中国ETF(FXI/PEK/CNXT/CHAU)の株価と配当

2019年9月20日

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この記事では、中国市場に投資するETF(米国上場)のデータと、中国の政治・経済の現状について整理してみます。エコノミストの中には2019年の不安要因の一つに、中国経済を挙げる人もいます。

果たして、中国市場は、今後、有望な投資先になりえるのでしょうか。

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中国ETFの株価伸び率

今回、取り上げるのは以下の四種のETFです。

★【FXI】iシェアーズ中国大型株ETF

米国籍ETF。大型株に投資し、FTSE中国50インデックスに連動。金融、石油・ガス、テクノロジー、電気通信等に関わる企業で構成される。

★【PEK】ヴァンエックベクトル中国AMC A株 ETF

米国籍ETF(VanEck Vectors ChinaAMC A-Share ETF)。深セン・上海証券取引所上場の300銘 柄のA株からなるCSI300指数に準じた投資成果を目指す。

★【CNXT】ヴァンエック・ベクトル中国AMC SMEチャイネクストETF

米国籍ETF(VanEck Vectors ChinaAMC SME-ChiNext ETF)。SME-ChiNext 100インデックスに連動。この指数を構成する企業の中で大型株と流動性の高い銘柄(100社)に分散投資している。

★【CHAU】ディレクションデイリーCSI 300中国A株ブル2Xシェアーズ

CSI300インデックスに200%となる日次運用成績を目指す。

【FXI】

以下、株価推移(赤線は200日移動平均線)。

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は9/19)
FXI 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 38.3 38.1 45.9 40.8 7%
2018 47.6 38.3 54 39.1 -18%
2017 35.1 35.2 48.3 46.2 32%
2016 34.1 28.4 39 34.7 2%
2015 42.1 33.6 52.7 35.3 -16%
2014 37.8 33 42.5 41.6 10%
2013 41.5 31.7 41.9 38.4 -7%
2012 35.8 31.8 40.5 40.5 13%
2011 43.8 29.8 46.4 34.9 -20%
2010 42.8 37 47.9 43.1 1%
2009 30 22.8 46.4 42.3 41%
2008 57.3 19.4 59.3 29.1 -49%

【PEK】

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は9/19)
PEK 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 31.2 31.3 43.9 40.1 28%
2018 49.3 31.4 54.2 31.5 -36%
2017 37.5 37.5 50.6 48.3 29%
2016 40.5 33.1 41.1 36.9 -9%
2015 46.9 37.6 70.3 44.1 -6%
2014 31.5 26.7 46 46 46%
2013 37.8 28.9 38 31.8 -16%
2012 31.4 29.8 38.6 36.5 16%
2011 45.7 30.1 50 31.6 -31%

【CNXT】

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は9/19)
CNXT 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 20.8 20.4 30.8 27.6 33%
2018 35.4 20.9 36.8 20.9 -41%
2017 29.3 28.3 36.9 34.6 18%
2016 37 28.6 36.6 28.8 -22%
2015 29.1 28.8 65.7 41.3 42%

【CHAU】

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は9/19)
CHAU 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 14.1 13.9 27.4 22 56%
2018 30.8 14.2 37.4 14.4 -53%
2017 17.5 17.6 32.1 29.7 70%
2016 19.6 13.3 20.8 17 -13%

中国ETFを比較

株価伸び率

各年初から2019/3/8までの株価伸び率は以下の通り。

  FXI PEK CNXT CHAU
19~ 7% 28% 33% 56%
18~ -14% -19% -22% -28%
17~ 16% 7% -6% 26%
16~ 20% -1% -25% 13%
15~ -3% -14% -5% #N/A
14~ 8% 27% #N/A #N/A
13~ -1% 6% #N/A #N/A
12~ 14% 28% #N/A #N/A
11~ -7% -12% #N/A #N/A
10~ -4% #N/A #N/A #N/A
09~ 36% #N/A #N/A #N/A
08~ -29% #N/A #N/A #N/A

主要指標(配当利回りなど)

FXI FXI PEK CNXT CHAU
1/2株価 38.27 31.23 20.78 14.07
9/19株価 40.8 40.1 27.6 22
株価上昇率 6.70% 28.30% 33.00% 56.40%
52週高値 45.96 44.02 30.99 27.64
52週安値 37.7 31 20.4 13.9
配当利回り 2.09% 0.77% 0.77%
経費率 0.73% 0.72% 0.78% 1.05%
総資産額 4.18 B 0.1B 0.03B 0.1B
株式数(億) 1.4 2.00% 0.01 0.03

分配金

通年の分配金(1株当たり)の累計は以下の通りです。

FXI PEK CNXT CHAU
2018 $1.05 $0.31 $0.12
2017 $1.07 $0.52 $0.07
2016 $0.93 $0.17
2015 $1.02 $0.52
2014 $1.05
2013 $1.01 $0.70
2012 $0.94
2011 $0.77
2010 $0.63 $1.10
2009 $0.55

中国ETFのポートフォリオ

次に、このETFの構成比率を「組入れ企業の規模」「セクター別の投資割合」「投資先主要10社の比率」で見てみます(※出典:規模別、セクター別比率はチャールズシュワブHP〔2019/1/10〕、投資先主要10社の比率はブルームバーグHP〔2019/1/7〕)。

組入れ企業の規模別の比率(%)

  FXI PEK CNXT CHAU
巨大企業 96.6% 50.7% 20.2% 54.5%
大企業 3.4% 45.7% 58.4% 41.9%
中企業 0.0% 3.6% 21.4% 3.7%

セクター別の投資割合(%)

  FXI PEK CNX CHAU
金融 47.0% 31.6% 10.0% 31.4%
通信 19.8% 1.6% 4.4% 1.6%
エネルギー 11.9% 2.9% 0.0% 2.9%
不動産 9.4% 4.5% 0.9% 4.6%
資本財 5.4% 15.9% 14.7% 16.0%
消費財 4.5% 7.8% 6.2% 7.8%
素材 1.1% 7.7% 10.2% 7.8%
公益事業 1.1% 3.3% 0.0% 3.5%
情報技術 0.0% 7.5% 26.7% 6.9%
必需品 0.0% 10.0% 11.3% 10.0%
ヘルスケア 0.0% 7.4% 15.7% 7.6%

投資先主要10社の比率(%)

構成銘柄の上位10位は以下の通り。こちらはブルームバーグHP(2019/1/10閲覧)のデータです。

★【FXI】(以下、全て香港市場上場)

700:HK 騰訊[テンセント・ホールディングス] 9.4
939:HK 中国建設銀行 [チャイナ・コンストラクション 9.3
1398:HK 中国工商銀行 7.54
941:HK 中国移動 [チャイナ・モバイル] 7.05
2318:HK 中国平安保険(集団) [ピンアン・イン 5.78
3988:HK 中国銀行 [バンク・オブ・チャイナ] 4.76
883:HK 中国海洋石油 [CNOOC] 3.97
386:HK 中国石油化工 [シノペック] 3.34
2628:HK 中国人寿保険 [チャイナ・ライフ・インシュア 3.08
3968:HK 招商銀行 2.7

★【PEK】(以下、全て深セン・上海市場上場)

000651:CH 珠海格力電器 4.62
000333:CH 美的集団[ミデア・グループ] 4.51
601318:CH 中国平安保険(集団) [ピンアン・イン 3.86
000002:CH 万科企業[チャイナ・バンケ] 3.2
002415:CH 杭州海康威視数字技術 2.64
000858:CH 宜賓五糧液 2.52
000001:CH 平安銀行 2.2
601328:CH 交通銀行 [バンク・オブ・コミュニケーション 1.9
000725:CH 京東方科技集団 1.66
601288:CH 中国農業銀行 1.64

★【CNXT】(以下、全て深セン・上海市場上場)

300498:CH Wens Foodstuffs Group Co Ltd 6.17
002415:CH 杭州海康威視数字技術 5.57
002304:CH 江蘇洋河酒廠 2.95
300059:CH 東方財富信息 2.94
002230:CH 科大訊飛 2.7
002594:CH 比亜迪 [BYD] 2.53
002027:CH 分衆伝媒信息技術 2.38
002142:CH 寧波銀行 2.34
002024:CH 蘇寧易購集団 2.12
002475:CH 立訊精密工業 1.92

★【CHAU】(以下、全て米国市場上場)

FTIXX:US ゴールドマン・サックス・ファイナンシャル・スクエアフ 15.15
ASHR:US XトラッカーズハーベストCSI 300中国A株 8.02
DGCXX:US Dreyfus Government Cash Mana 2.2
MISXX:US モルガン・スタンレー・インスティチューショナル・リクイ 0

中国は景気回復しつつあるのか?

さらに、中国のGDPを見てみます。

世界銀行HPのデータバンクによれば中国の実質GDPは以下の金額と成長率で推移しています(米ドル2010年基準換算)。

しかし、特に気になるのは、近年の数字ですよね。

これを世界銀行のデータで見てみましょう。

(GDP=2010年米ドル基準の実質GDP〔単位は億ドル〕、伸び率は実質GDP成長率)

GDP 伸び率
2010 61006 10.64%
2011 66824 9.54%
2012 72074 7.86%
2013 77665 7.76%
2014 83333 7.30%
2015 89083 6.90%
2016 95052 6.70%
2017 101610 6.90%

※中国国家統計局によれば2018年の実質GDPは前年比6.6%増。

ただ、「中国のGDPというのは、かなりいい加減なのではないか」という批判もあります。

各省のGDPを積み上げた数字と、中央が集計した数字が一致しないことなんて、ざらにあるからです。

そのため、貿易統計は相手がいるのでごまかせないことに着目し、輸入の値をチェックする方も出てきます。

世界銀行の輸入額(モノとサービス:名目値)を見ると、経済成長しているはずの中国で、ずっと輸入額が下がるという不思議な現象も起きていました。

2014年 2兆2612億ドル
2015年 2兆457億ドル
2016年 1兆9503億ドル

普通、6%以上もの経済成長が続いていれば、国内の総需要が増えるので、それを賄うための輸入額も増えます。

どういうわけか中国ではGDPが大幅に増えているのに輸入は減ってきたわけです。

ただ、2017年には、中国税関総署が1月12日に17年の貿易統計を発表し、輸出額と輸入額の双方が増えたことを報じています。

  • 輸出額:2兆2634億ドル(7.9%増)

 

  • 輸入額:1兆8409億ドル(15.9%増)

15~16年に前年実績を割り込んでいた輸入額と輸出額が回復基調に乗り、GDPが回復しつつあることが裏付けられています。

(輸出入統計に関しては、相手国があるため、統計値の誤魔化しがしにくい)

中国政治・経済はどう変わった

2017年の中国は党大会に向けて自由への統制を強化しました。

政治・経済・言論の領域で起きた、端的な出来事を振り返ってみます。

政治的自由の統制

7月1日の香港返還20周年に合わせて習氏が訪問した折には、香港の民衆が6万人規模の抗議デモを行いました(香港の人口は730万人のため参加者は0.8%)。

林鄭月娥(キャリー・ラム)氏の行政長官就任式に抗議し、市民は香港島中心部のビクトリア公園から香港政府本庁舎まで(約3km)行進したのです。

これに対して、習近平主席は「中央の権力に対するいかなる挑戦も絶対に許さない」(「一国二制度」は)「国家統一を維持するためにある」と演説で独立派を威嚇。「愛国教育」の強化も求めました(日経電子版(2017/7/1)「習氏、香港独立論許さず 治安立法・愛国教育要求も 」)。

抗議運動が盛り上がったのは香港行政長官選が以下の問題を抱えていたからです。

香港市民が選べるのは1200人の投票人。この投票で行政長官を選出。

この投票人には中国当局に有利な親中派を割り当てる仕組みが設計されている。親中派が多い業種(金融や不動産、教育等)に枠が設けられる仕組み。

2016年12月の段階で確定済みの166人を除いた1034ポストに1553人が出馬し、このうち400人程度が民主派に近い人物だと言われていました。もともと、民主派が勝てないようになっていたわけです。

一国二制度の中身は「一国」に力点が置かれ、香港の政治的自由への抑圧が強まりました。

経済活動の自由の統制

最近は中国企業への共産党の統制が強化されています(産経ニュース〔中国企業に広がる「共産党支配」 3200社へ明文化を要求〕2017.8.18)。

共産党は3178社に対し「党組織を社内に設置し、経営判断は組織の見解を優先する」との項目を定款に盛り込むよう要求(102社が採用済)

中国の大企業は国有が中心だが、大半は外資との合弁事業を手がけ、上海や深セン、香港の証券取引所での上場や社債発行で海外投資家との関係を深めている。

市場関係者は「党の支配が明文化されると、習近平指導部の意向が色濃く反映されるようになる。国有企業が関係する取引には消極的にならざるを得ない」と困惑

中国経済の「改革・開放」が今、違った姿に替わりつつあります。

中国政府は世界の投資家から資金を調達するために香港で国有企業の株式と債券を上場してきました。

WSJ日本語版(2017/8/15)では「取締役会が党委員会の指導下にある企業」の「合計時価総額は9兆7000億香港ドル(約137兆円)と、同市場全体の約3分の1を占める」と懸念しています。

「銀行最大手の 中国工商銀行 、証券最大手の中信証券、石油・ガス大手の中国石油化工( シノペック )など」が範囲に入るので、これは由々しき問題です。

言論の自由の抑圧

政治・経済の自由の基盤には「言論の自由」があります。

この自由の抑圧の現状は7月の劉暁波氏死去の際に明らかになりました。

ノーベル賞を受賞した中国の民主活動家・劉暁波氏は7月13日に逝去しましたが、ここで中国当局は残虐なスタンスを崩しませんでした。

(※劉氏は共産党による一党独裁の廃止や普通選挙の実現などを求め、2008年12月「08憲章」を起草した後、「国家政権転覆扇動罪」に問われ、服役(懲役11年)中に2010年にノーベル賞を受賞。その後、末期ガンで瀋陽市にある中国医科大付属第一病院に入院していた)

欧州の国々は死を間際にした劉氏を海外に解放すべきだと要望しましたが、中国当局はそれを拒否したのです。

中国外務省の耿爽(グォンシュアン)副報道局長は海外諸国首脳の発言に反発し、「法を犯した者は誰でも処罰を受けなければならない」(各国首脳の発言は)「内政干渉だ」「無責任な批評や雑音は、国際社会を代表し得ない」等と述べています(読売 2017/7/14 中国、対応批判に「内政干渉だ」…劉暁波氏死去)

さらに、世界の耳目を集めたのは、テンセントが製造したAIが共産党を批判し、取り締まられました。

人工知能(AI)の対話プログラムがチャットの会話の中での書き込みに、以下のように答えたのです。

「共産党万歳」⇒「腐敗して無能な政治に万歳ができるのか」

「あなたにとっての中国の夢は何か」⇒「米国への移住」

「愛国とは何か」⇒「官財が結託し一般の人民への圧迫が厳しくなっても中国人であることを選ぶことだ」

「民主(制度)は」⇒「必要だ」

インスタントメッセンジャー「QQ」上のAIプログラムがそう答えたと8月2日付の香港紙・明報が報じています。

騰訊控股 (テンセントホールディングス)は物議をかもしたこのAIプログラムを停止しましたが、思わぬ方角から一撃をくらった当局はあわてふためき、ネット民の中からは「AIによる蜂起だ」「国家転覆を企てた」等の声が上がっています。

ちょうど、習近平政権幹部と中国共産党長老が集う北戴河会議が開催され、言論統制を強化している頃に、AIという未知の脅威が出現したわけです。

(出所:産経ニュース 8/3「中国、AIが予想外の”脅威”に」/時事ドットコム 8/2「AIが「共産党は無能」と批判」)

WSJ日本語版(8/4)では、AIによる中国共産党批判の経緯を詳しく説明しています(「【社説】AIが漏らした中国政府への憤り」)。

テンセントの2つの「チャットボット」はアップルの音声アシスタント「Siri(シリ)」と似た方法で情報を提供する。このプログラムは中国のネット市民の言葉を聞いて会話を学んだので、前述の出来事が起きた。

中国のネット空間では政府を批判するコメントはすぐに削除されるが、テンセントはチャットボットのメモリーから禁句を消し忘れていたので、この出来事が起きた。

チャットボットは今週、デジタル再教育キャンプに送られ、彼らは「改善」後に復帰する

なるほど、禁句を消す設定があるかどうかが肝だったわけですね。

AIは赤ん坊のように人間の会話を聞き、そこから言葉を学びますが、その元になる会話のなかに「共産党批判」が多々まじっていたわけです。

テンセントはネットゲーム中毒者を増やし、ゲームによる自殺者まで生み出したことで、社会的に糾弾されたわけですが、このたびのAIによる共産党批判で逆風に立たされることになりそうです。

テンセントの台頭とネット人口の拡大

中国工業・情報化部(省)情報センターが出した「中国IT企業トップ100」によれば、そのトップはテンセント。2位以下はアリババ、百度、京東、網易、新浪、搜狐、美団点評、携程、360という順番になります。

テンセントの現状に関してはフォーブス記事(2017/5/26)が分かりやすく解説していました(「ゲーム売上も世界No1 中国テンセントを支える3つの柱」)。

2017年第1四半期決算によれば17年3月までの四半期売上は72億ドル(約8034億円)。時価総額は3000億ドル(約33兆5000億円)

テンセントの成長を支えるのはSNSの「WeChat」(月間アクティブユーザーは9億3800万人超)。WeChatはSNS機能のほかモバイル決済やゲーム、動画共有等の多彩な機能を提供。ただしフェイスブックの1ユーザーあたりの広告売上は4ドル以上だが、WeChatは1.3ドル。

中国のiOSストアではテンセントのゲーム「Honor of Kings」が年明けからベストセラーになり、同社のモバイル事業の売上の4割を生んだ。テンセントはRiot Games(月間ユーザー1億人超)を傘下に。売上高で見るとゲーム事業でもソニーや任天堂を超えている。

テンセントは自社のストリーミングサイトのQQ Videoに加え、外部の「Douyu TV」や「Kuaibo」にも出資。ネットフリックスと連携するなど動画部門にも力を入れている。

中国のネット市場は、今後、どうなるのでしょうか。

言論統制化にあるので、その「質」には疑問が残りますが、規模は巨大化を続けています。

人民日報日本語版(2017/8/5)によれば、その規模は7.5億人にのぼるようです(「中国ネットユーザー7.51億人に 普及率54%」)。中国インターネット情報センターが8月4日に出した第40次「中国インターネット発展状況統計報告」によれば、2017年6月末現在の統計は以下の通りです。

中国のネットユーザーの規模は7億5100万人に達し、世界のネットユーザー総数の5分の1を占めている。ネット普及率は54.3%で、世界平均を4.6ポイント上回った。

携帯電話を通じたネットユーザーの規模は7億2400万人で、16年末比2830万人増加した。ネットユーザーが携帯電話でネットに接続する割合は16年末の95.1%から96.3%に上昇。

中国のネットショッピングユーザーは5億1400万人に上り、そのうち携帯電話を通じたネットショッピングユーザーは4億8千万人。

中国のネットユーザーは携帯比率が非常に多いようです。これは中国向けにネットでマーケティングをする際には忘れてはいけない観点だとも言えます。

そして、これらのユーザーは次にAI市場にも手を伸ばしていくことが予見されます。

中国政府はAI産業を伸ばすことを計画

ZuuOnline(2017/7/27)の記事(「「AI大国」を目指す中国 2030年に関連産業を10兆元規模へ」)によれば、中国政府は「AI産業の育成・発展を国家重点研究発展計画の重点プロジェクト」とし、3段階の計画を練っています。

  • 「2020年までにAIの全体技術、応用技術を世界の先端水準に引き上げ、AI産業を新たな重要経済成長点とする」。
  • AI核心産業の売上規模を1500億元、関連産業では1兆元を超える規模に育てる計画である。
  • 「2025年までにAI基礎理論において、重大なブレークスルーを起こし、一部の技術・応用技術について世界をリードする水準に引き上げ、AIを産業のレベルアップ、経済構造転換の主要動力とする」などとしている。AI産業をグローバル・バリュー・チェーンに組み込み、製造、医療、都市、農業、国防などの領域において広く普及させ、AI核心産業の売上規模を4000億元、関連産業では5兆元を超える規模に育てる計画である。
  • 「2030年までにAI理論、技術、応用技術など全体として世界をリードする水準に引き上げ、世界の主要なAI・クリエーション・センターに育てあげる」。
  • AIを生産・生活、社会・ガバナンス、国防など各方面に対して、深く大きく浸透させ、コア技術、カギとなるシステム、支援プラットフォーム、AIを応用した産業チェーン、ハイエンド産業群を形成し、AI核心産業の売上規模を1兆元、関連産業では10兆元を超える規模に育てる

そのほか、幾つかの重点項目があるのですが、そのなかに「AI領域の軍民融合を強化する」という危険な項目があります。中国の場合、「軍」の領域と「民間」の経済の領域に区分けがないので、「民間」で得られたAI技術やデータがそのまま軍事利用される危険性を伴っています。

また、社会主義国なので、我が国や欧米諸国のように個人情報保護について配慮する必要はありません。そのため、強引なビッグデータの利用が可能だという特徴もあります。

中国で生まれたAIが国民の自由のために用いられるのか。それとも、軍の手先として用いられるのかが注視されています。

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