BND・AGG・AGGY・SPAB(米国債券ETF)を比較:株価・配当・構成銘柄

債券ETF

【徹底比較】米国総合債券ETF 4選!AGG・BND・SPABと利回り強化型AGGY

米国の債券市場全体に低コストで分散投資できる「総合債券ETF」。この記事では、ポートフォリオの核(コア)となる代表的なETFであるAGG、BND、SPABと、インカム向上を目指す利回り強化型AGGYの合計4銘柄を比較し、その特徴と選び方を解説します。[1][2][3][4]

※ご注意: 以下に記載するデュレーションや利回り、構成比率は常に変動します。投資を検討される際は、必ず各社の公式ページ(Key Facts / Fact Sheet)で「いつ時点」の数値かを確認してください。特にBNDは、プロフィール表示とファクトシートで基準日が異なる項目があるため、比較時は参照日をそろえて確認するのが安全です。[5]

また、記事中で使用する略語の簡単な解説を付記しておきます。

  • MBS (Mortgage-Backed Security): 住宅ローン担保証券。住宅ローン債権を裏付けとして発行される証券。
  • CMBS (Commercial Mortgage-Backed Security): 商業用不動産ローン担保証券。オフィスビルや商業施設などのローンを裏付けとする証券。
  • ABS (Asset-Backed Security): 資産担保証券。MBSやCMBS以外(自動車ローンやクレジットカード債権など)の資産を裏付けとする証券の総称。

【徹底比較】米国総合債券ETF 4選!コアのAGG・BND・SPABか、利回り強化のAGGYか?


主要ETF比較サマリー 2026年4月更新

まずは各ETFの最も重要な違いを一覧で見てみましょう。今回は、経費率だけでなく、純資産総額、30日SEC利回り、デュレーション、保有数も可能な限り最新の公表値でそろえました。AGG・BND・SPABは方向性の近い「コア債券ETF」ですが、AGGYは市場平均そのものではなく、Bloomberg U.S. Aggregateの内部でより高い利回りを狙う設計です。[6]

項目 【AGG】 【BND】 【SPAB】 【AGGY】
戦略 市場平均連動(コア向け) 利回り強化型
連動指数 / 位置づけ Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index の代表格。[1] Bloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Index を採用。[2] Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index 連動の低コスト対抗馬。[3] Bloomberg U.S. Aggregate Enhanced Yield Index。市場平均を上回るインカムを狙う設計。[4]
経費率 0.03%(2026-04-10時点表示)[1] 0.03%(現行目論見書ベース)[2] 0.03%(2026-04-09時点表示)[3] 0.12%(2026-04-10時点)[4]
純資産総額(AUM) $135.48B(2026-04-10時点)[1] ETF総資産 約$146.39B(2025-12-31時点ファクトシート)[2] $9.49B(2026-04-09時点)[3] $886.9M(2026-04-10時点)[4]
30日SEC利回り 4.35%(2026-04-09時点)[1] 4.34%(2026-04-07時点)[2] 4.33%(2026-04-09時点)[3] 4.66%(2026-04-10時点)[4]
デュレーション / 満期 有効デュレーション5.77年、加重平均満期8.00年(2026-04-09時点)[1] 平均デュレーション5.7年、平均実効満期8.0年(2025-12-31時点ファクトシート)[2] オプション調整後デュレーション5.88年(2026-04-09時点)[3] 有効デュレーション6.69年、平均残存年数11.68年(2026-04-10時点)[4]
保有数 13,124(2026-04-10時点)[1] 11,444(2025-12-31時点ファクトシート)[2] 14,086(2026-04-09時点の指数特性)[3] 公式ページは保有数よりも利回り・デュレーション・配分の確認が中心。[4]
特徴 超低コストで米国の投資適格債券市場全体に広く分散。AGG・BND・SPABは方向性が近く、指数仕様や運用会社、売買のしやすさで選ぶ構造です。[6] Bloomberg U.S. Aggregate の内部で、セクター・満期・格付けを組み替えて利回り向上を狙う設計。景気後退局面では、コア型より価格変動が大きくなる可能性があります。[4]

各ETFの詳細

【AGG】iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF

  • 連動指数: Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。[1]
  • 投資対象: 米国の投資適格債券市場全体。米国債、政府関連債、社債、MBS、ABS、CMBSなどに幅広く分散します。[1]
  • 構成比率(参考): 2026-04-09時点の上位発行体は、米国債46.09%、FNMA11.26%、GNMA II5.31%、FHLMC5.25%などで、国債と政府系住宅ローン関連が大きな柱です。[1]
  • ポイント: このカテゴリの代表格の一つ。超低コストと流動性を重視する方に向きます。[1]

【BND】バンガード・米国トータル債券市場ETF

  • 連動指数: Bloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Index。[2]
  • 投資対象: 米国の投資適格債券市場全体に分散投資。方向性はAGGやSPABと近い一方、指数仕様がFloat Adjustedである点が違いです。[2]
  • 構成比率(参考): 2025-12-31時点のファクトシートでは、Treasury/Agency49.2%、Government Mortgage-Backed19.5%、Industrial14.5%、Finance8.2%などが中心でした。[2]
  • ポイント: AGGと双璧をなす超低コストETF。ETF総資産は約$146.39B(2025-12-31時点)、30日SEC利回りは4.34%(2026-04-07時点)で、保有数は11,444、平均デュレーションは5.7年です。[2]

【SPAB】SPDRポートフォリオ米国総合債券ETF

  • 連動指数: Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。[3]
  • 投資対象: 米国の投資適格債券市場全体に分散投資。AGGと同じ方向性で「コア枠」を構成しやすい設計です。[3]
  • 構成比率(参考): 2026-04-09時点のセクター配分は、Treasury46.09%、Mortgage Backed Securities23.47%、Corporate-Industrial13.83%、Corporate-Finance7.78%などでした。[3]
  • ポイント: 低コストのコアETFとして有力です。AUMは約$9.49B(2026-04-09時点)、30日SEC利回りは4.33%、オプション調整後デュレーションは5.88年です。[3]

【AGGY】ウィズダムツリー米国債券ファンド(利回り強化型)

  • 連動指数: Bloomberg U.S. Aggregate Enhanced Yield Index。[4]
  • 投資対象: 米国の投資適格債券。ただし、市場平均をそのまま持つのではなく、セクター、満期、信用格付けの配分をルールベースで組み替えて、より高い利回りを狙います。[4]
  • 構成の考え方: 2026年4月のリバランス資料では、Agg Enhanced YieldはAggに対しておよそ35bp高い利回りを目指す一方、デュレーションは約0.98年長い設計でした。最大のオーバーウェイトはCredit Baa 10+、最大のアンダーウェイトは30年物のConventional MBSでした。[4]
  • ポイント: 市場平均(AGGなど)に連動するETFではありません。 2026-04-10時点で、AUMは約$886.9M、30日SEC利回りは4.66%、分配金利回りは4.81%、有効デュレーションは6.69年でした。[4]

ミニ解説: 債券ETFの利回りは、「30日SEC利回り」「分配金利回り(Distribution/Trailing)」など定義が複数あります。30日SEC利回りは、直近30日間の投資収益を年率換算した標準化指標で、実際の分配水準とは一致しないことがあります。比較するときは、同じ指標で揃え、かつ「いつ時点」の値かを必ず確認するとブレが減ります。[5]
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. AGG公式(概要・経費率・AUM・保有数・30日SEC利回り・デュレーション・主要発行体) → BlackRock/iShares:AGG 確認日:2026-04-12
  2. BND公式(概要・経費率・保有数・平均デュレーション・平均実効満期・配分) → Vanguard:BNDVanguard公式PDF(BND概要資料、2025-12-31時点) 確認日:2026-04-12
  3. SPAB公式(概要・経費率・AUM・30日SEC利回り・デュレーション・セクター配分・指数特性) → State Street:SPABState Street公式Fact Sheet(PDF) 確認日:2026-04-12
  4. AGGY公式(概要・経費率・AUM・利回り・デュレーション・指数設計) → WisdomTree:AGGYBloomberg U.S. Aggregate Enhanced Yield Index Rebalance(PDF) 確認日:2026-04-12
  5. 利回り指標の注意点(同一ETF内でも基準日が異なる場合があることを確認) → Vanguard:BNDVanguard公式PDF(BND概要資料) 確認日:2026-04-12
  6. 各社の公式ページで確認できる比較観点(指数、コスト、AUM、利回り、デュレーション) → BlackRock/iShares:AGGWisdomTree:AGGY 確認日:2026-04-12
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株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算しているので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されています)

BNDの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 3.63% 2.64 18.9% 72.8 1%
2023 3.08% 2.22 23.3% 72.1 -5.2%
2022 2.37% 1.8 2.9% 76 -11.3%
2021 2.04% 1.75 -15% 85.8 -1.7%
2020 2.36% 2.06 -7.2% 87.3 6%
2019 2.7% 2.22 2.8% 82.3 4.1%
2018 2.73% 2.16 8% 79.1 -3.1%
2017 2.45% 2 1.5% 81.6 -1.4%
2016 2.38% 1.97 -1.5% 82.8 0.9%
2015 2.44% 2 -10.3% 82.1 0.3%
2014 2.73% 2.23 2.8% 81.8 -0.1%
2013 2.65% 2.17 -17.8% 81.9 -2.8%
2012 3.13% 2.64 -9.9% 84.2 2.9%
2011 3.58% 2.93 -4.6% 81.9 1.4%
2010 3.8% 3.07 -1% 80.8 3.6%
2009 3.97% 3.1 -10.7% 78 2.1%
2008 4.54% 3.47 76.4

AGGの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 3.63% 2.64 18.9% 72.8 1%
2023 3.08% 2.22 23.3% 72.1 -5.1%
2022 2.37% 1.8 2.9% 76 -11.4%
2021 2.04% 1.75 -15% 85.8 -1.7%
2020 2.36% 2.06 -7.2% 87.3 6.1%
2019 2.7% 2.22 2.8% 82.3 4%
2018 2.73% 2.16 8% 79.1 -3.1%
2017 2.45% 2 1.5% 81.6 -1.4%
2016 2.38% 1.97 -1.5% 82.8 0.9%
2015 2.44% 2 -10.3% 82.1 0.4%
2014 2.73% 2.23 2.8% 81.8 -0.1%
2013 2.65% 2.17 -17.8% 81.9 -2.7%
2012 3.14% 2.64 -9.9% 84.2 2.8%
2011 3.58% 2.93 -4.6% 81.9 1.4%
2010 3.8% 3.07 -1% 80.8 3.6%
2009 3.97% 3.1 -10.7% 78 2.1%
2008 4.54% 3.47 76.4

AGGYの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 4.32% 1.88 13.3% 43.5 1.4%
2023 3.87% 1.66 46.9% 42.9 -5.7%
2022 2.48% 1.13 17.7% 45.5 -12.8%
2021 1.84% 0.96 -32.4% 52.2 -2.1%
2020 2.66% 1.42 -6% 53.3 4.9%
2019 2.97% 1.51 -4.4% 50.8 4.5%
2018 3.25% 1.58 15.3% 48.6 -3.6%
2017 2.72% 1.37 -11% 50.4 -1%
2016 3.03% 1.54 92.5% 50.9 2.4%
2015 1.61% 0.8 49.7

SPABの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 3.79% 0.96 11.6% 25.3 0.4%
2023 3.41% 0.86 43.3% 25.2 -5.3%
2022 2.26% 0.6 5.3% 26.6 -11.3%
2021 1.9% 0.57 -16.2% 30 -1.6%
2020 2.23% 0.68 -15% 30.5 5.5%
2019 2.77% 0.8 2.6% 28.9 4%
2018 2.81% 0.78 -38.1% 27.8 -3.1%
2017 4.39% 1.26 -12.5% 28.7 -1.7%
2016 4.93% 1.44 1.4% 29.2 0.7%
2015 4.9% 1.42 4.4% 29 0.7%
2014 4.72% 1.36 27.1% 28.8 0.3%
2013 3.73% 1.07 -18.9% 28.7 -2%
2012 4.51% 1.32 -31.6% 29.3 3.2%
2011 6.8% 1.93 -21.5% 28.4 1.1%
2010 8.75% 2.46 -12.1% 28.1 1.8%
2009 10.14% 2.8 28.4% 27.6 3%
2008 8.13% 2.18 26.8


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品の構成比率を見てみます。
債権の格付けなどの比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢