インフラ投資ETF(IFRA/IGF)の株価と配当

2020年1月22日

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インフラ関連のETFである、米国投資型の【IFRA】と世界投資型の【IGF】を比較してみます。

  • IFRA:    IシェアーズUSインフラETF
  • IGF:iシェアーズ・グローバルインフラETF(投資比率の4割が米国)

ETFの概要と株価伸び率などを整理し、その後、主要指標やポートフォリオなどを見てみます。

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米議会でのインフラ投資法案の審議は停止中だが・・・

2018年1月30日(米国時間)にトランプ大統領は議会に向けて1.5兆円規模のインフラ投資を具体化する法案作成を要望しました。

  • 安全で、高速で、信頼性が高く、最新のインフラを国民に提供するよう両党に求める。
  • 今夜、議会に、我々に必要な新しいインフラ投資のために1兆5千億ドル以上を生む法案作成を呼びかける。
  • 連邦のドルは、国や地方自治体との連携、必要に応じた民間投資を活かしながら活用されるべきだ。
  • どちらの法案も許可と承認のプロセスを合理化しなければならない。これを2年以上、1年までに短縮する必要がある。
  • 我々は、米国に光輝く新しい道路、橋、高速道路、鉄道、水路を建設する。これは、米国の心、米国の手、米国の砂利で行うべきだ。

大統領には法案作成の権限がないので、10年単位の公約実現を目指し、演説にて議会に要望を投げかけました。

ただ、大規模投資に関しては、もともと財政均衡論の強い共和党内にも異論があります。

さらには、2020年には大統領選があるので、共和党と民主党が大きな政策実現に向けて歩み寄るのは難しく、インフラ投資法案の実現は選挙後に「おあづけ」になる見込みです。

トランプ大統領と共和党が大敗すれば法案実現はなくなり、勝利すれば、2021年以降に、同法案に関わる大きな投資機会がやってくるでしょう。

トランプ政権のインフラ投資政策とは

いちおう、トランプ政権のインフラ政策の概略を整理してみます。

トランプ氏は大統領選で、道路、橋、空港、配電網、水道等の近代化のために10年間で1兆ドルのインフラ投資を行うことを公約しました。

ブレーンであるピーター・ナヴァロ氏とウィルバー・ロス氏は、1兆ドルのインフラ投資に関して民間企業に1370億ドルの税額控除を与え、投資計画を担ってもらえば、その税額控除分がプロジェクトに携わる労働者や企業から得られる税収で回収できると考えたのです。

(※この場合、儲からない地方のインフラの修繕などは進まないため、大統領選でクリントン氏は法人税増税でねん出した財源を用いて5年間で公共事業に2750億ドルを投資すべきだと提言していた。2500億ドルを政府の直接投資とし、250億ドルをインフラ銀行設立のために使う案だった)

その後、トランプ政権はホワイトハウスHPに「米国インフラを再建するトランプ大統領の計画」(2017/6/8)と題した動画を公開。

そこでは、以下のような素案を出しています。

  • 官民の両者により10年間で1兆ドル(110兆円規模)のインフラ投資を実現する
  • 政府のインフラ資金:2000億ドル(22兆円程度)
  • インフラ投資の期間短縮(10年⇒2年。許認可行政の短縮)
  • 地方インフラ投資:250億ドル
  • 地方インフラ投資への優先予算枠:1000億ドル
  • 変革プロジェクト(労働者教育):150億ドル
  • 2年間で教育実習を行う労働者の規模:100万人

全体的には道路や空港などの交通インフラが多いのですが、水道や電気設備なども範囲に含められているので、実現すれば、経済効果は公益事業セクターETFにも及びそうです。

【IFRAとIGFのセクター別保有比率】

  IFRA IGF
情報技術
通信
エネルギー 8% 20%
資本財 29% 41%
消費財 1%
金融
素材 20%
不動産
ヘルスケア
必需品
公益事業 42% 39%

まだ、その成否は読めませんが、インフラ投資計画が法案化されれば、米国経済に多大な影響が出てくるでしょう。

以下、インフラ投資を扱うETFを紹介してみます。

【IFRA】IシェアーズUSインフラETF

  • 米国内のインフラ建設やメンテナンス等から利益を得る米国企業の株式で構成されるインデックスに連動している。
  • セクター別保有業種を見ると、公益事業が4割、資本財が3割、素材が2割

【株価チャート】(赤線は200日移動平均線)

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は12/31)
IFRA 初値 終値 上昇率
2019 18.2 22.2 22%
2018 19.6 18.6 -5%
2017 17.7 19.8 12%
2016   17.8

【IGF】iシェアーズ・グローバルインフラETF

  • S&Pグローバル・インフラストラクチャー株指数に連動する投資成果を目指す。
  • 米国(4割)+カナダ(1割)、西欧、アジア太平洋の3地域を中心に、公益事業(4割)や資本財(4割)、エネルギー(2割)銘柄を保有。

【株価チャート】(赤線は200日移動平均線)

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は12/31)
IGF 初値 終値 上昇率
2019 38.9 47.9 23%
2018 45.4 39.4 -13%
2017 39.2 45.2 15%
2016 35.4 39 10%
2015 42.3 35.9 -15%
2014 38.7 42.2 9%
2013 36.2 38.9 8%
2012 33.8 35.7 6%
2011 35.2 33.2 -6%
2010 34.7 35.1 1%
2009 30.3 34.1 12%
2008 50.2 29.9 -40%

インフラETFの成長率を比較

ここで、これらのETFに関して、各年初から直近までの株価伸び率を比較してみます。

  IFRA IGF
19年~ 22% 23%
18年~ 13% 5%
17年~ 26% 22%
16年~ 35%
15年~ 13%
14年~ 24%
13年~ 32%
12年~ 42%
11年~ 36%
10年~ 38%
09年~ 58%
08年~ -4%
08年~ -4%
     

インフラETFを指標で比較

さらに、それぞれのETFを指標で比較してみましょう(出所はグーグルファイナンス関数orブルームバーグ)。EPSとPERは想定値、時価総額は10億ドル(B)単位です。

  IFRA IGF
2019/1/2 18.2 38.9
2020/1/17 22.6 49.2
株価上昇率 24.70% 26.32%
52週高値 22.8 49.2
52週安値 19 41
EPS #N/A #N/A
PER #N/A #N/A
利回り 2.07% 3.18%
経費率 0.40% 0.46%
時価総額(B) 0 3.6

配当利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。

IFRAの利回り

権利落ち日 配当 利回り 株価
2019/12/17 0.15 2.19% 22
2019/9/25 0.13 3.11% 22.1
2019/6/18 0.1 3.13% 21.5
2019/3/21 0.1 3.24% 20.7
2018/12/18 0.36 3.56% 19
2018/9/27 0.12 2.22% 19.1
2018/6/27 0.1 2.13% 19.3
       
       
       

IGFの利回り

権利落ち日 配当 利回り 株価
2019/12/17 0.78 3.29% 47.6
2019/6/18 0.79 3.22% 45.9
2018/12/19 0.69 3.71% 39.7
2018/6/20 0.7 3.50% 42.3
2017/12/22 0.6 2.87% 45
2017/6/22 0.74 3.25% 44
2016/12/27 0.53 2.89% 39.2
2016/6/23 0.63 3.36% 40.7
2015/12/23 0.64 3.22% 36.4
2015/6/26 0.53 2.80% 41.5
2014/12/23 0.64 3.01% 42.5
2014/6/26 0.62 1.41% 44.1

ポートフォリオの比較

次に、このETFの構成比率を見てみます。

規模別の比率

(出所はチャールズシュワブ。2019/12/25時点)

  IFRA IGF
小企業 39% 61%
中企業 32% 19%
大企業 16% 18%
零細企業 12% 2%
巨大企業 2%  

組入れ上位10銘柄

fidelity.comでETFの構成銘柄のTOP10を見てみます(2019/12/25時点)。

IFRA IGF
AM 1% ENB:CA 5%
ENLC 1% TCL:AU 5%
ETRN 1% AENA:ES 5%
PCG 1% NEE 5%
TRGP 1% ATL:IT 4%
WMB 1% TRP:CA 3%
KMI 1% D 3%
CNP 1% SO 3%
EIX 1% DUK 3%
HE 1% KMI 3%
Top 10 9% Top 10 39%