【高配当通信株対決】AT&T(T) vs ベライゾン(VZ)!減配後の再成長か、安定の高利回りか?

両社は成熟産業で高成長は期待しにくい一方、通信は生活インフラであり、配当(インカム)目的で注目されやすいセクターです。ここでは「事業の違い」「直近の業績」「配当の持続性」を中心に整理します。

※本ページの数値は特記なき限り米国会計・連結ベース。配当利回り・PERは2026年5月6日 12時台UTCに参照した株価目安で試算。EPSは、投資判断で使いやすいように2026年会社見通しの調整後EPSを主に用います。[7][3][4]

比較サマリー:戦略転換のT、配当継続のVZ

項目 AT&T (T) ベライゾン (VZ)
事業内容 5Gワイヤレス、光ファイバー(FTTH/固定ブロードバンド)などの通信事業
近年の戦略 WarnerMedia分離後は通信へ再集中。2026年Q1からは「Advanced Connectivity」「Legacy」「Latin America」の新セグメントで開示し、5Gとファイバーの収益成長を前面に出しています。[1][3] 通信集中を継続。2026年1月にFrontier買収を完了し、ファイバー網と固定ブロードバンドを強化。ネットワーク品質・顧客基盤・価格/付加価値の運営で収益確保を狙います。[4]
配当の状況 2022年に年率$1.11へリセット後、足元も四半期$0.2775を継続。2026年会社見通しでも年率$1.11の維持を前提にしています。[6][3] 連続増配を継続。直近の宣言(2026年1月30日)では四半期$0.7075[5]
配当利回り(直近株価ベース) 4.3%
年率$1.11($0.2775×4)/株価$25.90
2026年5月6日 12:09 UTC時点
[6][7]
6.0%
年率$2.83($0.7075×4)/株価$47.34
2026年5月6日 12:07 UTC時点
[5][7]
PER(目安) 約11.3倍
株価$25.90 ÷ 2026年調整後EPS見通し中値$2.30[3][7]
約9.5倍
株価$47.34 ÷ 2026年調整後EPS見通し中値$4.97[4][7]

最重要ポイント:AT&Tの「2022年の配当リセット」

AT&TはWarnerMedia分離に伴い配当を年率$1.11へリセットし、その後は通信へ再集中しました。現在は5Gとファイバーを軸に、フリーキャッシュフローを「配当+自社株買い+負債管理+成長投資」に配分する方針です。2026年通期ではフリーキャッシュフロー$18B超、自社株買い約$8Bも見込んでいます。[1][3]

業績と成長性の詳細分析(売上の推移)

通信は成熟市場で急成長しにくい一方、料金改定、ファイバー拡大、固定無線、顧客維持、コスト削減などで収益を積み上げる構造です。ここでは売上(2022〜2025通期+2026年Q1)で傾向を確認します。

年・期間 AT&T 売上高(前年比) ベライゾン 売上高(前年比)
2026年Q1 $31.5B (+2.9%)[3] $34.4B (+2.9%)[4]
2025 $125.6B (+2.7%)[8] $138.2B (+2.5%)[9]
2024 $122.3B (-0.1%)[10] $134.8B (+0.6%)[11]
2023 $122.4B (+1.4%)[10] $134.0B (-2.1%)[11]
2022 $120.7B (-9.9%)[10] $136.8B (+2.4%)[11]

※B=10億ドル。AT&Tは2022年に事業構成が大きく変化しているため、分離前(2021年以前)との単純比較は注意が必要です。[1]

直近決算ハイライト(2026年Q1):

  • AT&T:売上高$31.5B(+2.9%)、調整後EPS$0.57、調整後EBITDA$11.8B、フリーキャッシュフロー$2.5B。Advanced Connectivityの成長、ファイバーと固定無線の純増、ポストペイド電話純増が支えになりました。[3]
  • ベライゾン:売上高$34.4B(+2.9%)、希薄化EPS$1.20、調整後EPS$1.28、調整後EBITDA$13.4B、フリーキャッシュフロー$3.8B。2026年Q1は第1四半期としては2013年以来のポストペイド電話純増となりました。[4]

配当の詳細比較:継続のVZ、再スタートのT

VZは連続増配を継続し、直近の四半期配当は$0.7075です。Tは配当リセット後、四半期$0.2775を継続しています。配当利回りはVZのほうが高い一方、Tは2026〜2028年の株主還元として、配当と自社株買いを合わせて$45B超を返す計画を示しています。[5][6][3]

T 年間配当(概算・注記あり) VZ 年間配当(実績/年率・注記あり)
2026 $1.11(年率:$0.2775×4)[6] $2.83(年率:$0.7075×4)[5]
2025 $1.11($0.2775×4)[6] $2.735(年間実績)[5]
2024 $1.11($0.2775×4)[6] $2.685(年間実績)[5]
2023 $1.11($0.2775×4)[6] $2.635(年間実績)[5]
2022 $1.11*(年率:分離後レート)[1][6] $2.585(年間実績)[5]
2021 $2.08($0.52×4)[6] $2.535(年間実績)[5]
2020 $2.08($0.52×4)[6] $2.485(年間実績)[5]

*AT&Tの2022年は「年率$1.11」へ移行した年で、2月支払分($0.52)を含む暦年実績は年率換算と一致しません。[6]

2026年会社見通し(2026年5月時点):
AT&T:サービス売上は低い一桁台の成長、調整後EBITDAは+3〜4%、調整後EPSは$2.25〜$2.35、フリーキャッシュフローは$18B超を見込む。[3]
VZ:調整後EPSは$4.95〜$4.99へ引き上げ。フリーキャッシュフローは$21.5B以上、設備投資は$16.0B〜$16.5Bを見込む。[4]

結論:あなたに合うのはどちら?

「配当の水準と連続性」を重視するなら → ベライゾン (VZ)

直近の宣言ベースで年率配当は$2.83、株価目安(2026年5月6日参照)では利回り約6.0%です。2026年Q1では調整後EPS見通しを引き上げ、フリーキャッシュフローも$21.5B以上を見込んでいます。インカム目的で「現在の利回り」と「連続増配の実績」を重視するなら、VZは候補にしやすい銘柄です。[5][4][7]

「財務改善と通信回帰の成果」を見て判断したいなら → AT&T (T)

AT&Tは2022年の配当リセットで一度インカム銘柄としての信頼を傷つけましたが、その後は通信へ再集中し、5G・ファイバー・固定無線を軸に成長を積み直しています。2026年Q1は売上+2.9%、調整後EPS$0.57で、2026年通期の調整後EPS見通しは$2.25〜$2.35です。配当利回りはVZより低い一方、2026年は約$8Bの自社株買いも見込んでおり、配当だけでなく総還元の改善を見る銘柄になっています。[3][6]

最終的な結論:現時点の高い配当利回りと連続増配を重視するならVZ、通信回帰後の利益成長・自社株買い・ファイバー拡大を含めた再評価を狙うならTという整理です。どちらも負債が大きく、金利や設備投資負担の影響を受けるため、配当利回りだけでなく、フリーキャッシュフローと負債倍率を定期的に確認することが大切です。


※本ページの分析は2026年5月6日(日本時間)時点の公開情報に基づきます。投資判断は自己責任でお願いします。