先進国ETFの株価と配当(VEA・IOO・TOK・EFA)

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【先進国ETF】VEA, EFA, TOK, IOOを徹底比較!国際分散投資の選び方

先進国ETFのデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう。

※【IOO】と【TOK】は名称から「世界投資」に見えますが、いずれも先進国中心の指数に連動します(新興国は基本的に含まれません)。[5][6]

【先進国ETF】VEA, EFA, TOK, IOOを徹底比較!国際分散投資の選び方

米国株だけでなく、先進各国に分散投資することは、ポートフォリオのリスク低減と安定的なリターンを狙う上で重要です。ただし「先進国ETF」といってもカバー範囲はさまざま。鍵はどの国・地域を“除く”かという設計です。今回は代表的な4本「VEA」「EFA」「TOK」「IOO」を比較し、特徴と使い分けを整理します。

ETF選びのポイント:「除く国」で考える

  • 米国株を既に保有 → 米国を除く先進国に広く分散したいなら VEA / EFA[1][2][4]
  • 日本株中心 → 日本を除く先進国(米国含む)で補完するなら TOK[6]
  • 世界の超大型・代表企業にまとめて投資 → IOO(S&P Global 100)[5][7]

【米国を除く先進国】VEA vs EFA

米国(VTI/VOOなど)を既に持っている投資家が、国際分散のために追加しやすい王道ペアです。

【VEA】Vanguard FTSE Developed Markets ETF

経費率 0.03%。米国を除く先進国の大型・中型・小型株に低コストで幅広く投資します。連動指数はFTSE Developed ex US All Cap Indexで、カナダ韓国(FTSEでは先進国扱い)も対象に含まれます。[1][3]

連動指数 FTSE Developed ex US All Cap Index[3]
経費率 0.03%[1]
国・地域の考え方 米国を除く先進国。カナダ・韓国を含む(FTSE基準)。[3]
代表的な上位銘柄 ASML、Nestlé、Novo Nordisk、SAP、Roche など[1]

【EFA】iShares MSCI EAFE ETF

MSCIの伝統的なEAFE(Europe, Australasia, Far East)に連動。米国とカナダを除く先進国の大型・中型株が対象(小型は基本含まず)。経費率は0.32%[2][4]

連動指数 MSCI EAFE Index(先進国・米国/カナダを除く)[4]
経費率 0.32%[2]
国・地域の考え方 米国・カナダを除外(MSCI基準)。韓国はMSCIでは新興国分類のためEAFEには含まれない。[4]
代表的な上位銘柄 Nestlé、Novo Nordisk、ASML、LVMH、Shell など[2]

VEAとEFA、どちらを選ぶ?

より低コストかつ小型株まで含めた広い分散を重視するならVEA。一方、伝統的なEAFE定義(大型・中型中心、米・加除外)での投資枠を重視するならEFAも選択肢です。[1][2][4]


【米国を含む先進国】TOK, IOO

米国を含む先進国へ一本で投資したい場合の代表例です(いずれも新興国は基本的に対象外)。

【TOK】iShares MSCI KOKUSAI ETF

日本を除く先進国(=米国を含む先進国)に連動。日本投資の比重が高い投資家が、海外先進国で補完したい時に使いやすい構成です。経費率は0.25%[6]

連動指数 MSCI KOKUSAI Index(日本を除く先進国)[6]
経費率 0.25%[6]
特徴 米国の比重が最も大きくなりやすい(時期で変動)。メガテックの影響を受けやすい構造。[6]

【IOO】iShares S&P Global 100 ETF

世界を代表する超大型・多国籍企業100社に厳選投資。結果として米国比率が高くなりがちです。経費率は0.40%[5][7]

連動指数 S&P Global 100 Index[7]
経費率 0.40%[5]
代表的な上位銘柄 Microsoft、Apple、NVIDIA、Amazon、Meta など(時期で変動)[5]

まとめ:4つのETFの役割分担

ETF 投資対象(除く国) 経費率 ポートフォリオでの役割
VEA 米国を除く先進国(小型含む、FTSE基準で加・韓を含む)[1][3] 0.03%[1] 米国偏重を低コストで補完
EFA 米国・カナダを除く先進国(大型・中型中心)[2][4] 0.32%[2] EAFEベンチマーク準拠での分散
TOK 日本を除く先進国(米国を含む)[6] 0.25%[6] 日本中心の資産を海外先進国で補完
IOO 世界の超大型100社(先進国中心)[5][7] 0.40%[5] 質の高い大型株への集中投資

国際分散のコツは、現在の自分のポートフォリオに何が足りないかを見極め、重複を避けつつ適切に補うことです。4本の性格を理解し、より堅牢なグローバル・ポートフォリオを構築しましょう。


出典・参照リンク

  1. Vanguard「VEA」公式(経費率0.03%、概要・主な保有銘柄等):
    https://investor.vanguard.com/investment-products/etfs/profile/vea
  2. iShares「EFA」公式(経費率0.32%、保有銘柄等):
    https://www.ishares.com/us/products/239623/ishares-msci-eafe-etf
  3. FTSE Developed ex US All Cap Index 概要(VEAの連動対象):
    FTSE Russell Factsheet
  4. MSCI EAFE Index(採用国一覧・米国/カナダ除外の定義):
    MSCI Index factsheet
  5. iShares「IOO」公式(経費率0.40%、保有銘柄等):
    https://www.ishares.com/us/products/239737/ishares-global-100-etf
  6. iShares「TOK」公式(経費率0.25%、指数=MSCI KOKUSAI):
    https://www.ishares.com/us/products/239668/ishares-msci-kokusai-etf
  7. S&P Global 100 Index(指数の趣旨・構成の考え方):
    S&P Dow Jones Indices

※本ページの情報は2025年10月10日時点の公開資料に基づきます。投資はご自身の判断と責任で行ってください。



株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。



配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

VEAの利回り

配当 平均株価
平均利回り 年累計 年伸び率
2024 3.23% 1.61 6.6% 49.8
2023 3.33% 1.51 25.8% 45.3
2022 2.75% 1.2 -25% 43.6
2021 3.14% 1.6 68.4% 51
2020 2.35% 0.95 -28.% 40.4
2019 3.2% 1.32 7.3% 41.2
2018 2.85% 1.23 0% 43.2
2017 2.97% 1.23 11.8% 41.4
2016 3.06% 1.1 3.8% 36
2015 2.71% 1.06 -23.2% 39.1
2014 3.38% 1.38 29.% 40.8
2013 2.81% 1.07 3.9% 38.1
2012 3.15% 1.03 -1.9% 32.7
2011 2.99% 1.05 18% 35.1
2010 2.65% 0.89 11.3% 33.6
2009 2.73% 0.8 -13% 29.3
2008 2.36% 0.92 39

IOOの利回り

配当 平均株価
平均利回り 年累計 年伸び率
2024 2.45% 2.29 23.8% 93.5
2023 2.53% 1.85 44.5% 73.2
2022 1.86% 1.28 8.5% 68.7
2021 1.66% 1.18 26.9% 70.9
2020 1.71% 0.93 -13.9% 54.3
2019 2.22% 1.08 0.9% 48.6
2018 2.29% 1.07 4.9% 46.8
2017 2.39% 1.02 -2.9% 42.7
2016 2.88% 1.05 1% 36.4
2015 2.74% 1.04 -21.8% 37.9
2014 3.43% 1.33 46.2% 38.8
2013 2.57% 0.91 3.4% 35.4
2012 2.88% 0.88 -1.1% 30.6
2011 2.89% 0.89 32.8% 30.8
2010 2.3% 0.67 -18.3% 29.1
2009 3.19% 0.82 -11.8% 25.7
2008 2.81% 0.93 33.1

TOKの利回り

配当 平均株価
平均利回り 年累計 年伸び率
2024 3.5% 3.85 0.8% 110
2023 4.25% 3.82 34% 89.9
2022 3.3% 2.85 70.7% 86.4
2021 1.77% 1.67 32.5% 94.2
2020 1.76% 1.26 -18.7% 71.7
2019 2.3% 1.55 -1.9% 67.4
2018 2.42% 1.58 -5.4% 65.3
2017 2.76% 1.67 20.1% 60.4
2016 2.66% 1.39 -10.3% 52.3
2015 2.85% 1.55 9.2% 54.3
2014 2.62% 1.42 13.6% 54.1
2013 2.64% 1.25 15.7% 47.4
2012 2.65% 1.08 14.9% 40.7
2011 2.35% 0.94 14.6% 40
2010 2.23% 0.82 -9.9% 36.7
2009 2.94% 0.91 203.3% 31
2008 0.75% 0.3 40.1

EFAの利回り

配当 平均株価
平均利回り 年累計 年伸び率
2024 5.94% 4.69 43% 78.9
2023 4.61% 3.28 87.4% 71.2
2022 2.62% 1.75 -33% 66.9
2021 3.32% 2.61 69.5% 78.5
2020 2.43% 1.54 -28.% 63.4
2019 3.29% 2.14 8.1% 65.1
2018 2.92% 1.98 10% 67.8
2017 2.75% 1.8 2.3% 65.4
2016 3.08% 1.76 9.3% 57.1
2015 2.56% 1.61 -28.4% 62.9
2014 3.41% 2.25 32.4% 65.9
2013 2.77% 1.7 -2.3% 61.4
2012 3.31% 1.74 2.4% 52.5
2011 3.03% 1.7 23.2% 56.1
2010 2.57% 1.38 -3.5% 53.8
2009 3.02% 1.43 -22.3% 47.3
2008 2.91% 1.84 63.2


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブ、組入れ上位10銘柄はフィディリティのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢