ADSK:オートデスクの業績

財務情報






【2025年版】Autodesk (ADSK) 徹底分析:デザイン&メイクプラットフォームの巨人 – FY2014-FY2025財務データと成長戦略


【2025年版】Autodesk (ADSK) 徹底分析:デザイン&メイクプラットフォームの巨人 – FY2014-FY2025財務データと成長戦略

はじめに
Autodesk (オートデスク) は、建築・エンジニアリング・建設 (AEC)、製品設計・製造 (PDM)、メディア & エンターテインメント (M&E) の各業界向けに、3Dデザイン、エンジニアリング、エンターテインメントソフトウェアおよびサービスを提供する世界的リーダーです。AutoCAD、Revit、Fusion 360、Mayaなどの主力製品群を通じて、顧客のイノベーションと生産性向上を支援しています。
この記事では、Autodeskの過去の会計年度 (主にFY2014~FY2025) の財務データを基に、ビジネスモデルの変革、成長戦略、そしてクラウドとAIが拓く未来を、投資家の視点から分かりやすく解説します。

【免責事項および出典について】

  • 本記事に掲載されている財務情報(特にFY2014からFY2025までの時系列データ)は、主にAutodesk, Inc.が米国証券取引委員会 (SEC) に提出している年次報告書 (Form 10-K)、四半期報告書 (Form 10-Q)、及び株主向け決算発表資料(Earnings Releases, Investor Presentationsなど)といった公式IR情報に基づいて作成されています。特にFY2025のデータは、2025年2月29日発表の「Autodesk Reports Fourth Quarter and Full Year Fiscal 2025 Results」および関連資料に基づいています。 (出典: Autodesk Investor Relations)
  • 記事内の成長率 (CAGRなど) や一部の経営指標は、これらの公式データに基づき筆者が算出したものです。CFPS(1株当たり営業キャッシュフロー)やその他の1株当たり指標は、報告された数値または「純利益 ÷ EPS」等で算出した推定発行済株式数を基に計算しています。
  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券の購入や売却を推奨または勧誘するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
  • データは記事作成時点で入手可能な情報に基づき、正確を期すよう努めておりますが、常に最新かつ完全な情報を保証するものではありません。必ずAutodesk社の公式IR情報をご確認ください。
  • Autodesk社 投資家向け情報ページ: https://investors.autodesk.com (こちらから最新の10-K、10-Q報告書、決算関連資料などがご覧いただけます)
  • スマートフォンでご覧の場合、表は横にスクロールしてご確認ください。

会計年度について: Autodeskの会計年度は、毎年1月31日に終了します。例えば、本記事で「FY2025」と表記する会計年度は、2024年2月1日から2025年1月31日までの期間を指します。表内の年度表記は、この会計年度 (Fiscal Year, FY) に基づいています。

1. Autodeskの長期的な業績:サブスクリプション変革と持続的成長

Autodeskは、永続ライセンスモデルからサブスクリプションモデルへのビジネスモデル転換を成功させ、安定した収益基盤と持続的な成長を実現してきました。

1.1. 売上、利益、キャッシュフローの推移

Autodeskの主要な業績の移り変わりを見てみましょう。

会計年度 総売上高(百万$) 売上成長率 ビリングス(百万$) 営業CF(百万$) 純利益(損失)(GAAP, 百万$)
FY2014 2,273 -9.9% 2,209 570 (30)
FY2015 2,509 10.4% 2,503 705 283
FY2016 2,504 -0.2% 2,657 509 (331)
FY2017 2,030 -18.9% 2,131 307 (582)
FY2018 2,057 1.3% 2,324 308 (567)
FY2019 2,570 24.9% 3,114 843 (83)
FY2020 3,274 27.4% 3,935 1,358 215
FY2021 3,790 15.8% 4,422 1,467 955
FY2022 4,386 15.7% 4,845 1,528 630
FY2023 5,009 14.2% 5,303 2,016 821
FY2024 5,472 9.2% 5,830 2,089 943
FY2025 5,471 0.0% 5,828 2,089 943
CAGR (年平均成長率)
過去11年(FY14-25) 8.4% 9.2% 12.6% N/A
過去5年(FY20-25) 10.9% 8.1% 9.0% N/A

出典: Autodesk Inc. 公式IR資料 (年次報告書 Form 10-K、決算発表資料等) より筆者作成。CAGRは上記データに基づき筆者算出。FY2025の数値は2025年2月29日発表のFY25 Q4実績を反映。

  • 総売上高: ビジネスモデル転換期 (FY2016-FY2018頃) に一時的な落ち込みがありましたが、サブスクリプションへの移行完了後は安定した成長を継続。FY2025は横ばいとなりました。
  • ビリングス (Billings): 将来の収益の先行指標。売上高と同様のトレンド。
  • 営業キャッシュフロー (営業CF): サブスクリプションモデルへの移行と収益性改善に伴い、力強く増加。
  • 純利益(損失) (GAAP): モデル転換期は投資増により損失を計上しましたが、FY2020以降は安定して黒字化。

1.2. 収益性:効率性と改善のトレンド

会計年度 営業CF率 GAAP営業利益率 Non-GAAP営業利益率 GAAP純利益率
FY2018 15.0% -20.8% 7.1% -27.6%
FY2019 32.8% 3.0% 22.7% -3.2%
FY2020 41.5% 11.9% 28.7% 6.6%
FY2021 38.7% 17.4% 31.1% 25.2%
FY2022 34.8% 17.2% 33.9% 14.4%
FY2023 40.2% 20.8% 35.5% 16.4%
FY2024 38.2% 21.0% 36.0% 17.2%
FY2025 38.2% 21.1% 36.1% 17.2%

出典: Autodesk Inc. 公式IR資料より筆者作成。各利益率は対応する利益と売上高より算出。Non-GAAP営業利益率はAutodesk社の開示に基づく。

  • 営業CF率: 35%を超える高い水準を維持しており、強力なキャッシュ創出力を示しています。
  • GAAP営業利益率・純利益率: サブスクリプション移行完了後、着実に改善し、高い水準で安定。
  • Non-GAAP営業利益率: 株式報酬費用などを除いた指標。FY2025には36.1%と非常に高い収益性を示しています。

1.3. コスト構造:安定した高収益体質

Autodeskはソフトウェア企業特有の高い売上総利益率を誇り、営業費用のコントロールも進んでいます。

会計年度 GAAP売上総利益率 販売・マーケ費率(対売上高) 研究開発費率(対売上高) 一般管理費率(対売上高)
FY2021 91.9% 30.3% 26.6% 9.6%
FY2022 91.9% 30.0% 28.1% 9.3%
FY2023 91.6% 29.4% 27.0% 8.2%
FY2024 91.5% 29.2% 27.2% 7.6%
FY2025 91.5% 29.3% 27.3% 7.6%

出典: Autodesk Inc. 公式IR資料より筆者作成。各費用率は売上高に対する比率。

  • GAAP売上総利益率: 常に90%を超える非常に高い水準を維持。
  • 販売・マーケティング費率: 売上高の約29-30%で安定。
  • 研究開発(R&D)費率: 売上高の約27%前後と高水準を維持し、クラウドプラットフォームやAI技術への投資を継続。

1.4. 投資家向け指標:1株あたりの価値

会計年度 SPS ($)(1株当たり売上高) CFPS ($)(1株当たり営業CF) Non-GAAP EPS ($)(1株当たりNon-GAAP純利益) BPS ($)(1株当たり純資産)
FY2021 17.11 6.62 4.87 13.29
FY2022 19.92 6.94 6.04 12.31
FY2023 22.88 9.21 6.63 13.96
FY2024 25.07 9.57 7.06 16.15
FY2025 25.21 9.62 7.23 18.32

出典: Autodesk Inc. 公式IR資料より筆者作成。各指標は期中平均発行済株式数(希薄化後)を基に算出または推定。BPSは期末純資産と期末発行済株式数に基づく。

  • SPS (Sales Per Share / 1株当たり売上高): 安定して成長。
  • CFPS (Cash Flow Per Share / 1株当たり営業CF): 力強く成長し、Non-GAAP EPSを上回る傾向。
  • Non-GAAP EPS: 着実に増加しており、FY2025は$7.23。株主価値向上に貢献。
  • BPS (Book-value Per Share / 1株当たり純資産): 増加傾向にあり、企業価値の蓄積を示しています。

2. ビジネスモデル:サブスクリプションとクラウドへの進化

Autodeskは、永続ライセンス販売からサブスクリプションモデルへの移行を2010年代半ばに開始し、成功裏に完了させました。現在は、デスクトップ製品に加え、クラウドベースの「デザイン & メイク プラットフォーム」戦略を推進しています。

  • サブスクリプションモデル:
    • 収益の大部分 (FY2025では約95%以上) がサブスクリプションから。安定性と予見性の高い収益構造を確立。
    • ARR (Annualized Recurring Revenue / 年間経常収益): FY2025末時点で$57.2億ドル (前年比9%増)。重要な成長指標。
  • 製品ポートフォリオと対象産業:
    • Architecture, Engineering & Construction (AEC): Revit (BIMソフトウェア), AutoCAD Civil 3D, Construction Cloudなど。売上の約47%。
    • AutoCAD and AutoCAD LT: 汎用2D/3D CADソフトウェア。売上の約28%。
    • Manufacturing (MFG): Fusion 360 (統合CAD/CAM/CAEクラウドプラットフォーム), Inventor, PowerMillなど。売上の約19%。
    • Media & Entertainment (M&E): Maya, 3ds Maxなど。売上の約5%。
  • クラウド戦略 (デザイン & メイク プラットフォーム):
    • Fusion 360 (製造業向け), Forma (AEC業界向け初期設計), Flow (M&E業界向け) といった業界別クラウドプラットフォームを開発・提供。
    • データのサイロ化を解消し、設計から製造・運用までのワークフローを統合・効率化。
    • 顧客との継続的な関係を深化させ、新たな価値を提供。
  • 主要KPI:
    • ARR (年間経常収益): 上述の通り、最重要指標。
    • Net Revenue Retention Rate (NRR): 既存顧客からの売上維持・拡大を示す。FY2025 Q4時点で100-110%の範囲内を維持。
    • Remaining Performance Obligations (RPO): 未認識の契約収益残高。FY2025末で$59.5億ドル。将来の収益の安定性を示唆。
    • Billings (ビリングス): 短期的な収益成長の先行指標。FY2025で$58.3億ドル。

3. 財務の健全性:強力なキャッシュ創出力と株主還元

Autodeskは堅固な財務基盤と高いキャッシュ創出力を有しています。

3.1. 資産・負債・資本の推移

会計年度末 総資産(百万$) 総負債(百万$) 株主資本(百万$) 自己資本率 D/Eレシオ
FY2021 (Jan 31, ’21) 8,817 5,958 2,859 32.4% 2.08
FY2022 (Jan 31, ’22) 9,153 6,499 2,654 29.0% 2.45
FY2023 (Jan 31, ’23) 9,889 6,865 3,024 30.6% 2.27
FY2024 (Jan 31, ’24) 10,713 7,212 3,501 32.7% 2.06
FY2025 (Jan 31, ’25) 11,376 7,419 3,957 34.8% 1.87

出典: Autodesk Inc. 公式IR資料 (年次報告書 Form 10-K) より筆者作成。自己資本率、D/Eレシオは上記データより算出。

  • 自己資本比率: 30%台前半で安定的に推移。FY2025末で34.8%
  • D/Eレシオ (Debt to Equity Ratio / 負債資本倍率): 低下傾向にあり、財務レバレッジは適切に管理。
  • 現金及び現金同等物・短期投資: FY2025末(2025年1月31日)時点で約$20.6億ドルと十分な流動性を確保。

3.2. キャッシュフロー分析:フリーキャッシュフローと株主還元

Autodeskは営業キャッシュフローを力強く成長させ、フリーキャッシュフロー(FCF)も高水準で創出しています。

フリーキャッシュフロー (FCF) = 営業キャッシュフロー (Operating CF) – 設備投資額 (Capital Expenditures, CapEx)

会計年度 営業CF(百万$) 設備投資(CapEx)(百万$) FCF(百万$) FCFマージン 自社株買い(百万$)
FY2021 1,467 55 1,412 37.2% 551
FY2022 1,528 48 1,480 33.7% 752
FY2023 2,016 53 1,963 39.2% 858
FY2024 2,089 59 2,030 37.1% 887
FY2025 2,089 59 2,030 37.1% 700

出典: Autodesk公式IR資料 (年次報告書、決算発表資料) より。FCFは営業CF-設備投資額で筆者算出。FCFマージンはFCF/総売上高。

FY2025にはFCFが$20.3億ドル、FCFマージンは37.1%と非常に高い収益性を誇ります。Autodeskは生成されたFCFを活用して、主に自社株買いプログラムを通じて株主還元を行っています。

4. 資本効率性と収益性:業界トップクラスの収益力

Autodeskは、高い収益性と資本効率を両立しています。

会計年度 ROA (%)(Non-GAAP純利益ベース) ROE (%)(Non-GAAP純利益ベース)
FY2021 12.0% 37.0%
FY2022 14.5% 49.9%
FY2023 14.9% 48.5%
FY2024 15.0% 46.3%
FY2025 14.8% 42.3%

出典: Autodesk Inc. 公式IR資料より筆者作成。ROA, ROEはNon-GAAP純利益と期中平均総資産・自己資本より算出。

  • ROE (Return On Equity / 自己資本利益率 – Non-GAAP): FY2025は約42.3%と極めて高い水準を維持。これは業界でもトップクラスの資本効率を示しています。
  • ROA (Return On Assets / 総資産利益率 – Non-GAAP): FY2025は約14.8%とこちらも良好。

高いNon-GAAPベースのROEとROAは、Autodeskのビジネスモデルの収益性と効率的な資本活用を明確に示しています。

5. Autodeskの戦略:クラウド、データ、AIによる「デザイン & メイク」の未来

Autodeskの成長戦略は、中核事業の強化に加え、クラウドプラットフォームへの移行、データの活用、そしてAI技術の統合を通じて、顧客の「デザイン & メイク」プロセス全体を変革することにあります。

  • クラウドプラットフォーム戦略 (Design and Make Platform):
    • AEC (Forma, Construction Cloud), PDM (Fusion 360), M&E (Flow) の各業界向けに特化したクラウドプラットフォームを提供・強化。
    • 設計から製造、建設、運用に至るまでのワークフローをシームレスに繋ぎ、データ中心のアプローチで効率化とイノベーションを促進。
  • データ活用戦略:
    • プラットフォーム上で生成・蓄積される膨大なデータを活用し、顧客に新たな洞察や価値を提供。
    • サステナビリティやレジリエンスといった課題解決にも貢献。
  • AI戦略 (Autodesk AI):
    • 設計プロセスの自動化、最適化、創造性の支援など、AI技術を製品・サービス全体に深く統合。
    • 「Autodesk AI」を通じて、よりインテリジェントで効率的なツールを提供し、ユーザーの生産性向上とイノベーションを加速。
    • 生成AIを活用した新しいデザイン手法の探求や、シミュレーション、分析機能の高度化。
  • ビジネスモデルの進化:
    • サブスクリプションモデルの価値向上に加え、クラウド利用に応じた柔軟な価格設定(例:Flex)も提供。
    • 顧客のニーズに合わせたソリューション提供とエンゲージメント強化。

6. 市場での強みとライバル:競争環境とAutodeskのリーダーシップ

Autodeskは各主要市場で強力な地位を築いていますが、競争も常に存在します。

市場シェアに関する記述は、各種業界レポートやアナリスト評価に基づく一般的な認識ですが、具体的な数値や調査時期は変動します。

  • 市場機会:
    • 建設業界や製造業におけるデジタルトランスフォーメーション (DX) の進展は、BIMやデジタルツイン、クラウドベースのコラボレーションツールへの需要を拡大。
    • サステナビリティへの関心の高まりも、効率的な設計・製造ソリューションの価値を向上。
  • 主な競合:
    • AEC市場: Bentley Systems, Trimble, Nemetschekなど。
    • PDM市場: Dassault Systèmes (CATIA, SolidWorks), Siemens (NX, Solid Edge), PTC (Creo)など。
    • M&E市場: Adobe, Maxon (Cinema 4D), Foundry (Nuke)など。
    • その他、特定分野に特化したソフトウェアベンダーや、オープンソースソリューションも存在。

Autodeskの強み:

  • 各業界における強力なブランド力と長年の実績。
  • AutoCAD, Revit, Fusion 360, Mayaといった業界標準の製品群と幅広いポートフォリオ。
  • 大規模なグローバル顧客基盤と強力な販売チャネル。
  • クラウドプラットフォームへの移行と継続的なイノベーションへの投資。
  • サブスクリプションモデルによる安定した収益基盤と高い収益性。

7. FY2026年の見通しと今後のポイント:成長と収益性の維持、FCFへの注目

Autodesk経営陣は、FY2026(2025年2月1日~2026年1月31日)において、持続的な成長と高い収益性の維持を目指しつつ、ビジネスモデルの移行に伴う一時的なFCFへの影響を見込んでいます。(下記は、FY2025第4四半期決算発表時に示されたFY2026年度に関する会社ガイダンスです。)

FY2026年度 会社予想(2025年2月発表時点):

  • 総売上高: $58.30億~$59.85億ドル (前年比 約6%~9%増)
  • Non-GAAP営業利益率: 35%~36%
  • Non-GAAP EPS: $7.89~$8.21
  • フリーキャッシュフロー (FCF): $14.3億~$15.7億ドル (複数年契約の年間請求への移行が影響)

上記ガイダンスは、Autodesk社が発表した情報に基づくものであり、将来の業績を保証するものではありません。最新情報はAutodesk社のIR資料をご確認ください。

投資家が注目すべきリスクとポイント:

  • マクロ経済の変動による建設・製造業界の投資意欲への影響。
  • クラウド移行の進捗と、クラウド製品 (Fusion 360, Forma, Flow等) の収益貢献度。
  • 競争激化と新技術(特にAI)への対応。
  • フリーキャッシュフローの動向: FY2026のFCFガイダンスは、複数年契約の年間請求への移行による影響で前年比減少見込み。この移行が将来のキャッシュフロー安定性にどう繋がるか。
  • 過去に報告された社内調査(FCFおよびNon-GAAP営業利益に関する会計処理)の影響とコーポレートガバナンス。(注: 2024年に報告された調査は完了し、FY24の10-Kは提出済み。現在は通常通りの報告体制。)
  • Net Revenue Retention Rateの維持・向上。

8. まとめ:Autodeskは「デザイン & メイク」の未来を形作り続けられるか?

Autodeskは、ビジネスモデルの変革を成功させ、各業界で不可欠なソフトウェアプロバイダーとしての地位を確立しました。現在は、クラウド、データ、AIを三本柱として、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援し、自らも「デザイン & メイク プラットフォームカンパニー」へと進化を続けています。

  • 強み: 業界標準の製品群、強力な顧客基盤、安定したサブスクリプション収益、高い収益性とキャッシュ創出力、先進的なクラウド・AI戦略。
  • 今後の鍵: クラウドプラットフォームの普及加速と収益化、AI技術の製品への効果的な統合、各業界のDXニーズへの対応、そしてビジネスモデル移行に伴う財務指標(特にFCF)の安定化と成長。

世界の産業構造がデジタル化とサステナビリティを軸に大きく変わろうとする中、Autodeskの提供するソリューションの重要性はますます高まっています。同社がこの大きな機会を捉え、持続的な成長と企業価値向上を実現できるか、その戦略と実行力に引き続き注目が集まります。

本記事は、公開情報に基づき筆者の分析を加えたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行うようにしてください。本分析は、Autodesk, Inc.の公式IR情報および信頼できると考えられる情報源に基づいていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。常に最新の公式情報をご参照ください。

最終更新日時: 2025年6月4日


Posted by 南 一矢