インドETFを比較|INDA・EPI・GLINの違い・経費率・配当【2026年】

海外ETF

米国市場に上場する代表的なインドETFのうち、INDA、EPI、GLINを比較します。(2026年8月更新)

3本ともインド株へ投資するETFですが、銘柄を選ぶ基準は大きく異なります。INDAは時価総額加重、EPIは企業の収益額を重視する収益加重、GLINは成長性と価格のバランスを見るGARP型です。

本記事では、経費率、純資産総額、構成銘柄、指数設計、配当・利回り、流動性などを比較し、それぞれの特徴と注意点を整理します。

*注意:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。投資判断は最新の目論見書や運用状況を確認した上で、ご自身の責任で行ってください。

インドETFを比較:INDA・EPI・GLINの違い【結論】

最初に3本の違いを整理すると、インドの大型・中型株市場へ広く投資するならINDA、企業の利益額とバリュエーションを重視するならEPI、成長性と妥当な価格を組み合わせて銘柄を選ぶならGLINという違いがあります。

項目 INDA EPI GLIN
正式名称 iShares MSCI India ETF WisdomTree India Earnings Fund VanEck India Growth Leaders ETF
基本戦略 時価総額加重 収益加重 GARP型銘柄選別
主な特徴 大型・中型株の市場平均に近い 利益を上げている企業を重視 成長性・財務・割高感を評価
経費率 0.61% 0.84% 実質0.72%
総経費率0.80%
純資産総額 約66.25億ドル 約20.60億ドル 約9,377万ドル
保有銘柄数 165銘柄 広範な黒字企業 83銘柄
30日SEC利回り 0.42% 0.03% 0.25%
分配頻度 年2回 四半期設定 年1回
流動性 3本で最も高い 比較的高い 運用規模が小さい点に注意
主な弱点 大型株・金融株へ偏りやすい エネルギー・素材などの比率が高くなりやすい 運用規模が小さく指数選定の影響が大きい
想定される役割 インド株のコア バリュー寄りの補完 市場平均と異なる成長株の補完


※純資産、経費率、保有銘柄などは原則として2026年8月7日時点。SEC利回りは各社の公表基準日によります。[2][3][4]

INDA・EPI・GLINはどれを選ぶ?

3本のETFに絶対的な優劣があるわけではありません。どのような方法でインド株へ投資したいかによって適したETFが変わります。

インド株市場へ幅広く投資するならINDA

INDAはMSCI India Index(Net)への連動を目指す時価総額加重型ETFです。

大型・中型株を中心に165銘柄を保有しており、3本の中では純資産総額と売買流動性が大きく、インド株をポートフォリオの中核として保有したい場合に比較しやすいETFです。[2]

利益とバリュエーションを重視するならEPI

EPIは、利益を計上しているインド企業を対象とし、時価総額ではなく企業の収益額を基準に構成比率を決めます。

そのため、株価だけが大きく上昇した企業の比率が膨らみにくく、INDAとは異なるバリュー寄りの性格を持っています。[3]

成長性と割高回避を組み合わせるならGLIN

GLINはMarketGrader India All-Cap Growth Leaders Indexへの連動を目指し、成長性、収益性、財務健全性などに加えて、価格が基礎的価値に対して過度に高くないかも評価します。

いわゆるGARP(Growth at a Reasonable Price)型のETFです。時価総額加重ではないため、INDAとはかなり異なる銘柄構成になります。[4]

ただし、GLINの純資産総額は2026年8月7日時点で約9,377万ドルと、INDAやEPIより大幅に小さくなっています。売買時には出来高や売買スプレッドも確認する必要があります。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移

※チャート右目盛り:米国10年国債利回り

※株価の成長率、前日比、52週高値・安値のほか、純資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などを整理します。リアルタイム表示ではありませんが、株価は最大20分程度の遅延で反映されます。




インド市場の魅力とリスク

インド経済の成長率

インド株ETFを比較する際には、ETFそのものの設計だけでなく、投資対象となるインド経済の状況も確認する必要があります。

IMFの2026年7月「世界経済見通し改訂版」では、インドの実質GDP成長率を2026/27年度に6.4%、2027/28年度に6.7%と予測しています。

なお、IMFのインドの表は会計年度ベースで表示されています。暦年ベースに換算した成長率は2026年7.0%、2027年6.4%です。[1]

IMFが掲載する2026年の人口は約14億7,663万人です。大規模な人口と労働力、所得上昇や都市化は、中長期的な消費・金融サービス・インフラ需要を支える要因になります。[1]

インド株の主な成長要因

  • 内需の拡大:所得水準の上昇、都市化、金融サービスの普及、デジタル決済などが銀行、通信、消費関連企業の成長要因になります。
  • 製造業投資:世界的なサプライチェーン分散や国内産業振興を背景に、電子機器、防衛、再生可能エネルギー、輸送機器などへの投資拡大が期待されます。
  • 金融サービス:銀行口座やデジタル金融サービスの普及によって金融企業の成長機会が広がっています。
  • インフラ投資:道路、鉄道、電力、通信などへの投資が資本財・素材・金融など複数セクターに影響します。

インドETFへ投資する際の主なリスク

為替変動

INDA、EPI、GLINは米ドルで取引されますが、投資先企業の多くはインドルピーで事業を行っています。

ルピーがドルに対して下落すると、インド株自体が上昇しても米ドル換算のリターンが押し下げられる可能性があります。日本の投資家の場合は、さらにドル/円の為替変動も影響します。

株価評価の高さ

インド株は高い経済成長への期待から、他の新興国市場よりPERやPBRが高くなる局面があります。

例えばINDAのポートフォリオPERは2026年8月6日時点で23.04倍、PBRは3.31倍でした。[2]

経済成長率が高くても、購入時のバリュエーションが高すぎれば、株価リターンが経済成長率を下回る可能性があります。

金融セクターへの偏り

インドの主要株価指数では銀行や金融サービス企業の比率が高くなりやすいため、政策金利、融資需要、信用コスト、金融規制などの影響を受けます。

原油価格

インドは原油の輸入量が多いため、原油価格が大幅に上昇すると、インフレ、貿易収支、為替、企業コストなどを通じて株式市場へ悪影響が及ぶ可能性があります。

INDA:インド大型・中型株の市場平均型

INDAとは

INDA(iShares MSCI India ETF)は、MSCI India Index(Net)への連動を目指すETFです。

時価総額の大きい企業ほど構成比が高くなるため、インド株市場の大型・中型企業を幅広く保有する基本的なETFと位置づけられます。[2]

項目 INDA
連動指数 MSCI India Index(Net)
経費率 0.61%
純資産総額 約66.25億ドル(2026年8月7日)
保有銘柄数 165銘柄
30日SEC利回り 0.42%(2026年6月30日)
分配頻度 年2回
30日平均出来高 約601万口(2026年8月7日)
30日中央値売買スプレッド 0.02%
PER 23.04倍(2026年8月6日)
PBR 3.31倍(2026年8月6日)

INDAの大きな利点は、3本の中で圧倒的に運用規模が大きく、売買流動性も高いことです。

一方、時価総額加重型であるため、大型金融株など株価の大きい企業の影響を受けやすくなります。また、小型株への投資比率は限定的です。

EPI:企業の利益額を重視する収益加重型

EPIとは

EPI(WisdomTree India Earnings Fund)は、利益を計上しているインド企業を対象に、企業の収益額を基準として構成比を決めるETFです。[3]

時価総額加重型ではないため、株価が上昇して割高になった企業の比率が自動的に高まることをある程度抑えやすい設計です。

項目 EPI
連動指数 WisdomTree India Earnings Index
経費率 0.84%
純資産総額 約20.60億ドル(2026年8月7日)
30日SEC利回り 0.03%(2026年8月7日)
保有株式ベースの配当利回り 1.74%
30日中央値売買スプレッド 0.02%
ポートフォリオPER 17.41倍
PBR 2.79倍

30日SEC利回りと保有株式の配当利回りは意味が異なります。
30日SEC利回りは直近30日間のファンドの純投資収益を年率換算した標準化指標であり、構成銘柄そのものの予想配当利回りではありません。

EPIの主な構成銘柄

2026年8月7日時点の上位構成銘柄は、Reliance Industries 6.61%、ICICI Bank 5.40%、HDFC Bank 4.46%、State Bank of India 3.11%、Infosys 2.85%などです。[3]

セクター別では金融が23.74%、エネルギー15.77%、素材15.09%となっています。

INDAよりPERは低いものの、エネルギーや素材など景気敏感セクターの比率が大きくなりやすい点には注意が必要です。

GLIN:成長性と割安性を組み合わせるGARP型

GLINとは

GLIN(VanEck India Growth Leaders ETF)は、MarketGrader India All-Cap Growth Leaders Indexへの連動を目指します。

成長性、収益性、財務健全性などに優れ、株価が基礎的価値に対して過度に割高ではない企業を選ぶGARP型ETFです。[4]

項目 GLIN
連動指数 MarketGrader India All-Cap Growth Leaders Index
総経費率 0.80%
実質経費率 0.72%
純資産総額 約9,377万ドル(2026年8月7日)
保有銘柄数 83銘柄
分配頻度 年1回
30日SEC利回り 0.25%
Distribution Yield 0.84%

VanEckは一定の費用を減免し、ファンド運営費用の上限を設けています。この措置は少なくとも2027年5月1日まで継続するとされています。[4]

GLINの主な構成銘柄

2026年8月6日時点では、BSE 5.56%、Trent 5.11%、Hindustan Aeronautics 4.96%、Eicher Motors 4.91%、Bharti Airtel 4.89%などが上位です。[4]

セクター構成は2026年7月31日時点で、金融34.67%、資本財・サービス24.47%、一般消費財15.22%、ヘルスケア9.51%などとなっています。

時価総額の大きさだけでは銘柄を選ばないため、INDAとは異なる企業が上位に入りやすいことが特徴です。

一方、純資産総額は1億ドルを下回っており、3本では最も小規模です。経費率だけでなく、出来高や売買スプレッド、ファンドの運用規模も確認する必要があります。

INDA・EPI・GLINの配当(分配金)を比較

ETFの「利回り」には、30日SEC利回り、直近分配金を基にしたDistribution Yield、保有株式の配当利回りなど複数の指標があります。

同じ「利回り」という名称でも計算方法が異なるため、単純比較には注意が必要です。

項目 INDA EPI GLIN
30日SEC利回り 0.42% 0.03% 0.25%
公表上の分配頻度 年2回 四半期設定 年1回
直近公表分配 2026年6月:0ドル 2026年6月:0ドル 2025年:0.3884ドル

2026年8月時点では、INDAとEPIは直近の予定分配日に分配額が0ドルとなっています。そのため、過去の分配金実績だけから将来の利回りを予測することはできません。[2][3]

GLINの近年の分配金

1口当たり分配金
2025 0.3884ドル
2024 1.7600ドル
2023 0.4235ドル
2022 0.5556ドル
2021 0ドル
2020 0.0783ドル
2019 0.4239ドル

GLINの分配金は年による変動が大きく、2024年の1.76ドルから2025年は0.3884ドルへ減少しています。高い分配金が翌年も継続するとは限りません。[4]

INDAの近年の分配金

主な分配金
2026年6月 0ドル
2025年12月 0ドル
2025年6月 0ドル
2024年12月 0.399373ドル
2024年6月 0ドル
2023年6月 0.080071ドル

INDAは「年2回の分配頻度」が設定されていますが、実際の分配額が毎回発生するとは限りません。2025年と2026年6月の公表値は0ドルでした。[2]

EPIの直近分配

WisdomTreeの公式ページでは、2025年9月、12月、2026年3月、6月の直近分配額はいずれも0ドルとなっています。[3]

一方、EPIの保有株式ベースの配当利回りは2026年8月7日時点で1.74%です。ファンド内部で保有企業が配当を支払っていることと、ETFから投資家へ実際に分配される金額は同じではありません。

流動性と売買コストにも注意

ETFを比較する際は経費率だけではなく、純資産総額、出来高、売買スプレッドも重要です。

INDAは2026年8月7日時点で純資産約66億ドル、30日平均出来高約601万口、中央値売買スプレッド0.02%と、3本で最も高い流動性を持っています。[2]

EPIも中央値売買スプレッドは0.02%です。[3]

一方、GLINは純資産が約9,377万ドルと小さいため、売買時には市場価格とNAVの乖離やスプレッドを確認し、必要に応じて成行注文ではなく指値注文を利用することも検討できます。

インド株ETFの価格が現地市場とずれる理由

インド株式市場が閉場した後も、INDA、EPI、GLINは米国市場で取引されます。

この時間帯には、米国市場の動き、インド企業に関するニュース、為替相場、先物市場などの情報を反映してETF価格が変動します。

そのため、米国市場で取引されるETF価格と、直近のインド株終値を基準に算出されたNAVの間に一時的な乖離が生じることがあります。これは必ずしもETFの価格形成に異常があることを意味しません。

INDA・EPI・GLIN比較のまとめ

重視するポイント 比較対象になりやすいETF
インド大型・中型株へ幅広く投資 INDA
運用規模・流動性 INDA
低い経費率 INDA
利益額・バリュエーションを重視 EPI
市場平均と異なる銘柄構成 EPI/GLIN
成長性と割高回避の両立 GLIN

インド株市場へ素直に連動するコアETFとして見るとINDAが最も分かりやすく、EPIとGLINは指数設計によって市場平均とは異なるリターンを狙うETFと整理できます。

ただし、指数設計が異なるからといってEPIやGLINが必ずINDAを上回るわけではありません。

2026年6月30日までの1年間のNAVリターンは、EPIがマイナス9.95%、GLINがマイナス3.16%でした。市場環境によって各戦略の優劣は変化します。[3][4]

ETFを選ぶ際には、直近のリターンだけではなく、「どの指数に連動し、どの基準で銘柄を選び、どのセクターへどの程度投資しているか」を確認することが重要です。



※本ページは2026年8月9日までに確認できた公開情報を基に更新しています。ETFの純資産総額、構成銘柄、利回り、PER、スプレッドなどは日々変動します。最新値は各運用会社の公式ページや目論見書をご確認ください。

【注】(出典リンク)

  1. インドの人口・GDP成長率予測 →
    IMF:India Country Page
    IMF:World Economic Outlook Update, July 2026
    (確認日:2026-08-09)
  2. INDAの指数、経費率、純資産、保有銘柄数、流動性、PER、分配金等 →
    iShares:iShares MSCI India ETF公式ページ
    (確認日:2026-08-09)
  3. EPIの指数設計、経費率、純資産、利回り、構成銘柄、セクター、リターン等 →
    WisdomTree:India Earnings Fund公式ページ
    (確認日:2026-08-09)
  4. GLINの指数設計、費用減免、純資産、保有銘柄、利回り、分配履歴等 →
    VanEck:India Growth Leaders ETF公式ページ
    (確認日:2026-08-09)

Posted by 南 一矢