VMBS・MBB(モーゲージ担保証券ETF)を比較:株価・配当・構成銘柄
【米国債より高利回り】モーゲージ証券ETF「VMBS vs MBB」を徹底比較!
💰 2026年第2四半期の投資環境メモ
エージェンシーMBS(政府系住宅ローン担保証券)は、米国債に対し一定の利回りスプレッド(上乗せ金利)を有する資産クラスです。2025年から2026年にかけて、インフレ沈静化に伴う金利見通しの変化から、インカムゲインの安定性を求めて再評価が進んでいます。[1] また、FRB(米連邦準備制度理事会)は、保有するエージェンシーMBSの元本償還分を米国債へ再投資することで、バランスシートの構成を長期的には米国債中心へと移行させる方針を継続しています。[2]
モーゲージ証券(MBS)とは?投資家が注視すべきリスク
MBS(Mortgage-Backed Securities)は、数多くの住宅ローン債権をパッケージ化し、証券として流通させたものです。本記事で扱うVMBSやMBBが投資対象とするのは、ジニーメイ(GNMA)、ファニーメイ(FNMA)、フレディマック(FHLMC)といった政府系機関・政府支援機関が保証する「エージェンシーMBS」です。これらは米国政府と同等の高い信用力を有するとみなされる一方、以下の固有リスクには注意が必要です。
- 金利リスク:通常の債券と同様、市場金利が上昇すると価格は下落します。
- 期限前償還(プリペイメント)リスク:金利低下時に住宅ローンの借り換えが進むと、予定より早く元本が返還され、より低い利回りで再投資を余儀なくされます。逆に金利上昇時は返済が滞り(デュレーションの延伸)、価格下落のダメージが長期化する性質があります。
こうした複雑なリスクを負う対価として、MBSは米国債よりも高い利回りを提供します。債券ポートフォリオの質を維持しつつ、利回りの底上げを狙う際に有力な選択肢となります。[1]
主要2大ETF比較サマリー(2026年4月時点)
VMBSとMBBは、ベンチマークや投資対象がほぼ同一です。投資判断の基準は「保有コスト」と「流動性(純資産規模)」の2点に集約されます。
| 項目 | 【VMBS】バンガード | 【MBB】iシェアーズ |
|---|---|---|
| 経費率 | 0.04%(2026-02-27時点)[3] | 0.04%(2026-04-14時点)[4] |
| 純資産総額 | 約162.1億ドル(2026-03-31時点)[5] | 約295.4億ドル(2026-04-14時点)[4] |
| 配当利回り(30日SEC) | 4.10%(2026-04-14時点)[6] | 4.12%(2026-04-14時点)[4] |
| 実効デュレーション | 約5.6年(2026-03-31時点)[3] | 約5.7年(2026-04-14時点)[4] |
| 分配頻度 | 毎月[6] | 毎月[4] |
※各数値は各運用会社の公式サイトおよび最新ファクトシートに基づきます。利回り・デュレーションは市場環境により日々変動します。
各ETFの詳細分析
【VMBS】Vanguard Mortgage-Backed Securities ETF
- 連動指数:ブルームバーグ 米国MBS(フロート調整)指数。[3]
- 運用コスト:2026年時点の経費率は0.04%。以前の0.03%から微増していますが、依然として業界最低水準を維持しています。[3]
- ポートフォリオ:主に残存期間が中期のパススルー証券で構成され、バンガードらしい低コストで堅実な運用が特徴です。
- 投資適性:保有コストを極限まで抑えたい長期投資家、または他のバンガード製ETFでポートフォリオを統一したい場合に適しています。[5]
【MBB】iシェアーズ MBS ETF
- 連動指数:ブルームバーグ 米国MBS指数。[4]
- 運用コスト:経費率は0.04%。ライバルのVMBSと同等まで引き下げられています。[4]
- 流動性:純資産規模は約295億ドルに達し、VMBSを大きく上回ります。取引高も多いため、大口の売買でもスプレッド(買値と売値の差)が安定しています。[4]
- 投資適性:機動的な売買を重視するトレーダー、または流動性を最優先して「板の厚さ」を求める投資家に向いています。
投資のポイントと選び方の指針
実務的には、どちらのETFを選んでも運用成果に決定的な差は出にくい状況です。あえて分けるなら、以下の基準で選択しましょう。
📊 環境チェックの要点
①長期金利の低下局面では、住宅ローンの借り換え需要(プリペイメント)による再投資リスクに留意してください。②現在のスプレッド環境は、米国債単体では得られない「質の高い利回り」を享受するチャンスです。[1] ③FRBによるMBS保有高の縮小は、民間市場への供給増を意味し、価格の上値を抑制する可能性があります。[2]
エージェンシーMBSは、格付け上位の社債よりも高い信用力を持ちながら、米国債に「ひとさじ」の利回りを加えられる優れたツールです。コア債券の一部に組み込むことで、ポートフォリオ全体のインカム効率を向上させることが期待できます。
過去1年間の分配実績ではなく、直近30日間の純投資収益に基づき、今後の利回りを予測しやすくした標準的な指標です。MBSのような金利感応度の高い資産では、直近の金利環境を反映したこの数値を比較に用いるのが定石です。
免責事項
本記事は2026年4月15日時点の情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を勧誘するものではありません。金利変動や住宅市場の動向により、元本割れのリスクがあります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。
【注】(出典リンク)
- MBSスプレッドと投資環境(2025年9月時点の市場動向) → Reuters(2025-09-16)(確認日:2026-04-15) ↩
- FRBの保有資産再投資方針(MBSから米国債へ、上限あり) → NY Fed: Operating Policy(2019-05-30)(確認日:2026-04-15) ↩
- VMBSファクトシート(経費率・指数・デュレーション等の定義) → Vanguard: VMBS Fact Sheet(As of 2026-03-31)(確認日:2026-04-15) ↩
- MBB公式主要指標(純資産・SEC利回り・コスト等) → iShares: MBB Official Product Page(確認日:2026-04-15) ↩
- VMBS投資プロファイル(2025通期実績および最新AUM等) → Vanguard: VMBS Profile(2026 Q1 Report)(確認日:2026-04-15) ↩
- VMBS主要指標(分配実績および最新利回り表示) → Vanguard: VMBS Overview(確認日:2026-04-15) ↩
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
配当(分配金)と利回り
年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算しているので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されています)
VMBSの利回り
| 年 | 配当 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2024 | 3.91% | 1.79 | 17% | 45.8 | 0.7% |
| 2023 | 3.36% | 1.53 | 53% | 45.5 | -5.4% |
| 2022 | 2.08% | 1 | 108.3% | 48.1 | -9.9% |
| 2021 | 0.9% | 0.48 | -52.9% | 53.4 | -1.3% |
| 2020 | 1.89% | 1.02 | -27.7% | 54.1 | 2.9% |
| 2019 | 2.68% | 1.41 | 6.8% | 52.6 | 2.7% |
| 2018 | 2.58% | 1.32 | 22.2% | 51.2 | -2.7% |
| 2017 | 2.05% | 1.08 | 2.9% | 52.6 | -1.5% |
| 2016 | 1.97% | 1.05 | -0.9% | 53.4 | 0.4% |
| 2015 | 1.99% | 1.06 | 10.4% | 53.2 | 1.5% |
| 2014 | 1.83% | 0.96 | 113.3% | 52.4 | 1.6% |
| 2013 | 0.87% | 0.45 | -43% | 51.6 | -1.5% |
| 2012 | 1.51% | 0.79 | -40.2% | 52.4 | 2.1% |
| 2011 | 2.57% | 1.32 | -30.2% | 51.3 | 0.8% |
| 2010 | 3.71% | 1.89 | 2000% | 50.9 | 1.6% |
| 2009 | 0.18% | 0.09 | – | 50.1 | – |
MBBの利回り
| 年 | 配当 | 株価 | |||
| 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 | 平均株価 | 年伸び率 | |
| 2024 | 3.89% | 3.61 | 12.8% | 92.8 | 0.4% |
| 2023 | 3.46% | 3.2 | 54.6% | 92.4 | -5.6% |
| 2022 | 2.11% | 2.07 | 89.9% | 97.9 | -9.8% |
| 2021 | 1% | 1.09 | -51.8% | 108.5 | -1.5% |
| 2020 | 2.05% | 2.26 | -23.4% | 110.1 | 3% |
| 2019 | 2.76% | 2.95 | 9.3% | 106.9 | 3% |
| 2018 | 2.6% | 2.7 | 15.9% | 103.8 | -2.8% |
| 2017 | 2.18% | 2.33 | -12.7% | 106.8 | -2.1% |
| 2016 | 2.45% | 2.67 | -4.6% | 109.1 | -0.2% |
| 2015 | 2.56% | 2.8 | 53% | 109.3 | 1.6% |
| 2014 | 1.7% | 1.83 | 44.1% | 107.6 | 1.3% |
| 2013 | 1.2% | 1.27 | -40.7% | 106.2 | -2% |
| 2012 | 1.97% | 2.14 | -39.5% | 108.4 | 1.5% |
| 2011 | 3.31% | 3.54 | -42.8% | 106.8 | -1.3% |
| 2010 | 5.72% | 6.19 | 66% | 108.2 | 2.2% |
| 2009 | 3.52% | 3.73 | -17.1% | 105.9 | 3.7% |
| 2008 | 4.41% | 4.5 | – | 102.1 | – |

