金銀・プラチナ・パラジウムETFを比較する(GLD・SLV・PPLT・PALL)
金、銀、プラチナ、パラジウム等の貴金属に投資する米国ETFのデータを比較してみます。
このページでは資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート等の情報を整理してみましょう
【貴金属ETF】金・銀・プラチナ・パラジウムへの投資法を徹底比較!
金(ゴールド)をはじめとする貴金属は、インフレヘッジや安全資産として、また工業製品に不可欠な素材として、多様な顔を持つ資産クラスです。この記事では、金・銀・プラチナ・パラジウムといった主要な貴金属に手軽に投資できるETFを、それぞれの特徴とともに詳しく解説します。
貴金属の種類と特徴
- 金 (Gold): 通貨価値の裏付けや宝飾品として長い歴史を持つ。「安全資産」の代表格。
- 銀 (Silver): 金と同様に金融資産の側面と、太陽光パネルや電子部品など工業用需要が大きい側面を併せ持つ。
- プラチナ (Platinum): 主にディーゼル車の排ガス浄化触媒や宝飾品として利用される。
- パラジウム (Palladium): 主にガソリン車の排ガス浄化触媒として利用される。
これらのETFは、基本的に分配金はありません。
① 単一の貴金属に投資するETF
【GLD】SPDR® ゴールド・シェア
金地金の価格(LBMA金価格)に連動する、世界最大級の金ETF。圧倒的な流動性が特徴です。
経費率 | 0.40% |
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【SLV】iシェアーズ シルバー・トラスト
銀地金の価格(LBMA銀価格)に連動します。銀の価格は、金融資産としての側面と工業用需要の両方に影響されます。
経費率 | 0.50% |
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【PPLT】abrdn フィジカル・プラチナ・シェアーズ ETF
プラチナ地金の価格に連動するETF。プラチナの需要は自動車産業(特にディーゼル車)の動向に大きく左右されます。
経費率 | 0.60% |
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【PALL】abrdn フィジカル・パラジウム・シェアーズ ETF
パラジウム地金の価格に連動するETF。パラジウムの需要はガソリン車の生産動向に大きく影響され、近年価格の変動が大きくなっています。
経費率 | 0.60% |
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② 複数の貴金属にまとめて投資するETF
どの金属を選ぶか迷う場合や、貴金属全体に分散投資したい場合に便利なバスケット型ETFです。ただし、投資対象が「現物」か「先物」かで大きな違いがあります。
【GLTR】abrdn フィジカル・プレシャス・メタルズ・バスケット・シェアーズ ETF (現物保有型)
金、銀、プラチナ、パラジウムの4つの貴金属の現物にまとめて投資します。それぞれの金属の価格に連動するため、貴金属全体の値動きを捉えたい場合に適した、分かりやすい仕組みのETFです。
経費率 | 0.60% |
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投資対象 | 金・銀・プラチナ・パラジウムの現物地金 |
【DBP】インベスコ DB プレシャス・メタルズ・ファンド (先物型)
金と銀の「先物契約」に投資します。現物保有型とは異なり、定期的に先物契約を乗り換える(ロールオーバー)必要があります。
DBPの注意点:「先物型」のリスク
DBPは先物に投資するため、将来の価格が高い「コンタンゴ」という状況下では、ロールオーバーの度にコストが発生し、金属価格が横ばいでもETFの価値が目減りするリスクがあります。このリスクを軽減する仕組み(オプティマムイールド)を採用していますが、リスクがゼロになるわけではありません。
経費率 | 0.77% |
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投資対象 | 金・銀の先物契約 |
まとめ:投資のポイント
- 安全資産として備えたい → 金に特化したGLD(流動性重視)や、より低コストなIAU(iシェアーズ・ゴールド・トラスト)が基本。
- 工業用需要の成長も狙いたい → 金融・産業の両面を持つ銀に投資するSLV。
- 自動車産業の動向を読む → 排ガス触媒として重要なプラチナ(PPLT)やパラジウム(PALL)に特化。EVシフトなどの長期的な変化も考慮が必要。
- 貴金属全体に分散したい → シンプルな現物保有型のGLTRが分かりやすい。先物の仕組みを理解した上で、異なる値動きを期待するならDBPも選択肢。
【出典・情報源】
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。