SMHとSOXXを比較 半導体ETFの株価と配当
半導体企業に投資するETFのデータを比較してみます。
このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を整理してみましょう
SMH vs SOXX 比較一覧 SMHとSOXX、あなたに合うのはどっち?
まずは、2つのETFの最も重要な違いを一覧表で確認しましょう。
| ティッカー | 名称 | 連動指数 | 組入銘柄数 | 経費率 | 純資産総額 (AUM) |
|---|---|---|---|---|---|
| SMH | ヴァンエック・半導体ETF | MVIS US Listed Semiconductor 25 Index | 26 | 0.35% | 約344億ドル(2025/10/9) |
| SOXX | iシェアーズ・半導体ETF | NYSE Semiconductor Index(旧SOXではありません) | 30(2025/10/8) | 0.34% | 約157億ドル(2025/10/9) |
※経費率や純資産総額は変動します。最新の情報は各運用会社の公式サイトで必ずご確認ください(注を参照)。
AI(人工知能)の進化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の波に乗り、現代経済の中心で輝きを放つ「半導体セクター」。この成長分野に効率的に投資できる「半導体ETF」は、多くの投資家から注目されています。
中でも特に人気と実績を誇るのが、【SMH】と【SOXX】という2つのETFです。どちらも半導体という点では同じですが、その中身には明確な違いがあります。
次に、それぞれのETFが持つ特徴を詳しく見ていきましょう。
【SMH】ヴァンエック・半導体ETF:トップ企業への集中投資型
概要
MVIS米国上場半導体25インデックスに連動し、時価総額と流動性が高い企業に厳選投資。銘柄数が少ないため、NVIDIAやTSMCといった業界トップ企業への投資比率が高くなるのが最大の特徴です。
上位組入銘柄の例(2025年10月8日時点の構成比)
NVIDIA 18.43%, TSMC 10.11%, Broadcom 8.08%, AMD 6.38%, Lam Research 5.16% など。
こんな方におすすめ
- 半導体セクターのトップランナーに集中投資して、より高いリターンを狙いたい方
- 値動きの大きさ(ボラティリティ)を許容できる方
出典: VanEck SMH 公式ページ(AUM・経費率・構成銘柄)、ファクトシート
【SOXX】iシェアーズ・半導体ETF:業界全体へのバランス投資型
概要
NYSE Semiconductor Indexに連動し、米国上場の半導体関連約30銘柄に分散投資します。設計・製造・装置・素材など、バリューチェーンを広くカバー。SMHに比べて分散が効きやすい設計です。
上位組入銘柄の例(公式ページ参照)
NVIDIA, Broadcom, AMD, Qualcomm, Micron Technology など。
こんな方におすすめ
- 特定の企業に偏りすぎず、業界全体にバランス良く分散投資したい方
- ETFとしての規模や流動性を重視する方
出典: iShares SOXX 公式ページ(AUM・経費率・保有銘柄数・指数名)/ファクトシート(2025年6月末)
その他、ETFを選ぶ際の注意点
為替リスクに注意
これらのETFはドル建ての商品です。そのため、ETF自体の株価が上昇しても、円高・ドル安が進行すると円換算でのリターンが減少する可能性があります。逆に、円安・ドル高が進むと、為替差益を得られることもあります。この為替リスクは常に意識しておきましょう。
なぜAUM(純資産総額)が大切か?
ETFを選ぶ際、経費率の低さに目が行きがちですが、純資産総額(AUM)も非常に重要な指標です。AUMが小さいETFには、以下のようなリスクが伴う可能性があります。
- 繰上償還リスク: 人気や資金が集まらないETFは、運用会社の判断で上場廃止(繰上償還)されることがあります。長期投資を前提としている場合、意図しないタイミングで売却せざるを得なくなる可能性があります。
- 流動性リスク: 取引量が少ないと、買いたい時に買えず、売りたい時に売れない、あるいは希望の価格で取引できない可能性があります。
注目:直近(2025年10月)時点では、AUMはSMHがSOXXを大きく上回る規模です。一方でSOXXのAUMは150億ドル超あり流動性も高い水準です。
ほかにも半導体ETFはありますが、SMHとSOXXは規模・情報開示・流動性のバランスが良く、比較の軸として有用です。
まとめ:あなたに合うのはどっち?
最後に、2つのETFの選び方をシンプルにまとめます。
より高いリターンを狙う積極派なら → 【SMH】
トップ企業に集中投資。大きな値上がりが期待できる一方、下落時のリスクも大きくなりやすい設計です。AUM約344億ドルは投資家の厚い需要を示します。安定的な成長を狙うバランス派なら → 【SOXX】
業界全体に分散投資。SMHほどの集中度はないものの、広く半導体セクターに乗ることができます。経費率0.34%、保有約30銘柄。
半導体セクターは今後も高い成長が期待されますが、一方で景気の動向に左右されやすい側面もあります。ご自身の投資方針やリスク許容度に合わせて、最適なETFを選んでみてください。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。データは明記のない限り2025年10月時点の公表情報です。最新情報は各運用会社の公式サイトでご確認ください。
注・出典(確認日: 2025-10-10)
- SMHのAUM・経費率・組入銘柄数・上位構成(NVIDIA 18.43%、TSMC 10.11%、Broadcom 8.08%、AMD 6.38%、Lam Research 5.16% ほか):VanEck 公式ページ(Holdings/Fees欄・2025/10/8〜10/9表示)、ファクトシート
- SOXXのベンチマーク(NYSE Semiconductor Index/Bloomberg Ticker: ICESEMIT)、AUM・経費率0.34%、保有銘柄数30(2025/10/8時点)、各種特性:iShares 公式ページ/ファクトシート(2025年6月末)
- (参考)PHLX Semiconductor Sector Index(SOX)の概要資料:Nasdaq/PHLX 公式ドキュメント(SOXXの現行ベンチマークではありませんが、名称混同が多いため補足)
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
配当(分配金)と利回り
年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)
SMHの利回り
| 年 | 配当 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2024 | 0.46% | 1.07 | 2.9% | 232.1 | 64.7% |
| 2023 | 0.74% | 1.04 | -47.5% | 140.9 | 21.7% |
| 2022 | 1.71% | 1.98 | 153.8% | 115.8 | -10.7% |
| 2021 | 0.6% | 0.78 | -56.9% | 129.7 | 62.3% |
| 2020 | 2.27% | 1.81 | -38.2% | 79.9 | 40.4% |
| 2019 | 5.15% | 2.93 | 95.3% | 56.9 | 11.1% |
| 2018 | 2.93% | 1.5 | 54.6% | 51.2 | 18.5% |
| 2017 | 2.25% | 0.97 | 14.1% | 43.2 | 44.5% |
| 2016 | 2.84% | 0.85 | -3.4% | 29.9 | 10.3% |
| 2015 | 3.25% | 0.88 | 39.7% | 27.1 | 12.9% |
| 2014 | 2.63% | 0.63 | -38.2% | 24 | 27% |
| 2013 | 5.4% | 1.02 | 45.7% | 18.9 | 16% |
| 2012 | 4.29% | 0.7 | – | 16.3 | 0% |
SOXXの利回り
| 年 | 配当 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2024 | 0.65% | 1.45 | -3.3% | 222.5 | 43.4% |
| 2023 | 0.97% | 1.5 | 0% | 155.2 | 15.8% |
| 2022 | 1.12% | 1.5 | 31.6% | 134 | -10.7% |
| 2021 | 0.76% | 1.14 | -12.3% | 150.1 | 60.9% |
| 2020 | 1.39% | 1.3 | 14.% | 93.3 | 37.8% |
| 2019 | 1.68% | 1.14 | 40.7% | 67.7 | 13.6% |
| 2018 | 1.36% | 0.81 | 37.3% | 59.6 | 20.6% |
| 2017 | 1.19% | 0.59 | 20.4% | 49.4 | 49.2% |
| 2016 | 1.48% | 0.49 | -22.2% | 33.1 | 9.2% |
| 2015 | 2.08% | 0.63 | 14.5% | 30.3 | 9.8% |
| 2014 | 1.99% | 0.55 | 61.8% | 27.6 | 30.8% |
| 2013 | 1.61% | 0.34 | 41.7% | 21.1 | 18.5% |
| 2012 | 1.35% | 0.24 | 4.3% | 17.8 | -1.7% |
| 2011 | 1.27% | 0.23 | 35.3% | 18.1 | 12.4% |
| 2010 | 1.06% | 0.17 | 54.5% | 16.1 | 27.8% |
| 2009 | 0.87% | 0.11 | -15.4% | 12.6 | -17.1% |
| 2008 | 0.86% | 0.13 | – | 15.2 | – |
ポートフォリオの比較
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

