2.69%です。利回りは日々の株価で変動します。[3]
IBMの配当性向は高いですか
2026年Q3までのTTM GAAP EPS概算11.72ドルに対し、現行年率配当6.76ドルの比率は約58%です。ただし、買収費用・無形資産償却の影響もあるため、FCF配当カバー率も確認します。[1][5]
IBMの配当は安全ですか
2026年1~9月の会社定義FCF77.87億ドルに対して配当支払額は47.62億ドルで、約1.64倍カバーされています。現時点の配当維持余力はありますが、M&A後の債務管理とFCF見通しの達成が重要です。[1]
Confluent買収でIBMの配当は減りますか
2026年10月21日のIBM取締役会は12月配当1.69ドルの据え置きを宣言し、通期FCF見通しも前年比10億ドル超の増加へ引き上げています。ただし、買収後の約638億ドルの総債務と統合費用があり、将来の配当額までは保証されません。[1]
本記事は公開情報に基づく情報提供であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。株価、配当、利回り、会社見通しは変化します。投資判断はご自身の責任で行ってください。記事の最終確認日は2026年10月22日です。
【注】(出典リンク)
- 2026年Q3決算・FCF・債務・通期見通し・12月配当宣言 → IBM「2026年Q3決算リリース」 → IBM「3Q26 Earnings Announcement」(確認日:2026-10-22) ↩
- IBM配当履歴・支払日・増配実績 → IBM「Cash Dividends」 → IBM「2026年Q3決算・12月配当宣言」(確認日:2026-10-22) ↩
- 2026年10月21日株価終値 → MarketMinute「IBM Historical Prices」 → Investing.com「IBM Historical Data」(確認日:2026-10-22) ↩
- 2026年Q2・上期実績および10-Q → IBM「2026年Q2決算リリース」 → SEC「IBM 2026年Q2 Form 10-Q」(確認日:2026-10-22) ↩
- 2025年通期決算・配当・年次報告 → IBM「FY2025決算リリース」 → IBM「Annual Report」(確認日:2026-10-22) ↩
- Confluent買収完了 → IBM「Confluent買収完了」(確認日:2026-10-22) ↩
- HRL Laboratories買収完了 → IBM「HRL Laboratories買収完了」(確認日:2026-10-22) ↩

