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【VPU】と【XLU】米国公益事業セクターETFの比較

2018年1月にトランプ政権は本格的にインフラ投資計画を発表します。

大統領選で公約した10年間で1兆ドルの公共投資は、議会の法案を通して、どのように実現されるのでしょうか。

何割かスケールダウンするとは思いますが、その行方が気になるところです。

18年は公益事業系のセクターで大きな値動きが出るかもしれないので、トランプ政権のインフラ投資政策の概要を踏まえ、米国の公益事業セクターのETFを比較してみます。

【VPU】と【XLU】を比較し、参考として米国と世界の公益セクターに投資する【MXI】も取り上げてみます。

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トランプ政権のインフラ投資政策とは

トランプ氏は大統領選にて、道路、橋、空港、配電網、水道等の近代化のために10年間で1兆ドルのインフラ投資を行うことを公約しました。

ブレーンであるピーター・ナヴァロ氏とウィルバー・ロス氏は、1兆ドルのインフラ投資に関して民間企業に1370億ドルの税額控除を与え、投資計画を担ってもらえば、その税額控除分がプロジェクトに携わる労働者や企業から得られる税収で回収できると考えたのです。

(※この場合、儲からない地方のインフラの修繕などは進まないため、クリントン氏は法人税増税でねん出した財源を用いて5年間で公共事業に2750億ドルを投資すべきだと提言していた。2500億ドルを政府の直接投資とし、250億ドルをインフラ銀行設立のために使う案だった)

その後、トランプ政権はホワイトハウスHPに「米国インフラを再建するトランプ大統領の計画」(6/8)と題した動画を公開。

そこでは、以下のような素案を出しています。

  • 官民の両者により10年間で1兆ドル(110兆円規模)のインフラ投資を実現する
  • 政府のインフラ資金:2000億ドル(22兆円程度)
  • インフラ投資の期間短縮(10年⇒2年。許認可行政の短縮)
  • 地方インフラ投資:250億ドル
  • 地方インフラ投資への優先予算枠:1000億ドル
  • 変革プロジェクト(労働者教育):150億ドル
  • 2年間で教育実習を行う労働者の規模:100万人

※関連記事:トランプ政権のインフラ投資計画

米国公益事業セクターETFの比較

まず【VPU】と【XLU】を比較してみます。

【VPU】 バンガード®・米国公益事業セクターETF

バンガード社のVPUファクトシートによれば、商品の概要は以下の通り。

  • 公益事業セクターの株式で構成される「MSCI USインベスタブル・マーケット・公益事業25/50インデックス」と連動
  • 投資先は米国の公益事業セクターの大型株(47.1%)、中型株、小型株。
  • 電力、ガス、水道企業のほか、独立系発送電事業を行う企業75銘柄で構成されている。

(※『米国会社四季報』(秋冬版)によれば経費率は0.1%。1単位あたりの分配金は0.198~0.551ドル)

【XLU】公益事業セレクト・セクターSPDR® ファンド

スパイダー社のXLU紹介ページ運用レポートによれば、商品の概要は以下の通り。

  • S&P500指数を構成する企業群から公益事業に関わる企業を選んだ公益事業セレクト・セクター指数に連動。
  • 電力、ガス、総合公益事業、水道、独立系発電事業者・エネルギー販売業者などの大型株を中心に28銘柄で構成。

2017年12月27日のデータは以下の通り。

  • 経費率は0.14%
  • 予想3-5年一株当たり利益(EPS) 成長率:5.05%
  • 株価収益率 (PER) :18.12
  • 株価純資産倍率 (PBR): 1.98

VPUは大型株を中心に、中型株や小型株まで網羅していますが、XLUは大型株で構成されています。

今回は、これに加えて、参考のためにiシェアーズのグローバル公益事業ETFも見てみます。

【JXI】iシェアーズ グローバル公益事業 ETF(※参考:米国6割配分)

ブラックロック社のMXI紹介ページによれば、商品の概要は以下の通り。

  • 米国が3割、世界各国の公益事業企業に投資。公益事業関連の65銘柄で構成。
  • 連動している指数は「S&P Global 1200 Utilities Sector Index(TM)」
  • 運用の指標は以下の通り。
  • 経費率:0.48%
  • 分配金利回り:4.08%(17/11/30)
  • 株価収益率(PER): 16.45(17/12/27)
  • 株価純資産倍率(PBR):1.78(17/12/27)
  • 過去12ヶ月分配金利回り:3.76% ( 過去12ヶ月に当該ファンドを保有した場合に得られた年率利回り 17/11/30)

【VPU】【XLU】【JXI】の株価推移を比較

ロイター社HPで見た値動きの推移は以下の通り。

米国に特化した公益事業ETFのほうが高値になっており、5年間で見ると、VPUとXLUの差はあまりありません。

ただ、経費率と直近配当を見ると、VPUのほうがよい数字になっています。

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最長期のグラフを見ると、2010年以降、米国の公益事業は右肩上がりになっています。

vpuandxlu2_

MXIは2010年以降、伸び悩み、最近は株価が上がりつつあります。

【VPU】【XLU】【JXI】のトータルリターンを比較

さらに、それぞれのETFを指標で比較してみましょう。

(以下、%は省略。利回り=直近配当利回り(税込)、TR=トータルリターン。データはブルームバーグHP〔2017/12/29閲覧〕)

  VPU XLU JXI
直近配当額 0.935 0.511 0.85
直近配当利回り 3.21 3.88 3.43
経費率 0.1 0.14 0.47
3ヶ月TR 0.44 0.09 -0.53
1年TR 13.34 12.85 15.68
3年TR 7.05 6.3 3.37
5年TR 13.23 12.75 8.20

米国公益事業セクターETFの業種比率

次に、VPUとXLUの投資先となる業種比率を比べてみます。

出所はどちらも前述のファクトシートです。

【VPU】

  • 電力: 57.9%
  • 総合公益事業:29.2
  • ガス:5.7
  • 水道:3.3
  • 独立系発電事業者・エネルギー販売業者:2.9
  • 再生エネルギー系発電事業者:1

【XLU】

  • 電力:62.53%
  • 総合公益事業: 33.08
  • 独立系発電事業者・エネルギー販売業者:2.24
  • 水道:2.15

※参考:JXIの国別投資比率(2017/12/28)

  1. 米国:58.24
  2. イギリス:7.38
  3. スペイン:6.11
  4. イタリア:5.14
  5. フランス:4.66
  6. 香港:4.11
  7. 日本:3.57
  8. ドイツ:2.95
  9. カナダ:2.04
  10. オーストラリア:1.73
  11. キャッシュ等:0.44
  12. その他:3.64

米国公益事業セクターETFの構成銘柄

次に、ブルームバーグのサイトでETFの構成銘柄を見てみます(12/29閲覧。以下、略称)。

  • NEE:ネクステラ・エナジ-
  • DUK:デューク・エナジー
  • D:ドミニオン・エナジー
  • SO:サザン
  • EXC:エクセロン
  • AEP:アメリカン・エレクトリック・パワー
  • SRE:センプラ・エナジー
  • PCG:PG&E
  • ED:コンソリデーテッド・エジソン
  • PEG:PSEG
  • XEL:エクセル・エナジー
  • ENEL:イタリア電力公社
  • IBE:イベルドローラ
  • NG:ナショナル・グリッド
  • ENGI:エンジー

それぞれのETFの構成比率は以下の通りです。

  VPU XLU MXI
NEE 8.5 11 6.37
DUK 7.16 8.11 5.13
D 6.2 7.8 4.53
SO 5.87 7.25 4.21
EXC 4.59 5.64 3.27
AEP 4.38 5.44 3.14
SRE 3.31 4.4  
PCG 3.19    
ED 3.16 3.97  
PEG 3.08 3.88  
XEL     3.68
ENEL     4.2
IBE     4.01
NG     3.66
ENGI     2.43

結論的にはVPUもXLUも大きな差がないのですが、経費率と直近配当で見ると、VPUのほうがお勧めになっています。

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