VNM・THD・EWS・EWM・EIDO・EPHEを比較:東南アジア(ASEAN)ETFの株価と配当

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【ASEAN株ETF】2026年中東危機と米中対立下の新・成長戦略(VNM・EIDOなど6選)

東南アジア(ASEAN)各国のETFデータを比較し、2026年現在の緊迫する地政学リスクを踏まえた投資情報を整理します。

このページでは、中東エネルギー危機に伴うコスト増や、米中対立が生んだ「資源ナショナリズム」の恩恵を受ける国など、最新の選別ポイントを詳しく解説します。[1]

(*数値データ基準):利回りは2026-03-31時点、純資産・経費率は2026-04-10確認時の公表値に基づきます。市場環境の激変により数値は常に変動するため、必ず運用会社の最新情報を参照してください。[3]

【ASEAN国別ETF】2026年地政学リスク下の勝者と敗者

2026年、ASEAN投資の前提条件は劇的に変化しました。従来の「安価な労働力」という視点に加え、現在は「エネルギー自給率」「戦略物資(レアアース・重要鉱物)」の保有状況が、ETFのパフォーマンスを分ける決定的な要因となっています。

🚨 2026年中東エネルギー危機の直撃

ホルムズ海峡の緊張による原油・天然ガス価格の高騰は、ASEAN諸国を二分しました。輸入依存度の高いタイ(THD)フィリピン(EPHE)ベトナム(VNM)は貿易収支の悪化とインフレ圧力に苦しむ一方、純輸出国のインドネシア(EIDO)マレーシア(EWM)は資源高を背景にした通貨高と株価の底堅さを見せています。[1]

💎 米中対立と「レアアース・重要鉱物」の優位性

サプライチェーンの「デリスキング(リスク低減)」が加速する中、中国に次ぐ世界第2位のレアアース埋蔵量を持つベトナムや、EVバッテリーに不可欠なニッケルの最大生産国であるインドネシアの戦略的価値が急上昇しています。[2] 米国からの直接投資(FDI)がこれらの「戦略資源」目掛けて流入しており、長期的な産業構造の転換を後押ししています。[2]

ASEAN主要6カ国 ETF 比較一覧表(2026年4月版)

ティッカー 対象国 12m利回り 経費率 エネルギー耐性 戦略資源・優位性
EIDO インドネシア 4.05%[4] 0.59% ◎ 輸出増加 ニッケル・石炭[4]
VNM ベトナム 0.72%[3] 0.68% △ コスト増 世界第2位のレアアース[3]
EWM マレーシア 3.15%[5] 0.50% ○ ガス輸出 半導体後工程の集積地[5]
EWS シンガポール 3.42%[6] 0.50% ▲ 電力高騰 富裕層資金の逃避先
THD タイ 2.82%[7] 0.59% × 燃料高 EV製造ハブ化(BYD等)
EPHE フィリピン 1.98%[8] 0.59% × インフレ直撃 若年人口とBPO需要

各国の最新投資ポイントとリスク

1. インドネシア (EIDO):エネルギー高の最大受益国

現状: 2026年の石炭・ガス価格高騰は、インドネシアの経常収支を押し上げ、ルピアの安定に寄与しています。
論点: ニッケルの製錬加工を国内義務化(ダウンストリーム政策)したことで、米中の電池メーカーが同国への投資を競っており、戦略的優位性が極めて高い状態です。[4]

2. ベトナム (VNM):レアアースを武器にした「脱中国」の受け皿

現状: 中東危機による燃料コスト増は短期的には逆風ですが、中長期の成長シナリオは揺るぎません。
論点: 中国によるレアアースの輸出規制強化を受け、米国政府がベトナムの採掘・精錬事業を全面的に支援する方針を打ち出しています。半導体と戦略物資の両面で「最も重要な代替拠点」となっています。[3]

3. マレーシア (EWM):地政学的ニュートラルの恩恵

現状: ペトロナスを中心とするエネルギー部門の収益が拡大しています。
論点: 米中対立の激化により、チップ設計(中国)と製造(米国)の双方が、政治的に中立なペナンなどの半導体クラスターへの依存を強めています。[5]


投資家向け結論:2026年の戦略

  • 防御(リスク回避): 中東危機の長期化を懸念するなら、資源国であるEIDOEWMの比重を高め、為替の下落リスクをヘッジするのが実務的です。
  • 攻撃(成長取り込み): 米中対立の「漁夫の利」を狙うなら、重要鉱物の供給網として台頭するVNMへの時間分散投資が、将来の巨大なキャピタルゲインに繋がる可能性があります。

免責事項

本記事は2026年4月現在の情報に基づき作成しており、将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

ミニ解説:ASEAN諸国は単なる「新興国」という一括りの括りから、資源の有無による「持てる国」と「持たざる国」への分極化が進んでいます。2026年以降のリターンは、この資源格差に大きく支配されるでしょう。

【注】(出典リンク)

  1. 2026年中東エネルギー危機とASEAN経済への波及(IEAレポート:2026 Q1末) → International Energy Agency (IEA)(確認日:2026-04-12)
  2. ASEANの戦略的鉱物埋蔵量と米中デカップリングの影響 → U.S. Geological Survey (USGS) 2026 Summary(確認日:2026-04-12)
  3. VNM 公式運用データ(ベトナム・レアアース戦略とAUM:2026-04-10時点) → VanEck VNM Page(確認日:2026-04-12)
  4. EIDO 公式運用データ(インドネシア・資源株構成と利回り:2026-03-31時点) → iShares EIDO Page(確認日:2026-04-12)
  5. EWM 公式運用データ(マレーシア・エネルギー輸出と半導体比率:2026-03-31時点) → iShares EWM Page(確認日:2026-04-12)
  6. EWS 公式運用データ(シンガポール・銀行配当と利回り:2026-03-31時点) → iShares EWS Page(確認日:2026-04-12)
  7. THD 公式運用データ(タイ・エネルギー価格とセクター構成:2026-03-31時点) → iShares THD Page(確認日:2026-04-12)
  8. EPHE 公式運用データ(フィリピン・内需株構成とインフレ感応度:2026-03-31時点) → iShares EPHE Page(確認日:2026-04-12)


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。





ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブ、組入れ上位10銘柄はフィディリティのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢