DVYの利回り、純資産総額、構成銘柄数、バリュエーション、セクター構成を、2026年7月14日までに公表されたiShares公式情報へ更新しました。指数の採用基準についても、2026年7月時点のS&P Dow Jones Indicesの最新メソドロジーに合わせて修正しています。[1][2]
【DVY】の最新の構成と運用状況を整理します。DVY(iShares Select Dividend ETF)は、米国の高配当株へ投資するETFで、VYM、HDV、SPYDなどと比較されることの多い選択肢です。
このページでは、NISAの成長投資枠などで高配当ETFを検討する際の参考となるように、ETFの概要、現在の利回り、指数の採用基準、ポートフォリオの特徴を解説します。
※注意:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の判断と責任において行ってください。
【DVYを徹底解説】「配当の実績と持続性」を重視する高配当ETF【VYM・HDV・SPYDと比較】
DVY(iShares Select Dividend ETF)は、配当を支払う米国企業の中から、配当実績、利益、配当カバレッジ、企業規模、流動性などの条件を満たした高配当株へ投資するETFです。
連動するDow Jones U.S. Select Dividend Indexは、REITを除外したうえで、原則として100銘柄を選びます。単純に現在の配当利回りだけで選ぶのではなく、過去5年間の配当実績や利益による配当のカバー状況を確認する点が特徴です。[2]
一方で、金融と公益事業の比率が高く、経費率も年率0.38%と、VYM・HDV・SPYDより高めです。配当利回りだけでなく、セクターの偏りと長期コストも確認する必要があります。[1]
DVYの基本情報(2026年7月時点)
- 連動指数:Dow Jones U.S. Select Dividend Index。REITを除く米国の高配当株を対象とします。[1][2]
- 経費率:年率0.38%(2026年7月14日確認時点)。[1]
- 純資産総額:約234億3,548万ドル(2026年7月14日時点)。[1]
- 構成銘柄数:99銘柄(2026年7月14日時点)。指数の目標銘柄数は100銘柄ですが、企業行動や指数との連動方法などにより、ETFの実保有数は一時的に異なる場合があります。[1][2]
- 30日SEC利回り:3.56%(2026年6月30日時点)。[1]
- 12カ月実績利回り:3.37%(2026年6月30日時点)。[1]
- 年初来NAVトータルリターン:15.49%(2026年7月13日時点)。[1]
- バリュエーション:P/Eは16.10倍、P/Bは1.81倍(2026年7月13日時点)。[1]
- 3年ベータ:0.59(2026年6月30日時点)。過去3年間では、S&P 500に対する価格感応度が相対的に低かったことを示します。[1]
- 分配頻度:四半期ごと。原則として3月、6月、9月、12月に分配します。[1]
指数の採用基準(要点)
Dow Jones U.S. Select Dividend Indexは、Dow Jones U.S. Indexに含まれる配当支払企業を母集団とし、REITを除外します。そのうえで、主に以下の条件を適用します。[2]
- 配当の継続性:直近5年間の各年に配当を支払っていること。
- 配当水準:直近12カ月の1株当たり配当金が、過去5年間の平均1株当たり配当金以上であること。
- 配当カバレッジ:過去5年間の平均配当カバレッジ比率が167%以上であること。ここでの配当カバレッジは、1株当たり利益を年間1株当たり配当金で割った比率です。
- 利益条件:直近12カ月の1株当たり利益がゼロ以上であること。
- 企業規模:浮動株調整後時価総額が原則30億ドル以上であること。既存構成銘柄には20億ドル以上という緩和基準があります。
- 流動性:直近3カ月の1日平均出来高が原則20万株以上であること。既存構成銘柄には10万株以上という緩和基準があります。
条件を通過した銘柄を予想年間配当利回りの高い順に並べ、既存構成銘柄を優先するバッファールールを適用しながら、原則100銘柄を選びます。指数の定期入れ替えは年1回ですが、構成比率の上限調整は四半期ごとにも実施されます。[2]
配当実績やカバレッジ条件は、財務状態が不安定な企業を減らすためのスクリーニングです。ただし、将来の業績悪化、規制変更、景気後退などによる減配を防ぐものではありません。また、既存構成銘柄には銘柄入れ替えを抑えるためのバッファーが設けられています。
セクター配分(2026年7月14日時点)
| セクター | 構成比 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 金融 | 26.18% | 銀行、保険、資産運用会社など |
| 公益事業 | 23.89% | 電力・ガスなど。金利や規制の影響を受ける |
| 生活必需品 | 13.39% | 食品、たばこ、日用品など |
| エネルギー | 8.73% | 原油・天然ガス価格の影響を受ける |
| 一般消費財・サービス | 6.12% | 自動車、小売り、耐久消費財など |
| 素材 | 5.63% | 化学、金属、資源関連企業など |
| コミュニケーション | 5.21% | 通信事業者など |
| ヘルスケア | 5.07% | 製薬・医療関連企業など |
| 情報技術 | 3.39% | 成熟したハードウェア・半導体企業など |
| 資本財・サービス | 2.01% | 輸送、製造、業務サービスなど |
| 現金・デリバティブ等 | 0.38% | 指数への連動を調整するための資産を含む |
| 金融・公益事業合計 | 50.07% | 2セクターでポートフォリオの約半分 |
※セクター比率は2026年7月14日時点のiShares公式ページに基づきます。構成比率は株価変動や指数の見直しによって変化します。[1]
上位構成銘柄(2026年3月31日時点)
以下は、2026年3月31日時点の最新公式ファクトシートに掲載された上位10銘柄です。日次の構成比率は、その後の株価変動や指数変更によって変わっている可能性があります。[3]
| 銘柄名 | ティッカー | 構成比 |
|---|---|---|
| Pfizer | PFE | 2.39% |
| Altria Group | MO | 2.13% |
| Verizon Communications | VZ | 1.98% |
| Prudential Financial | PRU | 1.87% |
| ONEOK | OKE | 1.83% |
| T. Rowe Price Group | TROW | 1.81% |
| LyondellBasell Industries | LYB | 1.68% |
| Edison International | EIX | 1.65% |
| General Mills | GIS | 1.64% |
| HP Inc. | HPQ | 1.52% |
| 上位10銘柄合計 | 18.50% | |
※上位10銘柄の合計は18.50%で、個別銘柄への集中度は比較的低めです。一方、銘柄では分散されていても、金融・公益事業という業種への集中は大きくなっています。[1][3]
DVYと他の高配当ETFの比較
主要な米国高配当ETFとの違いを比較します。DVYは配当実績と配当カバレッジを確認する一方、経費率は4本の中で最も高くなっています。
| ETF | 特徴・選定思想 | 銘柄数 | 経費率 |
|---|---|---|---|
| DVY | 5年間の配当実績、配当カバレッジ、利益、規模、流動性を確認。予想配当利回りで選定・加重。REITを除外 | 99銘柄 2026年7月14日時点 |
0.38%[1][2] |
| VYM | REITを除く米国高配当株へ時価総額加重で幅広く投資。分散性と低コストを重視 | 612銘柄 2026年3月31日時点 |
0.04%[4] |
| HDV | 競争優位性や財務健全性を確認し、原則75銘柄へ配当総額加重で投資 | 75銘柄 2026年7月14日時点 |
0.08%[5] |
| SPYD | S&P 500の配当利回り上位80銘柄を原則均等加重。REIT・不動産を含む | 78銘柄 2026年7月14日時点 |
0.07%[6] |
※指数の目標銘柄数と、ETFが実際に保有する銘柄数は、企業行動、現金、先物、サンプリング運用などによって一時的に異なる場合があります。
投資家向け・実務的な視点
- 金融・公益事業への集中:2026年7月14日時点では、金融が26.18%、公益事業が23.89%で、合計50.07%を占めています。個別銘柄数は多くても、セクター面では大きな偏りがあります。[1]
- 金利との関係は単純ではない:公益株は金利上昇時に債券との比較で売られることがありますが、規制料金、電力需要、設備投資、企業利益などにも左右されます。金融株も金利上昇が利ざや拡大につながる場合がある一方、預金コストや信用損失が増えれば逆風となります。
- 配当カバレッジ条件:過去5年間の平均カバレッジ比率167%以上という条件は、利益に対して配当負担が過度に重い企業を減らすためのフィルターです。ただし、過去の利益を基準とするため、将来の減配を防ぐものではありません。[2]
- バリュー株としての性格:2026年7月13日時点のP/Eは16.10倍、P/Bは1.81倍です。大型グロース株の比率が高い米国市場全体とは異なり、金融、公益、生活必需品などの成熟企業を多く保有します。[1]
- コスト差:DVYの経費率0.38%は、VYMの0.04%より年率0.34ポイント高い水準です。投資額1万ドルなら、単純計算で年間約34ドルの差となり、長期では複利効果にも影響します。[1][4]
- 分配金だけでなくトータルリターンを確認:2026年6月30日時点の12カ月実績利回りは3.37%ですが、投資成果は分配金とETF価格の値動きを合計したトータルリターンで判断する必要があります。[1]
まとめ
DVYは、配当を5年間継続し、利益や配当カバレッジなどの条件を満たした米国高配当株へ投資するETFです。個別銘柄への集中度は比較的低く、2026年3月31日時点では上位10銘柄の合計が18.50%でした。[3]
一方、2026年7月14日時点では金融と公益事業だけで50.07%を占めており、業種面の偏りは大きくなっています。経費率0.38%も、VYM、HDV、SPYDと比べると高い水準です。
そのため、DVYは「高配当株全体へ低コストで広く投資するETF」というより、配当実績とカバレッジを確認しながら、金融・公益事業を中心とする高配当株へ投資するETFと捉えるのが適切です。
ポートフォリオの中核として利用するか、他の株式指数へ加えるサテライト資産とするかは、既存資産との重複、セクター配分、運用期間、コストへの考え方によって判断が分かれます。
免責事項
本記事は運用会社および指数提供会社の公表資料に基づく情報提供を目的としています。将来の運用成果や分配金を保証するものではありません。利回り、構成銘柄、セクター比率、純資産総額などは随時変動します。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。
30日SEC利回りは、直近30日間にファンドが得た配当などの収益から経費を差し引き、一定の方式で年率換算した指標です。ETF間の現在の収益力を比較する際に利用されます。
12カ月実績利回りは、過去12カ月に実際に支払われた分配金を基準に計算します。いずれも将来の分配金を保証するものではなく、ETF価格の上昇・下落を含むトータルリターンとは異なります。
【注】(出典リンク)
- DVYの経費率・純資産総額・利回り・構成銘柄数・リターン・バリュエーション・セクター構成・分配頻度 → iShares DVY公式ページ(確認日:2026-07-15) ↩
- Dow Jones U.S. Select Dividend Indexの対象銘柄・REIT除外・配当実績・カバレッジ・時価総額・流動性・選定および加重ルール → S&P Dow Jones Indices「Dow Jones Dividend Indices Methodology」(PDF)(確認日:2026-07-15) ↩
- DVYの上位10銘柄・セクター・P/E・P/B・利回り(2026年3月31日時点) → iShares DVY Fact Sheet(PDF)(確認日:2026-07-15) ↩
- VYMの経費率・保有銘柄数・連動指数・REIT除外・時価総額加重 → Vanguard VYM公式ページ → Vanguard VYM Investment Profile(PDF)(確認日:2026-07-15) ↩
- HDVの経費率・保有銘柄数・指数・財務健全性重視の投資方針 → iShares HDV公式ページ(確認日:2026-07-15) ↩
- SPYDの経費率・保有銘柄数・指数・高配当上位80銘柄・均等加重・REITを含む構成 → State Street SPYD公式ページ → S&P 500 High Dividend Index公式ページ(確認日:2026-07-15) ↩

