BND・AGG・AGGY・SPAB(米国債券ETF)を比較:株価・配当・構成銘柄

債券ETF

米国の債券市場へ低コストで幅広く分散投資できる「総合債券ETF」。この記事では、ポートフォリオの核(コア)となる代表的なETFであるAGG、BND、SPABと、インカム向上を目指す利回り強化型AGGYの合計4銘柄を比較し、その特徴と選び方を解説します。[1][2][3][4]

※ご注意:以下に記載するデュレーション、利回り、構成比率、純資産総額、保有数は常に変動します。投資を検討する際は、各社の公式ページやファクトシートで「いつ時点」の数値かを確認してください。特に債券ETFは、同じ公式ページ内でも利回り、デュレーション、保有数、純資産総額の基準日が異なる場合があります。

また、記事中で使用する略語の簡単な解説を付記しておきます。

  • MBS(Mortgage-Backed Security):住宅ローン担保証券。住宅ローン債権を裏付けとして発行される証券。
  • CMBS(Commercial Mortgage-Backed Security):商業用不動産ローン担保証券。オフィスビルや商業施設などのローンを裏付けとする証券。
  • ABS(Asset-Backed Security):資産担保証券。自動車ローン、クレジットカード債権などの資産を裏付けとする証券。

【徹底比較】米国総合債券ETF 4選!コアのAGG・BND・SPABか、利回り強化のAGGYか?


主要ETF比較サマリー 2026年7月15日確認

AGG・BND・SPABは、米ドル建ての投資適格債券市場へ広く投資する「コア債券ETF」です。一方、AGGYは市場平均をそのまま保有するのではなく、Bloomberg U.S. Aggregate Bond Indexの構成要素を組み替え、一定の制約のもとで利回りを高める設計です。したがって、AGGYは単純な上位互換ではなく、金利リスクや信用リスクをやや上乗せして利回り向上を目指すETFとして見る必要があります。[5]

項目 【AGG】 【BND】 【SPAB】 【AGGY】
戦略 市場平均連動型
(コア向け)
利回り強化型
連動指数/位置づけ Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。[1] Bloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Index。[2] Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。[3] Bloomberg U.S. Aggregate Enhanced Yield Index。[4]
経費率 0.03%
2026/7/15確認[1]
0.03%
2026/4/28時点[2]
0.03%
2026/7/15時点[3]
0.12%
2026/7/14時点[4]
純資産総額 1,383億ドル
2026/7/14時点[1]
ファンド全体:約3,944億ドル
ETFシェア:約1,574億ドル
2026/5/31時点[2]
98.0億ドル
2026/7/13時点[3]
9.30億ドル
2026/7/14時点[4]
30日SEC利回り 4.58%
2026/7/13時点[1]
4.50%
2026/6/30時点[2]
4.61%
2026/7/13時点[3]
4.86%
2026/7/13時点[4]
デュレーション/満期 実効デュレーション5.76年
加重平均満期8.10年
2026/7/13時点[1]
平均デュレーション5.8年
2026/5/31時点
平均実効満期8.1年
2026/3/31時点[2]
オプション調整後デュレーション5.83年
平均残存年数8.22年
2026/7/13時点[3]
実効デュレーション6.61年
平均残存年数11.88年
2026/7/14時点[4]
保有数 13,263
2026/7/13時点[1]
11,390
2026/3/31時点[2]
8,482
2026/7/13時点[3]
1,649
2026/3/31時点[4]
分配頻度 毎月
2026/7/15確認[1]
毎月
2026/7/15確認[2]
毎月
2026/7/15時点[3]
毎月
2026/7/15確認[4]
特徴 経費率0.03%で、米国の投資適格債券市場へ幅広く分散。指数仕様、運用会社、純資産規模、売買スプレッドなどで選ぶ構造です。 利回り向上を狙う一方、コア型3本よりデュレーションが長く、社債比率も高い設計です。[4]

各ETFの詳細

【AGG】iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF

  • 連動指数:Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。[1]
  • 投資対象:米ドル建ての投資適格債券市場。米国債、政府関連債、社債、MBS、CMBS、ABSなどに幅広く分散します。[1]
  • 構成比率:米国債46.49%、MBSパススルー証券23.05%、事業会社債14.34%、金融機関債7.93%、公益企業債2.53%などです(2026/7/13時点)。[1]
  • ポイント:経費率は0.03%(2026/7/15確認時点)、純資産総額は約1,383億ドル(2026/7/14時点)、保有数は13,263(2026/7/13時点)です。30日間の売買価格差の中央値は0.01%(2026/7/13時点)で、規模と売買のしやすさを重視する場合の有力候補です。[1]

【BND】バンガード・米国トータル債券市場ETF

  • 連動指数:Bloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Index。[2]
  • 投資対象:米ドル建ての課税対象となる投資適格債券へ幅広く投資します。米国債、政府関連債、社債、政府系MBS、ABS、CMBSなどを含みますが、物価連動国債と地方債は対象外です。[2]
  • 構成比率:米国債・政府機関債49.4%、政府系MBS19.3%、事業会社債14.6%、金融債8.1%、外国発行体の米ドル建て債3.4%などです(2026/3/31時点)。[2]
  • ポイント:経費率は0.03%(2026/4/28時点)です。ファンド全体の純資産は約3,944億ドル、そのうちETFシェアは約1,574億ドル(いずれも2026/5/31時点)。30日SEC利回りは4.50%(2026/6/30時点)です。ファンド全体の純資産には、ETF以外のシェアクラスも含まれます。[2]

【SPAB】ステート・ストリートSPDRポートフォリオ米国総合債券ETF

  • 連動指数:Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。[3]
  • 投資対象:米ドル建ての投資適格債券市場。米国債、社債、MBS、CMBS、ABSなどに分散し、AGGと同じ指数への連動を目指します。[3]
  • 構成比率:米国債46.22%、MBS23.21%、事業会社債13.97%、金融債7.80%、公益企業債2.46%などです(2026/7/13時点)。[3]
  • ポイント:経費率は0.03%(2026/7/15時点)、純資産総額は約98.0億ドル、保有数は8,482、30日SEC利回りは4.61%、オプション調整後デュレーションは5.83年(いずれも2026/7/13時点)です。AGGより規模は小さいものの、低コストのコア債券ETFとして近い性格を持ちます。[3]

【AGGY】ウィズダムツリー米国債券ファンド(利回り強化型)

  • 連動指数:Bloomberg U.S. Aggregate Enhanced Yield Index。[4]
  • 投資対象:Bloomberg U.S. Aggregate Bond Indexの構成要素を基礎としながら、セクター、満期、信用格付けの配分をルールに基づいて変更し、より高い利回りを狙います。[5]
  • 指数設計:Bloombergが公開している指数設計資料では、基礎指数を20のサブコンポーネントに分け、利回りを最大化するよう配分を調整します。ただし、指数のデュレーションは基礎指数より最大1年長い範囲に制限され、セクター配分、信用格付け、売買回転率にも制約が設けられています(2026/7/15確認時点)。[5]
  • 構成比率:社債43.54%、米国債26.15%、政府関連債11.52%、CMBS6.45%、MBS5.87%、ABS4.94%などです。信用格付け構成はAA43.19%、BBB28.25%、A15.52%、AAA8.43%、無格付け3.08%などです(2026/7/14時点)。[4]
  • ポイント:経費率は0.12%、純資産総額は約9.30億ドル、30日SEC利回りは4.86%、平均最終利回りは5.12%、実効デュレーションは6.61年(いずれも2026/7/14時点または2026/7/13時点の公式表示)です。[4]

2026年7月13日時点の30日SEC利回りを比べると、AGGYは4.86%、AGGは4.58%で、AGGYが0.28ポイント高くなっています。一方、実効デュレーションはAGGYが6.61年(2026/7/14時点)、AGGが5.76年(2026/7/13時点)で、AGGYの方が0.85年長くなっています。利回りの上乗せが無料で得られるわけではなく、金利変動や信用スプレッドの影響をより受けやすい設計です。[1][4]


結局どれを選ぶべきか?

  • 規模・流動性・代表性を重視するなら:AGG
  • バンガードの運用商品でまとめたいなら:BND
  • 低コストのSPDRシリーズでそろえたいなら:SPAB
  • 金利・信用リスクの上乗せを許容し、利回り向上を狙うなら:AGGY

AGG・BND・SPABの3本は、いずれも米国の投資適格債券市場へ広く分散するコア債券ETFです。経費率はいずれも0.03%(2026/7/15確認時点)で、デュレーションや30日SEC利回りも近い水準にあります。商品選びでは、指数の細かな違い、証券会社での取扱い、売買スプレッド、積立設定の可否、既存ポートフォリオとの重複などを確認するとよいでしょう。[1][2][3]

AGGYは運用会社からコア債券への活用も提案されていますが、市場平均にそのまま連動する商品ではありません。2026年7月14日時点では社債が43.54%を占め、実効デュレーションも6.61年とコア型3本より長くなっています。純粋な市場平均に近い「守りの核」を求めるならAGG・BND・SPAB、より高いインカムを狙い、そのための値動きの拡大を許容するならAGGY、という分け方が分かりやすいでしょう。[4]

ミニ解説:債券ETFの利回りには、30日SEC利回り分配利回り最終利回りなど複数の指標があります。30日SEC利回りは、直近30日間の利息収入から経費を差し引き、一定の方法で年率換算した標準化指標です。実際に受け取る分配金や将来の収益を保証するものではありません。比較する際は、同じ利回り指標と近い基準日の数値を使用することが重要です。
免責事項:本記事は2026年7月15日時点で確認できる情報に基づく情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。ETFの利回り、デュレーション、構成比率、純資産総額、保有数、価格は日々変動します。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. AGG主要指標(指数、経費率、純資産、保有数、利回り、デュレーション、満期、構成比率、分配頻度) → iShares「iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF」公式ページiShares AGG Fact Sheet(PDF) 確認日:2026-07-15
  2. BND主要指標(指数、経費率、純資産、保有数、利回り、デュレーション、満期、構成比率、分配頻度) → Vanguard「Vanguard Total Bond Market ETF」公式ページVanguard BND ETF Profile(2026-03-31、PDF)Vanguard Bond ETFs Prospectus(2026-04-28、PDF) 確認日:2026-07-15
  3. SPAB主要指標(指数、経費率、純資産、保有数、利回り、デュレーション、満期、構成比率、分配頻度) → State Street「SPDR Portfolio Aggregate Bond ETF」公式ページState Street SPAB Fact Sheet(PDF) 確認日:2026-07-15
  4. AGGY主要指標(指数、経費率、純資産、保有数、利回り、デュレーション、満期、資産別・信用格付け別構成、分配頻度) → WisdomTree「Yield Enhanced U.S. Aggregate Bond Fund」公式ページWisdomTree AGGY Quarterly Fact Sheet(PDF) 確認日:2026-07-15
  5. AGGY指数設計(20サブコンポーネント、利回り最適化、デュレーション・セクター・信用格付け・回転率の制約) → Bloomberg「U.S. Aggregate Enhanced Yield Index」設計資料(PDF)WisdomTree AGGY公式ページ 確認日:2026-07-15

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*当サイトは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されることがあります)

BNDの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 3.88% 2.86 8.3% 73.7 1.2%
2024 3.63% 2.64 18.9% 72.8 1.0%
2023 3.08% 2.22 23.3% 72.1 -5.1%
2022 2.37% 1.80 2.9% 76.0 -11.4%
2021 2.04% 1.75 -15.0% 85.8 -1.7%
2020 2.36% 2.06 -7.2% 87.3 6.1%
2019 2.70% 2.22 2.8% 82.3 4.0%
2018 2.73% 2.16 8.0% 79.1 -3.1%
2017 2.45% 2.00 1.5% 81.6 -1.4%
2016 2.38% 1.97 -1.5% 82.8 0.9%
2015 2.44% 2.00 -10.3% 82.1 0.4%
2014 2.73% 2.23 2.8% 81.8 -0.1%
2013 2.65% 2.17 -17.8% 81.9 -2.7%
2012 3.14% 2.64 -9.9% 84.2 2.8%
2011 3.58% 2.93 -4.6% 81.9 1.4%
2010 3.80% 3.07 -1.0% 80.8 3.6%
2009 3.97% 3.10 -10.7% 78.0 2.1%
2008 4.54% 3.47 76.4

AGGの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 4.06% 3.89 7.2% 95.9 4.7%
2024 3.96% 3.63 16.7% 91.6 4.4%
2023 3.55% 3.11 34.1% 87.7 -2.6%
2022 2.58% 2.32 14.9% 90.0 -9.3%
2021 2.04% 2.02 -15.5% 99.2 0.5%
2020 2.42% 2.39 -5.5% 98.7 8.5%
2019 2.78% 2.53 2.8% 91.0 7.1%
2018 2.89% 2.46 8.4% 85.0 -0.4%
2017 2.66% 2.27 1.3% 85.3 1.1%
2016 2.65% 2.24 -15.5% 84.4 3.3%
2015 3.24% 2.65 -7.0% 81.7 3.2%
2014 3.60% 2.85 14.5% 79.2 2.7%
2013 3.23% 2.49 -10.8% 77.1 0.3%
2012 3.63% 2.79 -9.1% 76.9 6.4%
2011 4.25% 3.07 -4.7% 72.3 5.1%
2010 4.68% 3.22 -4.7% 68.8 7.3%
2009 5.27% 3.38 -5.6% 64.1 6.8%
2008 5.97% 3.58 60.0

AGGYの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 4.49% 1.97 4.8% 43.9 0.9%
2024 4.32% 1.88 13.3% 43.5 1.4%
2023 3.87% 1.66 46.9% 42.9 -5.7%
2022 2.48% 1.13 17.7% 45.5 -12.8%
2021 1.84% 0.96 -32.4% 52.2 -2.1%
2020 2.66% 1.42 -6.0% 53.3 4.9%
2019 2.97% 1.51 -4.4% 50.8 4.5%
2018 3.25% 1.58 15.3% 48.6 -3.6%
2017 2.72% 1.37 -11.0% 50.4 -1.0%
2016 3.03% 1.54 92.5% 50.9 2.4%
2015 1.61% 0.80 49.7

SPABの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 4.02% 1.02 6.2% 25.4 0.4%
2024 3.79% 0.96 11.6% 25.3 0.4%
2023 3.41% 0.86 43.3% 25.2 -5.3%
2022 2.26% 0.60 5.3% 26.6 -11.3%
2021 1.90% 0.57 -16.2% 30.0 -1.6%
2020 2.23% 0.68 -15.0% 30.5 5.5%
2019 2.77% 0.80 2.6% 28.9 4.0%
2018 2.81% 0.78 -38.1% 27.8 -3.1%
2017 4.39% 1.26 -12.5% 28.7 -1.7%
2016 4.93% 1.44 1.4% 29.2 0.7%
2015 4.90% 1.42 4.4% 29.0 0.7%
2014 4.72% 1.36 27.1% 28.8 0.3%
2013 3.73% 1.07 -18.9% 28.7 -2.0%
2012 4.51% 1.32 -31.6% 29.3 3.2%
2011 6.80% 1.93 -21.5% 28.4 1.1%
2010 8.75% 2.46 -12.1% 28.1 1.8%
2009 10.14% 2.80 28.4% 27.6 3.0%
2008 8.13% 2.18 26.8


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品の構成比率を見てみます。
債権の格付けなどの比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢