VOX・XLC・IYZ・IXP(通信セクターETF)を比較する

セクターETF






【徹底比較】通信サービスETF VOX vs XLC vs IYZ vs IXP!デジタル変革時代の投資戦略


【2026年1月更新版】 経費率・銘柄数・上位構成などを公式資料で更新しました(数値は変動します)。

電気通信サービスセクターETFの情報を見てみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、米国に投資する【VOX】と【XLC】【IYZ】、全世界に投資する【IXP】の内容を比較してみます。

ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を整理してみましょう

(【IXP】を入れたのは、グローバル型でも米国企業の比率が上位に来やすいケースが多く、実際の分散度合いを確認しやすいためです。)

【徹底比較】通信サービスETF VOX vs XLC vs IYZ vs IXP!デジタル変革時代の投資戦略

現代社会のインフラを支える「通信・コミュニケーションサービス」セクター。5G、動画配信、SNS、クラウドサービスなど、私たちの生活に欠かせない分野への投資機会を提供するのが、通信サービスETFです。

しかし、一見似たように見えるこれらのETFですが、その投資戦略は大きく異なります。従来の通信キャリアに特化したETFもあれば、MetaやAlphabetといった巨大プラットフォーム企業に大きく偏るETFもあります。さらに、世界各国に分散投資するグローバル戦略のETFも存在します。

この記事では、主要4つの通信サービスETFの戦略的な違いを徹底解説し、あなたの投資目標に最適な選択肢を見つけるための情報をお届けします。

主要通信サービスETF 比較一覧表

まずは、今回ご紹介するETFの「個性」が一目でわかる比較表をご覧ください。「経費率」と、「投資戦略」の違いが特に重要な比較ポイントです。

ティッカー 投資戦略 経費率(年率) 銘柄数(目安) 地域分散
VOX 米国・幅広分散型(コミュニケーションサービス) 0.09% 約119 米国のみ
XLC 米国・超大型集中型(S&P500内のセレクトセクター) 0.08% 約23 米国のみ
IYZ 米国・電気通信サービス寄り(通信キャリア比重が高めになりやすい) 0.38% 約21 米国のみ
IXP グローバル分散型(コミュニケーションサービス) 0.40% 約68 世界各国

※銘柄数・上位構成は、VOXは2025年12月31日時点、XLC/IYZ/IXPは2026年1月28日時点の公式情報を参考にしています。経費率は各社開示の最新情報(確認日:2026-01-29)に基づきます。[1][2][3][4]


米国通信サービスETFの選択:分散か、集中か、それとも伝統回帰か

【VOX】バンガード米国通信サービス・セクターETF (分散・変化型)

  • 特徴: 約119銘柄(2025年12月31日時点)に幅広く投資し、大型株から中型株・小型株までを包含します。最大の注目点は、Meta(約23.2%)とAlphabet(約23.6%)の2社だけで約47%(2025年12月31日時点)を占める構造です。セクター定義の変更(2018年のGICS再編)により、従来の通信キャリア中心から、デジタルプラットフォーム/コンテンツ企業の影響が強いセクターへと性格が変化しました。[1][5]
  • 出典: 公式ファクトシート等(上位組入・指数・経費率)。[1]

【XLC】コミュニケーション・サービス・セレクト・セクターSPDRファンド (超大型・集中型)

  • 特徴: S&P500の中からコミュニケーション・サービス関連の23社(2026年1月28日時点)に厳選投資します。Meta(20.26%)とAlphabet(Class A 11.56%+Class C 9.24%)だけで約41%(2026年1月28日時点)と、集中度合いが強いのが特徴です。経費率が0.08%と低コストで、コスト面のメリットが明確です。[2]
  • 出典: 公式ページ(経費率・銘柄数・上位組入)。[2]

【IYZ】iシェアーズ 米国電気通信サービスETF (伝統的通信・特化型)

  • 特徴: 連動指数はRussell 1000 Telecommunications RIC 22.5/45 Capped Index(2026年1月28日時点の開示)です。保有銘柄数は21(2026年1月28日時点)と、VOXより絞り込みが強く、通信キャリア(AT&T、Verizon、T-Mobileなど)の比重が相対的に高くなりやすい構造です。一方、経費率が0.38%と、VOX/XLCより高めな点はデメリットになり得ます。[3]
  • 出典: iShares公式(指数・経費率・保有銘柄数)。[3]

グローバル投資という戦略:なぜ世界に目を向けるのか?

「米国企業だけに投資するのは、地政学リスクの観点から集中しすぎている」と考える投資家にとって、グローバルな分散投資は重要な戦略です。世界各国の優良通信企業にアクセスし、特定国の政策リスクや経済変動を分散する効果が期待できます。

【IXP】iシェアーズ グローバル・コミュニケーションサービス ETF

IXPは、そのグローバル戦略を実現するための具体的な選択肢です。米国を含む世界のコミュニケーションサービス企業に投資し、国・地域の偏りを相対的に緩和します(地域配分は常に変動)。[4]

  • 世界的なリーダー企業へのアクセス: 保有銘柄数は約68(2026年1月28日時点)で、米国に加えて各国の代表的企業にも投資します。[4]
  • コストとのトレードオフ: IXPの経費率は0.40%(確認日:2026-01-29)であり、VOX/XLCより高めです。グローバル分散の価値をどう評価するか、という視点での検討が必要になります。[4]

投資前に理解すべき通信サービスセクターのリスク

高い成長ポテンシャルが期待できる一方、通信サービスセクターへの集中投資には特有のリスクが伴います。

  1. セクター定義変更の影響: 2018年のGICS再編により、旧「Telecommunication Services」が拡張され「Communication Services」へ改称され、インターネットサービスやメディア/エンタメなどが統合されました。この結果、従来の「安定した高配当セクター」という見方が通用しにくくなり、成長株の影響が強い局面も増えています。[5]
  2. 巨大企業への集中リスク: 例えばVOXはMeta+Alphabetで約47%(2025年12月31日時点)、XLCはMeta+Alphabet(2種)で約41%(2026年1月28日時点)と、少数企業の値動きがETF全体に大きく影響します。[1][2]
  3. 規制リスク: 世界各国で、巨大プラットフォーム企業に対する独占禁止法や個人情報保護などの規制強化の動きが続いており、事業環境や株価の重しになる可能性があります。
  4. 金利敏感性: 成長株の比重が高いETF(VOXやXLCなど)は、金利上昇局面でバリュエーション調整を受けやすい傾向があります。一方、通信キャリア比重が高めになりやすいIYZは相対的にディフェンシブに見える局面もあります(ただし、個別銘柄・配分は変動します)。

通信サービスETFの進化:従来型から次世代型へ

通信サービスセクターは、技術革新とともに急速に変化しています。従来の「電話・インターネット回線事業」中心から、「デジタルプラットフォーム・コンテンツ配信・インタラクティブメディア」中心へとシフトしており、投資家はこの変化を理解した上で投資戦略を立てる必要があります。[5]

【まとめ】あなたの投資スタイルに合うのは?

  • 低コストでデジタル変革の恩恵を幅広く狙うなら → VOX
  • 超低コストで巨大企業の成長に集中投資するなら → XLC
  • 通信キャリア寄りの値動き・構造を重視するなら → IYZ
  • グローバル分散で国・地域の偏りを抑えたいなら → IXP

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。ETFの投資には元本毀損のリスクがあります。投資前には必ず最新の目論見書をご確認ください。

ミニ解説(短く)

  • 「同じ通信サービスETF」でも、指数の母集団(S&P500内か、米国市場全体か、グローバルか)と、銘柄数(分散度)がまず違います。[1][2][4]
  • さらに、上位企業への偏り(集中度)もETFごとに異なり、短期の値動きの「クセ」につながります。[1][2]

【注】(出典リンク)

  1. VOX公式(経費率・銘柄数・上位組入/2025-12-31時点) → Vanguard(VOX Fact sheet PDF) (確認日:2026-01-29)
  2. XLC公式(経費率・銘柄数・上位組入/2026-01-28時点) → State Street Investment Management(XLC Fund Page) (確認日:2026-01-29)
  3. IYZ公式(経費率・銘柄数・指数/2026-01-28時点) → BlackRock iShares(IYZ Product Page) (確認日:2026-01-29)
  4. IXP公式(経費率・銘柄数・指数/2026-01-28時点) → BlackRock iShares(IXP Product Page) (確認日:2026-01-29)
  5. GICS 2018再編(Telecommunication Services→Communication Services) → S&P Dow Jones Indices / MSCI(公式発表)MSCI(解説PDF) (確認日:2026-01-29)


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。



配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

VOXの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.19% 1.63 37% 137.4 33.7%
2023 1.16% 1.19 70% 102.8 1.4%
2022 0.69% 0.7 -44% 101.4 -26.3%
2021 0.91% 1.25 45.3% 137.5 40.2%
2020 0.88% 0.86 3.6% 98.1 13.1%
2019 0.96% 0.83 -58.9% 86.7 2.1%
2018 2.38% 2.02 -42% 84.9 -9.6%
2017 3.71% 3.48 30.3% 93.9 1.4%
2016 2.88% 2.67 -10.1% 92.6 7.8%
2015 3.46% 2.97 32% 85.9 0.2%
2014 2.63% 2.25 -30.6% 85.7 8.5%
2013 4.1% 3.24 31.7% 79 16.3%
2012 3.62% 2.46 23% 67.9 3.3%
2011 3.04% 2 5.3% 65.7 13.1%
2010 3.27% 1.9 25.8% 58.1 18.8%
2009 3.09% 1.51 10.2% 48.9 -16.3%
2008 2.35% 1.37 58.4

XLCの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.12% 0.96 65.5% 85.6 36.5%
2023 0.93% 0.58 16% 62.7 7%
2022 0.85% 0.5 -10.7% 58.6 -24.7%
2021 0.72% 0.56 27.3% 77.8 37.7%
2020 0.78% 0.44 7.3% 56.5 15.3%
2019 0.84% 0.41 -62.7% 49 3.6%
2018 2.33% 1.1 47.3

IYZの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 2.22% 0.52 4% 23.4 5.4%
2023 2.25% 0.5 -9.1% 22.2 -15.3%
2022 2.1% 0.55 -32.1% 26.2 -19.9%
2021 2.48% 0.81 5.2% 32.7 16%
2020 2.73% 0.77 13.2% 28.2 -3.8%
2019 2.32% 0.68 23.6% 29.3 3.9%
2018 1.95% 0.55 -46.1% 28.2 -11.9%
2017 3.19% 1.02 34.2% 32 2.6%
2016 2.44% 0.76 2433.3% 31.2 5.4%
2015 0.1% 0.03 -95.3% 29.6 -0.3%
2014 2.15% 0.64 -15.8% 29.7 11.2%
2013 2.85% 0.76 24.6% 26.7 16.1%
2012 2.65% 0.61 -1.6% 23 1.3%
2011 2.73% 0.62 -10.1% 22.7 10.7%
2010 3.37% 0.69 1.5% 20.5 17.1%
2009 3.89% 0.68 -6.8% 17.5 -21.5%
2008 3.27% 0.73 22.3

IXPの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 1.48% 1.3 42.9% 87.9 31.2%
2023 1.36% 0.91 18.2% 67 4.5%
2022 1.2% 0.77 -47.6% 64.1 -23.5%
2021 1.75% 1.47 113.% 83.8 31.3%
2020 1.08% 0.69 -47.7% 63.8 11.1%
2019 2.3% 1.32 -38.9% 57.4 1.8%
2018 3.83% 2.16 5.4% 56.4 -5.5%
2017 3.43% 2.05 -12.8% 59.7 -1.5%
2016 3.88% 2.35 4.9% 60.6 -1.3%
2015 3.65% 2.24 -69.9% 61.4 -5.5%
2014 11.45% 7.44 220.7% 65 4.2%
2013 3.72% 2.32 -14.4% 62.4 8.7%
2012 4.72% 2.71 -10.3% 57.4 -2%
2011 5.15% 3.02 22.8% 58.6 8.7%
2010 4.56% 2.46 11.8% 53.9 9.6%
2009 4.47% 2.2 -7.6% 49.2 -20%
2008 3.87% 2.38 61.5


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢