AMATとLRCXを比較|アプライド・マテリアルズとラムリサーチの違い【2026年】
最終更新:2026年8月5日/株価基準日:2026年8月4日終値
AMATとLRCXの最大の違いは、事業領域の「幅」と、重要工程への「深さ」です。
- AMAT(アプライド・マテリアルズ):成膜、エッチング、イオン注入、検査、サービスなどを幅広く展開する総合型メーカー。
- LRCX(ラムリサーチ/Lam Research):エッチングと成膜を中心に、3D NAND、DRAM、HBM、先端ロジックなどで強みを持つ工程特化型メーカー。
半導体製造装置市場全体へ幅広く投資する考え方ならAMAT、微細化・積層化で重要性が増すエッチング・成膜への集中度を重視するならLRCX、という違いがあります。
アプライド・マテリアルズ(Applied Materials, Inc./NASDAQ:AMAT)とラム・リサーチ(Lam Research Corporation/NASDAQ:LRCX)は、半導体製造装置メーカーの代表格です。本記事では、両社の事業内容、最新決算、売上高、利益率、株価、配当、自社株買い、AI・HBM需要、中国規制リスクを比較します。
2026年8月5日時点で、AMATの最新決算は2026年度Q2(2026年4月26日終了四半期)です。2026年度Q3決算は、米国時間2026年8月13日の市場終了後に発表される予定です。LRCXは2026年度Q4(2026年6月28日終了四半期)と2026年度通期まで発表済みです。[1][2]
AMAT vs LRCX:アプライド・マテリアルズとラムリサーチの違い
比較サマリー:総合型のAMAT、工程特化型のLRCX
| 項目 | アプライド・マテリアルズ (AMAT) |
ラム・リサーチ (LRCX) |
|---|---|---|
| 事業内容 | 半導体製造装置の総合メーカー。半導体システム、サービス、関連装置を幅広く展開。 | エッチング、成膜、洗浄、サポート関連に強い工程特化型メーカー。 |
| 市場での強み | 製品ラインナップの広さ、サービス事業、先端ロジック・DRAM・先端パッケージングへの対応力。 | エッチング・成膜など、微細化・3D化・積層化で重要度が増す工程での高い専門性。 |
| 直近通期売上 | 283.68億ドル (2025年度、前年比+4.4%)[3] |
232.33億ドル (2026年度、前年比約+26.0%)[2] |
| 直近四半期 | 2026年度Q2 売上高79.10億ドル Non-GAAP EPS 2.86ドル[1] |
2026年度Q4 売上高67.22億ドル Non-GAAP EPS 1.82ドル[2] |
| 次四半期見通し | 2026年度Q3 売上高89.5億ドル±5億ドル Non-GAAP EPS 3.36ドル±0.20ドル[1] |
2027年度Q1 売上高81.0億ドル±4億ドル Non-GAAP EPS 2.15ドル±0.15ドル[2] |
| 配当 | 四半期0.53ドル 9年連続増配[4] |
四半期0.26ドル 2026年度の宣言額は年1.04ドル[5] |
| 配当利回り (参考値) |
約0.39% 年2.12ドル÷株価546.62ドル |
約0.33% 年1.04ドル÷株価317.74ドル |
| 向いている見方 | 幅広い工程、サービス収益、総合力を重視。 | エッチング・成膜、メモリ、HBM、3D化への集中度を重視。 |
※株価は2026年8月4日終値です。配当利回りは現在の四半期配当が4回続くと仮定した単純年率換算であり、将来の配当を保証するものではありません。[6]
株価:過去から現在まで
チャートではAMAT、LRCXに加え、半導体株ETFのSOXXと米国10年国債利回りを比較します。金利上昇局面では、将来利益への期待が大きい成長株の評価倍率が圧迫されることがあるため、業績だけでなく金利との関係も確認します。
※チャート左目盛り:株価推移(SOXX:iShares Semiconductor ETFを含めて比較)
※チャート右目盛り:米国10年国債利回り
株価とPERの扱い:株価、PER、配当利回りは日々変動します。特にAMATは2026年8月13日に決算発表を控えているため、固定PERは記事本文に残さず、スプレッドシートなどで基準日を明示して更新する方が適切です。
決算:市場予想と結果
市場におけるEPSと売上高予想の変化、会社実績、次四半期ガイダンスを確認します。
個別の決算推移は、以下の関連記事で確認できます。
★アプライド・マテリアルズ(AMAT)の決算:予想と結果、売上高・EPS
★ラムリサーチ(LRCX)の決算:予想と結果、売上高・EPS
最新決算を比較:AMATはQ2、LRCXは2026年度通期まで発表
両社ともAI、先端ロジック、DRAM、HBM、3D NAND、先端パッケージング向け投資の追い風を受けています。一方、半導体製造装置は設備投資サイクルの影響を強く受けるため、単純な右肩上がりではありません。
AMATは2025年度に過去最高売上を更新し、2026年度Q2も売上高79.10億ドルとなりました。LRCXは2026年度に売上高232.33億ドルまで拡大し、6月期には売上高、営業利益率、EPSが記録的な水準となりました。[1][2]
| 年・期間 | AMAT 売上高 (前年比) |
LRCX 売上高 (前年比) |
|---|---|---|
| 次四半期 会社見通し |
2026年度Q3:89.5億ドル±5億ドル Non-GAAP EPS:3.36ドル±0.20ドル[1] |
2027年度Q1:81.0億ドル±4億ドル Non-GAAP EPS:2.15ドル±0.15ドル[2] |
| 直近四半期 | 2026年度Q2:79.10億ドル 前年同期比+11%[1] |
2026年度Q4:67.22億ドル 前四半期比+15.1%[2] |
| 直近通期 | 2025年度:283.68億ドル 前年比+4.4%[3] |
2026年度:232.33億ドル 前年比約+26.0%[2] |
| 前年度 | 2024年度:271.76億ドル 前年比+2.5%[3] |
2025年度:184.36億ドル 前年比+23.7%[2] |
| さらに前年 | 2023年度:265.17億ドル[3] | 2024年度:149.05億ドル 前年比-14.5%[2] |
※各社会計年度に基づきます。AMATは10月期、LRCXは6月期で、同じ年度表記でも対象期間は一致しません。
AMAT:広い事業基盤とサービス収益が強み
AMATの2025年度売上高は283.68億ドルでした。内訳は、半導体システムが207.98億ドル、Applied Global Servicesが63.85億ドル、その他が11.85億ドルです。半導体システムの中では、Foundry/Logic等が67%、DRAMが26%、Flash/NANDが7%でした。[3]
2026年度Q2(2026年4月26日終了四半期)は、売上高79.10億ドル、GAAP粗利率49.9%、Non-GAAP粗利率50.0%、GAAP EPS 3.51ドル、Non-GAAP EPS 2.86ドルでした。セグメント別では、半導体システムが59.65億ドル、Applied Global Servicesが16.65億ドル、その他が2.80億ドルです。[1]
会社は2026年度Q3について、売上高89.5億ドル(±5億ドル)、Non-GAAP EPS 3.36ドル(±0.20ドル)を見込んでいます。実績は2026年8月13日の市場終了後に発表予定であり、この記事の公開後に比較表を再更新する必要があります。[1]
AMATは2026年度Q2決算で、先端ロジック向けの3D Gate-All-Around関連装置、先端パッケージング向けNEXX事業の買収合意、SynopsysおよびNVIDIAとの材料モデリングR&D連携などにも言及しました。AIインフラの拡大が、前工程だけでなく材料工学・先端パッケージングまで需要を広げている点が重要です。[1]
LRCX:2026年度売上は約26%増、6月期は記録的な水準
LRCXの2026年度売上高は232.33億ドルで、2025年度の184.36億ドルから約26.0%増加しました。GAAP営業利益率は通期で35.3%、GAAP希薄化後EPSは5.76ドルとなり、前年度の4.15ドルを上回りました。[2]
2026年度Q4(2026年6月28日終了四半期)の売上高は67.22億ドルで、前四半期比15.1%増加しました。GAAP粗利率は51.7%、GAAP営業利益率は37.4%、GAAP希薄化後EPSは1.81ドルです。Non-GAAPでは粗利率52.0%、営業利益率38.4%、EPS1.82ドルでした。[2]
会社は2027年度Q1に当たる2026年9月期について、売上高81.0億ドル(±4億ドル)、Non-GAAP粗利率52.0%(±1%)、Non-GAAP営業利益率39.5%(±1%)、Non-GAAP EPS2.15ドル(±0.15ドル)を見込んでいます。会社計画どおりなら、6月期からさらに売上高と利益率が上昇する見通しです。[2]
LRCXの注目点:AI需要そのものだけでなく、半導体構造の複雑化がエッチングと成膜の工程数を増やす可能性があります。3D NANDの積層数増加、DRAM・HBMの高度化、先端ロジックの新構造は、LRCXの得意工程にとって重要です。
配当と株主還元:両社とも高配当株ではない
AMATとLRCXはいずれも高配当株ではありません。配当利回りだけで評価すると、成長投資や自社株買いを含む株主還元の全体像を見落とす可能性があります。半導体製造装置の成長企業としては、増配率、自社株買い、フリーキャッシュフロー創出力を合わせて確認する必要があります。
| 年・基準 | AMAT 配当 | LRCX 配当 |
|---|---|---|
| 現在のペース | 年2.12ドルペース (四半期0.53ドル)[4] |
年1.04ドルペース (四半期0.26ドル)[5] |
| 2026年・年度 | 2026年3月に15%増配。9年連続増配。[4] | 2026年度の1株配当宣言額は1.04ドル。[2] |
| 2025年 | 四半期0.46ドルを中心とした配当。[7] | 年間0.98ドル(分割後換算)。[8] |
| 2024年 | 四半期0.40ドル。 | 四半期0.23ドル相当へ増配。2024年10月に10対1株式分割。[8] |
AMATは2026年6月9日、四半期配当0.53ドルを2026年9月10日に支払うと発表しました。基準日は8月20日です。2026年3月の増配時点で、過去10年間の配当成長率は年平均18%、過去10会計年度のフリーキャッシュフローの約90%を配当と自社株買いで還元したと説明しています。[4]
LRCXは2026年5月に四半期配当0.26ドルを発表し、7月8日に支払いました。2026年度通期では配当支払額が約12.71億ドル、自己株取得が約38.51億ドルでした。配当額より自社株買いの規模が大きく、総還元で見る必要があります。[2][5]
AI・HBM需要と事業構造の違い
AIサーバー向け半導体の増加は、先端ロジック、HBM、DRAM、先端パッケージングへの設備投資を押し上げます。ただし、AI需要の恩恵の受け方は両社で同じではありません。
- AMAT:材料工学を軸に、成膜、エッチング、イオン注入、検査、先端パッケージング、サービスまで幅広い需要を取り込む構造です。
- LRCX:微細化や3D化によって工程数が増えやすいエッチング・成膜への集中度が高く、3D NAND、DRAM、HBMの構造高度化が重要な成長要因です。
AI半導体の需要が広い工程へ波及すると考えるならAMATの総合力が評価しやすく、メモリや積層構造の複雑化が特定工程の需要を強く押し上げると考えるならLRCXの専門性が評価しやすくなります。
規制・地政学リスク:中国依存だけでなく東アジア全体を見る
米国の対中輸出規制は、半導体製造装置メーカーにとって重要なリスクです。AMATは2025年度の地域別売上高で中国が85.29億ドル、全体の30%を占めました。2024年度の37%からは低下したものの、依然として大きな市場です。[3]
LRCXは2025年度に中国が売上高の34%を占めました。2026年6月期には中国比率が26%へ低下する一方、台湾27%、韓国20%、日本9%、米国9%、東南アジア5%、欧州4%でした。中国依存は低下しましたが、台湾・韓国を含む東アジアの設備投資サイクルへの感応度は引き続き高いといえます。[2]
主なリスク:輸出規制の強化、関税・貿易摩擦、顧客の設備投資延期、メモリ市況の悪化、AI投資の減速、製造装置の供給制約、地域別売上の偏り、株価評価の高さなどがあります。業績が好調でも、半導体設備投資サイクルによって受注や株価が大きく変動する点には注意が必要です。
AMAT・LRCXとASML、KLAC、東京エレクトロンの違い
AMATとLRCXの位置づけを理解するには、他の主要な半導体製造装置メーカーとの違いを見ると分かりやすくなります。
| 企業 | 主な強み・位置づけ |
|---|---|
| AMAT | 成膜、エッチング、イオン注入、検査、サービス、先端パッケージングなどを広く展開する総合型。 |
| LRCX | エッチングと成膜に強く、3D NAND、DRAM、HBMなどの積層化・構造高度化で存在感。 |
| ASML | EUV・DUVを中心とする露光装置。回路パターンをウエハーへ転写する工程で重要。 |
| KLAC | 欠陥検査、計測、プロセス制御、データ解析に強い。 |
| 東京エレクトロン | 塗布・現像、成膜、エッチング、洗浄、熱処理など、幅広い半導体製造装置を展開。 |
ASMLは露光、KLACは検査・計測という比較的明確な中核領域を持ちます。AMATと東京エレクトロンは製品領域が広く、LRCXはエッチング・成膜への専門性が際立つ、という整理ができます。[10]
結論:AMATとLRCXのどちらが向いているか
両社の比較は、半導体製造装置市場の成長をどう捉えるか、そして「分散」と「集中」のどちらの戦略を好むかによります。
半導体装置市場全体へ幅広く投資したいならAMAT
AMATは事業領域が広く、半導体システムだけでなくサービス収益も持っています。2025年度に過去最高売上を更新し、2026年度Q2も売上高79.10億ドルとなりました。2026年3月には9年連続となる増配も発表しています。
先端ロジック、DRAM、先端パッケージングなど複数の成長分野を幅広く取り込みたい場合や、装置販売だけでなくサービス事業も重視する場合は、AMATの方が考え方に合いやすいでしょう。[1][4]
エッチング・成膜とメモリの構造高度化を重視するならLRCX
LRCXはエッチング・成膜など、半導体の微細化・3D化で重要度が高まる工程に強みを持ちます。2026年度売上高は約26%増加し、6月期には売上高、営業利益率、EPSが記録的な水準となりました。
AI関連投資、DRAM、HBM、3D NAND、先端ロジックの構造複雑化が、特定工程の装置需要を強く押し上げると考える場合は、LRCXの方が検討しやすい銘柄です。[2]
現時点で単純に優劣は決められない
LRCXは足元の成長率とガイダンスが強い一方、メモリ投資や特定工程への感応度が高い企業です。AMATは事業分散とサービス収益が強みですが、2026年度Q3の実績はまだ発表されていません。
したがって、現在の比較では、業績モメンタムではLRCX、事業領域の広さではAMATという整理が妥当です。ただし、AMATの2026年8月13日決算後には、この評価を再確認する必要があります。
AMATとLRCXに関するよくある質問
AMATとLRCXの最大の違いは何ですか
AMATは複数の半導体製造工程とサービスを幅広く展開する総合型です。LRCXはエッチングと成膜を中心に、3D NAND、DRAM、HBMなどで強みを持つ工程特化型です。
AI半導体の恩恵が大きいのはどちらですか
両社とも恩恵を受けます。AMATは先端ロジック、材料工学、先端パッケージングなど幅広い需要を取り込みます。LRCXはエッチング・成膜工程の増加や、DRAM・HBM・3D NANDの構造高度化が追い風になります。
配当を重視するならどちらですか
両社とも高配当株ではありません。AMATは9年連続増配で、現在の年率換算配当は2.12ドルです。LRCXの現在の年率換算配当は1.04ドルで、自社株買いを含む総還元の規模が大きい企業です。
中国規制の影響が大きいのはどちらですか
両社とも影響を受けます。AMATは2025年度売上高の30%が中国向けでした。LRCXは2025年度の34%から2026年6月期には26%へ低下しましたが、台湾・韓国を含む東アジア市場への依存度は高い状態です。
AMATの次回決算日はいつですか
2026年度Q3決算は、米国時間2026年8月13日の市場終了後に発表される予定です。
※本ページの分析は、2026年8月5日時点の公開情報に基づいています。株価、配当、会社見通し、評価指標は変化します。本記事は投資判断の参考となる情報を整理したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。
用語メモ:WFE(Wafer Fab Equipment)はウエハー製造装置市場を指します。市況はサイクル性が強く、AI、先端ロジック、DRAM、HBM、3D NAND、先端パッケージング投資の局面で大きく動きやすいのが特徴です。AMATは幅広い工程とサービス収益を持つ「総合型」、LRCXはエッチング・成膜など重要工程に強い「専門型」と見ると整理しやすくなります。
【注】(出典リンク)
- AMAT 2026年度Q2決算・Q3見通し・Q3決算発表予定 → Applied Materials Q2 FY2026 Results → Applied Materials to Report Q3 FY2026 Results on Aug. 13(確認日:2026-08-05)。 ↩
- LRCX 2026年度Q4・通期実績、地域別売上、2027年度Q1見通し、キャッシュフロー → Lam Research June 2026 Quarter and Fiscal Year Results(確認日:2026-08-05)。 ↩
- AMAT 2025年度通期決算・売上内訳・中国売上比率 → Applied Materials FY2025 Results → Applied Materials Form 10-K FY2025(確認日:2026-08-05)。 ↩
- AMAT 2026年増配、9年連続増配、2026年9月支払配当 → Applied Materials Dividend Increase 2026 → Applied Materials Cash Dividend, June 2026(確認日:2026-08-05)。 ↩
- LRCX 2026年四半期配当 → Lam Research Quarterly Dividend 2026 → Lam Research Dividend History(確認日:2026-08-05)。 ↩
- 2026年8月4日終値 → MarketWatch – AMAT, Aug. 4, 2026 → MarketWatch – LRCX, Aug. 4, 2026(確認日:2026-08-05)。 ↩
- AMAT 2025年度株主還元・配当方針 → Applied Materials FY2025 Results(確認日:2026-08-05)。 ↩
- LRCX配当履歴・株式分割後の配当 → Lam Research Dividend History(確認日:2026-08-05)。 ↩
- LRCX 100億ドル自社株買い枠・10対1株式分割 → Lam Research Repurchase Authorization and Stock Split(確認日:2026-08-05)。 ↩
- 主要メーカーの製品領域 → ASML Technology → KLA Products → Tokyo Electron Products and Services(確認日:2026-08-05)。 ↩

