IFRA・IGFを比較:米国インフラETFの株価・配当

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インフラETF比較:IFRAとIGFの投資戦略・利回り・経費率(2026年10月更新)

【2026年10月9日更新】 iSharesの公式公表値に基づき、IFRAとIGFの経費率、30日SEC利回り、12カ月実績利回り、純資産、銘柄数、業種・地域構成、流動性、過去3年間のリスク指標を更新しました。純資産・売買スプレッドなどは2026年10月8日、組入情報は10月7日、利回り・リスク指標は8月31日を主な基準日としています。経費率は2026年10月9日に公式表示を確認しました。[1][2]

インフラ銘柄への投資は、電力、交通、エネルギー、建設資材など、経済活動に不可欠な事業へ分散投資できる点が特徴です。利用料や規制料金から比較的安定した収益を得る企業がある一方、建設需要、金利、政策、資材価格の影響を受ける企業も含まれます。

本記事では、インフラETFを代表する2銘柄、iシェアーズのIFRAとIGFについて、その設計思想から収益源までを比較・整理します。

インフラ投資の二つの設計:IFRA(米国関連企業)とIGF(世界の運営企業)の違い

同じ「インフラETF」でも、組み入れる企業の地域や事業内容は異なります。IFRAは米国のインフラ関連企業を対象とし、建設、資材、輸送、エネルギー、公益事業などへ幅広く投資します。一方、IGFは先進国を中心とする公益事業、交通、エネルギーインフラの所有・運営企業を対象とします。[1][2]

IFRAをインフラを「作る側」、IGFを「持つ側」と整理するだけでは、両ETFの実態を十分に説明できません。2026年10月7日時点のIFRAは公益事業が41.28%を占め、インフラ資産の所有・運営企業も多く保有しています。両ETFの主な違いは、米国のインフラ関連企業を広く保有するIFRAと、世界の上場インフラ運営企業を中心に保有するIGFという設計にあります。[1]

【IFRA】iシェアーズ U.S.インフラETF 〜米国のインフラ関連企業へ幅広く投資〜

IFRAは、米国でインフラ事業に関わる企業へ投資するETFです。連動指数は、インフラの建設や資材供給を担う「インフラ・イネーブラー」と、公益事業や輸送などの「インフラ資産所有者」の双方を組み入れる設計です。[1]

したがって、政府の公共投資、電力需要の増加、送配電網の更新、製造業の国内回帰、道路・鉄道整備などの恩恵を期待できる一方、公益事業株の金利感応度や規制リスクも抱えます。

  • 正式名称:iShares U.S. Infrastructure ETF[1]
  • 連動指数:NYSE FactSet U.S. Infrastructure Index[1]
  • 投資対象:米国の公益事業、資本財、建設、資材、エネルギー、鉄道などのインフラ関連企業
  • 分配頻度:四半期ごと(2026年7月確認時点)[1]
基本情報(2026年10月9日確認、項目ごとに基準日を記載)
経費率 0.30%(2026-10-09確認時点、目論見書上の経費率)[1]
分配利回り 12カ月実績利回り:1.66%(2026-08-31時点)
30日SEC利回り:1.66%(2026-08-31時点)[1]
純資産総額(AUM) 約39.91億米ドル(3,991,017,766ドル、2026-10-08時点)[1]
組入銘柄数 161銘柄(2026-10-07時点)[1]
セクター構成 公益事業41.28%、資本財・サービス36.77%、素材12.82%、エネルギー8.75%、一般消費財0.26%、現金・デリバティブ0.12%(2026-10-07時点)[1]
30日平均出来高 約41.1万口(410,808口、2026-10-08時点)[1]
30日中央値売買スプレッド 0.04%(2026-10-08時点)[1]
ポートフォリオの性質 米国のインフラ資産所有者と、建設・資材・設備などの関連企業を組み合わせたポートフォリオです。公益事業の比率が最も高いため、建設需要だけでなく金利や電力需要の影響も受けます。

【IGF】iシェアーズ グローバル・インフラETF 〜世界のインフラを所有・運営する企業へ投資〜

IGFは、先進国を中心とする世界のインフラ関連企業へ投資するETFです。主な投資対象は、電力・ガスなどの公益事業、鉄道、空港、有料道路、港湾、パイプラインといったインフラ資産の所有・運営企業です。[2]

これらの企業は、利用料、輸送料、規制料金などを主な収益源とします。需要が比較的安定しやすい事業を含む一方、多額の設備投資や借入を必要とする企業も多く、金利上昇や規制変更によって利益や企業価値が圧迫される可能性があります。

  • 正式名称:iShares Global Infrastructure ETF[2]
  • 連動指数:S&P Global Infrastructure Index(Net)[2]
  • 投資対象:先進国を中心とする公益事業、交通、エネルギーインフラの所有・運営企業
  • 分配頻度:年2回(2026年7月確認時点)[2]
基本情報(2026年10月9日確認、項目ごとに基準日を記載)
経費率 0.37%(2026-10-09確認時点、目論見書上の経費率)[2]
分配利回り 12カ月実績利回り:2.96%(2026-08-31時点)
30日SEC利回り:2.84%(2026-08-31時点)[2]
純資産総額(AUM) 約103.23億米ドル(10,323,026,370ドル、2026-10-08時点)[2]
組入銘柄数 75銘柄(2026-10-07時点)[2]
セクター構成 公益事業40.73%、運輸39.07%、エネルギー19.82%、現金・デリバティブ0.38%(2026-10-07時点)[2]
地域比率 米国37.71%、スペイン8.96%、カナダ7.68%、メキシコ6.98%、フランス6.65%、オーストラリア6.26%、中国5.00%など(2026-10-07時点)[2]
30日平均出来高 約96.9万口(969,043口、2026-10-08時点)[2]
30日中央値売買スプレッド 0.02%(2026-10-08時点)[2]
ポートフォリオの性質 世界の公益事業、輸送、エネルギーインフラが中心です。利用料や規制料金などの継続的な収益を得る企業が多く、IFRAより分配利回りが高い傾向があります。

IFRAとIGFの比較・投資判断のポイント

IFRAとIGFでは、投資地域、銘柄数、セクター構成、利回り、売買流動性に違いがあります。IFRAは米国のインフラ投資や電力需要拡大の恩恵を狙いやすく、IGFは世界のインフラ運営企業からのインカムと地域分散を得やすい設計です。

比較項目 IFRA
米国インフラ関連
IGF
世界のインフラ運営
主要ビジネス 公益事業、建設、資材、鉄道、エネルギーなど 公益事業、交通、パイプラインなど
投資地域 米国企業 先進国を中心にグローバル分散
組入銘柄数 161銘柄(2026-10-07) 75銘柄(2026-10-07)
経費率 0.30% 0.37%
12カ月実績利回り 1.66% 2.96%
30日SEC利回り 1.66% 2.84%
3年標準偏差 17.23% 12.11%
3年株式ベータ 0.84 0.43
30日中央値売買スプレッド 0.04% 0.02%
主な投資目的 米国のインフラ投資、電力需要、設備更新による成長を狙う インカム、地域分散、比較的低い市場感応度を重視する

※純資産・売買スプレッド・出来高は2026年10月8日、組入銘柄数・セクター構成は10月7日、利回り・3年標準偏差・3年ベータは8月31日を基準とします。経費率は10月9日確認時点の公式表示です。[1][2]

値動きの安定性については、IGFが常にIFRAより安全とは限りません。ただし、2026年8月31日時点の3年標準偏差はIFRAの17.23%に対してIGFは12.11%、3年株式ベータはIFRAの0.84に対してIGFは0.43でした。過去3年間の実績ではIGFの方が値動きの幅と株式市場への感応度が小さかったことを示しています。今後も続くことを保証する指標ではありません。[1][2]

投資に際して留意すべき4大リスク

  1. 金利変動リスク:インフラ企業は設備投資に多額の資金を必要とし、借入金も大きくなりやすい業種です。金利上昇時には支払利息や資金調達コストが増えるほか、債券利回りとの比較から高配当株の投資魅力が低下する可能性があります。
  2. 規制・政策リスク:IFRAに含まれる建設・資材企業は、公共予算の成立や執行時期の影響を受けます。公益事業や交通インフラ企業は、料金改定、事業許可、環境規制、独占規制などによって収益が制約される可能性があります。
  3. コモディティ価格と需要変動:パイプラインなどのエネルギーインフラ企業は、契約に基づく利用料収入を得る場合でも、長期的には原油・天然ガスの生産量や輸送需要の影響を受けます。建設・素材企業は、鋼材、セメント、燃料などの価格上昇によって利益率が圧迫される可能性があります。
  4. 為替・海外投資リスク:IGFは米国以外の企業を幅広く保有するため、各国の政治、規制、景気、通貨変動の影響を受けます。また、IFRAとIGFはいずれも米ドル建てETFであり、日本の投資家は円高・ドル安によって円換算の投資収益が減少する可能性があります。

まとめ:ポートフォリオにおける役割の最適化

IFRAは、米国の公益事業、資本財、素材、エネルギー企業を組み合わせ、米国内の電力需要、老朽設備の更新、製造業投資、交通インフラ整備などの恩恵を狙うETFです。2026年10月7日時点では公益事業が41.28%を占めており、単純な建設・資材ETFではありません。[1]

IGFは、世界の公益事業、交通、エネルギーインフラ企業から得られる収益と地域分散を重視するETFです。2026年10月7日時点で米国比率は37.71%であり、スペイン、カナダ、メキシコ、フランス、オーストラリアなどにも投資しています。iSharesは先進国株を対象とする指数と説明していますが、同日時点の公式地域構成には中国5.00%も含まれるため、実際の組入国も確認する必要があります。[2]

経費率を抑え、米国インフラ関連企業へ幅広く投資するならIFRA、分配利回り、海外分散、直近実績における比較的低い市場感応度を重視するならIGFが候補となります。

2026年8月31日時点の30日SEC利回りは、IFRAが1.66%、IGFが2.84%でした。IFRAの12カ月実績利回りは1.66%で同じですが、IGFは12カ月実績利回り2.96%を下回っています。両指標は計算対象期間が異なり、利回りの差だけから今後の分配金や株価動向を予測できません。金利、株価水準、構成銘柄、既存ポートフォリオとの重複を確認する必要があります。[1][2]

ミニ解説:なぜIGFの利回りが高いのか?

2026年10月7日時点のIGFは、公益事業が40.73%、運輸が39.07%、エネルギーが19.82%を占めていました。これらの業種には、成熟した設備から利用料や規制料金を得て、利益の一部を配当として還元する企業が多く含まれます。[2]

一方、IFRAは2026年10月7日時点で公益事業を41.28%含むものの、資本財・サービスが36.77%、素材が12.82%を占めます。建設、設備、資材関連企業は、利益を設備投資、買収、研究開発などへ振り向ける場合もあり、ETF全体の分配利回りはIGFより低くなっています。[1][2]

免責事項:本記事は2026年10月9日時点までに確認できた公表情報をもとにした情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を勧誘するものではありません。各指標には異なる基準日があり、利回り・構成比率・株価は変動します。ETFの価格は、金利、景気、政策、規制、コモディティ価格、為替相場などによって変動し、元本割れが生じる可能性があります。投資判断は最新の目論見書を確認した上で、ご自身の責任で行ってください。

【注】(出典リンク)

  1. IFRAの指数・経費率・純資産・利回り・銘柄数・業種構成・流動性・リスク指標 → 一次情報:iShares IFRA公式商品ページ(確認日:2026-10-09) ↩
  2. IGFの指数・経費率・純資産・利回り・組入銘柄・地域構成・流動性・リスク指標 → 一次情報:iShares IGF公式商品ページ(確認日:2026-10-09) ↩


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

IFRAの利回り

年 配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 4.13% 0.967 19.4% 23.4 12.5%
2024 3.89% 0.810 1.3% 20.8 4.5%
2023 4.02% 0.800 -10.1% 19.9 -7.9%
2022 4.12% 0.890 34.8% 21.6 4.3%
2021 3.19% 0.660 11.9% 20.7 5.6%
2020 3.01% 0.590 25.5% 19.6 -7.1%
2019 2.23% 0.470 -52.0% 21.1 11.1%
2018 5.16% 0.980 – 19.0 –

IGFの利回り

年 配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 3.38% 1.979 17.8% 58.5 17.2%
2024 3.37% 1.680 6.3% 49.9 7.5%
2023 3.41% 1.58 -6.0% 46.4 -2.1%
2022 3.54% 1.68 -1.8% 47.4 3.0%
2021 3.72% 1.71 71.0% 46.0 13.0%
2020 2.46% 1.00 -35.9% 40.7 -10.2%
2019 3.44% 1.56 13.0% 45.3 5.8%
2018 3.22% 1.38 4.5% 42.8 -2.3%
2017 3.01% 1.32 13.8% 43.8 12.0%
2016 2.97% 1.16 0.9% 39.1 -3.7%
2015 2.83% 1.15 -8.7% 40.6 -3.6%
2014 2.99% 1.26 -6.0% 42.1 12.9%
2013 3.59% 1.34 -8.2% 37.3 7.8%
2012 4.22% 1.46 1.4% 34.6 -1.7%
2011 4.09% 1.44 11.6% 35.2 5.4%
2010 3.86% 1.29 13.2% 33.4 12.8%
2009 3.85% 1.14 107.3% 29.6 -26.7%
2008 1.36% 0.55 – 40.4 –


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢