EWA·EPP:豪州投資をETFで比較
オーストラリアETFのデータを比較し、情報を整理してみます。
(投資比率の6割が豪州を占める【EPP】と豪州ETFの内容を比較)
このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう
【豪州株ETF】EWAとEPPを徹底比較!オーストラリア投資の魅力とリスク
アジア太平洋地域の主要な先進国であり、豊富な天然資源と安定した金融システムを持つオーストラリア。その独自の魅力から、国際分散投資の対象として注目されています。今回は、オーストラリアに投資する代表的なETFである「EWA」と、投資範囲をアジア太平洋地域に広げた「EPP」の2本を比較し、それぞれの特徴と賢い選び方を解説します。
オーストラリア投資の魅力とリスク
投資の魅力:3つの顔を持つ国
- 先進国としての安定性: 政治・経済が安定しており、信頼性の高い投資先です。
- 資源国としての成長性: 鉄鉱石や石炭など豊富な天然資源を持ち、世界経済、特に中国の景気拡大の恩恵を受けやすいです。
- 高配当国としての魅力: 健全で収益性の高い大手銀行が多く、伝統的に配当利回りが高い傾向にあります。
注意すべきリスク
- 中国経済への依存: 最大の貿易相手国である中国の経済が減速すると、オーストラリア経済も大きな影響を受けます。
- 資源価格の変動: 鉄鉱石や石炭などのコモディティ価格の変動が、企業の業績や株価を大きく左右します。
【EWA】iシェアーズ MSCI オーストラリア ETF
オーストラリア経済の根幹をなす、大型・中型株に集中投資するETFです。ポートフォリオは、世界的な鉱業メジャーや国内の大手銀行で占められています。「オーストラリア経済そのもの」に投資したい場合に最適な、最も代表的なETFです。
EWAの基本情報とポートフォリオ
連動指数 | MSCI Australia Index [EWA公式] |
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経費率 | 0.50% [出典] |
分配金利回り(直近12ヶ月) | 約3.0%(2025/8/31時点の12か月トレーリング)[出典] |
上位構成銘柄 | BHP Group、Commonwealth Bank of Australia、CSL、National Australia Bank、Westpac Banking など [EWA公式] |
セクター比率(目安) | 金融、素材、ヘルスケア が上位(例:MSCI豪州指数で金融約33%、素材約19% 等)[MSCI資料] |
※構成・利回りは変動します。取引前に必ず公式サイトや最新の目論見書をご確認ください。
【EPP】iシェアーズ MSCI パシフィック(除く日本)ETF
EWAの投資対象であるオーストラリアを核としながら、アジアの金融センターである香港とシンガポール、そしてニュージーランドにも分散投資するETFです。オーストラリア一国への集中を避け、より広くアジア太平洋の先進国に投資したい場合に適しています。
EPPの基本情報とポートフォリオ
連動指数 | MSCI Pacific ex Japan Index [EPP公式] |
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経費率 | 0.48% [出典] |
分配金利回り(直近12ヶ月) | 約3.5%(12m Trailing Yield、2025/9/30時点)[出典] |
国別比率(目安) | オーストラリア約6割、香港約2割強、シンガポール約1割強、ニュージーランド数%(指数ファクトシートの長期傾向)[MSCI] |
上位構成銘柄 | BHP Group、Commonwealth Bank of Australia(豪)、AIA Group(香港)、DBS Group(シンガポール)など [EPP公式] |
セクター比率(目安) | 金融の比率が高く、次いで素材・不動産・ヘルスケアなど(公式エクスポージャー欄参照)[出典] |
※分配金利回りは過去実績であり将来を保証しません。数値は2025年10月時点の公表値・直近値を基に記載。
まとめ:EWAとEPP、どちらを選ぶべきか?
どちらのETFも魅力的な選択肢ですが、あなたの投資戦略によって最適な選択は異なります。
- EWAが向いている人:
「オーストラリア」という国の経済成長や資源価格の上昇に、より直接的に賭けたい投資家。ポートフォリオが金融と素材に集中することを理解した上で、比較的しっかりした分配金も狙いたい人。 - EPPが向いている人:
オーストラリアをポートフォリオの中心に据えつつも、香港やシンガポールといったアジアの金融ハブにも分散し、カントリーリスクを少しでも軽減したい投資家。なお、香港の規制・地政学面のニュースフローには別途留意しましょう。
オーストラリア経済のダイナミズムをどう捉えるかによって、選択は変わります。ご自身のポートフォリオ全体とのバランスを考えながら、賢い選択をしてください。
【出典・情報源】
- iShares MSCI Australia ETF (EWA) 公式サイト / BlackRock掲載ページ(経費率 等)
- EWA 12m Trailing Yield(3.00% / 2025-08-31)
- iShares MSCI Pacific ex Japan ETF (EPP) 公式サイト(経費率0.48%、12m Trailing Yield 3.54% / 2025-09-30、30日SEC利回り 等)
- MSCI Australia関連ファクトシート(セクター構成の参考)
- MSCI Pacific ex Japan Index ファクトシート
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
配当金(分配金)と利回り
年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。
年 | EWA | EPP |
2024 | 3.76% | 3.9% |
2023 | 4.76% | 4.24% |
2022 | 6.43% | 5.69% |
2021 | 2.21% | 2.33% |
2020 | 4.07% | 3.95% |
2019 | 5.36% | 4.43% |
2018 | 4.6% | 4.47% |
2017 | 4.13% | 3.6% |
2016 | 4.65% | 4.4% |
2015 | 5.61% | 4.74% |
2014 | 4.09% | 3.69% |
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。